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222 : へべれけさん・23 2006/11/15(水) 19:41:10 ID:???
へべれけさん・23

1/4

麻帆良学園中等部女子寮。そこには夜な夜な徘徊する酔っ払い女が棲むという……。
「う~い。今日も美味しいお酒で~す」
すっかり千鳥足の柿崎さん。今夜は誰の部屋に押し掛けるのでしょうか。
「こんな夜は熱燗に脂たっぷりの秋刀魚よね~♪」
おこたで晩酌をする柿崎さん。その表情は完全に緩み切っています。その隣では、
「ぅにゃああ~ん」
ゆーにゃさんが嬉しそうに秋刀魚を美味しく頂いていました。こちらも御満悦といった表情です。
「どうだいゆーにゃ君。君も一杯飲るかい?」
柿崎さんはお猪口を差し出しますが、
「……にゃ」
ゆーにゃさんはぷいっ、とそっぽを向いてしまいます。そして、おこたの上にあごをちょこんと乗せて
ごーろごろと喉を鳴らすのでした。
「しからば亜子! ここはアンタがくいっと!」
「ウ、ウチそないお酒強うないから……」
あっさり断られた柿崎さん。(´・ω・`)にょろーんといった表情を浮べています。和泉さんは苦笑しながら
ゆーにゃさんの頭を撫で撫でしていました。
「―――けど、やっぱりこたつはいいよね~。私たちもそろそろこたつにする?」
「そ~だね~。クッキとビッケも喜ぶし!」
晩酌に付き合っていた釘宮さんと椎名さんはそんな事を話しています。ここはおこたをこよなく愛する
ゆーにゃさんの部屋です。そこは女子寮でもっとも早くおこたを出す部屋なのです。今宵の柿崎さんは
おこたに惹かれて訪れたのでした。何故かチア総出てすが。
「おこた~♪ それはおしゃけをとぉーっても美味しくする必需品なのれすっ!」
「にゃ!」
柿崎さんの与太話に、ゆーにゃさんも頷いています。おこたと美味しいお魚。それだけでゆーにゃさんは
幸せ一杯な様子です。四人と一匹は、しばし幸せに浸っていました。


223 : へべれけさん・23 2006/11/15(水) 19:41:50 ID:???
2/4
小一時間後―――
「円お姉ちゃんも桜子もあんま酔うてへんね……」
部屋の隅に転がる一升瓶の数に、和泉さんは苦笑するばかりです。台所では今もお銚子が五本、
湯気を立てています。柿崎さんはともかく、釘宮さんも椎名さんもなかなかのペースで飲み続けていました。
「ま、この妖怪に毎回付き合わされてたら嫌でもお酒に強くなるからね……」
釘宮さんはほんのり頬を染めながら呟きます。
「あはは~。コレでゆーなが正気だったらすっごいコトになってたかもね~」
「せやね……」
椎名さんの一言に、みんなの視線が不思議ナマモノに集まりました。当の本人(?)は首を傾げながら
「うにゃ?」
と、一鳴きしています。
「むう……。元々はかーなーりイケる口なんだし、ちょいと強引に飲ませてみよっか?」
きゅぴーん、と柿崎さんの目が輝きました。そして、秘蔵のまたたび酒をおこたの上にのっけます。
「ほーれ、ゆーにゃの好きなマタタビだよ~♪」
栓を抜いた瞬間、ゆーにゃさんのおヒゲがぴくん! と反応しました。
「コイツをぬる燗で秋刀魚と一緒にぱくりと……!」
「に、にゃあぁぁ……」
柿崎さんの誘惑に、ゆーにゃさんの目が爛々と輝きます。その間に椎名さんはマジでまたたび酒を
お銚子に移し、お燗してしまいました。
「な、なんや嫌な予感がするんはウチだけやろか……?」
「大丈夫、私も……」
和泉さんと釘宮さんは怪訝な表情でこの光景を見守っていたそうです。そして、
「お待たせ~♪」
椎名さんがぬるめにお燗したまたたび酒を持ってきました。すかさず柿崎さんも秋刀魚を差し出します。
「にゃー!」
あっさり誘惑に陥落したゆーにゃさん。ぴちゃぴちゃとまたたび酒を口にしてしまいます。そして、
「にゃーにゃーにゃー!」
「もっと飲みたい! ってゆーとるわ……」
ゆーにゃさんは柿崎さんの袖をくいくい引っ張りながらおねだりするのでした。


