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ニシル「
メモリアさん… …は、はい…!(三人を静かに見送り、一人店内に残る)………――――――――――― 」
メモリア「・・・(不安そうなニシルを見て、にっ、と微笑む)大丈夫です、きっと、無事に戻りますから。(そう言って
セルドについて行く) 」
ニシル「……!…はい…――――(セルドの笑みに少しだけ勇気づけられるが、やはりその返事には後ろめたさを感じさせる) 」
ヒロ「…よっしゃ!(セルドに続く) 」
セルド「ん………大丈夫、全員何事も無く帰ってくるさ。心配ない(ニシルの弱々しい頷きを見て、勇ましいような不敵な笑みを見せる) よし、決まりだな…!ヒロ、メモリア、行くぞ!(店を出て繁華街へ向かっていく) 」
メモリア「・・・私は、・・・私も行きます、やれる事は少なくとも、セルドさんのお役に立ちたい・・・。 」
ヒロ「…アリゲーター、か……(日本刀を取り出す) 」
ニシル「セルドさ… ……(セルドたちを見て言い淀み、弱弱しく頷いた)……(あのアコーディオン…メモリアさんがいつも大切そうにしていた…。…セルドさんや、私と似ている…。)……(メモリアを見て、首にぶらさげたペンダントを握りしめる)」
セルド「(ヒロを見て頷く) 俺たちは繁華街に向かう。ニシルはすぐに家へ帰れ、必ず施錠しておくんだぞ…!(脱いでいたコートを乱暴に羽織り、ニシルに) ………(アコーディオンだけが、家族―――…)…め、メモリア、お前はどうする…!(悲鳴を耳にし、苦い顔を擦る) 」
ニシル「わわっ…!(周囲の状況を飲み込めずにいる)あ、あの…セルドさんは…!?(席を立つセルドを見上げ) 」
ヒロ「…アリゲーター……(例の連中、か…)…待てっ、俺も行く…!(スクッと立ち上がる) 」
セルド「セイセイセイセイ~ッ!(ヒロとハイタッチ) メモリア……(…俺には、兄がいたけど…こいつには誰も居なかったんだ。…支えになる人が…) ――――…っ。(男性が発する『アリゲーター』の単語を耳にし、店内の騒動に目を大きく見開く)ま、待って!皆さん落ち着いて!!いま冷静さを欠くと危険……ああ、くそ…!(玲華さんが言ってた、例のギャング……ッ!!)お前たち、念の為離れるんじゃないぞ(皆に伝え、席をゆっくりと立つ) 」
ザワザワ… ウワアァァァーーー!!!(男性が店を出た後、しばらくして誰かが悲鳴をあげる。それと同時に客や厨房のスタッフ等が慌てて店を出ていった)
ニシル「え…?そ、そうですか―――――――!(音に反応しぴくりと体が跳ねる)メモリアさん…。(メモリアさんも…ご家族の方がいないなんて。…私だけじゃない、んだ……――――)わっ、な、なんでしょうか…?!(アリゲーター…?)(男性の叫び声に驚きながら)
メモリア「私にとっての家族…それは目を覚ました時に隣にあった、このアコーディオンだけ…何も出来ない時は、ただこれを弾く以外にやることは無かった、これだけが、…私の家族…(アコーディオンの入ったケースを見る) 」
メモリア「親も兄弟も、何もいない、そんな空間で目を覚ましたのはおよそ五歳の頃だ、私は生きるのに必死だった、死にそうになりながら、外に出ては何度も草や木の実を探しに行った、それでお腹を壊しても助けてくれる人はどこにもいなかった・・・ 」
男性「ハァ ハァ…(店内の客全員の視線を一身に浴び、呼吸を整える仕草を取る)全員聞いてくれ…!『奴ら』が…ハァ… 戻ってきた―――――――――『アリゲーター』の奴らが戻ってきたァ!! ぃ…今、西の繁華街を暴れ回っているらしい…!!急いで遠くへ避難してくれぇ!!!(全員に向かって大声でそう叫ぶと勢いよく出ていった) 」
ヒロ「……ヴェイ!(勢いよくセルドとハイタッチ) 」
セルド「……ん。(鳴り響くベルに意識を向け、扉の方をちらりと見る) ……肉親、家族……居ないんだな。(メモリアに) 」
メモリア「・・・そうさ、それが思い出だとしても、たったそれだけだ・・・。・・・私は、何も無い、真っ白な空間で生を受けた、肉親なんてただの一人もいない、からっぽの空間で・・・。 」
カラン、カララン…♪(喫茶店入口の扉が勢いよく開かれる)
