RE:BORN -時を越えし災厄- Day0過去ログ

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RE:BORN -時を越えし災厄- Day0過去ログ - (2019/07/31 (水) 14:28:21) の1つ前との変更点

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――――カオス界の東に位置する国、『East・C・Land』。 混沌の世界の中で最も平和とされるこの国で、前代未聞の大事件が起こった。 事の発端は、ある1つの会社が街に設立された事から始まった……『フレアチューバー株式会社』というその会社は、職を失い、社会的弱者として落ちぶれていた人間達に手を差し伸べ、社員としての居場所を提供すると共に、ある職務を彼らに与えていた。 それは、弱者を傷つけ、食い物にし、悪事を平気で揉み消す権力者たちや、少年犯罪者等といった、法の目を掻い潜リ、または法そのものを盾にして、のうのうと人生を謳歌する卑劣な悪人達を心身共に徹底的に叩きのめし、その姿を生中継という手段を用いて世間の前に晒し物にする事で、犯罪を抑止し、被害者及び悪の存在に恐怖する人々の心を救う事であった。 あまりに過激かつ非人道的な内容の職務であったものの、それが現実に人々の心を救い、犯罪抑止にもつながった事で、会社は瞬く間に世界政府にさえも公認される正義の結社として、人々から支持される存在となり、社員達もまた、善良な人々とより良い社会の為に戦えることを誇りに思っていた。 しかし……その正義の結社には、ある悍ましい真実が隠されていた。 この会社を牛耳っていたのは、闇の世界より襲来せし闇天使『ディアルツァ』と、闇の世界において最強の力を持つ絶対悪『ギリュゼロ』、そして、ディアルツァの弟である『ディアス』という、正義とは全く無縁の、世界に仇成す恐ろしい存在達だったのである。 このフレアチューバー株式会社は、彼らによる世界征服計画の一端として作り上げられた組織であり、彼らの思惑通り、無知な住人達は彼らの行う行為を正義として崇める信者と化していき、雇用された者達も性欲と破壊欲にまみれ、黒幕から与えられた能力(ちから)を振るい、抵抗も出来ない相手をどれだけ過剰に踏み躙っても恥じない醜悪で鬼畜な兵士へと変貌していったのである。 法の番人である警察組織や軍さえも、彼らの前では無力と化し、街はフレアチューバーによって齎される倒錯した性と暴力にまみれた光景を望む民衆で溢れかえるという、他に類を見ない異常事態に陥ってしまう。 そんな中、たった数人の勇敢な若者たちが、強大なこの組織に立ち向かう為に立ちあがり、傷つきながらも懸命に闘った。 彼らの勇敢な行いによって、少しずつではあるが住人達は立ちあがり、黒幕の1人であるディアスも、彼らの思いに触れて改心する。そして、組織随一の鬼畜で、強力な配下であった『セーラーミロメール』こと、釜山智則(かまやまとものり)を討ち倒し、組織を潰す事にも成功する。 しかし、残った黒幕2人を含む数人の幹部達には逃げられてしまい、不安はまだ残ったままだった。そして――――    その不安は僅か数か月後に的中する事になる。 逃げ延びた黒幕たちによって、フレアチューバーは更に強大な組織となって復活し、住人達の心は再び彼らの手に堕ちた。更に、倒したはずの釜山も彼らの手で蘇生された挙句、彼らと内通した神族の協力によって、釜山は人を超えた領域に足を踏み入れ、もはや手も付けられない状態になってしまう。 そんな絶望的状況の最中……更なる追い打ちをかけるかのように、新たな脅威が混沌の世界に舞い降りた。 突如として現れた、『白き執行者』と名乗る謎の男は、絶対正義の名の下に宇宙のあらゆる悪人を粛清する事を目標に掲げ、絶対悪であるディアルツアとギリュゼロを追って、自身の思想に従う5人の執行人『イーターズ』と共にカオス界へとやって来た。 しかし、彼らの掲げる正義はあまりにも歪んでおり、悪を討つためなら一切手段を選ばない彼らと、フレアチューバーの抗争によって、フレアチューバーに洗脳された社員や一般人を始めとした多くの住人達の命が容赦なく奪われ、街はおろか、国全土が大混乱に陥った。 もう何もかもおしまいかと思われたその時、ぶつかり合う2つの強大な悪に立ち向かうべく、かつてフレアチューバーを一度は打ち倒した若者たちを始めとする、勇敢な混沌の住人達が立ち上がり、その戦火の中に身を投じた。 そして、多くの街を、人々を巻き込んだ三つ巴の激戦は、この世界を愛する混沌の住人達の勝利という形で、幕を閉じた。 2人の絶対悪は戦いの中で討滅され、白き執行者とイーターズのメンバー2人の身柄が、宇宙警察によって確保された。 多くの人々の肉体を、尊厳を、命を弄び尽くした、許されざる悪は消え去ったのである。 そして、住人達の味方となり、共に戦ったディアスの命がけの尽力によって、事件によって奪われた命の大多数が現世に戻って来ることが出来、人々は心の底から安堵し、戦いの終わりと、現世に蘇った者達との再会を喜んだ。 それから数日の時が過ぎ……街には今まで通りの喉かな日常風景が、そこかしこに見られるようになった。 そんな、ある日の事―――― ~寄宿舎 大図書館~ キルビス「(参考書の棚に目を向け)………お、あった、これだな……。(1冊の本を棚から取って)こんな見るからに難しそうな本をリクエストするとは、アキラの友達も随分マセてんな……。」 コッ コッ コッ……(1人の足音が、キルビスの方へと近づいてくる) キルビス「? ……(少し警戒した様子で、足音のする方を振り返り)」 白ジャンパーの女性「(キルビスの近くまで来て、立ち止まり)こんな所で会えるなんて……お久しぶりね、キルビス君……あの事件以来かしら?」 キルビス「……誰だ、あんた……何で俺の名前知ってんの?それに、あの事件って……まさか、あのクソチューバーの事言ってんのか?」 白ジャンパーの女性→西條レミ「あら、もしかして覚えてない?……そう、それ、その事件の時私も一緒に戦ったんだけどね……まぁ、あれだけ凄まじい戦いだったもの、記憶の1つや2つ吹き飛んでもおかしくないか……(ジャンパーのポケットから名刺を取出し)じゃ、改めて自己紹介ね……私の名前は『西條レミ』。南の国のキュラリアって街でホテルを経営してるの、よろしくね。(名刺を渡し)」 キルビス「……そうなのか?……うーん……悪い、記憶に無いや……というか、もしかしたら会ってないのかも……。(首をかしげながらも名刺を受け取り)……西條さん、ね……よろしく。……キュラリアか、確か4年前くらいにそこへ旅行に行った事あるから知ってるよ……うちの妹がとても気に入ってたな、綺麗な街だって。」 