欧州評議会 女性に対する暴力およびドメスティック・バイオレンスの防止およびこれとの闘いに関する条約(イスタンブール条約)(3)


第8章-国際協力

第62条-一般的原則

1.締約国は、この条約の規定にしたがって、かつ、民事上および刑事上の問題における協力についての関連の国際文書および地域文書、統一法または互恵法を基礎とする取決めならびに国内法の適用を通じて、次の目的のため、可能なかぎり最大限に相互協力を行なう。
  • a. この条約の適用範囲にあるあらゆる形態の暴力の防止、これとの闘いおよびその訴追。
  • b. 被害者の保護および被害者への援助の提供。
  • c. この条約にしたがって定められた犯罪に関わる捜査または手続。
  • d. 締約国の司法機関が言い渡した関連の民事判決または刑事判決(保護命令を含む)の執行。
2.締約国は、この条約にしたがって定められた犯罪の被害者であって居住国以外の締約国の領域内で当該犯罪の被害を受けた者が、その居住国の権限ある機関に申告を行なえることを確保するため、必要な立法上その他の措置をとる。
3.条約がなければ刑事共助、犯罪人引渡しまたは他の締約国が言い渡した民事判決もしくは刑事判決の執行を行なうことはできない旨の条件を設けている締約国が、そのような条約を締結していない締約国から当該法的協力の要請を受けたときは、当該締約国は、この条約を、この条約にしたがって定められた犯罪に関わる刑事共助、犯罪人引渡しまたは他の締約国が言い渡した民事判決もしくは刑事判決の執行の根拠と見なすことができる。
4.締約国は、適当なときは、女性に対する暴力およびドメスティック・バイオレンスの防止ならびにこれとの闘いを、第三国のために提供される開発援助プログラムに統合するよう努める。このための手段には、第18条第5項にしたがって被害者の保護を促進することを目的として、第三国と二国間または多国間協定を締結することを含む。

第63条-危険な状況に置かれた者に関する措置

 締約国が、その有する情報に基づき、ある者が他の締約国の領域でこの条約の第36条、第37条、第38条および第39条に掲げられたいずれかの暴力行為を受ける差し迫ったおそれがあると考える合理的理由を有するときは、当該情報を有する締約国は、適切な保護措置がとられることを確保する目的で、当該他の締約国に対し、遅滞なく当該情報を送付するよう奨励される。この情報には、適用可能なときは、危険な状況におかれた当該人物のためにすでにとられている保護体制に関する詳細を含む。

第64条-情報

1.要請を受けた締約国は、要請を行なった締約国に対し、この章に基づいてとられた行動の最終的結果を迅速に通知する。要請を受けた締約国はまた、要請を行なった締約国に対し、追求された行動の実行を不可能にする事情またはこれを著しく遅延させるおそれがある事情があるときは、これについても通知する。
2.締約国は、自国の捜査の枠組みの中で入手した情報を、当該情報の開示が、この条約にしたがって定められた犯罪の防止または当該犯罪に関わる捜査もしくは手続の開始もしくは遂行に関して情報を受け取る締約国の役に立つ可能性があると考えるとき、または、当該情報の開示によって、情報を受け取る締約国がこの章に基づく協力を要請する可能性があると考えるときは、国内法の制約の範囲内で、事前の要請を受けることなく、当該情報を他の締約国に送付することができる。
3.2にしたがっていずれかの情報を受け取った締約国は、適当と考えられるときは手続を開始できるようにするため、または関連の民亊手続および刑事手続において当該情報を考慮することができるようにするため、自国の権限ある公的機関に当該情報を提出する。

