仮面ライダークウガは、2000年1月30日から2001年1月21日までテレビ朝日系で毎週日曜8:00 - 8:30(JST)に全49話が放送された、東映制作の特撮テレビドラマ、および作中に登場するヒーローの名称である。
平成
仮面ライダーの一番初めであり踏み出し地点と言えるべき作品である。
キャッチコピーは「A New Hero. A New Legend.」
仮面ライダークウガ あらすじ
西暦2000年。長野山中の九郎ヶ岳において謎の遺跡が発掘されようとしていた。しかし、遺跡の中に置かれた棺の蓋を開けた時、突如現れた謎の存在によって調査団は全滅させられてしまう。調査団殺害犯の手がかりを得るため遺跡を調査していた長野県警刑事・一条薫の前に、無断で遺跡に入ろうとする若い男が現れる。問いただす一条に、その男は冒険家・五代雄介と名乗った。
やがて復活した異形の者たちが長野近郊に出現し、人々を無差別に襲い始めた。遺跡からの出土品で警察に保管されていたベルト状の遺物から、雄介は戦士のイメージを感じ取り、次々に犠牲になる人々を目の当たりにし、冒険家の勘に従い腰にそれを装着する。すると雄介の体は、気合と共に装甲に覆われていく。変身した雄介は県警を襲う怪人に立ち向かい、苦闘の末に敵を一時退け、一条に向けて得意のサムズアップをきめた。
だがこの騒動は、やがて起こる“未確認生命体事件”の序章に過ぎなかった。
- 仮面ライダークウガ 変身者【五代雄介】(ごだいゆうすけ)
モチーフはクワガタ。裏モチーフは新世代のライダー第1号ということで仮面ライダー1号と、バッタではなくクワガタがモチーフとなった理由の一つとして、力強さを外見に現す意味でカブトムシをモチーフにした仮面ライダーストロンガーもデザインの参考にされた。
多数のフォームを持っていることからも技の1号や初のフォームチェンジ能力を持ったストロンガーとの共通性を持つ。
超古代民族リントが、使用者の願いを具現化する力を持つ霊石“アマダム”を埋め込み作り出した変身ベルト・アークルを装着し、変身した戦士。
アークルには心清き者でなければ装着できないようプロテクトが施されており、超古代では、九郎ヶ岳遺跡の棺に埋葬されていた人物がクウガに変身していたとされ、グロンギの封印を永遠のものとする為に、自らもアークルと共に棺に入り封印を司っていたという。
西暦2000年、発掘された棺を開いてしまったことでグロンギは復活。アークルは心優しき青年、五代雄介へと受け継がれ、装着した彼の身体の中に吸収されていきクウガへと変身させた。雄介は、対峙したグロンギが自分に向けて放った言葉の中に「クウガ」という単語を聞き取り、それからこの名を使うようになった。世間では「未確認生命体第4号」と呼称されている。
アマダムは装着者の負傷を短時間で回復させ、命に関わるほどの重傷を負った場合は装着者を仮死状態にして癒す機能がある。
その一方で、変身する度に装着者の神経細胞を侵食し、それが脳まで達すると戦うためだけの生物兵器へと変貌させる危険性がある。
装着者の意志にアークルが呼応すると、アマダムが持つモーフィングパワー(物質を原子・分子レベルで分解・再構成する能力)で、不完全なグローイングフォーム、基本となるマイティフォーム、
ドラゴンフォーム、ペガサスフォーム、タイタンフォームといった多彩な形態へ装着者を変身させる(雄介は「超変身」とも呼ぶ)。
更に五代雄介が蘇生処置の際に受けた電気ショックによってアマダムは変質していき、基本フォームそれぞれの発展系である4つのライジングフォーム及び、更なる強化体であるアメイジングマイティへの変身能力を得る。
闘争本能に呼応すると、装着者を戦うためだけの生物兵器であるアルティメットフォームへ変えてしまう。フォームの総数は11種 (アルティメットフォームを目の色で区別すると12種)。
各フォーム
身長:190cm、体重:90kg 最大速力:100mを7.2秒で走る、ジャンプ力:ひと跳び10メートル
パンチ力:約0.7トン、キック力:約1トン 視力:人間の数十倍、聴力:人間の数十倍
不完全形態。基本カラーは白。他のフォームに比べて角が短い。ボディの形状はマイティフォームに酷似している。
物語序盤、雄介の戦士としての心構えが不十分だったのか変身するとこの姿になっていた。
また、他フォームの変身限界時間を経過したり、深刻なダメージを負った場合もこのフォームになってしまう。このフォームのまま変身が強制解除されると、その後2時間は変身が不可能になる。
必殺技は「マイティキック」だが、マイティフォームの約半分の戦闘力しかないグローイングフォームのキックは刻印が異なり(印を構成する線がいくつか欠けている)威力も低くなっているが、3度目のキックで通常のマイティキックと同じ刻印を撃ち込んで敵を倒した。当初は未確認生命体2号と呼称されていた。
身長:200cm、体重:99kg 最大速力:100mを5.2秒で走る、ジャンプ力:ひと跳び15m
