キルライフⅢ レオニールストーリー 過去ログ1

—街ー


ガヤガヤガヤガヤ…ドゴォ!(ある街、歩道の一部を封鎖する様な人だかりが出来ており、その人だかりの中央では怒号と鈍い音が響く)

肌が青い男「オラァ立てや!(人だかりの中で、一人の女性を相手に暴行を銜えている) 」

女性「す、すい、ま……せん…! 」

坊主のサラリーマン「こりゃひでぇ……ありゃ魔物じゃねーか…最近噂には聞いてたが街に本当にいやがったんだな… 」

メガネのサラリーマン「するってーと…アレか、魔王様の手下ってことかな…あぁ、あの女ターゲットにされちゃったんだな…可哀想に 」

坊主のサラリーマン「俺達が手出したら、間違いなく魔王様の逆燐に触れちまう。この街も終わっちまうからなァ…あの女の子は気の毒だが…ここは大人しくこうしてもらわねぇと… 」

肌が青い男「ヒャハハ!誰も助けてくんねーのなァ!そりゃそうか魔王がバックについてりゃこうなるわなァ!!(ついには爪が変形し、獲物を狩る為の爪となる) 」

女性「だ、だれか……誰か助けてくださいッ…!!(顔にはいくつ物を顔が出来ており、服装の繊維も一部千切れ汚れている) 」

肌の青い男「ヒャハハハ!叫んでも誰も助けにこねーよ!!ここで死んじまいなァ~~~!!!!(大きく腕を振り上げる) 」

フードを被った青年「(肌が青い男の後ろから近づき、軽く肩を叩く) 」

肌の青い男「ぉぉ?(振り上げた腕を止め、顔だけで振り向く) 」

フードを被った青年「(振り向いた男の顔面目掛け、強烈な左ストレートを打ちこむ) 」

肌の青い男「ブファッ!!(左腕が頬に埋めり込み、地面に叩き付けられるように転がり店の看板を巻き込んで倒れ込む) 」

街人「あ、あいつやりやがったで……」「すげぇかっけぇぞ…!」「あかんて…あんなん助けたら魔王様が… 」

おいコラ!うちの看板壊すんじゃねえ!(店主の怒号) 」

女性「…(ポツンと倒れ込んだままで、その光景を見ておりポカンとした表情で固まっている) 」

フードを被った青年「(吹っ飛んだ男を横目に)…大丈夫ですか、怪我は? 」

女性「だ、大丈夫です……あの―― 」

肌の青い男「テメェ…俺が誰だか分かってんのかァ~……(殴られて変形した顔のまま、爪をちらつかせて立ち上がる)テメェ~~……俺は魔王様の手下だぞ…こんな事してただで済むと思ってんじゃあねぇだろうなァ…!!!(その表情、形相は魔物のソレと全く同じ) 」