セルド「………俺の店に来た時のことは、覚えてるか?ちょっと強引かもしれないが、ああいうのも…思い出って言ってもいい気がするんだ。そんなに悲しそうな顔をしないでくれ、メモリア(心配の色を含む優しい声で) お前は本当にころころと表情が変わるよな…見ていて飽きない。(腕を組んでどこか微笑ましそう) だからそういうの照れるってば、まぁ……なんだ。これからもひとつ、よろしくな。ヒロ!(手を上げてハイタッチ要求) 」
男性「ハァ ハァ ハァ―――――(その時、荒い息を立てながら一人の男性が喫茶店に向かって走ってくる) 」
ヒロ「俺たちに会えてよかった…そう思っているんだろ?感謝せずにはいられんよ…(ニコッとセルドに) 」
ニシル「ぁ… …あぅ…(セルドの言葉で、もとの赤らめた表情に戻ってしまう)……??(メモリアさん…?)(メモリアの様子を心配そうに伺い) 」
メモリア「・・・私は、空虚だ・・・、思い出と言えるものは、何一つ・・・無い・・・。(悲しげな表情で、斜め下を向いて口にする) 」
セルド「ははっ…そんな顔されちゃあな。俺も協力のしがいがあるってもんだよ(ニシルの笑顔を見て満足気に柔和な表情をする) 」
ニシル「――――――!(セルドの言葉に、ふわっと髪をなびせながら彼の顔を見上げるように見つめ、今にも『ありがとう』と飛んできそうな嬉しそうな笑顔を浮かべた) 」
ヒロ「…(俺は今は幸せを掴むという夢の途中だが…掴みたい、じゃない…掴むんだ…) 」
セルド「…なんだよ、照れるだろ。(ヒロに『俺の方こそ』の意を含んだ微笑を返す) (ニシルの前者の言葉を聞き、『ありがとう』の意を含んだ笑みをこぼす)―――――協力するぞ、ニシル。 ……そうか?それは…嬉しいな。でもメモリアだって、大切な思い出の一つや二つはあるんじゃ?(口元を緩ませて) 」
メモリア「思い出・・・愛情・・・いいですね、素敵です・・・正直、羨ましいな・・・。(ちょっと寂しそうな表情で) 」
ニシル「私、セルドさんの懐中時計…好きに、なりました…。(照れくさそうに懐中時計と、それを握り締めるセルドを見ながら)……!(セルドさんの幸せ… その中に、私もいるのかな…。 )―――――――――…私も幸せを掴みたい…」
ヒロ「…それで、弁当屋を始めたのか……ありがとうな(セルドに微笑み返す) 」
セルド「…そういうことだ。どこまでも大切なもので、何にも勝る宝物で、どうしようもなく…思いの篭った懐中時計だ。(目を伏せて懐中時計を握る)……俺が弁当屋に勤めているのも、この件がキッカケでさ。未熟すぎたんだ、俺は。……でも悪いことばかりじゃない、お前たちはようやく掴んだ俺の幸せだ…弁当屋にいなきゃ、きっと会えなかったよ(ニッと笑み、プロローグで言ったようなセリフを含んで) 」
ニシル「…… …… ……だから、それは――――――セルドさんにとって、本当に本当に大切な、懐中時計…なんですね…。(暗い表情の中に、セルドと似た、その『光』への憧憬が含まれていた)……それほどに"思い"のこもったもの…。」
ヒロ「…そうか、兄貴が庇ってくれたから、お前は‥…つまり、その懐中時計は守ってくれた兄貴から譲り受けた宝物ってわけか… 」
メモリア「その懐中時計は、お兄さんから頂いた大切な物だったんですね・・・。 」
セルド「兄さんが俺と剣の間に滑り込んできた。絶望的に後悔したよ、兄さんに大怪我をさせてしまったことと、兄さんに憧れたことを一瞬でも後悔した自分にな。俺のではない血で目の前が真っ赤になった時に……兄さんの懐から黄金色に輝く光が見えた。それからのことはよく覚えていなくて、目が覚めた時には何もかも終わってた。……目が覚めた次の日かな、兄さんからあの懐中時計を貰ったのは。『失くすんじゃないぞ』ってさ…子どもじゃないのに。…あの時に見た光に感じたものと、この懐中時計から感じるものが不思議と似ていて…もしかすると、何か起きた時に兄さんみたいに守ってくれるんじゃないかって思ってるんだ。 」
ヒロ「………(黙って話を聞いている) 」
メモリア「・・・ううっ・・・。(セルドの語る場面を想像してしまい、思わず目を瞑る) 」
ニシル「…セルド…さん……(初めて知るセルドの壮絶な過去を前に、瞬くことすら忘れてじっとセルドを見つめている) 」