西條レミ「あら、そうだったの……分かるわぁ、あの街は本当に素晴らしい所よね!とても喉かで、街の人も優しい人ばかり、治安も良くて、住み心地はもう最高!ねぇ、もしもまたキュラリアに旅行に来るときは、ぜひうちのホテルによってちょうだい!特別サービスするから!(目を輝かせ)」 キルビス「わ、分かったから、静かにしろよ、ここ図書館だぞ……(汗)……あ、俺そろそろ帰らないと……さっさとテスト対策終わらせたいし、妹に頼まれた本も渡さねぇと……。」 西條レミ「Σあ、あら、私としたことが、つい興奮しちゃって……こんな初歩的なマナー違反をするなんて、恥ずかしいったらありゃしないわ………ごめんなさい。(少し凹んだ様子で)……あっ、ちょっと待って……申し訳ないんだけど、もう少しだけ付き合ってくれる?実は、あなたにどうしても会わせたい人がいて……丁度、今ここに一緒に来てるから、是非会ってくれないかしら?」 キルビス「は……何だよ?会わせたい人って……あんま時間ねぇから、手短に頼むよ?(渋々立ち止まって)」 西條レミ「ありがとう……それじゃ、閲覧ブースまでついて来てくれるかしら、そこにいるから。(閲覧ブースの方に歩いて行き)」 キルビス「………(一体、誰なんだ?俺に会いたいって………)(レミについて行き)」 ????「………(閲覧ブースにて、年季の入った古書を読みふけっており)」 西條レミ「(???の近くで立ち止まり)……ルべリアさん、キルビス君を連れてきましたよ。(????にそっと話しかけると、キルビスの方を振り返って)紹介するわね、キルビス君……私の下積み時代の恩師で、ルべリアさんっていうの。」 キルビス「……? ……ど、どうも……。(????を見て、軽くお辞儀をして)」 ????→ルべリア「……ありがとう、レミ。(穏やかな女性の声で、レミにそう一言呟くと、本を閉じ、閲覧ブースの椅子を立ってキルビスの方を向き)………君が、キルビス君だね………会いたかったよ。(美しい金色の長髪と透き通るような白い肌、そして汚れの一切無い純白のローブで着飾った、まるで天使を思わせる風貌の中に、顔を隠す無表情の白マスクが、不気味な存在感を漂わせていた)」 キルビス「……!(何だ……この人……?)………あぁ、そうですけど……ルべリアさん、でしたっけ?どうして突然俺と……俺、あんたとどっかで会いましたっけ?(少し警戒気味で尋ねる)」 ルべリア「あぁ……君のお父さんとは、古くからの知り合いでね……会社には一度遊びに行ったことがあるんだ、その時に君と妹さんに会ってるんだよね…まぁ、当時君達は小さかったし、私も仕事の都合で、それ以降そっちに顔を出す事が無くてね……何より、当時は普通の格好で、こんな格好じゃ無かったからね、覚えて無くても無理はないと思うよ。(マスクに触れながら)君に会いたいと思ったのは他でもない……街で君の英雄譚を聞いてね、そこまで勇敢に成長した君の姿を一目見て、お話ししたかったんだ。」 西條レミ「ルべリアさんはキュラリアで占い師をやっていてね、とても当たるって評判なのよ、私も何度か占ってもらって、実際に運も開けたわ。 ……顔のマスクは、数年前に事故で負った火傷を痕を隠すための物なの、だから、怖がらないであげてね?」 キルビス「親父と?……そうですか……それは、どうも………(ルべリアに軽く頭を下げ)………英雄譚、か………俺はそんな、大したもんじゃないんですけどね………  どいつも、こいつも………。(何やら浮かない表情をして、小さく呟き)」 ルべリア「………(キルビスの表情を見て)………そうか、君にとっては、複雑だよね………今でこそ君達を讃えてはいるが、その前は散々よってたかって、君や君の友達を一方的に悪者呼ばわりし、自分達が弱者であることを盾に執拗に追いつめて………悪しき者に先導されていたから仕方ない、といえばそれまでだけど、それで納得がいくほど君達の受けた屈辱や痛みは軽くないよね? ………この街の人達が、憎いかい?」 キルビス「……! ………それは………  あぁ、確かに納得なんて行ってねぇよ………正直、今でもここの連中が気持ち悪いし、あの時因縁つけてきた奴らも残らず消してやりたいくらいだ………けど、俺もそこまでガキじゃねぇからさ……分かってくれたんならそれで良いんだよ、俺達家族を、そっとしておいてくれるなら………これ以上、問題は蒸し返さずに、今まで通り平和でいられるなら………。」 ルべリア「キルビス君……… フフ、君は本当に良い子だね……天国のお父さんも、君の事を誇りに思っているだろう……(懐から小さな箱を取出し)そんな君に、私からプレゼントをあげよう……天上山でとれた希少な鉱石をあしらったお守りの指輪だ、妹さんの分もあるから受け取ってくれ。(箱を開け、綺麗な青色の石があしらわれた指輪を見せ)」 キルビス「い、いや………  Σえっ?い、良いんすか、そんな……。」 西條レミ「まぁ、その石といえば、とっても強い魔除けの効果があると噂のパワーストーンですね?身に着けていれば、あらゆる厄災からその人を守ってくれるとも言われている……良かったわね、キルビス君。」 ルべリア「その通り、効果は保証するよ……お金は要らないから、君達に受け取って欲しい……君達が無事でいてくれることが、私と、そして……ヴァナダ博士の願いなんだ。」 キルビス「……(何その胡散臭い説明……)(レミを見て) ……そ、そこまで言うなら………あ、ありがとうございます。(箱を受け取って)………まぁ、結構綺麗だし……アキラも喜ぶだろうな。」 ルべリア「ふふふ、どういたしまして……そうだ、せっかくの機会だし、君の事を占ってあげよう……(透き通った水晶玉を取り出して)何を占って欲しい?金運か、恋愛運か……何ならこれからの未来でも良い……何でもこれで視てあげるよ、こちらもタダでね。」 西條レミ「まぁ、ルベリアさんそこまでサービスしちゃいます?キルビス君、これは滅多にない機会よ、是非占ってもらうと良いわ。」 キルビス「Σはっ?……え、えっと………(占いって、そこまで信じてねぇし、興味もねぇんだけど……わざわざここまで会いに来てくれて、プレゼントももらってるし……1回くらいなら付き合っても……)じゃぁ………未来だけ、視てくれますか?何が起こるか少しでもわかってりゃ、色々対策も出来るし……。」 ルべリア「未来か、良いとも……この先、君達に待ち受けるのは、幸福か、災いか………   水晶よ、彼の者の未来を映し出せ――――(手に持った水晶玉に手をかざす)」 ポ ワ ァ ッ ッ――――(ルべリアの水晶玉から、強い光が放たれる) キルビス「!? ……ひ、光った………どうなってんだ一体……?」 西條レミ「静かに……ルべリアさんは今、未来の映像をあの球から読み取っているの………あの人には、そういう力がある。」 