第65条-データの保護

 個人データは、個人データの自動処理に関する個人の保護のための条約(ETS No. 108)に基づいて締約国が約束した義務にしたがって保存されおよび利用される。

第9章-監視機構

第66条-女性に対する暴力およびドメスティック・バイオレンス対策に関する専門家委員会

1.女性に対する暴力およびドメスティック・バイオレンス対策に関する専門家委員会(以下「GREVIO」)は、締約国によるこの条約の実施を監視する。
2.GREVIOは、ジェンダーの均衡および地理的均衡ならびに学際的専門性を考慮しながら、10名以上15名以下の委員で構成する。GREVIOの委員は、1回の更新が可能な4年の任期で締約国によって指名され、かつ締約国の国民から選ばれた候補者の中から、締約国委員会が選出する。
3.10名の委員の最初の選挙は、この条約の発効後1年以内に行なう。追加の5名の委員の選挙は、25番目の批准または加入の後に行なう。
4.GREVIOの委員の選挙は、次の原則に基づいて行なう。
  • a. 委員は、人権、ジェンダーの平等、女性に対する暴力およびドメスティック・バイオレンスもしくは被害者の援助および保護の分野で能力を認められていることまたはこの条約の対象分野において専門的経験を示してきたことで知られている、高潔な人格を有する者のなかから、透明な手続にしたがって選ばれる。
  • b. GREVIOの委員のうちいずれの2名も同一国の国民であってはならない。
  • c. 委員は、主要な法体系を代表しているべきである。
  • d. 委員は、女性に対する暴力およびドメスティック・バイオレンスの分野における主要な主体および機関を代表しているべきである。
5.GREVIOの委員の選出手続は、この条約の発効後6か月以内に、締約国と協議しかつその全会一致の同意を得た後、欧州評議会閣僚委員会が決定する。
6.GREVIOは、独自の手続規則を採択する。
7.GREVIOの委員、および、委員以外の者であって第68条第9項および第14条に掲げられた国別訪問を行なう代表団の団員は、この条約の付属文書に定める特権および免除を享受する。

第67条-締約国委員会

1.締約国委員会は、この条約の締約国の代表で構成する。
2.締約国委員会は、欧州評議会事務総長がこれを招集する。その第1回会合は、GREVIOの委員を選出するため、この条約が効力を生じた後1年以内に開催する。その後は、締約国の3分の1以上、締約国委員会議長または事務総長の要請があるときは、いつでも会合を行なう。
3.締約国委員会は、独自の手続規則を採択する。

第68条-手続

1.締約国は、GREVIOによる検討に供するため、欧州評議会事務総長に対し、GREVIOが作成する質問票に基づき、この条約の規定を実施するための立法上その他の措置に関する報告書を提出する。
2.GREVIOは、1にしたがって提出された報告書を、当該締約国の代表とともに検討する。
3.その後の評価手続はラウンドに分割して進めるものとし、ラウンドの期間はGREVIOが決定する。GREVIOは、各ラウンドの開始時に、評価手続の基礎となる特定の規定を選択し、かつ質問票を送付する。
4.GREVIOは、この監視手続を実施するための適当な手段について定める。GREVIOはとくに、締約国による実施の評価手続の基礎となる質問票を評価ラウンドごとに採択することができる。この質問票は、全締約国に宛てられるものとする。締約国は、この質問票に対し、かつGREVIOによる他のいかなる情報要請に対しても、回答する。
5.GREVIOは、非政府組織および市民社会ならびに人権の保護のための国内機関から、この条約の実施に関する情報を受け取ることができる。
6.GREVIOは、この条約の適用範囲内の分野に関する他の地域的および国際的文書および機関から入手可能な既存の情報を正当に考慮する。
7.各評価ラウンドについての質問票を採択するにあたり、GREVIOは、この条約の第11条に掲げられた、締約国ですでに行なわれているデータ収集および調査研究を正当に考慮する。
8.GREVIOは、欧州評議会人権コミッショナー、議員会議および関連する欧州評議会の専門機関ならびに他の国際文書に基づいて設置されている機関から、条約の実施に関する情報を受け取ることができる。これらの機関に申し立てられた苦情およびその結果は、GREVIOに対して利用可能とされる。
9.GREVIOは、得られた情報が不十分であるとき、または14に定める場合には、国内の公的機関と協力し、かつ独立の国内専門家の援助を得ながら、補助的に国別訪問を行なうことができる。当該訪問の際、GREVIOは、特定分野の専門家の援助を得ることができる。
10.GREVIOは、評価の基礎とされた規程の実施に関する分析、ならびに、特定された問題に当該締約国が対処する方法についての提言および提案を記載した報告書案を作成する。当該報告書案は、コメントを求めるため、評価を受けた締約国に送付される。当該締約国のコメントは、報告書の採択の際、GREVIOによって考慮される。
11.GREVIOは、受領したすべての情報および締約国によるコメントに基づき、この条約の規定を実施するために当該締約国がとった措置に関する報告書および結論を採択する。この報告書および結論は、当該締約国および締約国委員会に送付される。GREVIOの報告書および結論は、当該締約国による最終コメントとともに、採択時から公開される。
12.締約国委員会は、1から8までの手続を妨げることなく、GREVIOの報告書および結論に基づき、(a) GREVIOの結論を実施するためにとるべき措置(必要なときは、その実施に関する情報が提出されるべき日を定めるものとする)に関する、かつ (b) この条約の適正な実施のために当該締約国との協力を促進することを目的とした、当該締約国に宛てた勧告を採択することができる。
13.GREVIOは、重大な条約違反を防止しまたはその規模もしくは回数を制限するために即時に注意を払うべき問題がある状況を示す信頼できる情報を受け取ったときは、重大な、大規模なまたは執拗な様式で行なわれる女性に対する暴力を防止するためにとられた措置についての報告書を緊急に提出するよう、要請することができる。
14.GREVIOは、締約国から提出された情報およびGREVIOが入手した他のいずれかの信頼できる情報を考慮に入れ、1名以上の委員を指名して調査を行なわせ、かつGREVIOに緊急に報告させることができる。正当な理由および締約国の同意があるときは、この調査に当該締約国の領域への訪問を含むことができる。
15.GREVIOは、14の調査の知見を検討した後、当該知見を、いずれかのコメントおよび勧告があればそれとともに、当該締約国ならびに適当なときは締約国委員会および欧州評議会閣僚委員会に送付する。

