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24 : 刹那 記憶の彼方 後編 2006/12/09(土) 00:40:52 ID:???
三分後投下~

前スレ>>792->>796の続きで前後編の後編です

久しぶりなので登場人物紹介

桜咲刹那  物語の中心、今回は謎を探るためにあるアイテムを持って・・・

真名  刹那の同居人、せつなは”ちちうえ”といっている

せつな 千鶴に抱擁されて精神だけ幼児化した刹那、言葉使いが幼女

ねこ裕奈 千鶴に抱擁されて精神だけねこ化した裕奈、人の言葉はわかるらしい。せつなは”ねこさん”といっている

千鶴 カオスの元凶。本人にはたぶん悪気はないのだが、抱擁は止められないらしい。せつなは”ははうえ”といっている


25 : 刹那 記憶の彼方 後編 2006/12/09(土) 00:44:11 ID:???
刹那 記憶の彼方 後編


1/7
画面の中の私は那波さんに抱かれたままだ。そのまま動こうとはしない
千鶴 「もうじきねこさんも来るからねぇ~」
ねこさん?ねこさんって猫のことか?
この学園、寮で飼っているといえば桜子さんのクッキとビッケぐらい・・・
後は茶々丸さんの飼育している教会そばの野良猫さんたちぐらいか?
だが、私はそのあたりの動物さんとは交流がないはず
まあ、この学園に来た頃、クッキやビッケ、教会近くのねこさんたちに襲われたことはある
やはり野生は敏感だ。私には一応鳥の部分はあるからだろう。そこをねこさんたちは嗅ぎ取ったのだ
教会そばの小屋の上から、ねこさんたちの一斉攻撃を受けたときは犯られてしまうかとも思ったが・・・

せつな 「ははうえ・・・」
画面に映る私はそう言うと那波さんの腰に腕を回して自分から抱きついた
そして那波さんの胸に私は頬ずりをし始めたのである
千鶴 「せつなちゃん・・・こんにちは」
せつな 「うん、こんにちは。ははうえ、ねこさんは?」
は、ははうえ?
何を言っているんだ、私は?
私には母上は・・・いないのに・・・
でもははうえ、か。那波さんなら、悪くはない
でも一応・・・たぶん・・・おそらくは・・・本当にそう思いたいのだが、同い年?だ

同い年だろう


26 : 刹那 記憶の彼方 後編 2006/12/09(土) 00:44:53 ID:???
2/7
千鶴 「もうじきよ、ほら」
ぴんぽーん、と再びチャイムが鳴った。そしてすぐにドアの開く音がする
まだ誰か来たのか?
バタバタバタ
結構激しい足音が聞こえたかと思うと、その足音の主はいきなり私に抱きついて私を押し倒したのだ
この行動力は・・・このちゃんか!?

裕奈 「うにゃぁ~!!」
画面の私に抱きついたのは裕奈さん、それもどういう訳かいつもよりねこ分が多い気がする
ていうか、そのまんまねこだ。ひげに耳にしっぽまである
裕奈 「にゃ、にゃ、にゃ」
せつな 「もう、ねこさん。くすぐったいよう」
私を押し倒した裕奈さんは私の頬を、そして唇をぺろぺろ舐めている
ああ、そんな。まさか私はお嬢様以外に唇を許していたなんて・・・
でも嫌悪感が沸かないのはどういうことだろうか?
もしかすると私は裕奈さんのことを・・・そしてあの感じからすると裕奈さんのほうも・・・
私、裕奈さんとなら・・・

ではなくて
何故龍宮は止めない。そしてそれを平然と見つめる那波さんの心境とは?
もう私は訳がわからなくなった


真名 「おいおい、目の前でそんな光景を見せられたら、いくら私が我慢強くても抑えきれんぞ?」
やっぱり龍宮だ。いいぞ、私を襲って・・・違った。裕奈さんをどうにかするんだ
せつな 「ちちうえ、ねこさんはいい子だよ。悪い子はちちうえ、ね、ははうえ?」
ち、ちちうえ!?龍宮がちちうえだと?
まあ、体格、風貌は申し分ないが・・・龍宮は女。ちちうえではない

千鶴 「真名さん。おいたはいけないわ。そう、いけないことよ?」
口調だけでわかる脅迫。これが言霊というものなのか?ってなんで那波さんが言霊使いなんだろう?