キルビス「えっ………? まさか、本当に………(ルべリアを見ながら)………(……って、何今更驚いてんだ?俺………考えてみりゃ、今まで一体何人常識外れの能力者を見て来たと思ってる?この世界じゃ、それくらい出来る奴がマジでいたっておかしくねぇじゃんか……もう、感覚おかしくなってんな、俺………  でも、マジの未来予知が出来るなら、これ程心強いものはねぇや……!)(期待の眼差しをルべリアに向け)」 ルべリア「……………っ! こ、これは…………(それから数秒程水晶玉と向かいあった後、そっと水晶玉を机に置き、同時に玉から放たれる光も消える)………キルビス君、どうか心して聞いてほしい。」 西條レミ「……っ ……ルべリア、さん………まさか………!(ルべリアの様子を見て、表情が強張り)」 キルビス「……!?(ルべリアの様子を見て、期待から一転、ただならぬ不安を覚え)………心して、って………何、そんなに悪い事でも………?(何だよ、ついてねぇなクソが……まぁいいや、とりあえずしっかり聞いてから対策を――――)」 ルべリア「………キルビス君………残念だが、この街から悪意はまだ消え去っていない………このままでは………   君の妹さんと、幼馴染のお嬢さんが倒錯主義者たちの犠牲になり、更には街の住人達もが三度、君達を裏切るだろう………。」 キルビス「――――――――!?(ルべリアの言葉に、強烈なまでのショックを受け)………え………ちょ、待って………何、それ………マジで言ってんの………?(ルべリアに詰め寄る様に近づいて)あいつら、倒したんだよな………皆も元に戻ったって………なのに何で?誰が?誰がまた………何で、何でアキラやミオリが狙われんだよ!?アイツらが一体………!!(掴みかからんばかりの勢いで詰め寄り)」 西條レミ「落ち付いて……!!(キルビスの手を掴み、強い力で自分の方へ引き寄せ、制止させる)落ち着いて……今言ったのは、まだ先の未来の話よ、今すぐ起きるわけじゃない………さっきも言ってたでしょ、未来を見て対策をって………これから、ルべリアさんに運命を回避するための対策を教えてもらうの、良い?」 ルべリア「!……取り乱すのも、無理はないね……君は、あの時の醜く、腐り果てた人々の倒錯行為を嫌という程見せつけられた……妹さんも、何度も狙われた……友人達も傷つけられた………二度とそんな事は起こって欲しくないし、想像したくもないはずだ………私も、こんな未来はなんとしても阻止したい………手伝わせてくれ、キルビス君……。」 キルビス「………!! ………はぁ………そう、だったな………悪い、ちょっと取り乱しちまった………(何とか平静を取り戻し)………ルべリアさん……教えてくれ、その最悪な未来はいつ起こるのか………どうしたら、避けられるのかを………!」 ルべリア「ああ……その未来が訪れるのは、今から1週間後だ………君は取る対策は3つ……1つ目は、先程渡した指輪があるだろう?あれを、君と妹さんの2人共、肌身離さず付けておく事………2つ目は、常に3人でつるみ、女子に因縁を付けている不良少年と、その近くに見られる2人の、おそらく兄弟と思わしきスーパーカー乗り……見た目はそう、こんな感じだ。(水晶玉に彼らの姿を映しだし)……この者達を見かけたら、何があっても絶対に関わってはいけない………そして3つ目は、4日後に必ず幼馴染のお嬢さんをキュラリアへ2泊3日の宿泊デートに誘う事、これだけだ。」 キルビス「指輪……こいつを俺とアキラがずっとつけてりゃ良いんだな……。(小箱に目を向け)! そいつら………何かどこかで見た事がある様な………まぁいいや、触らぬ神に祟りなしっていうもんな……。(水晶玉に映る者達の姿を見て)幼馴染……ミオリだな、分かった、4日後にそこへ――――――   って、えぇっ!?で、デート……デートっつったか今?しかも2泊3日!?」 西條レミ「静かに、キルビス君……声が大きいわ………  いきなりでビックリするのも無理はないけれど、これは最悪の未来を回避する為に大事な事よ……それに、幼馴染の子……ミオリちゃんって言ったわよね?あの子も、事件の渦中に巻き込まれ……貴方や、貴方の仲間達と共にあの会社に立ち向かった1人だったのよね……住み慣れた街の人達の酷い本性を見せられ、身を守る為に振るいたくない拳も振るって、沢山心も体も傷ついてるはず………今の彼女の心を一番癒してあげられるのは、彼女が最も愛し、信頼する貴方以外にいないと、私は思うわ。」 キルビス「………! ミオリ………(キルビスの脳裏に、事件後、以前ほどの明るい笑顔が減ったミオリの様子が浮かび上がり)そうか………だよな………あの時も、俺がもっと近くに居れば………もう、あんな思いはさせたくない………3日でも一週間でも、とことん、付き合ってやろうじゃねえかよ………何ならイケるとこまで行ってm………あっ、いや、なんでもない………。(微かに頬を紅潮させ)………ところで、あんた随分アイツの事詳しいけど………知り合いか?(レミに)」 西條レミ「……あら、もしかして聞いてない?私ね、あの2度目のフレアチューバー事件の時、彼女をホテルで匿ってたのよ……あの時の彼女、とても戦える状態じゃ無かったからね……そこで、いろいろお話とかしてたら、まぁいろいろ詳しくなっちゃったのよね。 ……とまぁ、そういう事で、貴方もやる気になってきたみたいだし、当日は是非うちに泊まって頂戴、サービスするから……  何なら、うちでイッちゃっても良いのよ?特別サービスって事で。(ニヤニヤしながらキルビスの肩に手を置き)無理にエスコートしようと考えなくても大丈夫よ、あなたと一緒にいられるだけで彼女は幸せなんだから。 」 キルビス「そうだったのか?いや、こっちもあれから忙しくて、アイツも友人の安否確認しに行ってたりで、なかなか話す機会もなかったんで……アイツの事守ってくれて、本当にありがとう。(レミに頭を下げ)……あ、結構です、普通に泊まるんで……。」 西條レミ「いえいえ、どういたしまして……  あらそう?ちょっと残念。」 ルべリア「からかっちゃダメだよ、レミ…… と、言いたいところだけど、この際恋愛に積極的になるのも良いかもしれないね……私の占いでも、君とお嬢さんは相性バッチリと出ているからね。(いつの間にか、タロット占いを済ませており)」 キルビス「ちょ、何勝手に占ってんだよ……つーか早っ!(汗)……ま、まぁ、とりあえず未来も対策も分かった事だし……俺、そろそろ帰らないと……何か、いろいろありがとうございました……(ルべリアに)じゃぁ、当日そっちに行くから、よろしく。(レミに)そんじゃ、また…。(足早に受付に向かった後、図書館を出て帰路につく)」 ルべリア「あぁ、気を付けて……妹さんに宜しく。