ブン「 …はぁ…チャーハン……(月明かりの差す草原の高台で、三日月を見上げながら寝そべっている)……… 」
何を"悪"と定めるか、何が正しいのか…… 何も考えず、ただ悪を成敗するだけじゃ「
仮面ライダー」にはなれない。本当に仮面ライダーになりたいってなら、その答えは…坊主、君自身がその「公式」を見つけるんだ。(ブンの脳裏に、先日出会った戦兎の言葉が反響する)
ブン「 んなこと…わっかんねえよ… チャーハンの作り方だってわかんねえのに…(独り言のように呟いて寝そべり返る)……俺にはなれねえのかな…ヒーローに… 」
ゲェハハハ!!待てオラァン!!(突然、何処かで下卑た男の声が聞こえる)
ラルトス「ラル~…!!(まるで何かから逃げる様に、草葉を掻きわけながら懸命に走っている) 」
黒服の男「ゲェハハハ…チビで鈍足のくせに往生際が悪いぜぇ~?観念して俺のものになりやがれあぁん!?(大きく股びらきしながらラルトスにゆっくりと迫っている。その手には不気味に光るモンスターボールが握られていた) 」
ブン「 うぅ…急に冷えてきたし、そろそろ帰ろう。ねえちゃんチャーハンでも作ってくれてねえかなねえチャーハ…ん…?(耳障りな声を聞いて起き上がる)なんだ……?(男と、彼が追いかけているラルトスを高台から見下ろしている) 」
ラルトス「トテテ……!(無我夢中で走っていたところ崖際に直面)ラ、ラル……(引き返そうと振り返ったものの、そこには男が既に迫っており、既に退路を断たれてしまい狼狽する) 」
黒服の男「さぁ、もう逃げ場はねぇ~ぞぉ~ん??? ボムッ ! (モンスターボールを投げ、ゴルバットを出す) 」
ゴルバット「ギェッギェッ…!(男のボールから出てきたゴルバットは、鋭い牙を剥き出し彼と共にラルトスを追い詰める) 」
ブン「 おいっ!(ただごとじゃないと判断して高台からラルトスたちの元へ降りてくる)何やってんだよお前!そいつ(ラルトス)嫌がってんだろ!どっかいけよ…!(果敢にも男に詰め寄る) 」
ヌマクロー「 ( やせいの ヌマクロー が とびだして きた ! )…………。(ヌマクロー は なかま を よばなかった!) 」
黒服の男→
ロケット団したっぱ「おあぁ~ん??(ブンの方へ振り返る)誰かと思えば…うっせえなチビガキィ!!俺は泣く子も黙る『ロケット団』!世界中のポケモンは、俺たちロケット団のものだ!こんな見たことのないポケモンを前にすりゃあ、捕まえないわけがないんだよなあぁ??だからよぉ、ガキはママんとこへ帰りな!!痛い目を見たくなかったらなぁ!!ゲェハハハ!! 」
ブン「 う、うるせぇ…!コロッケ団だがヘッポコ団だが知らないけど…嫌がってる奴を無理矢理捕まえようとするなよ!!