27 : 刹那 記憶の彼方 後編 2006/12/09(土) 00:45:54 ID:???
3/7
真名 「くそう・・・仕方がないな。だったらこれで遊ぶか」
龍宮がそう言うと、突然画面に龍宮の顔のアップが映った
これって・・・仕掛けたビデオカメラがばれていたのか!!

画面は酷く揺れ、天地がひっくり返った。やがて揺れは収まり、画面には私と裕奈さんが映る
せつな 「あー!!ちちうえ、それってびでおだ!!!撮ってよ~」
裕奈 「にゃ!!!」
続いて画面には私と裕奈さんの顔のアップが映った
真名 「いやいやキミたち、先ほどの続きをするのだ。無邪気な戯れは絵になるのだよ」
せつな 「えになる?」
裕奈 「にゃ?」
真名 「さあ、私の目の前で絡み合うのだ。そう、溶け合うほど・・・ぐぎゃぁぁぁ!!!」
突然響きわたる龍宮の叫び声。龍宮の手からビデオカメラが落ちたのか、画面には床が横に映る
ずるずるずる・・・
何かが引きずられる音
ずぶ・・・ぐりっ・・・ごきっ!!
何かが突き刺さり、それを引っ掻きまわされ・・・最後の音はわからない
おそらく龍宮は修羅に襲われたのだろう
普段は年齢問題の時にしか姿を現さないのに・・・

そうか!!記憶がなくなった後、私の貞操を守ってくれていたのは那波さんだったのか!!
それなら理解できる。あの龍宮を撃退できる人間など限られてくる
      • 人間?いや、何でもない


28 : 刹那 記憶の彼方 後編 2006/12/09(土) 00:46:38 ID:???
4/7
せつな 「こうやってね」
拾い上げられたビデオカメラで遊ぶ私と裕奈さん
画面に映るひげねこ耳裕奈さんの笑顔がとても可愛い
何だろう、この嬉しさは。そして楽しさは
このちゃんと一緒に遊ぶ楽しさとはまた別のものだ
そう、幼い記憶を思い出すような・・・幼い!?

画面に映る、あるいは聞こえてくる口調は幼児そのものだ
つまり私は・・・幼児になっているということなのか?
だがそれは何故?
思い当たる原因は一つ、那波さんだ
彼女に抱きしめられれから私はおかしくなった。つまり彼女が元凶なのか
だったら・・・どうしよう
結局結論のでないまま、私はビデオの続きを見ることにした


せつな 「あのね、ははうえ。ちちうえからこれ教えてもらったの」
画面にはテーブルが映り、その上に画用紙が一枚乗っていた
私はクレヨンを棒を握るように持ち、何かを書こうとしている
今撮っているのは誰だろう?おそらくは裕奈さんであろうか?
千鶴 「真名さんから教えてもらったの?何を描くの?」
せつな 「えーとね」
私はゆっくりと一つの楕円を描いてゆく
せつな 「お・・・ま・・・ん・・・」

真名 「ぎにゃぁぁぁ!!!」
突然、龍宮の叫び声が聞こえたかと思うと画面が切り替わり、部屋の奥に引きずり込まれているであろう龍宮の足が映った
だんだんと扉の奥に引きずられて消えてゆく龍宮の足の図はまるでホラー映画か何かだ
せつな 「ははうえ、おまんじゅう描けたのに・・・」


29 : 刹那 記憶の彼方 後編 2006/12/09(土) 00:47:53 ID:???
5/7
20:00
いきなり時間が飛んだ。おそらくは食事ということで一旦ビデオを切ったのであろう
だが何故この時間なのだろうか?この時間には一体何が?

真名 「えー、ただいま私は洗面所謙更衣室に潜入しています。今、向こうの風呂場ではせつなと裕奈がお風呂に入っています」
薄暗い更衣室の中、画面はその中をじっくりと進んでいます
真名 「スネーク、様子はどうだ?段ボールはあるのか?」
真名 「無い、しかしそれでも私は任務を遂行できる。たとえ失敗しようとも、だ」
真名 「わかった、幸運を祈る」
何故か龍宮は一人芝居をしている。その行動はまるで三流のバラエティレポーターのようだ
阿呆め・・・いや、このままでは私の貞操が危ない!!裕奈さんまで犯されて・・・龍宮ぁぁぁ!!!

