Bloody Requiem 過去ログ⑤

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レインド「そうか…(答えだけ聞くと、振り返らずにそのままスタスタと公園から抜け出す) 」
サリー「何者、かぁ…何度も短い人生を繰り返すうちに忘れちゃってた(背中を向けたまま) 」
レインド「………(その形相を目に入れると、瞳が小さく、大きく見開く)…お前…何者なんだよ…? 」
サリー「…でも大丈夫、きっと皆安らげる日が来るよ、この雨がやがて海になって、その中に溶けて眠りに付けるから…もう苦しまなくていいんだ(立ち上がり踵を返す、一瞬、耳まで裂けた口元が垣間見えた) 」
レインド「…(サリーの言葉に、脚を止める)(そう、最早今、俺の中にある”正義感”は皆無だ…だが、それでもこの俺を拒絶した世界は、この世界で愛を語る野郎共の為に護り続けたい…あまりにも貪欲か…)(その場で握り拳を作り、歯を食いしばって息が漏れる) 」
サリー「…(レインドを見送りながらコウモリ傘を開く)──どうせ平等に救いがないなら、全て救われない事が唯一の救いだって…… レインドさん、英雄じゃ何も救えないんだよ 」
レインド「そうか…流石にそこまで”零落れちゃ”いなかったんだな…(ブランコから重い腰を上げ、濡れている服の感触に気分を害しながら小さな足取りで歩き出す) 」
サリー「…さぁ、それはわからない。でもね、この世界に救いはないんだって、そう感じた時にこう思った 」
レインド「そうか……そん時さ、こんな自分が生きている世界を恨むだとか、そう言う事は考えたりしたか? 」
サリー「あったよ…施設に放り込まれて、不自然に不自由のない暮らしを与えられて、独りになって……母さんに会うこと以外考えられなかった。そんで、訳もわからずポックリ逝っちゃったけどね 」
レインド「人間てのは一つや二つの欠落はある…何かが足りないとか、必要とかな……サリーは生前、何の為に生きているのか分からない時はなかったか…? 」
サリー「(コウモリ傘を畳み雨を進んで受けながら首だけ向け作り笑いを浮かべる)…なぁに? 」
レインド「……そうか……………(一人という単語に対して、薄い反応を見せる)…なぁサリー 」
サリー「たはは、多過ぎて聞き取れないや…。でもね、たくさんの人が君の名前を呼んでたよ。叫んでた、たった一人が囁く以外に、憎々しげに 」
レインド「…(首を落とし、視線を再度、先ほどと同じ場所に向ける)………なんつってるよ…嘆きは……」
サリー「…(目から微笑みが消え、目を逸らす)…ごめんね、わかりきったこと聞いちゃって。私知ってるんだ、この雨の中に込められた嘆きが全部、全部…全部全部全部ゼンブゼンブゼンブ全部聞こえるから…嫌でもね 」
レインド「やめろそれ以上聞くんじゃねぇ…(口調が荒くなり、雨でない、雨越しでも分かる怯えた表情) 」
サリー「んっとね、私もよくわからないけど良くあるじゃん、悲しい事が起こった後に雨が降るとか(微笑んだまま)…また何かあったんだね、レインドさんは心当たりない? 」
レインド「何だそれ.意味分からないっての… 」
サリー「(微笑んだまま顔を上げる)んー…レインドさんには聞こえないのかな、『嘆き』…だよ 」
レインド「……はぁ?じゃあなんなんだよ…(首の角度は上げたまま、サリーに目線だけ向ける) 」
サリー「(相反して雨を気に留めず微笑んでいる)それは当たり前だよー ’’だってコレ雨じゃないもの’’ 」
レインド「そうだな……雨の音が…聞こえないんじゃないかな…?(意味深な事を口にすると、やっと視線を変えて首を上げる) 」
サリー「それじゃ、失礼します!(体重を背もたれに任して勢いよく座る)…ほんと不思議だね、声というよりテレパシーで伝わってるのかな? 」
レインド「どーぞ。雨越しでも何言ってるか分かるなんて、本当奇妙だな(サリーから目を離し、また一点を見つめる) 」
サリー「すっかり忘れちゃってるけど一応死人だからねー(手を離して黒いコウモリ傘を開く)…隣いい? 」
レインド「……はは、ひんやりでびちょびちょしてんな……サリー(覆われた目越しに笑む) 」
『だーれだっ』(レインドの視界が覆われる)
レインド「……(雨の中だというのに、防水でない携帯に対して何の配慮もせずにゆっくりと取り出し、雨水を含ませながら携帯を耳に持ってくる)……はい 」
レインド「…(不自然な雨の中、自然とその大量の粒の中に混じり、ただ一人身動きせずにブランコに居座り続ける)傘、持ってくりゃよかったなぁ… 」
♫~(レインドの携帯が鳴る) 」
黒くて、それでいて触れるという感触のない雨が降り注ぎ始める 月を囲むように不自然な雨雲が宙を漂っていた
レインド「カチ…カチ…(腕時計を手首に装着しており、今の時間帯とはまるでずれた数字に針が向いている)(黙って公園のブランコに腰をかけ、月をみる訳でもなく、ただ真っ直ぐを見続ける) 」