第69条-一般的勧告

 GREVIOは、適当なときは、この条約の実施に関する一般的勧告を採択することができる。

第70条-監視への議会の関与

1.国内議会は、この条約の実施のためにとられた措置の監視に参加するよう慫慂される。
2.締約国は、GREVIOの報告書を自国の国内議会に提出する。
3.欧州評議会議員会議は、この条約の実施に関する定期的評価を行なうよう慫慂される。

第10章-他の国際文書との関係

第71条-他の国際文書との関係

1.この条約は、この条約の締約国が現に締約国であるまたは締約国になるものとされる他の国際文書であって、この条約が規律する事柄についての規定を含んでいる他の国際文書から生ずる義務に影響を及ぼすものではない。
2.この条約の締約国は、この条約の規定を補足しもしくは強化しまたはこの条約に掲げられた原則の適用を促進する目的で、この条約で扱われている事柄について相互に二国間または多国間協定を締結することができる。

第11章-条約改正

第72条-改正

1.締約国がこの条約について行なったいかなる改正の提案も、欧州評議会事務総長に送付され、事務総長により、欧州評議会加盟国、すべての署名国、すべての締約国、欧州連合、第75条の規定にしたがってこの条約への署名を慫慂されたすべての国および第76条の規定にしたがってこの条約への加入を慫慂されたすべての国に送付される。
2.欧州評議会閣僚委員会は、当該改正案を検討するものとし、欧州評議会加盟国以外のこの条約の締約国と協議した後、欧州評議会規程第20条dに定める過半数をもって当該改正を採択することができる。
3.2にしたがって閣僚委員会が採択した改正文は、受託のため、締約国に送付される。
4.2にしたがって採択されたいかなる改正も、すべての締約国が改正の受託を事務総長に通告した日の後1か月が経過した月の1日に効力を生ずる。

第12章-最終条項

第73条-この条約の効果

 この条約の規定は、国内法およびすでに効力を生じているまたはその可能性がある拘束力のある国際文書の規定であって、女性に対する暴力およびドメスティック・バイオレンスの防止およびこれとの闘いに関して人により手厚い権利を付与しておりまたは付与することになる規定を害するものではない。

第74条-紛争解決

1.この条約の規定の適用または解釈に関して生ずる可能性のあるいずれかの紛争の当事国である締約国は、まず、交渉、調停、仲裁の手段によってまたは当事国間の相互の合意によって受け入れられた他のいずれかの平和的解決方法によって、当該紛争を解決するよう努める。
2.欧州評議会閣僚委員会は、紛争当事国である締約国が合意した場合に利用可能な解決手続を定めることができる。