224 : へべれけさん・23 2006/11/15(水) 19:42:28 ID:???
3/4
「ふっふっふ……。私たちが飲んでゆーにゃも飲む。となれば亜子も飲まないワケにはいかないわねっ!」
調子に乗った柿崎さん。再度和泉さんにお銚子を差し向けます。
「し、しゃあないなあ……。ちびっとだけやで?」
困った表情で和泉さんはお猪口を手に取ります。こうして宴会は更に盛り上がる、筈でした……。

「―――に、にゃあ……」
怯えています。ゆーにゃさんがすっかり怯えています。けれど逃げ出すことは許されません。
がっしりと柿崎さんに抱きかかえられたまま、ゆーにゃさんは途方に暮れていました。
既に椎名さんは撃沈しています。釘宮さんもまた、かなり酔いが回っていました。何故なら―――
「えへへ~♪ 円お姉しゃんホンマにかっこええな~。ウチのおしゃけ、もっともっと飲んでえにゃ♪」
完全に酔っ払った和泉さん。ぴったり甘えるように釘宮さんにすり寄ったまま、際限無しにお酒を注ぎます。
「あ、あのね亜子、さすがに私も限界……」
先程から何度も断りを入れる釘宮さん。ですが、
「ううっ、おねーちゃんはウチのこと嫌いなん? ウチのおしゃけ、飲んでくれへんの?」
「!!!!!」
今にも泣きそうな表情で和泉さんに上目遣いで哀願されると、物凄い表情で一気飲みしてしまいました。
「にゃうぅぅ……」
「ん? こんな亜子を見たのは初めてだって? そーだねー、中途半端に酔っちゃったみたいだからねー」
ただ一人、柿崎さんだけは平然と飲み続けています。
「ふにゃああ~♪ ゆーにゃはめっちゃかわええな~♪」
和泉さんの魔の手が、今度はゆーにゃさんに向けられました。そして、
「ゆーにゃには特別にウチが直接飲ましたるよ~?」
ぐいっ、と和泉さんはお酒を口に含みます。そしてそのままゆーにゃさんにキスをしました。
「ぅにゃあ……」
ゆーにゃさんもこの攻撃は効いたようです。すっかり真っ赤になりながら、ゆーにゃさんはくた~っ、と
おこたの上に寝そべってしまいました。
「やるわね亜子! オーケイ円、私達も合体よ!!」
「せんでいいっ! このバカ美砂!!」
同じように口移しをしようとした柿崎さんでしたが、あえなくクギミーパンチを浴びたのでした。


225 : へべれけさん・23 2006/11/15(水) 19:43:39 ID:???
4/4

「ああ、くらくらする……。とっとと逃げよ、ゆーにゃ」
「にゃうぅん……」
身の危険を感じ、釘宮さんとゆーにゃさんはよろよろと部屋から退散しようとしました。けれど……、
「ふわあ……、なんや暑うなってきたわ~♪」
「おっ? 脱ぐのね? よーしおねーさんも脱いしゃうよ~! っと」
何やら不穏な行動に出る酔っ払い二人に、恋人と姉はぴたりと足を止めざるを得ませんでした。
「……ゆーにゃ」
「……にゃ」
一人と一匹は悲愴な面持ちで頷きました。ここまで攻めと受けがはっきりしている酔っ払い二人を残しては
間違いが起きること必至です。
「美砂! 今日はトコトン飲み明かすわよっ!!」
「にゃにゃにゃー!!」
こうして、一人と一匹は死地に赴く戦士のような形相で、魔性の宴に戻ったそうです―――

そして数時間後―――
「―――ぅにゅ? あれっ、ウチは何しとったん……?」
正気に返った和泉さんが見たもの。それは……、
「亜子、もう夜遅いからこのまま寝ようね」
「にゃー」
妙に清々しい表情で微笑む一人と一匹。そして、
「…………」
完全に沈黙した柿崎さんの無残な姿でした。柿崎さんの髪はちりちりに焦げており、衣服はズタボロです。
そして、顔には無数の引っかき傷があったそうで。何をされたのかは推して知るべし、ですね。
「なあなあ、ウチ、なーんも覚えてへんのやけど、何やあったん?」
和泉さんの呑気な一言に一人と一匹は苦笑し、やはり柿崎さんはぴくりとも動きません。完全に気絶しています。
ただ一人、椎名さんだけはご機嫌な表情で眠り続けていたそうです―――

(おしまい)