───→サリー「おやすみ、私のお人形さん。…そして、ただいま(その微笑みは、口元が耳まで裂けていた)

───「(静けさが戻った部屋。継ぎ接ぎだらけのローブを脱ぎ捨て、明るい色調のカーディガン、スカートに着替える。長かった髪を切り捨て…その容姿はある少女そのものだった)

────────………・・・プツンッ

一日に二回夢を見た事がある。最初はまだ歩く術すら知らなかった私が、まだ繋がっていた腕に抱かれ…身を任していた頃の夢。そして、もう一つは…貧しい暮らしだったけど、血が繋がっていなかったけど。家族がいて、私が、私のままで良いのだと心を許していた頃の夢。それは永遠に続くと思い込んでいた──

サリー「…!やめ………── 」
───「ねぇ…どうしてあなたがサリーなの…?最初ここに居たのは私だったのに…だった…のに…ね?(穏やかだった目つきが急変し三白眼になる)…ねえどうしてッ!?どうしてなのよ!返して、私の全部を返してよッ!!(大鎌化した腕を頭上に目掛けて思い切り振り下ろし) 」
サリー「意味がわからない…だって私がサリーでしょ…!?何を言って…ッ(やだ…やだ…!消えちゃう…!槭、マリーさん、みんな…やだ…こわいよ…こわいよ…!) 」
───「クス…おかしな子…。まるで生きているみたいに、本当に自分がサリーと思い込んでるみたいに怖がっちゃって…(首を掴む力を徐々に強め) 」
サリー「(両手が急に色素を失い、徐々に透明になってゆく、呼吸もままならず、恐怖を上回る絶望感が思考を支配した)────!…ハッ…やだ…やめてやめて!お願い!来ない…で…ッ! 」
───「(鏡の表面を水面のように歪ませ、這い出て顔と顔を密着させる)……つ…かー…ま、え…た……私の可愛い可愛い…お人形さん(微笑み口が耳まで裂ける) 」
サリー「──っかは…!うそ…やだ……!何これ…!く…るしい…冷たい!?(腕を両手で退けようと抵抗するがビクともしない) 」
ズァァァ……──ダンッ(鏡から伸びる骨と皮だけのような不気味なぐらい腕がサリーの首根っこを掴み壁に叩きつける)
サリー「ちょっと待っててね、すぐ終わらしてお茶出すから! バタン …やっぱりスカーフは水色の方が涼しげかな…。帽子は夏物だ……し……?(顔を上げて鏡を見る。そこに写る自分は痛んだフードを羽織り、覗く素顔には醜い継ぎ接ぎが幾つも刻まれていた) 」
我修院「サンマートと隣の建物の間…行ってみるか…私は待ちきれんよ!(出て行く) 」
来ヶ谷「 なんというか、常日頃から暇をしているので伺っただけなのだがな。まあ仕方ない… おい、どけ。退室の邪魔だ(我修院をどかさせて歩いていく) 」
サリー「やーい!お前ん家、おーばーけーやーしーきー!(カンタ感) サンマートと隣の建物の間行けば会えますよ(杜王町) ふー…これじゃぁネタバレし放題だよぉ…もいっかい見てこよ(洗面所に行き扉を閉める) 」
我修院「今まで見たことのないような極上の幽霊にめぐり合えると聞いて来たのだが…(サリーの後ろにいる) 」
来ヶ谷「 む?なんだ、そうなのか?それは失礼したな。 かんた君が危ない(おばけ屋敷探検隊感) 」
サリー「なにその目怖ッ!?でも嬉しいなぁ、見ててくれて(にこっ)…け・ど。まだ小物とか身につけていないし、楽しみにしてて欲しいんだからまだ見ちゃだーめ! 」
来ヶ谷なに、ずっときみのことを見ていた(意味深) 」
サリー「……ファ!?お姉さんいつの間に!? 」
サリー「…?(違和感を感じて鏡を二度見する)……なんともなってない…よなぁ。幽霊がなにビビってんだろうね!たはは!(踵を返して携帯を取り出す) 」
来ヶ谷「 ほう。案外似合っているじゃないか。(神出鬼没) 」
鏡から目を逸らす一瞬、鏡に写る自分が、実際の動きとは明らかに『遅れている』気がした 」
サリー「(鏡を見ながら麦わら帽子を被っている)(ちょーっと早いけどシーズンも近いし、カーディガンと相性も抜群!)…うん、悪くない悪くない!サイズもピッタリだしね。早くお披露目したいな(カーディガンを翻して一回転する) 」

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最終更新:2013年08月08日 23:31