デデデじゃあるまいし!! 」
ヌマクロー「 (ヌマクローはブンへモンスターボールを投げ渡した!)…………(無言で頷く) 」
ロケット団したっぱ「るっせぇなぁ…!俺たちの怖さが分かんねえなら、徹底的に教えてやる!!ボムッ ! (ボールから更にゴローンを出す)行け、ゴルバット、ゴローン!そのクソガキを痛めつけてやれ!! 」
ゴルバット&ゴローン「ギェギェッ…! ゴロォン!(ゴローンがブンにゆっくりと詰め寄る一方、ゴルバットはブンに鋭い風刃“エアカッター”を容赦なく飛ばした) 」
ブン「 な、なんだよこれ…ていうか、お前…誰なんだよ…?(キョトンとした顔でヌマクローからモンスターボールを受け取る)うわあぁ…ッ!!(風刃の直撃を免れたものの、頬を掠め僅かに流血する)こ、このぉ…!!(投げ渡されたモンスターボールをゴローンに向かって投げ飛ばした後、足元に落ちていた木の棒を拾いとって殴りかかる) 」
ゴローン「ブォンッ、キィン ! (片腕を振って投げられたボールを薙ぎ払う)ゴロォン!!(頑丈な岩の身体故に当然木の棒で殴られてもびくともせず、ブンの無力な抵抗を嘲笑うように石の腕で軽く薙ぎ払った) 」
しめりけポッポ「ビシャァァァ(ブンが投擲したモンスターボールから矢の如く飛び出してゴローンの体に衝突し、あたり一面に水しぶきが舞う)ポ……ポッポ……(既に川を漂流した捨て犬のようにぐったりとしたポッポは爆発せずひたすらに負のオーラを拡散させている!) 」
ヌマクロー「 …………。(ポッポの玉砕を見届けると何事もなかったように帰ってしまった) 」
ブン「 うわああぁッ!!(岩の化け物に薙ぎ払われ草原に転がり倒れる)いっっっってぇ…っ……(半場涙目になりながらよろよろと起き上がる)や、やりやがったなぁ…!!(もう一度獲物を構え直してゴローンに接近する) 」
ゴローン「ゴロォ…ッ…!?(しめりけポッポの水を纏う体当たり攻撃に動揺し、ぐらりと一歩退く) 」
ゴルバット「ギェギェーッ!(ゴローンに立ち向かおうとするブンの行く手を阻むように、上空より急降下しながら翼で薙ぎ払う) 」
ブン「 うぎゃ…ぁッ…!!(蝙蝠の翼にはたかれ再び地面に転がり倒れる) 」
ゲシッゲシッ…(ポケモン達の戦闘中、何かがロケット団したっぱを背後から小突く)
ゴローン「ゴロォンッ!!!(浮遊する岩石“ストーンエッジ”を繰り出し、謎のポッポを戦闘不能に追い込む) 」
ロケット団したっぱ「ゲェハハハハ!!!無様だなあ!クソガキ如きがどう足掻こうが、俺には敵わねえんだよ!!ゲェーーーハハハハ!!…あぁん???(ブンを嘲笑う中、背後から小突く何かに振り返る) 」
しめりけポッポ「ガクッッ―――――――――――――――(しめりけポッポは力尽きた) 」
ガオガエン「 ――――――ガオォーーー!!(ロケット団したっぱが振り向いた直後、したっぱの斜め上から強烈なクロスチョップが降りかかってくる) 」
ラルトス「ラル……(傷つきながらも必死に抵抗するブンに、心痛めるように見つめている) 」
ロケット団したっぱ「ンゲッ!お前は―――ゲッハァアンッ!!!(ガオガオエンの急襲に吹き飛ばされる)いってぇなこのぉ…!!ガオガエンか…テメェもついでに捕獲してやる!!ボボボボムッ ! ! ! ! (ありったけのボールからデルビルやタツベイなどのポケモンを更に出す)ゲェハハハ!!全てのポケモンは俺のものだ!!それを邪魔する奴は、たとえガキだろうと女だろうとゆるさねぇ!!ゲェ~~ハハハハ!!! 」
ブン「 ぜえ…はぁ……!敵わなくたって…(うつ伏せ状態から腕に力を込めゆっくり立ち上がる)…守りたいものを…守るために…… 俺は絶対諦めねえ…!!(ボロボロの身体で辛うじて立ち、したっぱと対峙する) 」
ガオガエン「 ムッ…… クイクイッ(デルビルやタツベイに対し、人差し指による「かかってこい」的な挑発。その様子は自信に満ち溢れていた。) 」