セルド「膨大な数の相手を前にしても、兄さんの立ち回りは見事なものだったよ…峰打ちであれほど戦えるものなんだなって感動すら覚えた。それに比べて俺は情けないもんで…互いに背を預かり合うように戦っても護られてばかりだった。そこで俺は―――――遂に人生で一番の失態を犯した。得物を弾き飛ばされて、転倒だ。戦場のど真ん中でな……こんなの、「どうぞ殺してください」って言ってるようなものだ。目の前の兵士が剣を振りかぶった瞬間に後悔した、なんで兄さんに憧れて中途半端に戦う力をつけたんだろうって。力が無かったら俺がここまで前線で戦うこともなかったと思ったんだろうな…そして俺が死ぬはずだった瞬間――― 」
セルド「それはまるで予定されてたように起きて、俺たちの日常は無残に崩れ去った。―――内戦、死人が出るほどの武力紛争が勃発した。誰が画策したのかは今でもわかっていない事件なんだが…内戦勃発から数日後、兄弟揃って俺たちは徴兵されたんだ。…正直、震えたよ。戦争がどれだけ惨たらしくて残酷なのかを思い知らされた。
ヒロ「…へぇ、お前の兄貴って
政府軍の人なんだな!…何も、なければ…?(…何か、あったのか…?)(セルドに) 」
ニシル「……!(政府軍…!せ、セルドさん…政府に入るつもりだったんだ。すごい…とっても大きな夢…。)…わぁ、それはすご――――――?(セルドの最後の発言にぴょくりと硬直する) 」
メモリア「何も、無ければ・・・。(真剣な面持ちで、話を聞いている) 」
セルド「いいんだよ、誰かにこの話をするのは初めてだけど…どうせ話すなら、お前たちが良い。(面々を見て) ――――忘れもしない。数年前に故郷の士官学校へ通っていた頃の話だ。……俺は兄さんが務める政府軍に憧れててさ、入学からずっと政府軍への夢を追い続けてて…成績の方もそれなりに優秀だった。このまま何も無ければ、卒業した後には確実に政府軍に入隊できるってところまで来てたんだ。"何も無ければ"。」
ヒロ「…(…あれ、そういうことじゃない…!?)メモリアの表情を見て察する)…あぁ、俺はいつでもokだ…(セルドに) 」
メモリア「・・・。(そういう意味じゃないんだけどなぁ、といった表情でヒロを見てる)ええ、構いませんよ。(セルドにこくり、とうなずく) 」
ニシル「……セルドさんの言いたくないことは、できれば聞きたくはありませんが… …そ、それでも…セルドさんが良いのなら……(ごくりと息を飲み) 」
セルド「最初に断っておくけど…決して気分の良い話じゃないんだ。それでも聞いてくれるか?(目を伏せてニシル達に) 」
ヒロ「とは言ってもなぁ…病院は確かに寂しいし寒さも倍になるってのはわかるが…(メモリアの顔を見ながら) 」
ヒロ「素敵な話じゃねぇか…俺もお守りを持つときはそうやって信じたいな…(セルドの懐中時計を見る) 」
メモリア「・・・素敵ですね、・・・きっと、守ってくれるはずですよ。(微笑む) 」
ニシル「……?(…『あの日』…?)(セルドの穏やかな表情を初めて目の当たりにしたせいか、呆然と見つめている) 」
セルド「ははっ…ありがとうな。(ニシルの笑みを見てほっとするような感覚)……もしかすると、この時計が俺のことを本当に守ってくれる時が来るんじゃないかって。――――『あの日』みたいに。(穏やかな表情から一変し、最後に苦い表情を見せる) メモリアも感じるか?…本当に何なんだろうな、これって(メモリアの一言を聞いて) 」
メモリア「ああは・・・見逃されておきます。(苦笑いする)・・・何というか、神秘性を感じますね・・・。(少し覗き込むように懐中時計を見て、一言) 」
ニシル「お守り、ですか……とっても素敵なお守りだと思います。(懐中時計を見ながらにこりと笑う)ふぇ…?…ん…ぁ、た、確かに…。(なんだろう…不思議な感じがする……)(セルドのそれに、だんだんと惹き込まれていくように) 」
セルド「今回は見逃すけど、俺もヒロに賛成だからな?(苦笑したままヒロの話に便乗し、メモリアに) ああ、それ以来はずっと身につけておくようにしてる。まぁ、その~…お守りみたいな物だよ。上手く言えないけど…この懐中時計って不思議な感じがするだろ?(どこからどう見ても懐中時計だが、"ただの"懐中時計ではない雰囲気) 」
メモリア「病院は、風が冷たくて嫌いですから・・・(珍しく、少し陰りのある表情で口から零す)ええ、しっかりと治します。(ニコ)よかった・・・覚える事ができて、安心しました・・・。(安堵の言葉と共に、表情が緩む) 」
