== 概要 ==
かつて存在し、何らかの理由で崩壊・消滅した次元神と呼ばれる存在の意思の欠片。
「次元力」と呼ばれる大いなる力を引き出す鍵で、一時間軸の平行世界に一つまでしか存在していない。
しかし
ケイオスのような特殊な環境により人や物が他世界から引き寄せられ、一堂に会することはある。
次元力(Dimension Power)
その全てを理解するものはそれを統括する次元神以外に無いと言われる未知のエネルギー。
「複数の次元において共通に発揮される力」「全ての力の源となる原初的な力」のような性質を持つ力であるとされる。
恒星に由来する破壊と再生の力とされ、これを制御するということは、全ての事象を制御するに等しい。
太陽の通り道である黄道は次元力の流れそのものであり、そこにある十二の星座はそれぞれに次元力を発している。
それらを扱うためにはそれぞれに対応したスフィアが必要である。
次元力の本質は「霊子を介した意志による事象の制御・法則の変換」であり、これはすなわち因果律の操作に等しい。
ただの操作と違うのは、既に成立している概念をも無視して改変できる、ということである。ある物体がその物体として存在している、という事実を解明・制御することで、
それを全く別の物体に変換することが出来、元素の組成をも操ることが出来る。
これを「使用」するに当たっては、強い想いが絶対の条件となるほか、いくつかの段階があり
第一段階:無限エネルギーの抽出
第二段階:周囲の事象の限定的な制御
第三段階:広範囲の事象の強力な制御
最終段階:あらゆる事象の完全制御
とされるが、ケイオスの超次元物理学では一般には第一段階までしか解明されていない。
政府の一部上層階級にのみその上の段階が解明されているとされる。
== 基本性質 ==
全部で12個が存在し、共鳴・覚醒させることで"ステージ"を上げ、更なる力を引き出せるようになる。その段階に至った物を「スフィア・リアクター」と呼称する。
黄道十二星座に対応した名を持ち、それぞれが対応する人間の精神の動きによって発動・行使される。
外見は緑色をした宝石のようなもので、次元力を引き出す際に翠緑の光を放つ。
"次元力を引き出す"という作用がスフィアの能力であるため、スフィア自体が固有のエネルギーを作り出しているわけではない。
言わばエンジンのような役割である。
次元力の作用によって身体能力の強化や能力・魔法等の増幅にも使うことができるため、
武器などに組み込んでいたり、宝石として身に着けていたり、リアクターによって様々である。
太陽の通り道である黄道の12星座に対応し、太陽に集約されたそれぞれの星座の次元力を引き出す効果を持つ。
その条件を満たすのに適しているのが地球、及びケイオスである。
十二星座の名前を持っているが、覚醒前の段階では外見も性質も同じなので区別がつかない。ただし、リアクター同士ならば相手のスフィアの名前を何となくのレベルで理解することが可能。
=== ステージ ===
スフィアの覚醒段階を表す用語。
ファースト・ステージではただの動力源であり、誰にでも使うことが出来る。
この段階でのスフィアの所有者はただの所有者であり、スフィアに選ばれた「リアクター」とは呼ばれない。
セカンド・ステージ以降は引き出した次元力による事象制御が可能となるが、このステージに至るにはスフィアの司る感情を精神の根幹に持つ、つまりはスフィアに適合した資質が必要となる。
この資質を持ち、かつセカンド・ステージへ到達して初めてリアクターとなる。
また、ファースト・ステージと比べると次元力の抽出量が段違いであり、引き出せるエネルギーの量が格段に増す。
ただし、同時にリアクターはスフィアの属性に応じた"反作用"を受けることになるため、大半がここで脱落・死亡する。
スフィア一覧
=== 牡羊座 ===
星座のモチーフは、継母の謀略によって生贄にされかけた兄妹を救うためにゼウスに遣わされた金の皮を持つ羊。
ちなみに、妹は羊に乗って逃げる際、あまりの速度に耐え切れずに転落死してしまった。
性格分類においては、「強い自意識」を司るとされる。割り振りは男性。
タロットでは「皇帝」のアルカナと関連付けられる。