第75条-署名および発効

1.この条約は、欧州評議会加盟国、その作成に参加した非加盟国および欧州連合による署名のために開放しておく。
2.この条約は、批准、加入または承認されなければならない。批准書、加入書または承認書は、欧州評議会事務総長に寄託する。
3.この条約は、少なくとも8か国の欧州評議会加盟国を含む10か国の署名国が、前項の規定にしたがって条約に拘束されることへの同意を表明した日の後3か月が経過した月の1日に効力を生ずる。
4.1に掲げられたいずれかの国または欧州連合が、その後、条約に拘束されることへの同意を表明したときは、条約は、当該国または欧州連合について、その批准書、加入書または承認書が寄託された日の後3か月が経過した月の1日に効力を生ずる。

第76条-条約への加入

1.この条約の発効後、欧州評議会閣僚委員会は、この条約の締約国との協議を行ないかつその全会一致の同意を得た後、欧州評議会の非加盟国であって条約の作成に参加しなかったいかなる国に対しても、欧州評議会規程第20条dに定められた過半数による決定をもって、かつ閣僚評議会に出席する資格を有する締約国の代表の全会一致の投票をもって、この条約に加入するよう慫慂することができる。
2.条約は、加入したいかなる国についても、欧州評議会事務総長に加入書が寄託された日の後3か月が経過した月の1日に効力を生ずる。

第77条-領域的適用

1.いずれの国または欧州連合も、署名時または批准書、受託書、承認書もしくは加入書の寄託時に、この条約が適用される単一のまたは複数の領域を特定することができる。
2.いずれの国も、その後のいかなる時点においても、欧州評議会事務総長に宛てた宣言によって、当該宣言で特定され、かつ国際的関係について自国が責任を負っているまたは自国が代わって保証を行なうことが認められている他のいずれの領域に対しても、この条約を新たに適用することができる。当該領域については、条約は、事務総長が当該宣言を受領した日の後3か月が経過した月の1日に効力を生ずる。
3.1および2の規定に基づいて行なわれたいずれの宣言も、当該宣言で特定されたいずれの領域についても、欧州評議会事務総長に宛てた通告によって撤回することができる。撤回は、事務総長が当該通告を受領した日の後3か月が経過した月の1日に効力を生ずる。

第78条-留保

1.この条約のいかなる規定についても、2および3に定められた例外を除き、いかなる留保も付すことができない。
2.いずれの国または欧州連合も、署名時または批准書、受託書、承認書もしくは加入書の寄託時に、欧州評議会事務総長に宛てた宣言によって、次の条に掲げられた規定を適用しない権利または特定の事案もしくは特定の条件が存するときにかぎって適用する権利を留保する旨、宣言することができる。
  • 第30条第2項
  • 第44条第1項e、第3項および第4項
  • 第55条第1項(微罪に関わる第35条の適用について)
  • 第58条(第37条、第38条および第39条の適用について)
  • 第59条
3.いずれの国または欧州連合も、署名時または批准書、受託書、承認書もしくは加入書の寄託時に、欧州評議会事務総長に宛てた宣言によって、第33条および第34条に掲げられた行動について刑事的制裁に代えて非刑事的制裁を定める権利を留保する旨、宣言することができる。
4.いずれの締約国も、欧州評議会事務総長に宛てた宣言によって、留保の全部または一部を撤回することができる。この宣言は、事務総長の受領の日から効力を生ずる。

第79条-留保の有効性および再検討

1.第78条第2項および第3項に掲げられた留保は、当該締約国についてこの条約が効力を生じた日から5年間、その効力を維持する。ただし、当該留保は同一の期間で更新することができる。
2.欧州評議会事務総長は、留保が失効する日の18か月前に、当該締約国に対して当該失効について通告する。締約国は、失効の3か月前までに、事務総長に対し、自国の留保を維持し、修正しまたは撤回する旨を通告する。当該締約国による通告がないときは、事務総長は、当該締約国に対し、当該締約国の留保は自動的に6か月間延長されたと見なされる旨、通知する。当該締約国が、自国の留保を維持しまたは修正する意思を当該期間の終了までに通告しないときは、当該留保は執行する。
3.第78条第2項および第3項にしたがって留保を付した締約国は、その更新までにまたは要請により、当該留保を継続する正当な理由についてGREVIOに説明を行なう。