(キルビスに軽く手を振って)」 西條レミ「えぇ、心を込めておもてなしさせてもらうわ、じゃあね。(キルビスを見送って)……よーし、当日に向けてしっかり準備しておかないと……ルべリアさん、私達もキュラリアに戻りましょうか?」 ルべリア「あ……私はもう少しここにいるよ、ちょっとやりたい事があるからね………後、君に少し頼んでおきたい事があるのだけど、良いかな?」 西條レミ「……? はい、何でしょうか?」 ルべリア「(数枚の紙を取り出して)……これを、あの2人のデート当日までに作っておいてもらいたいんだが………  出来るかい?」 西條レミ「………(渡された紙に目を通し)………分かりました、お安いご用ですよ。(笑顔で返し)それでは、お先に失礼いたしますね。(ルべリアにお辞儀をした後、図書館を出る)」 ルべリア「ありがとう、頼んだよ。(レミに手を振り)………さて、私も用事に取り掛かるとするか。(古書を手に持ったまま、図書館の奥へと消えていく)」 西條レミ「(図書館を出て、駐車場の方へ行き)…………この街には……まだ薄汚いクズ共が残ってるのね………残らず、掃除されたと思ってたのに………。(小さく、怨嗟めいた口調で呟き、アストンマーティン One-77に乗ろうとする)」 ????「あっ、ちょっと待ってレミちゃ~ん!(レミに向けて、何処からか呼ぶ声がする)」 西條レミ「……?(声のする方を向いて)………誰……?(警戒した様子で、ポケットに手を忍ばせ)」 ????→シャンノン「シュタッッ――――(レミの目の前に降り立って)……ちょっとー、そんな怖い顔しないでよ、私だよ、わ・た・し……レミちゃん専属の超清純派美少女料理人、シャンノンちゃんだよぉ~。( = ̄+∇ ̄=)v(可愛くVサインをしながら笑顔を浮かべるその顔は、確かに美少女そのものといっても良いが、その一方で、ド派手なピンク色の外ハネボブの髪や、所々に黒い染みが付き、異臭を放つセーラー服、腰のベルトにぶら下がる複数の包丁、外にも拘らず素足である等、清純派美少女としても料理人としても明らかに異様な風貌が目立っていた)」 西條レミ「! 貴方、こんなとこで何してるの……っていうか、まさかそんな恰好で歩き回ったんじゃないでしょうね?何考えてるのよ本当に……警察にでも見つかったら確実に逮捕よ?分かってんの?」 シャンノン「だってー、どうせ汚すんだし、いちいち着替えるの面倒だもん……大丈夫大丈夫、見られない様にめっちゃ隠密行動してたから♪(★ゝω・)⌒☆  で、こんなとこでレミちゃんを待ちかまえてたのは他でもない………  お財布落としてタクシーも電車も乗れないんで、レミちゃんの車に乗せてってください…。(  ´・ω・)」 西條レミ「はぁ?勘弁してよ、もう……仕方ないわね、本当はその格好で乗って欲しくないんだけど……。(嫌そうな顔をしながらも、ドアを開け)……っていうか、そもそも電車やタクシーにも乗っちゃダメでしょ、冗談抜きで大騒ぎになるわよ………。」 シャンノン「ありがとうレミちゃぁ~ん、ではお言葉に甘えて……。(One-77の助手席に乗り込み)あ、そうだったね……ごめんごめん。」 西條レミ「まったく……(運転席に乗って、シートベルトをかけた後、One-77を発進させる)今日は何しに街に出てたの?……まさか、食材調達じゃないでしょうね?」 シャンノン「ううん、今日はねぇ、包丁を買い替えたかったのさ……何かね、いつの間にかどれも刃がガタガタになっててさ~、当然切れ味も悪くなっちゃったもんで……この通り、一気に買い換えてきましたっ。(`・ω・´)(腰のベルトから、幾つか真新しい包丁を手に取って見せて)綺麗でしょ~?実際によく切れるんだよ、これ。」 西條レミ「え、えぇ、綺麗だけど……包丁だったら、キュラリアにも専門店があるでしょ?何でわざわざ……。」 シャンノン「だって、このブランドこの街にしか無いんだもん……あそこのもまぁまぁ良いけど、やっぱりこれが一番丈夫だし、しっくり来るんだよね………(包丁を愛おしそうに見つめながら)この街でお料理してた時は、本当にお世話になったんだよぉ……出来たら、食材の調達もしたかったんだけどなぁ、せっかく買ったんだし……。」 西條レミ「そう……じゃぁ、今度から私が注文する様にしておくから、自分で直接買いに行くのは控えて頂戴……独断での食材調達なんて、以ての外よ………  自分の立場がどういうものか、分かってるわね?(国境検問所へと続く国道を逸れ、人気の無い山道へと車を走らせていく)」 シャンノン「分かってますって♪今もこうしてお料理が出来るのは、レミちゃんやルべりんのおかげなんだから……2人の頼みとあらば、もう何でもやっちゃうもんねっ(`✪ω✪´) そういえば、今日ルべりんと誰かに会うって言ってなかったっけ?誰と会ってたの?」 西條レミ「あぁ……ルべリアさんの、お友達のお子さんね……キルビス君っていうんだけど、以前あの街にいた貴方なら知ってるはずよ?彼、とっても有名だから。」 シャンノン「キルビス…… おぉ、知ってるよ!あれだよね、英雄の1人に選ばれたっていう、カッコいい男の子!手を剣に変えてさ、こう、シャキーン!って……凄いよねぇ?確か、フレアチューバーっていうあのヤバい会社にも特攻したんでしょ?彼。」 西條レミ「特攻っていうよりは……まぁ、あの手この手でかき回したって感じかな……とにかく、彼も頑張ったのよ、大事な人達の為に………  実はね、そんな彼の大事な人達が性質の悪い連中に絡まれて、危険にさらされるかもしれないって、今日ルべリアさんの水晶にお告げがあったの………だから、私達で助けてあげようって事になったのよ。」 シャンノン「Σえぇっ!?(☉ε ⊙ノ)ノ そ、それは大変だぁ!私にもできる事はない?何でも言ってっ!!(>ロ<;)」 西條レミ「はいはい、ありがとね……とりあえず、今のところはまだ待機で良いはずよ……必要とあらば、ルべリアさんの方から通達が行くはずだから。(ポケットから新品のスマホを取り出して、シャンノンに手渡し)ほら、この前壊しちゃったって言ってたから……連絡手段はちゃんと持ってないと。」 シャンノン「Σわわっ……(゚□゚*) ありがとうレミちゃん、大好きっ!!!\(∇≦\)(レミに抱き着いて)」 西條レミ「ちょ、ちょっと、運転中よ!危ないから離れて、あと臭いから……! グググ(;-゛-)ノ)ω`*) ……全くもう……帰ったら全部脱ぎなさいそれ、徹底的に洗うから!(目の前に山道の古いトンネルが見えてきた所で、そっと右手を挙げ)――――パ チ ン ッ ッ――――(トンネルの穴を一点に見ながら、指を鳴らす)」 ヴ オ ン ッ ッ(トンネルの入り口に、異空間ゲートが姿を現し)バチバチバチッッ―――― バ シ ュ ッ ッ(そして、One-77が通過すると同時にゲートが消え、辺りには再び静寂が訪れた――――) **[[続き>RE:BORN -時を越えし災厄- Day0過去ログ②]]