真名 「ぬぬっ!!この籠に入っているのは・・・せつなと、裕奈の下着か。何か武器になりそうなものは」
画面には手が映り、籠の中を物色する姿が映し出される。これはもう十分に犯罪だ
そんな中、龍宮の手は何か一本の紐のようなものを取りだした
真名 「これは・・・サラシ?たぶんこれで相手の首を締めるんだろうな・・・」
龍宮の手が私のサラシを持ったまま画面の外にフレームアウトした。そして
真名 「だが誰かを殺したような匂いはしない。まだ未使用なのか・・・」
匂いを嗅ぐな、匂いを!!

真名 「さて、この奥が作戦の最終地点だ。スネーク、作戦を決行す・・・」
画面が不意に揺れた。おそらくはたぶん
千鶴 「あなたのお風呂はこっちよ。いらっしゃい」
真名 「ちょ・・・ま!!!」

揺れる画面には、見覚えのあるお風呂場のドアが遠ざかっていくのが映っていた
はて、龍宮のお風呂とはどのようなところか?
ちょっと見てみたい気もするが、知らなくてもいいことは知らなくてもいい


30 : 刹那 記憶の彼方 後編 2006/12/09(土) 00:49:05 ID:???
6/7
21:30
また時間が飛んだ。今度は本当に暗い。よく目をこらしてみると・・・私の部屋だ
そして布団が引かれ、そこに寝ているのは私。つまり子供はおねんねの時間ということか
真名 「作戦最終段階、もうすでに手持ちの武器はない。信じられるものは・・・己の肉体のみィ!!!」
また馬鹿が現れたのか。龍宮、いい加減にするんだ。でないと死ぬぞ
だが龍宮の作戦は着々と進んでいく。果たして那波さんはいずこに?

布団がめくられ、パジャマ姿の私の姿が映った。まさに無防備だ
真名 「今こそ・・・肉体言語で語るときィ!!!」
画面が震えだした。おそらくは服でも脱いでいるんだろう。それにしても私の目はいっこうに覚める気配はない
いつもならこんな不審者が侵入した時点で殺戮しているんだが・・・やはり幼児化の影響がまだ残っているのか
画面が動いて少しだけ龍宮の足下が映った。そこには脱ぎ散らかされた龍宮の服が落ちている
真名 「性欲を・・・持て余すゥ!!!」
だが次の瞬間、想像通りの人物の声がビデオに入っていた。もうなんと言うか・・・お腹いっぱいだ

千鶴 「うふふ。こちらスネーク、見つかった。よね?」
真名 「ま、まさか!?この私が後ろを取られ・・・」

またビデオカメラが床に落ちたようだ。引きずられてドアの向こうに消えてゆく龍宮が映っていた
それからは誰もビデオには触れなかったようだ。22:30まではその光景から変わることがなかったのだ

22:30
千鶴 「確かここに置いてあったのよね、ちゃんと片付けないといけないわ
那波さんの顔がアップで映った。その優しそうで穏やかな笑顔の裏を私は知ることになった


31 : 刹那 記憶の彼方 後編 2006/12/09(土) 00:50:25 ID:???
7/7
すべてを見終わった瞬間、私は一つ大きなため息をついた

正直混乱している
ビデオに映っていたことは事実なのだろうか?
信じがたいがこれが私の消えた記憶の正体なのだろう

幼い私
可愛いねこさん
凶悪なちちうえ
さらに凶悪なははうえ
まだ誰かいるような・・・

実は見ていて微笑ましい空間ではあると思った
私の記憶がなくなる理由がどうしてなのかはわからない
だがこんな日々も悪くはない
それと同時にどうすればいいのかわからなかった
このことを那波さんに伝え、すべてを終わらせるのか
それとも・・・


私はこのビデオテープを保管することにした
そして那波さんには何も伝えなかった。何だろうか、伝えようと思った瞬間”やだよう”という言葉が頭をよぎったのだ
もう一人の私、せつな。私には彼女を消すことは出来なかった
たぶん憧れもあったのだろう。普通の日々と普通の家族、それは私が望んでも得られなかったもの
だから・・・このままでいい