ロケット団したっぱ「そう言うのを、無駄な抵抗だって言うんだよおぉん!!!死んでわからせてやろうかぁッ!!!いけぇ、お前らァッ!!!(自分が繰り出したポケモンに指示を下すと、すべてのポケモンが一斉にブンとガオガエンに襲いかかる) 」
桐生戦兎「――― はいはい、ちょっと通りますよ~っと。(颯爽と現れるや否や、襲いかかってきた先頭のポケモン一匹を蹴り飛ばす)……生身で怪物に立ち向かうなんて…根性あるじゃねえか。(背後にいる傷らだけのブンを見て、思わず不敵な笑みを浮かべる) 」
ガオガエン「 ガオォッ!!(すべてのポケモンを迎え撃とうと突撃!…するつもりだったが桐生戦兎に突撃する形に。) 」
ブン「助けて…くれるのか……?(現れたガオガエンの大きな背を見上げて)……!……?……!?戦兎…!?な、なんでここに…っ…(遅い来るポケモンの大群に思わず目を伏せるが、しばらくして目を開くと、そこに以前出会った戦兎の姿があって驚きを隠せない顔になる) 」
桐生戦兎「うげェッ!!?(ポケモンの大群の前に現れたため、ガオガエンの特攻を喰らう羽目となり目玉が飛び出る)あいだだだ……せっかくかっこよく登場したつもりだったのに…このてぇん↑さぁい↓物理学者の桐生戦兎!まさかの醜態…!!(ズーン…) 」
ロケット団したっぱ「ゲェハハハ…ゲハァ??んだよ…今度はトレーナーかぁ??俺の邪魔ばかりしやがって…!! 」
ガオガエン「 ガオッ……!?グ、グゥ……(「あちゃー…」といったように自分の顔を手で覆う) 」
桐生戦兎「ヒーローは遅れてやってくるって言うだろ?…ま、それよりさ… 坊主。今のお前、「最高」だ。(にかっとはにかむ)ようやく俺の出した"問"が分かったみたいだな。…愛と平和のために、自分の信じるままに戦う…――― それが、「仮面ライダー」だ。シャカシャカシャカ…ガコォンッ ! \Wake up ! CROSS-Z DRAGON !/(青いボトル「ドラゴンフルボトル」を振り、ドラゴン型自律行動ユニット「クローズドラゴン」に差し込む) こいつを使え。(そう言い、そのクローズドラゴンと自分のビルドドライバーをブンに手渡した) 」
ブン「愛と、平和…自分の信じるままに……!?(突然渡された二つのアイテムを前に動揺する) えっ…で、でも……!! 」
桐生戦兎「坊主を守ってくれてありがとな。あとは…大丈夫だ、たぶん。(ガオガエンの肩に手を置いて)…なりたいんだろ?「仮面ライダー」。(ブンに対して、ただ、信頼を込めた微笑みを向ける) 」
ブン「 ……!!(戦兎の言葉に、ふと目の先で怯えているラルトスの姿を捉える)…ああ…なってやる!俺が…―――― 守るんだ!!(ガションッ ! !)(ビルドドライバーを装着し、
クローズドラゴンを装填)グルグル…(以前のビルドと同じようにドライバーのレバーを回し、自身の周囲に小型ファクトリーが形成される) 」
トンテンカン♪ トンテンカン♪(青のフルボトル内の色成分が液状化。ファクトリーのパイプラインに流し込まれ、やがて青の人型アーマースーツが形成されていく)
ブン「 \Are you Ready ?/―――― 変身!! 」
ブン→仮面ライダークローズ「ウ ィ ー ン …――― ガ シ ョ ン ッ ! ! ! (形成された青のアーマースーツが自身を包むように合体)シ ュ ウ ゥ ゥ ゥ … ! ! \Wake up burning ! Get CROSS-Z DRAGON ! Yeah !!/(蒼い焔を纏う龍の戦士――仮面ライダー『クローズ』、誕生)………え、えええええぇぇぇ!?!?!?ほ、本当になっちゃったのかよ俺ねえチャーハン!!?俺、俺…マジで…仮面ライダーに……!!(変わり果てた自分の姿を見下ろして歓喜に震えている) 」
桐生戦兎「おいおい…喜んでる場合じゃねえだろ。戦え戦え!(ほれほれと敵の方へ向く様に催促) 」
ガオガエン「 …………フッ。(ブンから数歩下がった辺りで静観) 」