第80条-廃棄

1.いかなる締約国も、欧州評議会事務総長に宛てた通告を行なうことによって、いつでもこの条約を廃棄することができる。
2.当該廃棄は、事務総長が通告を受領した日の後3か月が経過した月の1日に効力を生ずる。

第81条-通告

 欧州評議会事務総長は、欧州評議会加盟国、この条約の作成に参加した非加盟国、すべての署名国、すべての締約国、欧州連合およびこの条約への加入を慫慂されたすべての国に対し、次の事項を通告する。
  • a. すべての署名。
  • b. すべての批准書、受託書、承認書または加入書の寄託。
  • c. 第75条および第76条にしたがってこの条約が効力を生ずるすべての日付。
  • d. 第72条にしたがって採択されたすべての改正および当該改正が効力を生ずる日付。
  • e. 第78条にしたがって行なわれたすべての留保および留保の撤回。
  • f. 第80条の規定にしたがって行なわれたすべての廃棄。
  • g. この条約に関わる他のいずれかの行為、通告または連絡。

以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けてこの条約に署名した。

2011年5月11日、イスタンブールにおいて、ひとしく正文である英語およびフランス語により本書1通を作成した。本書は、欧州評議会に寄託する。欧州評議会事務総長は、欧州評議会の各加盟国、この条約の作成に参加した非加盟国、欧州連合およびこの条約に加入するよう慫慂されたすべての国に対し、その認証謄本を送付する。

付属書-特権および免除(第66条)

1.この付属書は、第66条に掲げられたGREVIOの委員および国別訪問代表団の他の構成員について適用される。この付属書の適用上、「国別訪問代表団の他の構成員」には、条約第68条第9項に掲げられた独立の国内専門家および特定分野の専門家、欧州評議会の職員、ならびに、欧州評議会によって雇用された、国別訪問中にGREVIOに随行する通訳者を含む。
2.GREVIOの委員および国別訪問代表団の他の構成員は、国別訪問の準備および実行ならびにそのフォローアップに関わる任務の遂行中、かつこれらの任務に関係する旅行の期間中、次の特権および免除を享受する。
  • a. 逮捕または拘禁および個人用の荷物の押収の免除、ならびに、公の資格で口頭または書面により行なった発言および公の資格で行なったあらゆる行動に関わるすべての種類の法的手続の免除。
  • b. その居住国からの出国および当該国への帰国ならびに任務遂行地である国への入国および当該国からの出国に関するいずれかの制限の免除、ならびに、訪問国または任務の遂行に際して通過する国における外国人登録の免除。
3.GREVIOの委員および国別訪問代表団の他の構成員は、任務の遂行に際して行なう渡航の過程で、関税および為替管理の問題について、一時的な公の任務を有する外国政府の代表に与えられる便益と同一の便益を与えられる。
4.GREVIOの委員および国別訪問代表団の他の構成員が携行する、条約の実施の評価に関する書類は、当該書類がGREVIOの活動と関係するかぎりにおいて不可侵とする。GREVIOの公用通信またはGREVIOの委員および国別訪問代表団の他の構成員の公的通信に対しては、いかなる差止めまたは検閲も適用されない。
5.GREVIOの委員および国別訪問代表団の他の構成員に対して職務遂行における完全な言論の自由および完全な独立を保障するため、当該委員等がもはや当該職務の遂行に関与していない場合であっても、当該委員等が職務遂行に際して口頭または書面により行なった発言および職務遂行に際して行なったあらゆる行為に関わる法的手続の免除は、引き続き与えられる。
6.特権および免除は、GREVIOの利益のために任務を独立して遂行できることを保障する目的でこの付属文書の1に掲げられた者に与えられるものであり、当該委員等の個人的便宜のために与えられるものではない。欧州評議会事務総長は、この付属文書の1に掲げられた者の免除が正義の遂行の妨げとなると考えられ、かつGREVIOの利益を損なうことなく当該免除を放棄できる場合にはいつでも、当該免除を放棄する。


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最終更新:2019年02月23日 06:32