せつなちゃんへ
時々はビデオを仕掛けるから、私のもう一つの世界を教えて欲しい
そして幸せになって欲しい。それがもう一人の私と失われた記憶への願い



36 : 猫が如く(熱き猫と冷たい女) 2006/12/09(土) 23:04:59 ID:???
……
『……』
正直、このニンゲン? は苦手だ。
何故苦手かと言われたら、俺は間違いなくこう答える。
「何を考えているのか、イマイチわからない」
俺ほどの侠客になれば、目を見れば(見るのがまず嫌だが)相手が何を考えているのかわかる。
んが、このニンゲン? はイマイチよくわからない。
『……ごはんですよ』
……無表情に猫カンを差し出されるが、うーむ。
「へっへ。ニンゲンさん。あんがとヨ!」
「人間さん、ありがとうですー」
他の連中はバクバクとそれをがっつくが、俺はそう簡単にはがっつかない。
何せ俺程の侠客だ。そう簡単に手なずけられると思ったら大間違いだと言いたい訳で。
「うまうま……クッキも食べるといいです」   「クッキって言うんじゃねぇ!! 斑柄のマサって呼べって言ってんだろうがッ!!」
「ふみゃー!? い、痛いです!! 引っかいちゃヤです!!」   「うるせー! このアホッ! ムスカッ!!」
と、俺の首後ろが引っ張られ――俺の身体が宙に浮いた。

エヴァ「何やってるんだ茶々丸」
茶々「猫さんが喧嘩をしてしまったので……」
クッキ「ファーーーーーーーー!!」『ええい! 放せ! 放さねぇーか!』
茶々●「……三味線の皮にしますよ?」
エヴァ「……皮はぐ気か」
茶々●「ええ。美味いこと包丁で綺麗にベリっと」
エヴァ「や、やめれー! い、痛そうだろー! 真祖だぞっ! 偉いんだぞ!!」
茶々丸「……ベリベリッ、にゃーーー」
えう゛ぁ「うわーーーーん!! 茶々丸のアホーーーーーーーーーー!!」
茶々●「……ククク……さ、猫さん。喧嘩はいけませんよ?」
クッキ「……にゃ、にゃー」『は、ハーイ♪』


クッキ「や、やべぇーよ……ニンゲンとか超コエーよ……」
ビッケ「……まったく。チキンなんだから」


41 : どこでも遠慮なしな彼女 2006/12/10(日) 02:00:31 ID:???
どこでも遠慮なしな彼女


街でも一番の有名なケーキ店。
連日行列の絶えない店の中にあるVIPルームに二人の中学生がいた。

「ん~。やっぱおごりっていいよね~」
モンブランを口にしながら明日菜はあやかのおごりのため遠慮なく食べる。
お嬢様特権で特別に入ることを許されたVIPルームはとてもゆったりしていた。
「あまり食べ過ぎると太りますわよ」
紅茶を含むあやかは明日菜のことを心配する。
「いいじゃん、タダより安いのもはないんだから。今日だけ特別~」
明日菜のノリにはあやかもただ振り回されるだけだった。
「全くあなたときたら…」
だがその行動もまんざらではない様子のあやかは明日菜の顎をそっと持つ。
「私はあなたと一緒なら別に何でもいいですわよ」
唇が触れ合わんとする状態まで近づくあやかだが明日菜が止める。
「あー!ちょっとタンマ!あっち向いてて」
すると明日菜は紙袋らしいものを取り出して何かをし始める。
後ろを向いたままのあやかは何をしているのか気になって仕方がない。
「いいよー」
「一体なんです…の」
口に咥えていたフォークが床に落ちた。
その場にいた明日菜はセーラー服に猫耳を装備してあやかに向かって悩殺ポーズをとっていた。