――――カオス界の東に位置する国、『East・C・Land』。 混沌の世界の中で最も平和とされるこの国で、前代未聞の大事件が起こった。 事の発端は、ある1つの会社が街に設立された事から始まった……『フレアチューバー株式会社』というその会社は、職を失い、社会的弱者として落ちぶれていた人間達に手を差し伸べ、社員としての居場所を提供すると共に、ある職務を彼らに与えていた。 それは、弱者を傷つけ、食い物にし、悪事を平気で揉み消す権力者たちや、少年犯罪者等といった、法の目を掻い潜リ、または法そのものを盾にして、のうのうと人生を謳歌する卑劣な悪人達を心身共に徹底的に叩きのめし、その姿を生中継という手段を用いて世間の前に晒し物にする事で、犯罪を抑止し、被害者及び悪の存在に恐怖する人々の心を救う事であった。 あまりに過激かつ非人道的な内容の職務であったものの、それが現実に人々の心を救い、犯罪抑止にもつながった事で、会社は瞬く間に世界政府にさえも公認される正義の結社として、人々から支持される存在となり、社員達もまた、善良な人々とより良い社会の為に戦えることを誇りに思っていた。 しかし……その正義の結社には、ある悍ましい真実が隠されていた。 この会社を牛耳っていたのは、闇の世界より襲来せし闇天使『ディアルツァ』と、闇の世界において最強の力を持つ絶対悪『ギリュゼロ』、そして、ディアルツァの弟である『ディアス』という、正義とは全く無縁の、世界に仇成す恐ろしい存在達だったのである。 このフレアチューバー株式会社は、彼らによる世界征服計画の一端として作り上げられた組織であり、彼らの思惑通り、無知な住人達は彼らの行う行為を正義として崇める信者と化していき、雇用された者達も性欲と破壊欲にまみれ、黒幕から与えられた能力(ちから)を振るい、抵抗も出来ない相手をどれだけ過剰に踏み躙っても恥じない醜悪で鬼畜な兵士へと変貌していったのである。 法の番人である警察組織や軍さえも、彼らの前では無力と化し、街はフレアチューバーによって齎される倒錯した性と暴力にまみれた光景を望む民衆で溢れかえるという、他に類を見ない異常事態に陥ってしまう。 そんな中、たった数人の勇敢な若者たちが、強大なこの組織に立ち向かう為に立ちあがり、傷つきながらも懸命に闘った。 彼らの勇敢な行いによって、少しずつではあるが住人達は立ちあがり、黒幕の1人であるディアスも、彼らの思いに触れて改心する。そして、組織随一の鬼畜で、強力な配下であった『セーラーミロメール』こと、釜山智則(かまやまとものり)を討ち倒し、組織を潰す事にも成功する。 しかし、残った黒幕2人を含む数人の幹部達には逃げられてしまい、不安はまだ残ったままだった。そして――――    その不安は僅か数か月後に的中する事になる。 逃げ延びた黒幕たちによって、フレアチューバーは更に強大な組織となって復活し、住人達の心は再び彼らの手に堕ちた。更に、倒したはずの釜山も彼らの手で蘇生された挙句、彼らと内通した神族の協力によって、釜山は人を超えた領域に足を踏み入れ、もはや手も付けられない状態になってしまう。 そんな絶望的状況の最中……更なる追い打ちをかけるかのように、新たな脅威が混沌の世界に舞い降りた。 突如として現れた、『白き執行者』と名乗る謎の男は、絶対正義の名の下に宇宙のあらゆる悪人を粛清する事を目標に掲げ、絶対悪であるディアルツアとギリュゼロを追って、自身の思想に従う5人の執行人『イーターズ』と共にカオス界へとやって来た。 しかし、彼らの掲げる正義はあまりにも歪んでおり、悪を討つためなら一切手段を選ばない彼らと、フレアチューバーの抗争によって、フレアチューバーに洗脳された社員や一般人を始めとした多くの住人達の命が容赦なく奪われ、街はおろか、国全土が大混乱に陥った。 もう何もかもおしまいかと思われたその時、ぶつかり合う2つの強大な悪に立ち向かうべく、かつてフレアチューバーを一度は打ち倒した若者たちを始めとする、勇敢な混沌の住人達が立ち上がり、その戦火の中に身を投じた。 そして、多くの街を、人々を巻き込んだ三つ巴の激戦は、この世界を愛する混沌の住人達の勝利という形で、幕を閉じた。 2人の絶対悪は戦いの中で討滅され、白き執行者とイーターズのメンバー2人の身柄が、宇宙警察によって確保された。 多くの人々の肉体を、尊厳を、命を弄び尽くした、許されざる悪は消え去ったのである。 そして、住人達の味方となり、共に戦ったディアスの命がけの尽力によって、事件によって奪われた命の大多数が現世に戻って来ることが出来、人々は心の底から安堵し、戦いの終わりと、現世に蘇った者達との再会を喜んだ。 それから数日の時が過ぎ……街には今まで通りの喉かな日常風景が、そこかしこに見られるようになった。 そんな、ある日の事―――― ~寄宿舎 大図書館~ キルビス「(参考書の棚に目を向け)………お、あった、これだな……。(1冊の本を棚から取って)こんな見るからに難しそうな本をリクエストするとは、アキラの友達も随分マセてんな……。」 コッ コッ コッ……(1人の足音が、キルビスの方へと近づいてくる) キルビス「? ……(少し警戒した様子で、足音のする方を振り返り)」 白ジャンパーの女性「(キルビスの近くまで来て、立ち止まり)こんな所で会えるなんて……お久しぶりね、キルビス君……あの事件以来かしら?」 キルビス「……誰だ、あんた……何で俺の名前知ってんの?それに、あの事件って……まさか、あのクソチューバーの事言ってんのか?」 白ジャンパーの女性→西條レミ「あら、もしかして覚えてない?……そう、それ、その事件の時私も一緒に戦ったんだけどね……まぁ、あれだけ凄まじい戦いだったもの、記憶の1つや2つ吹き飛んでもおかしくないか……(ジャンパーのポケットから名刺を取出し)じゃ、改めて自己紹介ね……私の名前は『西條レミ』。南の国のキュラリアって街でホテルを経営してるの、よろしくね。(名刺を渡し)」 キルビス「……そうなのか?……うーん……悪い、記憶に無いや……というか、もしかしたら会ってないのかも……。(首をかしげながらも名刺を受け取り)……西條さん、ね……よろしく。……キュラリアか、確か4年前くらいにそこへ旅行に行った事あるから知ってるよ……うちの妹がとても気に入ってたな、綺麗な街だって。」 西條レミ「あら、そうだったの……分かるわぁ、あの街は本当に素晴らしい所よね!とても喉かで、街の人も優しい人ばかり、治安も良くて、住み心地はもう最高!ねぇ、もしもまたキュラリアに旅行に来るときは、ぜひうちのホテルによってちょうだい!