234 : マロン名無しさん 2006/11/16(木) 00:16:11 ID:???
三分後投下~
前スレの何処かの続きです


刹那 主人公、職業勇者。とっても頑張り中

木乃香 勇者の幼なじみ、職業賢者。せっちゃん命の色狂い。夜が来るたびにケダモノと化す

古菲 異世界から迷い込んだ少女、職業武道家。言葉はわかるが「ある」としか喋れない。刹那は心の中で”あるある”と呼んでいる

エヴァ 職業魔王。大魔王に襲われて、記憶を失っていた。現在茶々丸に拘束されている

茶々丸 魔王エヴァの従者。意外と残酷。パーティについてくることになった


235 : 刹那 そして伝説へ(byDQⅢ) 2006/11/16(木) 00:18:49 ID:???
刹那 そして伝説へ(byDQⅢ)


1/5
世界は危機に瀕しています
それは魔王がいるからです
魔王がいるから・・・困っているのです


ここは化け猫の王様、ゆーな王が収めるラダドームの街。そこでちょっと黄昏れていました
木乃香 「なあ、魔王を倒すんはわかるんやけど、どこにおるんやろな?」
刹那 「さあ?茶々丸さん、魔王ってどこにいるんですか?」
茶々丸 「それはですね・・・」

そのときでした。突然背後から声がかけられたのです
老人春 「おお!!あなた方が勇者様ですね!!」
老人日 「お待ちしておりました・・・お待ちしておりました・・・」
振り返ると、そこには四人の咽び泣く老人たちの姿がありました

茶々丸 「どうも・・・それで大魔王様のお城ですが、このお城から見える向こうの島にあります」
木乃香 「意外と近くなんやな?」
茶々丸 「しかしそこへと至る道はないのです。近海は荒れ、侵入する者を阻みます」

老人美 「そうなのです。そしてその島へと向かう手立てをお伝えするのが私たちの役目でございました!!」
老人空 「いまから言う3つの道具を・・・」 

木乃香 「でもせっちゃん飛べるから、行くの問題ないやん」

夕暮れの街、老人たちはただ悲しそうに泣き崩れていました


236 : 刹那 そして伝説へ(byDQⅢ) 2006/11/16(木) 00:25:43 ID:???
2/5
木乃香 「悪いことしたんかなぁ、ウチ」
茶々丸 「人生の目的を潰してしまったようですし、おそらく立ち直れないでしょう」
まあ、人生山あり谷あり。頑張って生きてください。たぶん谷しかないと思いますけど

茶々丸 「それで大魔王様のお城までなら私でご案内できます。ただその前に・・・」
古 「ある?」
茶々丸 「マイラの街へ向かっていただけませんか?そこの温泉にマスターを入れたいのです。ずいぶんと汚れていますので」

地下世界に降りてきて以来、幼女は従者に抱擁されたままです
口には猿ぐつわが噛まされ、体は拘束具に包まれたまま、そして目隠しされているのです
ちょっと可哀想、でも吸血鬼だから暗い方がいいのかな?


そしてここはマイラの街の温泉街、浴衣を着た観光客が通りで物見遊山をしています
木乃香 「ああん、浴衣や。はよ宿決めて遊びに行こ、せっちゃん!!」
私の袖を引っ張るこのちゃん。やっぱりこういった街へ来るとそうなってしまいますね
古 「あるぅ~」
あるあるは温泉まんじゅう、温泉たまご、焼き餅なんかを涎をたらして見ています
後でお小遣いあげようかな

さて、ここは温泉宿”朝倉の湯”、どうやらここに泊まることになりそうです
和美 「いらっしゃ~い!!5名様ごあんな~い!!」
暖簾をくぐって”部屋の空きはありますか”と言う暇すらなく、私たちは入り口に案内されました
木乃香 「あ、あんなあ、お部屋あいてるん?」
和美 「空いてますよぉ、5人部屋でいいかな?」
木乃香 「カップル部屋一つ、後はどうでもええよ」

和美 「むふふ・・・宿を出るとき、私にあの台詞を言わせたいんですね・・・わかったよん。むふふ」
宿の主人の含み笑いと、お代官様の様なこのちゃんの悪人笑いがとっても気になります


237 : 刹那 そして伝説へ(byDQⅢ) 2006/11/16(木) 00:26:24 ID:???
3/5
部屋に荷物を置いて、私は一息つきました
そして大きな不安に襲われたのです
よくよく考えれば大魔王を倒す為の旅なのに、こんなにゆっくりしていて良いのだろうかと
とはいえ、いきなり大魔王に戦いを挑んでも勝てるとは思えません
何せ相手は大地を軽く引き裂くほどの力の持ち主、っていうかどんな修行をしても勝てるとは思えません