ニシル「わっ…(メモリアさん…まだ完治していない… …ていうか、以前よりひどくなってる…??)(メモリアを心配そうに見つめる) 」
ニシル「……(セルドさんの…大切なもの…。)…セルドさんの物、なんですか…?(懐中時計を覗き込むように見つめながら) 」
ヒロ「…お、セルドに二シルちゃんに……メモリア!?おい怪我は大丈夫なのか!? 」
セルド「なんてね、冗談だよ(くくっと笑う)ニシルの言う通り、大事なものだからな……何があっても絶対に手放すつもりはないんだ(懐中時計と閉じ、鈍く輝く表面を眺める) ……ま、まぁメモリアがそう言うなら……信じるからな(頬をぽりぽりと掻いてメモリアに) 」
メモリア「あはは・・・そう心配なさらずとも、ムリをしなければ何の問題も無い程度には、回復しましたよ。(ニコ、と微笑み紅茶を一口、辛さの消えたいつもの笑顔だ) 」
ニシル「ほわ…ヒロさんもいた。(汗)ほわわっ!そ、そんなつもりで見てたんじゃ…!(゚Д゚;) て、ていうか…だ、駄目ですよ…!そんな… …そんな……大事そうなの… 」
セルド「……(ニシルの不思議そうな視線に気がつく)…売ってやろうか?(ニ、と口角が上がり) ヒロまでいたのか…!…嬉しいな、みんなもこの店知ってたんだな…!(ヒロを見て) 奇遇ですね、じゃないだろ…!アンタはまだ動き回れるような体じゃないんだろ…!?(メモリアの白衣を見て) 」
メモリア「おや・・・セルドさん、奇遇ですね・・・。(良く見なくても、いつものコートではなく、病院の患者が着るような白衣を着ている、・・・お忍びらしい。) 」
ニシル「ふぁ…?あ…!(セルドに続きメモリアを見つける) 」
ヒロ「…(メモリアやセルド達から離れた席でコーヒーを飲んでいる 」
ニシル「ははは…私も―――――?(黄金(こがね)色に輝く懐中時計を見て)…わぁー……(セルドのそれを不思議そうに見つめる) 」
セルド「お……メモリア…?!(少し離れた席のメモリアを見つけて) 」
セルド「本当だよ…まだ10月だっていうのに。どうしても秋から冬は苦手なんだ…(カチリ、と音を鳴らして懐から金色の懐中時計をそれとなく取り出し、時刻を確認する) 」
メモリア「ズズズ・・・。(二人からちょっと離れた位置の席に座って、紅茶を飲んでいる) 」
ニシル「そうなんですか。素敵なところですね…。(店内を見渡しながら席に座り、外の景色を眺める)やっぱり店内はあったかいですね…。(ふぅと一息つく) 」
セルド「―――とまあ、ここが俺のオススメ。休日にはたまに来るんだよな(壁がガラス張りで景色が見えるテーブル席に座る) 」
――青年少女移動中...――
ニシル「わぁ、本当ですか?で、では…(セルドと同行する) 」
セルド「喫茶にか?(上着のポケットに突っ込んでいた手を出す)そりゃ名案。いいよ、この近くなら良い店を知ってるんだ(片手を自分の腰に当てる) 」
ニシル「は、はい…そうですね…。(苦笑しながら肩を摩っている)…あ、あの… …近くの喫茶へ行きませんか?そ、外は寒いですので…。 」
セルド「(ああ、ニシルも俺と同じで寒いんだな…可哀想に…。俺たち冬になったら死ぬんじゃないかな…)(極度の冷え性)あぁ、こんばんは。もう一枚上着を着てくるべきだったな…(同情の目) 」
ニシル「ものほん!?(汗)わわっ…ここ、こんばんはセルドさん…!(うぅー…な、慣れない…この感じ…!)(セルドを前に緊張しているが、セルド自身には寒さで震えているようにしか見えない) 」
セルド「(に、ニシルの幻覚まで見えてきた…もうダメだ、その後に俺の姿を見るものは誰もいなかっ―――)えっ、本物?(飛び上がったニシルの声を聞ききょとんと) 」
ニシル「うぅー…こんな時は、何処か喫茶店に……!(向かいから現れたセルドとばったり出会い)…あ…セ、セルドさ…ぎょっ∑(=゚ω゚=;)(セルドの顔を見て飛び上がる) 」
セルド「(寒い…まずい…眠くなってきた…凍える…そうしたら…凍死ッ…!)ガタガタ…(青い顔をして震えながらニシルの向かいから歩いていくる) 」
ニシル「とことこ…(両手を摩りながら歩いている)うぅ…コーヒー(以前
ジルコーからもらったもの)なくなっちゃったら寒いな…>< 」
最終更新:2014年12月28日 12:28