パンチ力:約3トン、キック力:約10トン 視力:人間の数十倍、聴力:人間の数十倍
クウガの基本形態。基本カラーは赤。炎を司る戦士。身体能力のバランスに優れた形態で、素手での打撃による格闘戦で真価を発揮する。
敵の手の内を探る際にこのフォームで戦い、敵の攻撃パターンに合ったフォームへと超変身するという戦法を取ることもある。
必殺技は、筋肉が異常発達した右足に封印エネルギーを収束させて放つ「マイティキック」、威力は約30t。他には「強化マイティキックという技もある」
マシンを使った戦法が最も得意なフォームでもあり、バイクを運転するときは主にこの形態で戦う。
身長:200cm、体重:90kg
最大速力:100mを2秒で走る、ジャンプ力:ひと跳び30m
パンチ力:約1t、キック力:約3t
視力:人間の数十倍、聴力:人間の数十倍
クウガの特殊形態。基本カラーは青。水を司る戦士。跳躍力や俊敏さに優れており、特に跳躍力はマイティーフォームの3倍を超える数値を発揮する場合もあるという。高い所へ跳躍する時のみこのフォームになることもある。パワーや耐久力はマイティフォームよりも著しく低下しており、その短所を補う為、鉄パイプなど「長きもの(棒状の物)」をイメージさせる物を手にすることで作り出される「ドラゴンロッド」を武器とする。
必殺技は「スプラッシュドラゴン」。ドラゴンロッドを敵に突き立て、先端から封印エネルギーを流し込む。
身長:200cm、体重:99kg
最大速力:100mを5.2秒で走る、ジャンプ力:ひと跳び15m
パンチ力:約1t、キック力:約3t
視力:人間の数千倍(紫外線、赤外線も可視領域とする)、聴力:人間の数千倍(超音波を聞くことも可能)
クウガの特殊形態。基本カラーは緑。風を司る戦士。視覚、聴覚といった感覚神経が極限まで研ぎ澄まされた形態で、紫外線や赤外線を見ることや超音波を聞くことが出来るが、接近戦は不得手。この能力で遠く離れた敵や動きの速い敵、保護色で姿を隠した敵をも正確に捕捉出来るようになる。ただし消耗が激しいため、このフォームを維持できるのは、わずか約50秒間だけである。もし制限時間を超過した場合、強制的にグローイングフォームになり、さらに回復のため、その後約2時間は変身能力が失われる。拳銃など「射抜くもの(射撃)」をイメージさせる物を手にすることで作り出される「ペガサスボウガン」を武器とする。
必殺技は「
ブラストペガサス」。高密度に圧縮された空気弾を封印エネルギーと共にボウガンから撃ち出す。
身長:200cm、体重:111kg
最大速力:100mを7.2秒で走る、ジャンプ力:ひと跳び10m
パンチ力:約7t、キック力:約10t
視力:人間の数十倍、聴力:人間の数十倍
クウガの特殊形態。基本カラーは紫。大地を司る戦士。パワーや耐久力に優れた形態。その防御力から、強力な敵の攻撃からの緊急回避としてこのフォームになることもある。相手の攻撃を回避しようともせず、受け続けるまま進撃し、タイタンソードで攻撃するという力任せの戦法をとる。その重厚な鎧から一番鈍重なフォームでもある。「斬り裂くもの(剣)」をイメージさせる物を手にすることで作り出される「タイタンソード」を武器とする。
必殺技は「カラミティタイタン」。タイタンソードで敵の体を貫き刀身から封印エネルギーを流し込む。
クウガがマイティ、ドラゴン、ペガサス、タイタンの各フォームから、放電を伴って強化した形態。雷(電気)の力が加わっている。遺跡から発掘された碑文にはこの放電に関する直接的な記述はなく、劇中でも古代には存在しない形態だったのでは、と予想されていた(雄介曰く「ミレニアム特別バージョン」)。発現の原因はギノガの毒で瀕死の状態となった雄介への応急措置として関東医大で椿が行った電気ショックにより、アマダムに備わっていたアルティメットフォームへの変身能力が部分的に覚醒したためと考えられる。ギノガ変異体以降の戦いで、謎の放電現象(雄介曰く「ビリビリ」)としてその力の予兆が現れ始め、雄介の特訓により顕現した。
ベルト部はアルティメットフォームと同様金色の装甲が追加され、各フォームで使用する武器なども強化された。また、体の所々に金色の装飾が走るほか、手甲部分に各フォームを司るリント文字が出現している。戦闘能力は格段に上昇するが、アマダムには負担が大きいため、約30秒間しか変身を維持出来ない(これを越えて使用し続けた場合、フォームによってはグローイングフォームに戻ってしまう)。しかしガドルに敗れた雄介が再び電気ショックを受けたことにより、永続的に維持出来るようになった。
身長:200cm、体重:104kg(+5kg)
マイティフォームがライジングパワーにより強化された形態。基本カラーは赤・金。マイティフォームから全体の能力がバランス良く強化される。
右足にはマイティキックの威力を増幅する金色の足甲「マイティアンクレット」が装着されており、これにより必殺技も「ライジングマイティキック」へと強化された。威力は約50t。