ロケット団したっぱ「ンゲェ…!!?な、なんだ…!?チビガキが突然でかくなりやがった上に変なスーツを纏いやがった…!?何がどうなって……ええいッ!!どうでもいい!!とっととそいつらを始末しやがれ!!! 」
ゴルバット&ゴローン「ギェギェッ!! ゴロォンッ!!(変わり果てたブン(クローズ)に襲いかかる) 」
デルビル&タツベイ「ガルルッ! ベェイッ!!(ガオガエンに襲いかかる) 」
仮面ライダークローズ「 あ、あぁ…そうだ…!(敵の方へ振り返る)今の俺なら…負ける気がしねぇ!!!(拳を握りしめて駆け出す)うおらぁッ!!(力を込めた右手でゴローンを殴り飛ばし、更に左手のアッパーをゴルバットに叩きこんだ) 」
ガオガエン「 (その場にロープを張り、デルビル&タツベイに突撃し、2匹を片手1匹ずつで一緒に掴んでロープのほうへ放る) 」
ゴルバット&ゴローン「ギェア…ッ…!!! ゴロォ…ッ……!?(クローズの攻撃により、ゴルバットは殴り飛ばされ、ゴローンは身体が粉々に粉砕され、二匹とも一撃で戦闘不能に陥った) 」
デルビル&タツベイ「( ガ ッ )―――!?(ガオガエンの大きな手に鷲掴まれた後、ローブの方へ投げ飛ばされる。その後ロープからガオガエンへと弾き飛ばされ…) 」
ガオガエン「 ――――――――ガウゥッ!!(戻ってきたデルビル&タツベイに強烈ラリアット!) 」
ロケット団したっぱ「んなァ…ッ…!?お、俺のポケモンたちが…!!ご、ごのォ…調子に乗るんじゃねえッ!!!ボムッ ! (ボールからノクタスを出す)俺の切り札を出させたこと…後悔させてやる…!!行け、ノクタス!“リーフブレード”だ!! 」
ノクタス「タスッ!!(ジャキンッ―――ズ ア ァ ッ ! ! )(両手の棘が刃状に伸び、通常では覚えられないはずの“リーフブレード”をクローズに繰り出そうとする) 」
桐生戦兎「坊主、「ビートクローザー」を使え!!(クローズの腰元に装備されている剣型武器を指す) 」
仮面ライダークローズ「 これか…!(ビートクローザーという剣を手に取る) ガギョンッ ! \ヒッパレー !/(咄嗟に柄下のグリップエンドを引くと剣身が輝きだす)――ていッ!!(ノクタスの攻撃に合わせて剣を振い鍔迫り合いに持ちこむ)無駄な抵抗だとしても…逃げるわけにはいかねえんだ…俺は、強い男になるんだッ!!(そのままノクタスを圧倒し、吹き飛ばす) 」
デルビル&タツベイ「ガルッ!? ベェイ…ッ…!?(ガオガエンの強烈ラリアットが炸裂し、崖から奈落へと吹き飛ばされていった) 」
ノクタス「……!!?(クローズの重い剣圧に打ち負かされ、大きな隙が生じる) 」
仮面ライダークローズ「決めてやる!!(剣を投げ捨て、両足を広げて身構える)おらおらおらぁーっ!!(グルグル… ! )(ビルドドライバーのレバーを再度回す)はああああぁぁぁッ!!(背後に蒼炎の龍「クローズドラゴン・ブレイズ」が現出し、ドラゴンが放つ炎を纏って大きく飛び上がる)\Ready go ! ドラゴニックフィニッシュ ! !/ ―――うおりゃあああああああぁぁぁぁッ!!!( ズ ギ ャ ア ア ア ァ ン ッ ! ! ! )(空間を薙ぎ払う程の強烈なボレーキックをノクタスへ炸裂させる) 」
ガオガエン「 フゥーーー………(まるで人間のオッサンのように一息吐く) 」
ノクタス「――――!!?( ド グ ォ オ ン ッ ! ! ! )(クローズの必殺技が全身に炸裂。蒼い炎に包まれながら勢いよく吹き飛び、ロケット団のしたっぱに激突する) 」
ロケット団したっぱ「んなッ――――おいよせ…こっちくるなあああああああぁぁぁぁ(蒼い炎に包まれたノクタスと激突し、自身も炎に包まれる)んぎゃああああああぁぁぁ~~~~~~……―――――(そのままノクタスと共に崖底へと転落していった) 」
仮面ライダークローズ→ブン「 ぜぇ…はぁ……(どっと押し寄せてきた疲労により変身が強制解除される)…や、やった…(ぐらりと倒れ込もうとする) 」
桐生戦兎「 ガ ッ (倒れ込むブンの右手を掴んで静止させる)……最高だった。(「よくやった」と微笑みかける) 」