特別サービスするから!(目を輝かせ)」 キルビス「わ、分かったから、静かにしろよ、ここ図書館だぞ……(汗)……あ、俺そろそろ帰らないと……さっさとテスト対策終わらせたいし、妹に頼まれた本も渡さねぇと……。」 西條レミ「Σあ、あら、私としたことが、つい興奮しちゃって……こんな初歩的なマナー違反をするなんて、恥ずかしいったらありゃしないわ………ごめんなさい。(少し凹んだ様子で)……あっ、ちょっと待って……申し訳ないんだけど、もう少しだけ付き合ってくれる?実は、あなたにどうしても会わせたい人がいて……丁度、今ここに一緒に来てるから、是非会ってくれないかしら?」 キルビス「は……何だよ?会わせたい人って……あんま時間ねぇから、手短に頼むよ?(渋々立ち止まって)」 西條レミ「ありがとう……それじゃ、閲覧ブースまでついて来てくれるかしら、そこにいるから。(閲覧ブースの方に歩いて行き)」 キルビス「………(一体、誰なんだ?俺に会いたいって………)(レミについて行き)」 ????「………(閲覧ブースにて、年季の入った古書を読みふけっており)」 西條レミ「(???の近くで立ち止まり)……ルべリアさん、キルビス君を連れてきましたよ。(????にそっと話しかけると、キルビスの方を振り返って)紹介するわね、キルビス君……私の下積み時代の恩師で、ルべリアさんっていうの。」 キルビス「……? ……ど、どうも……。(????を見て、軽くお辞儀をして)」 ????→ルべリア「……ありがとう、レミ。(穏やかな女性の声で、レミにそう一言呟くと、本を閉じ、閲覧ブースの椅子を立ってキルビスの方を向き)………君が、キルビス君だね………会いたかったよ。(美しい金色の長髪と透き通るような白い肌、そして汚れの一切無い純白のローブで着飾った、まるで天使を思わせる風貌の中に、顔を隠す無表情の白マスクが、不気味な存在感を漂わせていた)」 キルビス「……!(何だ……この人……?)………あぁ、そうですけど……ルべリアさん、でしたっけ?どうして突然俺と……俺、あんたとどっかで会いましたっけ?(少し警戒気味で尋ねる)」 ルべリア「あぁ……君のお父さんとは、古くからの知り合いでね……会社には一度遊びに行ったことがあるんだ、その時に君と妹さんに会ってるんだよね…まぁ、当時君達は小さかったし、私も仕事の都合で、それ以降そっちに顔を出す事が無くてね……何より、当時は普通の格好で、こんな格好じゃ無かったからね、覚えて無くても無理はないと思うよ。(マスクに触れながら)君に会いたいと思ったのは他でもない……街で君の英雄譚を聞いてね、そこまで勇敢に成長した君の姿を一目見て、お話ししたかったんだ。」 西條レミ「ルべリアさんはキュラリアで占い師をやっていてね、とても当たるって評判なのよ、私も何度か占ってもらって、実際に運も開けたわ。 ……顔のマスクは、数年前に事故で負った火傷を痕を隠すための物なの、だから、怖がらないであげてね?」 キルビス「親父と?……そうですか……それは、どうも………(ルべリアに軽く頭を下げ)………英雄譚、か………俺はそんな、大したもんじゃないんですけどね………  どいつも、こいつも………。(何やら浮かない表情をして、小さく呟き)」 ルべリア「………(キルビスの表情を見て)………そうか、君にとっては、複雑だよね………今でこそ君達を讃えてはいるが、その前は散々よってたかって、君や君の友達を一方的に悪者呼ばわりし、自分達が弱者であることを盾に執拗に追いつめて………悪しき者に先導されていたから仕方ない、といえばそれまでだけど、それで納得がいくほど君達の受けた屈辱や痛みは軽くないよね? ………この街の人達が、憎いかい?」 キルビス「……! ………それは………  あぁ、確かに納得なんて行ってねぇよ………正直、今でもここの連中が気持ち悪いし、あの時因縁つけてきた奴らも残らず消してやりたいくらいだ………けど、俺もそこまでガキじゃねぇからさ……分かってくれたんならそれで良いんだよ、俺達家族を、そっとしておいてくれるなら………これ以上、問題は蒸し返さずに、今まで通り平和でいられるなら………。」 ルべリア「キルビス君……… フフ、君は本当に良い子だね……天国のお父さんも、君の事を誇りに思っているだろう……(懐から小さな箱を取出し)そんな君に、私からプレゼントをあげよう……天上山でとれた希少な鉱石をあしらったお守りの指輪だ、妹さんの分もあるから受け取ってくれ。(箱を開け、綺麗な青色の石があしらわれた指輪を見せ)」 キルビス「い、いや………  Σえっ?い、良いんすか、そんな……。」 西條レミ「まぁ、その石といえば、とっても強い魔除けの効果があると噂のパワーストーンですね?身に着けていれば、あらゆる厄災からその人を守ってくれるとも言われている……良かったわね、キルビス君。」 ルべリア「その通り、効果は保証するよ……お金は要らないから、君達に受け取って欲しい……君達が無事でいてくれることが、私と、そして……ヴァナダ博士の願いなんだ。」 キルビス「……(何その胡散臭い説明……)(レミを見て) ……そ、そこまで言うなら………あ、ありがとうございます。(箱を受け取って)………まぁ、結構綺麗だし……アキラも喜ぶだろうな。」 ルべリア「ふふふ、どういたしまして……そうだ、せっかくの機会だし、君の事を占ってあげよう……(透き通った水晶玉を取り出して)何を占って欲しい?金運か、恋愛運か……何ならこれからの未来でも良い……何でもこれで視てあげるよ、こちらもタダでね。」 西條レミ「まぁ、ルベリアさんそこまでサービスしちゃいます?キルビス君、これは滅多にない機会よ、是非占ってもらうと良いわ。」 キルビス「Σはっ?……え、えっと………(占いって、そこまで信じてねぇし、興味もねぇんだけど……わざわざここまで会いに来てくれて、プレゼントももらってるし……1回くらいなら付き合っても……)じゃぁ………未来だけ、視てくれますか?何が起こるか少しでもわかってりゃ、色々対策も出来るし……。」 ルべリア「未来か、良いとも……この先、君達に待ち受けるのは、幸福か、災いか………   水晶よ、彼の者の未来を映し出せ――――(手に持った水晶玉に手をかざす)」 ポ ワ ァ ッ ッ――――(ルべリアの水晶玉から、強い光が放たれる) キルビス「!? ……ひ、光った………どうなってんだ一体……?」 西條レミ「静かに……ルべリアさんは今、未来の映像をあの球から読み取っているの………あの人には、そういう力がある。」 キルビス「えっ………? まさか、本当に………(ルべリアを見ながら)………(……って、何今更驚いてんだ?俺………考えてみりゃ、今まで一体何人常識外れの能力者を見て来たと思ってる?