フードを被った青年「気にしないでください、大丈夫ならそれで良いので ……来い、悪党(男に向き直り、右手を突き出して構える) 」

肌の青い男→魔物「ケケケケ…いや魔王様に言うまでもねぇ……てめえ終わりだああああああああ!(爪を最大限にまで伸ばし、素早い動きで青年へと飛びかかる) 」

街人「魔物だ…!もうダメだァーー!あの爪に一本でも襲われたらきっと終わっちまう!! 」

フードを被った青年「ああ、終わりだよ(右手で爪の軌道を逸らし、魔物に距離を詰め……顔面、先程と同じ箇所に左ストレートを打ち込む) 」

魔物「ヒャッ――!!(見事なまでに拳はクリーンヒットし、飛び込んだ勢いに応じて首が一気に捻曲がり道路線に出るように倒れる) 」

街人「お、おぉ…やりやがったぜアイツ…!魔物を素手で倒しやがった!」「すげぇぜ!アイツの強さは並大抵のもんじゃねーぞ……」「だけどこれじゃ『魔王』が…… 」

フードを被った青年「何が魔王だ、悪党が……俺は英雄になる、なってやる… 」

警察官「はいどいたどいた!……こ、こりゃ……!(道路沿いで顔面崩壊した魔物を視界にいれた後、青年を注視する)君…が、やったのかい? 」

フードを被った青年「そう、俺がやりました。 ……見過ごせなかったから 」

警察官「…(周囲のガヤを聞き、少し空気に嫌気がさすような表情で青年に寄り肩に手を置く)とりあえずきてくれ…大丈夫、罪状とか、そういうんじゃあない… 」

フードを被った青年「………大体の事情は分かりますよ、俺にも 」

警察官「それじゃあそれなりの演技だ。さぁ(街人から通路を作り、青年を誘導するように歩き出す) 」

フードを被った青年「……そう、ですね(さらに深くフードを被り、警察官に着いて行く) 」

ケイオス警察課 尋問室ー

警察官「こんな狭い部屋しかなくて申し訳ない、取調室は使われてたみたいだからね(尋問室に鍵をかけ、白いテーブルに備えてある片方の椅子に腰かける)座っていいよ 」

フードを被った青年「(警察官に軽く会釈し、椅子に座る) 」

警察官→ニック「俺は『ニック』だ。見ての通りここ(ケイオス刑事課)の者だ。さっきも言ったが捕まえる気はないからリラックスしていい…いや既にしてるか…君は? 」

フードを被った青年「ええ、今は……落ち着いてますよ、大丈夫(フードを脱ぎ)俺は…レオニールです 」 


ニック「レオニールか、善い名前じゃないか……君が相手したの、まぁ見て分かると思うけど魔物……アレを素手で倒したんだよね?武道かなんか? 」

フードを被った青年→レオニール「……そんな所ですよ、怪しいかも知れませんけど……おかげで、あんな奴に負けないぐらい強くなれた 」

ニック「そっか………さっき街人の一人が言ってけど女性を助けたそうじゃあないか。それで英雄になるとかって… 」

レオニール「ああいう悪党が許せないんですよ、俺は…英雄にね、ずっと憧れてた、あんな風に、戦いたかった……今の俺には、それが出来るから 」

ニック「アレが『魔王』の手下の魔物であったとしても…かい……… 」

レオニール「…戦って見せますよ、俺一人でも 」

ニック「なんというか、若いのに渋いね君(苦笑しつつ頭を掻き、少し態度を崩す)一応、僕はこの街を護ってる義理として、一般人も護らないと行けないんだけどね、まぁ君一般人じゃないけどさ、強さが……あの魔物がやられたって事は、きっと魔王はカンカンだろう。凄く怒ると思うよ。街を破壊するかもしれない 」

レオニール「………俺の事は、気にしないでください。今は、戦える立場なんです。 ……あんな奴等に、好き勝手させない。こっちから打って出てやりますよ 」

ニック「……凄い心構えだね…(鼻で笑って立ち上がる)それじゃあ君には…この街を護る『伝説』になって貰わないとね……レオニール……魔王が何処にいるかは分からないが、笑っちまう程近くにいるかもしれない。とりあえず君とはまた今度話しがしたい…(連絡先の書かれたメモをレオニールの目の前までテーブル越しに飛ばす)打倒、魔王…そんな人この課に誰も居ないからね…… 」

レオニール「望むところですよ、俺は…俺は戦えるんですから。近くに居るのなら、話は簡単になる……だけの話ですよ(メモを受け取り)何かあったら、連絡させてもらいますよ。 俺が魔王打倒を、遂げて見せますから 」

ニック「あぁ、思わぬ人材に巡り会えて良かった…好きに帰っていいよ(尋問室の扉を開ける) 」

渡辺「おい、ニック……こんなところにいたのか…早く机仕事するぞ……(扉を開けると偶然) 」

ニック「あーごめんなさい渡辺さん!ちょっととある事件の大事な尋問があって――(渡辺と共に事務室方面の廊下を歩く) 」

レオニール「………ええ、それでは(ニックと渡辺を見送った後、とびらから出る) 」




戻る


続き

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2014年06月06日 22:05