”みかたになれば せかいの はんぶんを おまえに やろう”
とか言ってくれないかな?
なんだか最近その方がいいような気がしてきました

木乃香 「さあ、せっちゃん。観光行くえ?」
すでに浴衣姿のこのちゃん。戦闘対戦万全です。からころ鳴りそうな下駄がまた風情を出してます
刹那 「ちょ、ちょっと待っててな。今用意する・・・」
木乃香 「ほうか、うちが・・・手伝うたる!!!」
このちゃんはそう言うと、私に襲いかかってきたのです
刹那 「あ、アカンて!!今から行かなあかんのに脱がせて・・・ダメ!!今日はまだお風呂入ってへんから!!!ああっ!!!」

観光が2時間遅れました


さて、観光から帰ってくれば次は食事かお風呂。とはいえ食事はまだ時間が早いのでそれならば・・・
木乃香 「ご主人はん、二人で入れるようなお風呂無いん?」
和美 「えーと、あるにはあるんだけど・・・ちょっと、ね」
刹那 「何かあるんですか?」
和美 「なんと言うか・・・全自動温泉?なのかな?」

木乃香 「全自動温泉?なんなんそれ?」
刹那 「初めて聞きますね」
和美 「興味があるなら入ってみる?危険はないからさ」


238 : 刹那 そして伝説へ(byDQⅢ) 2006/11/16(木) 00:27:03 ID:???
4/5
見たところ普通の小さな岩風呂、そして二人で入るには丁度良い大きさです
木乃香 「別に普通ちゅうか・・・風情のあるええお風呂やん」
刹那 「そうやね、これといって・・・」
そのときでした。突然ふよふよとタオルがこっちに飛んできたのです
刹那 「た、タオル?なんなん?」

”いらはいまし~”

岩風呂に響く幻想的な声、それはまるで別世界からの声でした
木乃香 「せっちゃん、あれ!!!」
このちゃんの指さす方を見ると、なんとうっすらと映るゴーストさんがいたのです
さよ 「背中洗いからお風呂で飲むお銚子の用意まで、全部私がしますからね~」

それはずいぶんと明るいゴーストさんでした
木乃香 「アンタ・・・ここで何しとるん?」
さよ 「御入浴のお手伝いですよ~、ここで60年働いてるんですよ~」
しかしその明るい声とは対照的に、このちゃんの顔は険しくなってます
木乃香 「・・・二人っきりが良いんや。言うとる意味、わかるやろ」
このちゃんがそう言うと、ゴーストさんは少し顔を赤らめたのです
さよ 「そうですか・・・じゃあ、ちょっとお待ちくださいね。今いいいものお持ちしますから」

ゴーストさんはしばらく消えた後、再び現れて二つの瓶を持ってきたのです
そしてこのちゃんに何か耳打ちをしたのです
さよ 「これは・・・ぬるぬるあわあわになって・・・これは・・・精力剤・・・です」
木乃香 「後でチップはずむわ、ありがとうな」

淫蕩な笑みで笑うこのちゃん。それにつられて含み笑いをするゴーストさん
ご主人といい、このゴーストといいなんなんでしょうか、このお宿は?

さよ 「ではごゆっくり~」
こうして消えるゴーストさんと、それを見送るこのちゃん
お風呂がこんなに不安に感じたことはありませんでした


239 : 刹那 そして伝説へ(byDQⅢ) 2006/11/16(木) 00:27:41 ID:???
5/5
敷かれた布団の上にごろりと寝転がる私、腰が抜けているうえに少しのぼせ気味です
木乃香 「ゴメンな、せっちゃん。ちょっとハッスルしすぎたみたいやわ」
お風呂で気がつきましたが、このちゃんは特技に、さそうおどり、ひゃくれつなめ、きゅうしょ突きが追加されたようです
私がその標的にされたのはたまりませんが・・・

木乃香 「ご飯どうするん?」
刹那 「もう・・・らめ・・・あかんて・・・」
木乃香 「そっか・・・ほんならうち食べてくるから寝ててええよ」
ちょっとほっとする私、少し休憩したかったのです

ですが部屋を出る前に言ったこのちゃんの一言が、私を期待と不安のどん底にたたき落としたのです
木乃香 「帰ってきたら・・・二人でハッスルダンスやで」


どうやら今日は寝かせて貰えないようです。宿屋なのに体力が回復しないなんて・・・
どうなっているんだろう


超 「エロはハルナサンパートだったのに・・・なんでワタシがやったのだろうカナ?」
夕映 「私は誕生日なのになのをしているんでしょうか?それはそうとハルナはああ見えて実は・・・やっぱりエロいです」
超 「なんだかワタシとハルナサンでおば・・・那波さんのパートを押しつけあっているようネ。次こそは大魔王の元へ行くネ!!」
夕映 「まあ、気長に待つです」