このカードのデザインは「社会的権力の象徴」を、正位置が「権威」「安定」「意思」「行動力」を意味し、
逆位置が「無責任」「傲慢」「横暴」「傲岸不遜」を意味している。
=== 牡牛座 ===
星座のモチーフは、ニンフの女性エウロペに恋したゼウス(ギリシャ神話の主神)が変身した白い牡牛。
この牡牛はエウロペを乗せて孤島であるクレタ島へと連れ去り、そこで正体を現して求婚するというなかなか無茶なアクションを起こしている。
性格分類においては、「マイペースで頑固」という性格を司る。割り振りは女性。
タロットでは「教皇」と関連付けられる。
「教皇」の寓意は正位置が「慈悲」「連帯」「優しさ」「規律・法の遵守」、
逆位置が「守旧性」「束縛」「独りよがり」「逃避」「おせっかい」。
=== ふたご座 ===
星座のモチーフは、カストールとポリデュークスという双子。
このうち、弟のポリデュークスは半人半神の不死身、カストールはただの人間であった。
ある日イリスとリュンケウスという別の双子との諍いの結果、カストールは殺されてしまい、ポリデュークスは大いに悲しんだ。
そこで、ゼウスはポリデュークスの神性をカストールに分け与えたという。なお、カストールもポリデュークスも双子のもう一方は両方女性である。
性格分類においては、「社交性」を司るとされている。割り振りは男性。
タロットでは「恋人」と関連付けられる。
「恋人」の寓意は正位置が「絆」「趣味への没頭」「試練の克服」、逆位置が「不道徳」「空虚」「結婚生活の破たん」など。
=== かに座 ===
星座のモチーフは、英雄ヘラクレスによって踏み殺された化け蟹カルキノス。
異父兄弟であるヒュドラ退治にやってきたヘラクレスを倒そうとしたがあっさりと踏み潰されてしまった。
性格分類においては、「保守的」を司る。割り振りは女性。
タロットでは「戦車」と関連付けられる。また、このカードのデザインは「宿命」「変容」を表しているとされる。
「戦車」の寓意は正位置が「勝利」「征服」「行動力」「積極性」「解放」、逆位置が「暴走」「不注意」「身勝手」「挫折」「焦り」「好戦的」。
=== しし座 ===
星座のモチーフは、英雄ヘラクレスによって討ち取られたネメアの森に住まう人食いの大獅子。
分厚い毛皮と甲羅のような筋肉で斬撃でも打撃でも傷つく事は無いという怪物。
散々暴れまわり、ヘラクレスとの死闘でも武器を受け付けずに有利に戦うが、最終的にはヘラクレスに締め上げられて窒息死した。
性格分類においては、大胆で激しいという性質とともに「力の象徴」を司っている。割り振りは男性。
タロットでは「力」のアルカナと関連付けられる。
「力」の寓意は正位置が「強固な意志」「不撓不屈」「理性」「勇気」「冷静」、逆位置が「甘え」「人任せ」「優柔不断」「権勢を振るう」。
=== おとめ座 ===
星座のモチーフは正義と天文の女神アストライアー(冥王ハーデスに誘拐されて娶られてしまった、春と花の女神ペルセポネという説もある)。
彼女は争いを続け神に見放されつつある人間を最後まで信じて地上に残った女神であるが、やがて絶望してしまう。
性格分類においては、「自然を愛する心」を司る。割り振りは女性。
タロットでは「隠者」のアルカナと関連付けられる。
「隠者」の寓意は正位置が「経験則」「思慮深い」「思いやり」「単独行動」、逆位置が「閉鎖性」「消極的」「誤解」「悲観的」。
=== 揺れる天秤 ===
- 星座:てんびん座
- リアクター:槭
- 搭載装備:コア・キューブ
- 発動キー:「意志」
- 反作用:「判断力の消滅」
槭が
クレアから託されたコア・キューブに搭載されていたスフィア。どの世界にあった物なのかは不明であり、またクレアがそのリアクターであったのかも不明。
「迷いの中でも折れることのない強い意志」によって力を発揮する。
反作用としてリアクターの意志を目の前の感情に向けさせることで本質から目を逸らさせる。
戦うに当たってはどうしても「怒り」や「悲しみ」、「憎悪」や「愉悦」などの感情が起こるため、それらの感情に固執してしまうことで意思を貫く判断力を低下させる。
また、それらのネガティブな感情にのみ意識が向いてしまうことで"暴走"を引き起こしてしまう恐れが存在する。
