「なんだって…!?」
木製の机の表面に罅が入ると同時に、ドスの利いた声がこじんまりした部屋中に響き渡る
赤いバンダナを頭に巻いている彼の口元からは歯石が粉状になって散らばっている
「俺も最初は貴様と同じ反応をしたよ。
グヮン…」
「だけど……信じられないよ。
カイル様が死んだなんて」
色が濃くなった小椅子に腰をかけた青年、
スィルが重苦しそうに口を開き、
ロバートを怪しむ様に見つめる
「例のあの戦争……この国は一度滅んだ。王諸ともな……」
「……」
ロバートは吐息混じりに咳き込み、腰を矯正する
「我々の慕うカイルは消えた……さて、俺が言いたい事はわかるか?」
「…何がいいてえんだ…」
ロバートの口元がゆっくりとつり上がっていき、目の下に隈ができる程目を細める
「カイルの子を……試してみようじゃないか……」
最終更新:2012年06月15日 22:06