242 : へびぃ・どりんかー 2006/11/16(木) 07:46:10 ID:???
へびぃ・どりんかー

1/3

体育の授業。二人一組となってストレッチに励む生徒達。夕映の相手は出席番号順で亜子であった。
「―――けどなんや、この組み合わせ方ってちびっとでもずれたらえらいコトになるんやね」
「そうですね。私と朝倉さんじゃ体格に差がありすぎです」
背筋伸ばし運動をしながら、二人はのんびりとおしゃべりに興じる。
「ウチもアキラ相手やと潰れてまうもんな~」
「まあ、本当に深刻なのは向こうですね」
ちらり、と夕映は双子の方に視線を送る。この順番が狂った場合、風香は千鶴と組まされるのである。
「風香、絶対にぺしゃんこやな……」
逆さまに双子を見ながら、あはは、と亜子が笑う。
「このクラスは極端に大きい人と小さい人が多すぎです……」
「うー、ウチももっと背え伸ばしたいんやけどな~」
「私もです」
そのままちびっこ二人はずーんと落ち込む。
「夕映ちゃんが今日誕生日でウチももうすぐやっちゅーのに、ウチらあんま成長しとらんもんなあ……」
そう言ってから、亜子はある事を思い出した。そのまま亜子は勢いをつけてくるりと一回転して着地する。
お陰で今度は夕映がぐいーん、と引っ張られる形となった。
「あ、亜子さん危ないですーっ!」
けれど亜子はそんな抗議もお構いなしといった様子で切り出した。
「あんな夕映ちゃん。ウチな、前にゆーなから身長を伸ばすサプリもろてんけど、めっちゃクセの強い味なんよ。
プロテインみたいにお水に溶かして飲むタイプなんやけど、夕映ちゃんやったらへーきかも」
飲料、と聞いてきゅぴーんと夕映の目が光った。
「クセのある味……。しかも身長を伸ばすサプリですか……!」
「ゆーな本人もギブアップしたくらいの代物やで。なんなら夕映ちゃんの誕生日プレゼントにしよっか?」
そう、冗談で言ったつもりの亜子であったが……、
「是非お願いするですっ!!」
至って夕映吉さんは真剣だったそうな……。


243 : へびぃ・どりんかー 2006/11/16(木) 07:46:48 ID:???
2/3

「ふ、ふふふ……!」
放課後。早速夕映は亜子から件のサプリを受け取ると、神妙な面持ちで水に溶かした。そして、ゆっくりと
グラスを手にし、不敵な笑みを漏らしている。
「だ、だいじょーぶなんやろか……?」
「ゆ、ゆえ~……」



「まあ、夕映吉くんがチャレンジャーなのは今に始まったコトじゃないけどさ」
言い出しっぺとして亜子はその様子をおそるおそる見守っていた。その隣ではのどかやハルナも
固唾を飲んでいる。
「では、いくです……っ!」
くわっ、と目を見開き、夕映は一気にグラスをあおった―――

「こ、これは……! かつて伝説と謳われたビタミン牛乳とメッコールを足して2で割ったような感覚です!」

夕映の感想に亜子とのどかはきょとんとしたものの、ただ一人ハルナだけはあからさまに嫌そうな顔を見せる。
さすがは腐女子といったところか。それなりにアレなドリンクには詳しいようである。
しかし、当の夕映本人はというと……、
「確かにクセが強いです。これでは病みつきになってしまうではないですか!」
そう言ってすかさず2杯目を作り出す始末であった。
「あのー、亜子さんは大丈夫だったんですかー?」
「一口飲むんがやっとやってんけど……。ま、まあ気に入ってもらえたみたいでなによりやわ……」
「まあ、夕映吉ですから」
そんなこんなで、一同はそのまま悦に浸る夕映を放置して、パーティーの準備を始めたそうな。
異変が起きたのは、それから小一時間後の事であった―――