このフォームでグロンギを撃退すると半径3kmに及ぶ大規模な爆発が発生するため、「グロンギを爆散させても被害を最小限に抑えられる場所」を特定し、怪人を誘導する必要性が発生した。
身長:200cm、体重:92kg(+2kg)
ドラゴンフォームがライジングパワーにより強化された形態。基本カラーは青・金。ドラゴンフォームから瞬発力や跳躍力がさらに強化されている。ドラゴンロッドも両端にライジングパワーを秘めた矛先が装着された「ライジングドラゴンロッド」に強化された。
必殺技は50mまで強化される跳躍力を活かした「ライジングスプラッシュドラゴン」。ライジングドラゴンロッドを敵に突き刺し、矛先から封印エネルギーを流し込んだ後、安全圏へと投げ飛ばして爆発させる。
身長:200cm、体重:99.9kg(+0.9kg)
ペガサスフォームがライジングパワーにより強化された形態。基本カラーは緑・金。ペガサスフォームから超感覚能力がさらに強化されており、人間の数万倍の五感を持つ。変身可能時間は他のライジングフォームと同じだが、タイムリミットを過ぎるとグローイングフォームを経て変身解除してしまう。ペガサスボウガンも先端にライジングパワーを秘めた銃身が装着された「ライジングペガサスボウガン」へと強化された。
必殺技は「ライジングブラストペガサス」。より強力な威力と封印エネルギーを持った無数の空気弾を連射し、敵を撃ち抜く。
身長:200cm、体重:122kg(+11kg)
タイタンフォームがライジングパワーにより強化された形態。基本カラーは紫・金。クウガが初めて変身したライジングフォームでもある。タイタンフォームからパワーや防御力がさらに強化され、腕力はタイタンフォーム時の数倍にまで高まっている。タイタンソードも先端にライジングパワーを秘めた刀身が装着された「ライジングタイタンソード」へと強化された。
必殺技は「ライジングカラミティタイタン」。ライジングタイタンソードで敵の体を貫き、刀身から封印エネルギーを流し込む。これの応用技として、ライジングタイタンソードを2本使う「ダブルライジングカラミティタイタン」も存在する。
身長:200cm、体重:125kg
ライジングマイティから強化されて体色が黒に変質した、ライジングフォームの最強形態。雷を司る戦士。基本カラーは黒・金。さらなる電気ショックによって常にライジングフォームを維持出来るようになり、右足に加え左足にもマイティアンクレットが装備された。また、手甲のリント文字も「雷」に変わっている。素手での戦闘を得意とするなど、基本的な性質はライジングマイティと同様だが、これを遥かに上回る戦闘能力を有し、両足から繰り出す「アメイジングマイティキック」の威力は約75tにも達する。ガドルをも撃破した。
身長:202cm、体重:150kg
ジャンプ力:90m、パンチ力:80t、キック力:100t
クウガが、古代の碑文にある「聖なる泉 枯れ果てし時」、つまり優しい心を失ってしまうことで、ダグバと等しい存在「凄まじき戦士」(椿の言葉を借りるなら「戦うためだけの生物兵器」)になった状態。中盤、雄介は敵への憎しみから一度このフォームになりかけており(アマダムからの警告としてこの姿の幻影を見せられた)、このフォームの危険性を知った後は使わないことを決めるが、アメイジングマイティがダグバの圧倒的な力の前に敗北を喫したことで変身を決意する。それでも、人々とその笑顔を守ろうとする優しい心を保ち続けたため、雄介が幻影で見た黒い瞳の姿とは異なる、自我を保った赤い瞳のアルティメットフォームとなった。
基本カラーは黒。4本の角、棘状のパーツのついた各部、全身に浮き出た血管状組織、黒いアマダムなど他のフォームとは根本的に異なる外見である。全ての面で他フォームを圧倒的に凌駕する身体能力を持っており、ハンドコントロール
リングは各ライジングフォームの専用武器を作り出す事が出来る(色は黒を基調としたものになる)。他のフォームでは封印エネルギーを放出する器官は手足のコントロールリングにのみ存在していたが、アルティメットフォームでは、これが血管状組織として全身に表出しており、全身から高い封印エネルギーを放出する事ができる。肘や脚部にある大型の棘は伸縮自在で攻撃と共に伸び、高い封印エネルギーを放出して敵を切断する。
周囲の物質の原子・分子を操ることで物質をプラズマ化し標的を体内から発火させる「超自然発火能力」を持ち、手先からプラズマイオンを放つ事も可能。しかし、ダグバに対して使用した際は、ダグバも同様の能力を持っていた為、ダメージを与えるには及ばなかった。触れた物の能力をコピーし、その能力を自分の体に投影する力を持つという。ダグバと同様の力を持ち、九朗ヶ岳の戦いではお互いの能力を封じあっていたため不明だが、超自然発火能力以外にも計り知れない超常能力を持っていると推察されている。
最終更新:2010年08月14日 11:52