「次は私を食・べ・て。生ものだから早めにネ♪」
大口を開けてポカーンとするあやかは、明日菜を眺めていた。
それに対して明日菜は床をバシバシ叩いて大笑い。


42 : どこでも遠慮なしな彼女 2006/12/10(日) 02:01:04 ID:???
「あははははははは!どう?私の捨て身ギャグ」
これで笑うなり、ツッコミを入れるなりしておけばそれなりに事態は収拾していただろう。
だがこの姿を見たあやかの中でブチッっと何かが切れてしまった。
あやかは明日菜の手を取るとVIPルームという隔離空間ということを利用して机の上に押し倒した。
「あの~。いいんちょ何してるの?」
「生ものだから早く食べないといけないのでしょう?それでは遠慮なく…」
サ―――――――っと明日菜の顔から血の気が引いた。
まずい彼女は本気だと。
「いや、さっきのはギャグだって…」
「もう遅いですわ」
「ぎゃー」

「お客様、どうされました?」
VIPルームから出てきた明日菜はあやかに抱えられた状態で出てきたため、店員に心配された。
腰が痛くて足腰がちっとも立たない。
これは明日の新聞配達も無理かも…
そう言ってしまうとあやかに自室のベッドに連れて行かれそうなので黙っていた。


46 : いつか見た光景 2006/12/10(日) 07:09:37 ID:???
いつか見た光景

1/4

今日は折角の休日だというのに、亜子もまき絵もアキラも捕まらない。みんな部活に忙しいんだとさ。
あたしんトコは他の部との兼ね合いで体育館が使えないから、ってコトでオフなのよね。
けど、一人じゃ結局やるコトはおんなじだったりする。マイボール片手に、あたしはいつもの公園へと向かった。
「あれっ?」
まだ昼過ぎだというのに、公園には他に人影はなかった。珍しいなあ……、今日は風もなくて暖かいのに。
「―――ま、コート空いてんだから無問題かにゃ?」
気を取り直し、あたしはボールを構える。さーて今日の調子は、と……。

シュッ。

あたしの放ったシュートはリングを掠めつつもなんとか入った。うあ、こいつはまた微妙な……。
「えーい、次いこう次! 今度はスッキリ決めてやるんだからっ!」
こうして、あたしはしばしの間シュート練習に打ち込んでいた―――

ガィン……。
どれくらい時間が経ったんだろう。疲れからか、あたしのシュートはリングに蹴られてしまった。すると、
「あーっ、おねーちゃんも失敗してる~っ!」
子供の声。
振り返ると、そこにはミニバス用のボールを持った女の子が立ってたんだ。見たカンジ、ネギ君よりも年下かな?
けど、ちょっぴり驚いちゃった。だって、あたしはその子を知ってたから―――
「バスケのボールなんか持って、どうしたの?」
あたしはその子の前で目線を合わせるように屈み込むと、にっこり笑って切り出した。
「んとね、今日体育の授業で初めてバスケットをやったの。でも、なかなかゴールに入んなくて……」
「そっかそっか。んで、今から秘密特訓しようってコトかにゃ?」
「うんっ!」
元気一杯に答える女の子。あたしも自然と笑みがこぼれる。


47 : いつか見た光景 2006/12/10(日) 07:10:19 ID:???
2/4

「じゃあさ、お姉ちゃんが教えてあげよっか?」
「え~っ! おねーちゃんもへたっぴじゃん! さっき外してたもん!」
思わず苦笑するあたし。ったく、生意気なお子ちゃまだねえ……。
「あれはたまたま! それなら、ちゃーんとお手本を見せてあげる」
コホン、と咳払いして、あたしはボールを構える。そして、スリーポイントラインからシュートしてみせた。
ザシュッ。
あたしのシュートは見事な放物線を描き、リングに吸い込まれる。すると、ぱあっと女の子の表情が輝いた。
「すっごーいっ!! こんなに遠くから入れちゃうなんて、おねーちゃんすごいよっ!!」
「ま、それほどでもあるけどね~♪ じゃあ、次はアンタの番だよっ♪」
「う、うん……!」
女の子は緊張した面持ちでフリースローラインに立つ。そして、不恰好なフォームでシュートを放った。
ガガンッ!
「あー、外れちゃったあ……」
「けど才能あるんじゃない? 大人用のリングなのにばっちり届いてたもんね!」
「ほんとに!?」
「ホントホント。さ、もう一回挑戦だよっ!」
あたしが激励すると、女の子は熱心に何度も何度もシュートを放った。あたしも真剣にアドハイスを送る。
次第に女の子のフォームもさまになってきて、そして―――

ザシュッ!