244 : へびぃ・どりんかー 2006/11/16(木) 07:47:26 ID:???
3/3

「!!!!!」
びくんっ! と夕映の身体に衝撃が走った。これはいつもの比では無い。正にビックバンと呼ぶに相応しい
猛攻であった。
「も、漏るです……っ!!」
美空顔負けの猛ダッシュでトイレに駆け込む夕映。そして、スッキリした表情で用を足したのもつかの間、
「はうあっ!?」
五分も経たぬ間に、またしても衝撃。
「こ、これはどうしたことですか……っ!!」
あまりの尿意デマイオっぷりにぴくぴくと痙攣する夕映。そのままトイレとお友達になってしまった。
(お、おかしいです。いくら私がヘビードリンカーとはいえ、これは明らかに今日一日で摂取したジュース量を
超える勢いです。このままでは脱水症状に陥るのは必至! それだけは避けたい所ですが、
事態は風雲急を告げています。あのサプリが原因なのでしょうか? いくら美味しいとはいえ、5杯はさすがに
飲みすぎだったのでしょうか? し、しかしあの味の前では私の理性など赤子も同然! これは致し方ないのです!
嗚呼、私はこのままトイレの中で誕生パーティーを迎えるのでしょうか―――!!)
無意味な高速思考を疾走させても、事態が好転する訳もなく。

「―――で、夕映は今も奮闘中なワケね」
パーティー会場にやってきた裕奈は呆れた表情で呟く。
「薬の飲みすぎは良くないっての。ちゃおりん、説明してあげてよ」
「あのサプリは体内の新陳代謝を高める作用があるネ。だから飲みすぎると夕映吉くんのような症状が現れても
不思議ではないヨ」
そう言ってサプリの製造元である超春館製薬のオーナーは呆れた表情を浮べるのであった。
結局、超の誕生日プレゼントは解毒剤となったそうで―――

(おしまい)


245 : あだ名 2006/11/16(木) 19:13:24 ID:???
「桜子、どうしたの。元気ないわね。」
「うん、あんなあたしって今一つ読者にアピールできてないと思ってさ…。
だからあたしもせっちゃんとかくぎみんとかゆえ吉とかあだ名が欲しいんだ。なんかいいのないかな。」
(そんなの自分で考えるか原作者に頼むかしろよ。)
「(^ヮ^)ってのはどう?」
(おいおい、どうやって発音するんだよ。)
「ありがとう明日菜、元気でてきたよ。」
(明日菜もバカだがこいつもかなりのバカだ!)

数日後
「はぁ…。」
「千鶴さん、どうかしたの。」
「私もあだ名が欲しいな。」
「那婆ってのはどう?老けてるし。」
「誰が老けてるのかしら。」
(あーあ、禁句言っちまったな。案の定明日菜の奴、千鶴に長葱をぶっ刺されてるよ。)
「あら何がおかしいのかしら。」
「や、あたしはその…。誰かー!」
その後、明日菜と千雨の姿を見た者はいない。


246 : 英語の小テスト 2006/11/16(木) 20:49:27 ID:???
(えーっと次の問題は)

この単語を日本語に訳せ。
“rainyday”
ちう「なにぃ!」
(し!しまった!声に出しちった!)

ざわ・・・ざわ・・・

ネギ「はーい長谷川さーん、静かにしてくださーい」

くすくす・・ぷぷっ

ちう「は、はい。すいません」
(くそっあのガキ!絶対確信犯だ!)

ネギ「では前の小テストを返します。
長谷川千雨さん、20点中5点です。放課後は居残りですねー」
ちう「えっ、あ、はい」
(くっそーあの後ほとんど問題解けなかったからな。
今日はあのバカレンジャーと一緒かよ・・・)

ネギ「次はザジさんです。4点ですかー。ザジさんも放課後残りですねー」
ちう(なっザジ?まさか!)
ザジ「(´∀`)ノシ」
ちう「ザジー!(⊃д`)」


247 : 夕映 ジュース祭り 2006/11/16(木) 23:26:38 ID:???
夕映 ジュース祭り


今日は私の誕生日と言うことで、クラスのみんながお誕生会との名目のパーティ開かれました

一同 「夕映ちゃん誕生日おめでとう!!!」
一斉になるクラッカー、輪の中心にいる私に蜘蛛の糸と呼ばれる紐がぶっかかりました
夕映 「あ、ありがとうです」
ちょっぴりほろりとなる私。私、こんなに涙もろかったでしょうか?