この世界じゃ、それくらい出来る奴がマジでいたっておかしくねぇじゃんか……もう、感覚おかしくなってんな、俺………  でも、マジの未来予知が出来るなら、これ程心強いものはねぇや……!)(期待の眼差しをルべリアに向け)」 ルべリア「……………っ! こ、これは…………(それから数秒程水晶玉と向かいあった後、そっと水晶玉を机に置き、同時に玉から放たれる光も消える)………キルビス君、どうか心して聞いてほしい。」 西條レミ「……っ ……ルべリア、さん………まさか………!(ルべリアの様子を見て、表情が強張り)」 キルビス「……!?(ルべリアの様子を見て、期待から一転、ただならぬ不安を覚え)………心して、って………何、そんなに悪い事でも………?(何だよ、ついてねぇなクソが……まぁいいや、とりあえずしっかり聞いてから対策を――――)」 ルべリア「………キルビス君………残念だが、この街から悪意はまだ消え去っていない………このままでは………   君の妹さんと、幼馴染のお嬢さんが倒錯主義者たちの犠牲になり、更には街の住人達もが三度、君達を裏切るだろう………。」 キルビス「――――――――!?(ルべリアの言葉に、強烈なまでのショックを受け)………え………ちょ、待って………何、それ………マジで言ってんの………?(ルべリアに詰め寄る様に近づいて)あいつら、倒したんだよな………皆も元に戻ったって………なのに何で?誰が?誰がまた………何で、何でアキラやミオリが狙われんだよ!?アイツらが一体………!!(掴みかからんばかりの勢いで詰め寄り)」 西條レミ「落ち付いて……!!(キルビスの手を掴み、強い力で自分の方へ引き寄せ、制止させる)落ち着いて……今言ったのは、まだ先の未来の話よ、今すぐ起きるわけじゃない………さっきも言ってたでしょ、未来を見て対策をって………これから、ルべリアさんに運命を回避するための対策を教えてもらうの、良い?」 ルべリア「!……取り乱すのも、無理はないね……君は、あの時の醜く、腐り果てた人々の倒錯行為を嫌という程見せつけられた……妹さんも、何度も狙われた……友人達も傷つけられた………二度とそんな事は起こって欲しくないし、想像したくもないはずだ………私も、こんな未来はなんとしても阻止したい………手伝わせてくれ、キルビス君……。」 キルビス「………!! ………はぁ………そう、だったな………悪い、ちょっと取り乱しちまった………(何とか平静を取り戻し)………ルべリアさん……教えてくれ、その最悪な未来はいつ起こるのか………どうしたら、避けられるのかを………!」 ルべリア「ああ……その未来が訪れるのは、今から1週間後だ………君は取る対策は3つ……1つ目は、先程渡した指輪があるだろう?あれを、君と妹さんの2人共、肌身離さず付けておく事………2つ目は、常に3人でつるみ、女子に因縁を付けている不良少年と、その近くに見られる2人の、おそらく兄弟と思わしきスーパーカー乗り……見た目はそう、こんな感じだ。(水晶玉に彼らの姿を映しだし)……この者達を見かけたら、何があっても絶対に関わってはいけない………そして3つ目は、4日後に必ず幼馴染のお嬢さんをキュラリアへ2泊3日の宿泊デートに誘う事、これだけだ。」 キルビス「指輪……こいつを俺とアキラがずっとつけてりゃ良いんだな……。(小箱に目を向け)! そいつら………何かどこかで見た事がある様な………まぁいいや、触らぬ神に祟りなしっていうもんな……。(水晶玉に映る者達の姿を見て)幼馴染……ミオリだな、分かった、4日後にそこへ――――――   って、えぇっ!?で、デート……デートっつったか今?しかも2泊3日!?」 西條レミ「静かに、キルビス君……声が大きいわ………  いきなりでビックリするのも無理はないけれど、これは最悪の未来を回避する為に大事な事よ……それに、幼馴染の子……ミオリちゃんって言ったわよね?あの子も、事件の渦中に巻き込まれ……貴方や、貴方の仲間達と共にあの会社に立ち向かった1人だったのよね……住み慣れた街の人達の酷い本性を見せられ、身を守る為に振るいたくない拳も振るって、沢山心も体も傷ついてるはず………今の彼女の心を一番癒してあげられるのは、彼女が最も愛し、信頼する貴方以外にいないと、私は思うわ。」 キルビス「………! ミオリ………(キルビスの脳裏に、事件後、以前ほどの明るい笑顔が減ったミオリの様子が浮かび上がり)そうか………だよな………あの時も、俺がもっと近くに居れば………もう、あんな思いはさせたくない………3日でも一週間でも、とことん、付き合ってやろうじゃねえかよ………何ならイケるとこまで行ってm………あっ、いや、なんでもない………。(微かに頬を紅潮させ)………ところで、あんた随分アイツの事詳しいけど………知り合いか?(レミに)」 西條レミ「……あら、もしかして聞いてない?私ね、あの2度目のフレアチューバー事件の時、彼女をホテルで匿ってたのよ……あの時の彼女、とても戦える状態じゃ無かったからね……そこで、いろいろお話とかしてたら、まぁいろいろ詳しくなっちゃったのよね。 ……とまぁ、そういう事で、貴方もやる気になってきたみたいだし、当日は是非うちに泊まって頂戴、サービスするから……  何なら、うちでイッちゃっても良いのよ?特別サービスって事で。(ニヤニヤしながらキルビスの肩に手を置き)無理にエスコートしようと考えなくても大丈夫よ、あなたと一緒にいられるだけで彼女は幸せなんだから。 」 キルビス「そうだったのか?いや、こっちもあれから忙しくて、アイツも友人の安否確認しに行ってたりで、なかなか話す機会もなかったんで……アイツの事守ってくれて、本当にありがとう。(レミに頭を下げ)……あ、結構です、普通に泊まるんで……。」 西條レミ「いえいえ、どういたしまして……  あらそう?ちょっと残念。」 ルべリア「からかっちゃダメだよ、レミ…… と、言いたいところだけど、この際恋愛に積極的になるのも良いかもしれないね……私の占いでも、君とお嬢さんは相性バッチリと出ているからね。(いつの間にか、タロット占いを済ませており)」 キルビス「ちょ、何勝手に占ってんだよ……つーか早っ!(汗)……ま、まぁ、とりあえず未来も対策も分かった事だし……俺、そろそろ帰らないと……何か、いろいろありがとうございました……(ルべリアに)じゃぁ、当日そっちに行くから、よろしく。(レミに)そんじゃ、また…。(足早に受付に向かった後、図書館を出て帰路につく)」 ルべリア「あぁ、気を付けて……妹さんに宜しく。(キルビスに軽く手を振って)」 西條レミ「えぇ、心を込めておもてなしさせてもらうわ、じゃあね。(キルビスを見送って)……よーし、当日に向けてしっかり準備しておかないと……ルべリアさん、私達もキュラリアに戻りましょうか?」 