ラルトス「ラル…!(戦いを終えたブンのもとへ近寄っていく) 」
ガオガエン「 …………フン。(再びブンらの少し後方にて、腕組みして背を向け、無となる) 」
ブン「 へへっ…ありがと…な、戦兎…(その笑みに釣られて、弱弱しくも微笑み返した)…お前、大丈夫か…?…無事みたいで良かったよ。(ラルトスの安否を確認してほっとし、その頭を優しく撫でた) 」
桐生戦兎「ま!すべてはこのてぇん↑さぁい↓な俺が開発した変身アイテムのお陰だけどな!(両腕を腰に鼻を高くする) 」
ブン「そうだ…お前たちも、ありがとな…(ガオガエン、そして気絶したポッポにも礼を言う)…う、うっせぇ…!…でも、確かにこれがなきゃ…今頃…(腰に付けたままのビルドドライバーに視線を落とす) 」
ブン「 ……俺、正義のヒーローみたいに、強い男になりたかったんだ。昔、イジメにあってる奴を助けて色々無茶ばっかして、姉ちゃんに怒られたこともあったけど…弱い奴が叩かれているのを見ると、なんか…ほっとけないんだ。…だから、もっと強くなって…そういう奴を…ちゃんと守ってやりたいんだ…(泥だらけの両手を見つめる) 」
ラルトス「ラル…♪(撫でられて嬉しそうに声を上げる) 」
ガオガエン「 ン…… ―――――――よせボウズ。おらァ誰かに感謝されるために戦ったんじゃねえ。(なんと、しゃべった!) 」
桐生戦兎「…もう、その憧れたヒーローになれたじゃねえか。(可笑しそうにふっと噴き出す)お前はその小さな頭で、自分の答えを導き出した。…俺はその結果が見られて満足だよ。…じゃあな、坊主。そのボトルとドライバーはお前に預けておくよ。(コートのポッケに手を突っ込み、立ち去って行こうとする) 」
ブン「 キエエエエエエエェェェェシャベッタアアアアァァァァッ!!!!(ガオガエンに仰天して跳び上がる) お、俺は坊主じゃねえ!…「ブン」だ!……(渡されたドライバーに一瞥を与えた後、去って行こうとする戦兎の背に視線を向ける)なあ…!…どうして、俺なんかを助けてくれたんだよ…!? 」
桐生戦兎「ザッ…(ブンの問いかけに立ち止まる)…それはお前が、大切なものを守ろうとしたからだ。誰かに守られた者が、今度は、誰かを守るために立ち上がる。その正義が、愛が…人の信じる心を強くする。そこに、お前がなりたかった「仮面ライダー」がいる。…俺はお前を信じている。新たなライダーとしてじゃなく…ブン、お前自身をな。(にっと笑って、夜風にコートを靡かせながらその場を後にした) 」
ガオガエン「 ほぉ……ブンってェのか。スガワラのブンちゃんってェとこだな!いいかブン太郎、ヒーローってェのはな………誰かに認めてもらうためにやるモンじゃねえ。 」
ブン「 う、うん…っ… お、おっさん(?)は、何のために戦っているんだ…?(ガオガエンに) 」
ガオガエン「俺かぁ?おらァ………そーいや深く考えた事ねぇな。(ぇ)ま、しいて言やぁ………てめぇン中の正義、ってヤツよ。誰だっててめぇン中に正義かかえて生きてんだ。さっきのあんちゃんも、俺も、そしてお前もだ。 」
ブン「戦兎…(ぎゅうと拳を握る)…俺も信じるよ、戦兎のこと。(夜風に靡かれる彼が消えるまで見送った)…"正義"……(自分の胸に手を当てる)…誰かの為に、身体を張ってまで戦う… 俺も、おっさんや戦兎のように強い男になるよ。たとえ…みんなに認められなくたって…(ラルトスに再び一瞥を与える)…誰か一人でも守れる、そんな…ヒーローに… 」
ブン「……いでで…っ…急に傷が疼き出してきやがった… 身体ぼろぼろになっちまって、また姉ちゃんに怒られるだろうけど…まっ、いいや。今はなんか…すごくすがすがしい気分だし。おっさん、ありがとう!お前も元気でな…!(ガオガエン、そしてラルトスに別れを告げ、よろよろと歩き去っていった) 」
ラルトス「……(勇ましい小さな英雄の背を静かに見送り続けた) 」
最終更新:2019年05月13日 21:12