ハルナ 「で、みんなからのプレゼントなんだけど・・・珍ジュース博覧会よ!!!」
ハルナがそう言うと、みんながおそらくは隠し持っていたであろうジュースを私に差し出したのです

ハルナ 「で、私からなんだけど・・・使い捨て黒インク、オレンジ風味よ」
五月 私からは・・・緑苔100%です
真名 「私からはコーラ餡蜜アラスカスペシャルだ」
葉加瀬 「実はですね・・・超高級潤滑油です。茶々丸にも使われているんですよ」
亜子 「ウチはな・・・赤チンや」
アキラ 「ご、ごめん。私は・・・さっきまで入っていたプールの水なんだ」
円 「ちょっと凄いよ~。まつ屋特製、牛丼の汁だけ2㍑。牛の旨味がほどよく溶け込んでいるよん」
楓 「これはブラックプリンジュースでござる。何故ブラックなのかは知らない方が良いでござるよ」
さよ 「あのう・・・100年前の悪霊の涙、お猪口一杯分です」
エヴァ 「ふん。メタノールだ。お前にはこれがお似合いだ」
千鶴 「絞りたてのお乳よ、まだ暖かいのよ」

ザジ 「・・・」
最後にそっとジュースを差し出したのはザジさん。手書きのラベルが貼ってあってそこにはこう書かれていました
”ちう”

そういえば長谷川さん、今日は見かけていないですね・・・


250 : 秘密の通販生活 (1/5) 2006/11/16(木) 23:50:06 ID:???
その日寄り道をして帰ってきた円は、そして美砂と共に一冊の本を覗き込んでいる予想外の客に、目を丸くした。
綾瀬夕映。小柄で理屈っぽくしかし勉強嫌いな哲学少女。
変なジュースが大好きで、今もまた、「シークァーサーコーラ」を紙パックから啜っている。
それが、全く接点らしい接点のない柿崎美砂と共に、雑誌のような本に見入っている。
夕映も美砂も、どちらも真剣な表情。円がやってきたことにも気付かない。
ああでもないこうでもない、と紙面を指差しつつ短い言葉を交わすのみ。

「……何見てるの?」
「あ、どうもです」
「あ、円、おかえりー。いやね、ちょっと通販のカタログが届いてね~」
声を掛けながら、円はヒョイと2人の後ろから覗き込む。
返事を待つまでもなく、それはいつも美砂が使っている通販のカタログブック。円も一緒に頼んだこともある。
そういえばそろそろ今月分が届く頃合だったか。女の子の好む品物満載の楽しい本の中で……
2人が開いていたのは、下着のページ。
それも……いわゆる「勝負下着」とでも呼ぶべき、ちょっと「頑張ってる」インナーばかりのページだ。
思わず円は問い掛ける。
「何? 綾瀬さん、下着買うの?」
「買うというか……まあ、毎回美砂さんには便乗させて貰っているです。
この通販、けっこう品揃えがいいものですから」
「この子、変なこだわり持ってるからね~。どうしても選択肢が減っちゃうのよ。
で、今回はどうすんの? 好みっぽいのいくつかあるけどさ」
「コレの白と、こっちのブルーのストライプ柄をお願いするです。お金は後から渡すです」
美砂の言葉に、夕映はカタログの写真をいくつか指し示す。
何気なしに眺めていた円はおや? と思う。
色っぽい下着が並ぶ中で、比較的大人しめの2枚。けれどよくよく見れば、そのどちらも横がヒモ。
腰の所を紐で結んで固定する……いわゆる、「紐パンツ」である。


251 : 秘密の通販生活 (2/5) 2006/11/16(木) 23:51:12 ID:???
「あれ? そういや綾瀬さんって、前も紐パン穿いてなかったっけ?」
「やだなぁ円、この子、紐パンしか穿かないんだってば」
「……まあ、そうですけれど。それが何か?」
円の問いに、美砂は笑い、夕映は無感動な様子。
円は少し首を捻る。女の子として、それってどうなんだろう。
「い、いや、責めてるわけじゃないけど……何でまた?」

実のところ女の子にとって、脇の所を紐で結ぶこのタイプのショーツは、あまりイイものではない。
はっきり言って、穿き心地は良くないのだ。
動けば紐が肌に擦れる。あるいはズレて食い込む。穿く時に紐を結ぶ手間がかかる。
お尻を包む布地も小さかったりするから、ヒップラインが崩れかねない。伸縮性が低いものも多い。
数々の欠点を持ちながらも、それでもこの種の下着が存在するのは……
一言で言えば、男性の視線があるから、である。
男性が好むから。男性へのアピール力があるから。色気があるから。
でも色気を出すだけなら他にも方法がいくらでもある。別に紐でなければならない理由がない。
大体そんなパンツを穿いて、はて一体誰に見せる気なのか。

「……何でと言われても、困るですが」
「いや、美砂は分かるのよ。彼氏にエロ下着見せつけてよろしくヤッちゃおう、って下心分かるから。
元からエロエロだから。思いっきり実用的な目的だから。でもさ、綾瀬さんは」
「おいこら円クン、君は人のことを何だと思って」
「見せる相手もなしに、ソレはないと思うんだけどなー。いや一枚二枚ならともかくさー」
「人の話を聞けー!」
納得できない円。語ろうとしない夕映。無視されて怒る美砂。