天秤座(リーブラ)
星座のモチーフは、乙女座のモチーフであるアストライアーが持っていた善悪を測る天秤。
幾度となく善悪を測り続けてもなお悪化していく世界に絶望したアストライアーは、とうとうその天秤を捨ててしまう。地球時代に善悪の感情に揺れ、自らの行いや周囲の言動に絶望して地球での生を捨てた槭と重なる。
割り振りは男性。
性格分類においては「個人主義」を司り、これが迎合せず己を貫くことを力とすると思われる。
正義
タロットでは「正義」のアルカナと関連付けられる。
そのため、このスフィアにとっての正義とは「どんな形であれ折れることのない強い意志のこと」である可能性は高く、それを証明できる者が力を引き出せるということかもしれない(実際、槭は様々な想いに揺れるため意志が弱いように見えるが、"自分から何かを奪うと見られる相手"に対しては強い意志で立ち向かう傾向にある)。このカードには天秤が描かれているが、左右の皿のサイズが異なっている。公平とは対称でないことを示しており、割に合わない苦労を背負いがちだがその行動を起こさなければ精神の均衡を崩してしまう槭と重なる。
ちなみに、「正義」の正位置は「公正」「誠意」(例:幸福を願う想い)を意味し、逆位置は「不均衡」「被告人」(例:不幸を巻き起こす行動)を意味する。
また、天秤は弁護士の象徴である。すなわち、片方には罪、片方には罰が乗せられるということである。過去の贖罪で自己を犠牲としなければ自身の存在を許せない槭の生き方を暗示するかのようである。
=== さそり座 ===
星座のモチーフは、狩人
オリオンの傲慢に怒った女神の使いで、オリオンを刺し殺した蠍。
性格分類においては、「探究心と持久力」を司る。割り振りは女性。
タロットでは「死神」に関連付けられ、このカードは「人間としての過去と未来の消滅」「静止」を暗に表しているとされる。
ちなみに、「死神」というのは通称に過ぎず、このカードのみ名前というものが存在しない。
「死神」の寓意は正位置が「終末」「破滅」「離散」「死の予兆」、逆位置が「再スタート」「新展開」「挫折からの復帰」。
=== いて座 ===
星座のモチーフは弓の名手であったケンタウルスの青年・ケイローン。
アポロンとアルテミスから数々の叡智を授かり、それを以ってカストール(双子座)やアスクレピオス(蛇遣い座)などの後の英雄達の師となったが、
ヘラクレスの放った毒矢が偶然刺さってしまい、苦しみに耐えかねて不死の権能をプロメテウスに渡して落命した。
性格分類においては、「発展願望」を司る。割り振りは男性。
タロットでは「節制」に関連付けられる。
「節制」の寓意は正位置が「調和」「節度」「献身」、逆位置が「浪費」「消耗」「生活の乱れ」。
=== やぎ座 ===
星座のモチーフはヤギ頭の牧神アイギパーン。
性格分類においては、「下心のない信頼関係を重んじる」ことを司る。割り振りは女性。
タロットでは「悪魔」のアルカナと関連付けられる。
「悪魔」の正位置は「堕落」「裏切り」、逆位置は人に知恵を与えた者として「覚醒」「新たな出会い」を意味する。
=== みずがめ座 ===
星座のモチーフは、ゼウスの給仕を務めた美少年ガニメーデスが持っていた、神の酒ネクタールが溢れ出る水瓶。
性格分類においては、「自己愛」を司る。割り振りは男性。
タロットでは「星」のアルカナと関連付けられる。
「星」のタロットが示す寓意は正位置が「希望」「ひらめき」「願いが叶う」、逆位置は「失望」「無気力」「高望み」。
=== うお座 ===
星座のモチーフは、宴に乱入してきた怪物テュポーンから逃げる際、魚に変身した後はぐれないように互いをリボンで結んだアフロディーテとエロースの親子。
性格分類においては、「感情の豊かさ」を司る。また、「不安、障害、犠牲的奉仕」といった特性もある。
タロットでは「月」と関連付けられる。割り振りは女性。
「月」のタロットが示す寓意は正位置が「不安定」「隠れた危険」(「隠れた敵」とも)「現実逃避」「猶予なき選択」、
逆位置が「過去からの脱却」「失敗に繋がらない過ち」「未来への希望」「すぐれた直感」。
最終更新:2016年08月23日 23:10