ルべリア「あ……私はもう少しここにいるよ、ちょっとやりたい事があるからね………後、君に少し頼んでおきたい事があるのだけど、良いかな?」 西條レミ「……? はい、何でしょうか?」 ルべリア「(数枚の紙を取り出して)……これを、あの2人のデート当日までに作っておいてもらいたいんだが………  出来るかい?」 西條レミ「………(渡された紙に目を通し)………分かりました、お安いご用ですよ。(笑顔で返し)それでは、お先に失礼いたしますね。(ルべリアにお辞儀をした後、図書館を出る)」 ルべリア「ありがとう、頼んだよ。(レミに手を振り)………さて、私も用事に取り掛かるとするか。(古書を手に持ったまま、図書館の奥へと消えていく)」 西條レミ「(図書館を出て、駐車場の方へ行き)…………この街には……まだ薄汚いクズ共が残ってるのね………残らず、掃除されたと思ってたのに………。(小さく、怨嗟めいた口調で呟き、アストンマーティン One-77に乗ろうとする)」 ????「あっ、ちょっと待ってレミちゃ~ん!(レミに向けて、何処からか呼ぶ声がする)」 西條レミ「……?(声のする方を向いて)………誰……?(警戒した様子で、ポケットに手を忍ばせ)」 ????→シャンノン「シュタッッ――――(レミの目の前に降り立って)……ちょっとー、そんな怖い顔しないでよ、私だよ、わ・た・し……レミちゃん専属の超清純派美少女料理人、シャンノンちゃんだよぉ~。( = ̄+∇ ̄=)v(可愛くVサインをしながら笑顔を浮かべるその顔は、確かに美少女そのものといっても良いが、その一方で、ド派手なピンク色の外ハネボブの髪や、所々に黒い染みが付き、異臭を放つセーラー服、腰のベルトにぶら下がる複数の包丁、外にも拘らず素足である等、清純派美少女としても料理人としても明らかに異様な風貌が目立っていた)」 西條レミ「! 貴方、こんなとこで何してるの……っていうか、まさかそんな恰好で歩き回ったんじゃないでしょうね?何考えてるのよ本当に……警察にでも見つかったら確実に逮捕よ?分かってんの?」 シャンノン「だってー、どうせ汚すんだし、いちいち着替えるの面倒だもん……大丈夫大丈夫、見られない様にめっちゃ隠密行動してたから♪(★ゝω・)⌒☆ で、こんなとこでレミちゃんを待ちかまえてたのは他でもない………  お財布落としてタクシーも電車も乗れないんで、レミちゃんの車に乗せてってください…。(  ´・ω・)」 西條レミ「はぁ?勘弁してよ、もう……仕方ないわね、本当はその格好で乗って欲しくないんだけど……。(嫌そうな顔をしながらも、ドアを開け)……っていうか、そもそも電車やタクシーにも乗っちゃダメでしょ、冗談抜きで大騒ぎになるわよ………。」 シャンノン「ありがとうレミちゃぁ~ん、ではお言葉に甘えて……。(One-77の助手席に乗り込み)あ、そうだったね……ごめんごめん。」 西條レミ「まったく……(運転席に乗って、シートベルトをかけた後、One-77を発進させる)今日は何しに街に出てたの?……まさか、食材調達じゃないでしょうね?」 シャンノン「ううん、今日はねぇ、包丁を買い替えたかったのさ……何かね、いつの間にかどれも刃がガタガタになっててさ~、当然切れ味も悪くなっちゃったもんで……この通り、一気に買い換えてきましたっ。(`・ω・´)(腰のベルトから、幾つか真新しい包丁を手に取って見せて)綺麗でしょ~?実際によく切れるんだよ、これ。」 西條レミ「え、えぇ、綺麗だけど……包丁だったら、キュラリアにも専門店があるでしょ?何でわざわざ……。」 シャンノン「だって、このブランドこの街にしか無いんだもん……あそこのもまぁまぁ良いけど、やっぱりこれが一番丈夫だし、しっくり来るんだよね………(包丁を愛おしそうに見つめながら)この街でお料理してた時は、本当にお世話になったんだよぉ……出来たら、食材の調達もしたかったんだけどなぁ、せっかく買ったんだし……。」 西條レミ「そう……じゃぁ、今度から私が注文する様にしておくから、自分で直接買いに行くのは控えて頂戴……独断での食材調達なんて、以ての外よ………  自分の立場がどういうものか、分かってるわね?(国境検問所へと続く国道を逸れ、人気の無い山道へと車を走らせていく)」 シャンノン「分かってますって♪今もこうしてお料理が出来るのは、レミちゃんやルべりんのおかげなんだから……2人の頼みとあらば、もう何でもやっちゃうもんねっ(`✪ω✪´) そういえば、今日ルべりんと誰かに会うって言ってなかったっけ?誰と会ってたの?」 西條レミ「あぁ……ルべリアさんの、お友達のお子さんね……キルビス君っていうんだけど、以前あの街にいた貴方なら知ってるはずよ?彼、とっても有名だから。」 シャンノン「キルビス…… おぉ、知ってるよ!あれだよね、英雄の1人に選ばれたっていう、カッコいい男の子!手を剣に変えてさ、こう、シャキーン!って……凄いよねぇ?確か、フレアチューバーっていうあのヤバい会社にも特攻したんでしょ?彼。」 西條レミ「特攻っていうよりは……まぁ、あの手この手でかき回したって感じかな……とにかく、彼も頑張ったのよ、大事な人達の為に………  実はね、そんな彼の大事な人達が性質の悪い連中に絡まれて、危険にさらされるかもしれないって、今日ルべリアさんの水晶にお告げがあったの………だから、私達で助けてあげようって事になったのよ。」 シャンノン「Σえぇっ!?(☉ε ⊙ノ)ノ そ、それは大変だぁ!私にもできる事はない?何でも言ってっ!!(>ロ<;)」 西條レミ「はいはい、ありがとね……とりあえず、今のところはまだ待機で良いはずよ……必要とあらば、ルべリアさんの方から通達が行くはずだから。(ポケットから新品のスマホを取り出して、シャンノンに手渡し)ほら、この前壊しちゃったって言ってたから……連絡手段はちゃんと持ってないと。」 シャンノン「Σわわっ……(゚□゚*) ありがとうレミちゃん、大好きっ!!!\(∇≦\)(レミに抱き着いて)」 西條レミ「ちょ、ちょっと、運転中よ!危ないから離れて、あと臭いから……! グググ(;-゛-)ノ)ω`*) ……全くもう……帰ったら全部脱ぎなさいそれ、徹底的に洗うから!(目の前に山道の古いトンネルが見えてきた所で、そっと右手を挙げ)――――パ チ ン ッ ッ――――(トンネルの穴を一点に見ながら、指を鳴らす)」 ヴ オ ン ッ ッ(トンネルの入り口に、異空間ゲートが姿を現し)バチバチバチッッ―――― バ シ ュ ッ ッ(そして、One-77が通過すると同時にゲートが消え、辺りには再び静寂が訪れた――――) **[[続き>RE:BORN -時を越えし災厄- Day0過去ログ②]]

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