252 : 秘密の通販生活 (3/5) 2006/11/16(木) 23:51:56 ID:???
と――突然、夕映はすっくと立ち上がる。
微妙に顔を赤らめて、小声で断りを入れる。
「すいませんです……お手洗い、お借りするです」
「ん」
美砂の頷きを確認して、夕映はトイレの向こうに消える。
戸を閉めながら、彼女の片手がスカートの下に伸びる。
バタン、という音と重なるように、シュルッ、という小さな紐ずれの音。
気付いてしまった円は、それ以上聞き耳を立てるのが悪いような気がして。
再びカタログに熱中し始めた美砂に、問い掛ける。

「……ねえ、あの子が紐パンに拘る理由ってさ」
「ん~?」
「ひょっとして……トイレが近いから?」
いつも絶え間なく何か変なジュースを飲んでいる夕映。そのせいか彼女はいささか、膀胱の限界が近い。
あるいは紐パンならば、普通に下着を脱ぐより素早く用を足すことができるから……?
円の推理に、しかし美砂は笑いだす。

「アッハッハ。いくらなんでもそりゃないわ。てか大した時間短縮にならないっしょ、そんなの」
「じゃあ、何なのさ」
「下着なんてのはね――円、基本的に、『女の子自身のためのモノ』なの。
アンタ、その辺が分かってないから彼氏できないんだよ」
「??」
美砂の言葉に、円は首を捻る。侮辱に怒る前に首を捻ってしまう。
すぐには理解できない様子の円に、美砂は微笑む。
「男なんてのはね、パンツなんてロクに見ちゃくれないのよ。『その下』にしか興味ないの。
……いや、時々布の方に興味持つヘンタイもいるけどさ。それはそれとして」
「妙な実感篭った言葉ね」



253 : 秘密の通販生活 (4/5) 2006/11/16(木) 23:53:13 ID:???
「でも、だからって『勝負下着』とかが意味ないかって言えば、そんなことなくてさ。
なんて言うのかな……その下着を着た時点で、着てる自分の方の感覚が切り替わる、ってのかな?
服に隠れて見えなくてもさ、身体の方が『その気』になって、フェロモン出てくるっていうか」
「フェロモン言うな! ったく美砂はエロいなぁ」
「で――たぶん、夕映もそうなんじゃないかな~。
あの子ちょっと内に篭りやすい性格あるからさ、そこをちょっと外向きにするスイッチみたいな。
大体、外向きは大人しめの服装してんのに、内側はカゲキってのがね。天邪鬼って言うかね。
何と言うか……らしいなー、って。そーゆーとこ、ちょっと可愛いよね♪」
ほんのり頬を染め、虚空を見上げて微笑む美砂。なんというか、恋人のことを惚気ているような、そんな口調。
円は思わず呟いた。
「……まったく、アンタは何でもありですか。彼氏居るってのにネギ君に色目使うわ、今度は両刀……」
「――ほほう。
とりあえず円は、いつどこで『脱げビーム』喰らってもいいような準備をしておいた方がいいんじゃない?
白の無地ってのは、あまりにも……」
「え?」

ジャーッ。ガチャッ。
戻ってきた夕映は、そして部屋の中で取っ組み合う2人の姿に目をぱちくり。
「……どうかしましたですか?」
「い、いや、ちょっと助け……」
「今度はこの、女の子としての自覚の足りない釘男クンの下着を選んであげようと思ってね♪
ちょうど私のが色々あるし、穿かせてみようと思って♪ ゆえ吉クンも、手を貸しなさい♪」
「……了解です♪」
そして2人は、息の合った様子で、円を2人がかりで取り押さえにかかって――
いやもう、それは本当に、互いの気持ちが通じ合った、実に良い連携なのだった。
それこそ、恋人か何かだと、見間違うほどに。



254 : 秘密の通販生活 (5/5) 2006/11/16(木) 23:53:52 ID:???
「…………汚れちゃった orz 」
「紐パン穿かせてあげただけで、大げさなのです。私が美砂さんにされたこと・したことを思えば……」
「ハッハッハ♪ そういやあったねぇ、夕映が一緒に通販で買うようになった頃に♪」
「?! 何それ!? ちょっ、詳しく聞かせてよ!? 美砂もちょっ、お酒なんて飲み始めてないで!」
「…………秘密です☆」


(終わってねぇけど、終われ)

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最終更新:2008年10月26日 02:31