「あ―――」
初めて、その子のシュートが入ったんだ。途端に、女の子の表情は喜びに溢れていく。
「入った! 入ったよおねーちゃん!」
「おっけー、ナイスシュート!!」
あたしも嬉しくて、思わず女の子を抱き上げてしまった。えへへ、とはにかむ女の子。ふふ、可愛いじゃん。
「どう? シュートが決まると最っ高に気持ちいいでしょ?」
「うんっ!!」
あたしと女の子の笑顔が弾けた―――


48 : いつか見た光景 2006/12/10(日) 07:11:08 ID:???
3/4

その後もあたしたちは練習を続けた。シュートが決まる度に、女の子はきらきらと目を輝かせていく。
あたしもそうだったなあ……。バスケを覚えたての頃はとにかく楽しくて、時間が経つのも忘れちゃったもの。
……あ、それは今も一緒か。

気が付くと、外はもう薄暗くなっていて、女の子も淋しそうに呟いた。
「もう帰らなきゃ。おとーさん心配しちゃうもん……」
「ふふ、そだね」
あたしは女の子のボールを拾い上げ、そっと手渡しした。そろそろお父さんも仕事を切り上げるだろうし、
もう、お開きの時間だね。
「―――どう? バスケって面白いでしょ?」
そっと女の子の頭を撫でながら訊くと、女の子は笑顔満面で頷いた。

「うんっ! あたし、おねーちゃんみたいなバスケット選手になりたいっ!!」

それは、ずっとあたしの心に刻み込まれた言葉。
だから。
だからあたしは―――

「なれるよ、絶対に―――!」

穏やかな笑顔で、あたしははっきりと答えた。
「それで、もっともっと練習して、ぜーったいおねーちゃんより上手になってみせるんだからねっ!」
「おっ、言ったな~?」
あたしが女の子のおでこを指で突っつくと、女の子は照れくさそうに笑った。
「じゃあね、おねーちゃん!!」
ぶんぶんと手を振りながら、女の子は駆け出していく。そして、
「じゃあね、ゆーな―――」
あたしは、昔の自分と別れた―――


49 : いつか見た光景 2006/12/10(日) 07:11:43 ID:???
4/4

「ゆーなっ!」

あたしがしばし感慨に耽っていると、亜子の声がした。振り返ると、まき絵とアキラも一緒みたい。
「ねーねー今さー、あたしに似てすっげーカワイイお子ちゃまとすれ違わなかった?」
あたしの問いに、三人はふるふると首を横に振る。うーん、さっきまでのはなんだったんだろう……。
夢を見ていたのかにゃ? でも、あたしは覚えてる。
それは、あたしがずっと昔、バスケに好きになるきっかけになった出来事だもの……。
「ゆーな、なんだか嬉しそうだね」
「まーね♪」
アキラに指摘され、あたしは笑顔で頷く。
「やっぱり、バスケって最高だからねっ!」
あたしが胸を張って答えると、何故かみんなはくすくす笑ってる。
「ホント、ゆーなはバスケ好きだよね~♪」
「うん……」
まき絵とアキラは少し呆れ顔だ。いいじゃん! 好きなものは好きなんだからっ!
「なあなあ、ゆーなはなんでバスケ始めたん?」
おおっ! それはタイムリーな質問だねっ♪ さっすが亜子!
「あのね―――」
あたしはゆっくりと語り始めた。さっきまで体験していた、幼い日の思い出を。
それは、今も鮮明に覚えている、いつか見た光景―――

(おしまい


54 : 五月の超包子繁盛記 2006/12/10(日) 20:03:54 ID:???
五月の超包子繁盛記

今日は朝早くから超さんが大ハッスルしてました。
超「今日は大変だったヨ」
と言って静岡の戸田から仕入れてきました。
ちなみにその日の超さんはとても海水臭かったです。早くシャワーを浴びてください。
すごいです、最高級の足長蟹です。
その食材は鍋にしたほうがいいでしょうが、今回は違う意味で贅沢にします。
それをカニクリームコロッケの具にしてしまいました。

まずカニを茹でます。その間に小鍋に小麦粉をバターで炒めて、牛乳を加えてホワイトソースを作ります。
茹で上がったカニを取り出して身をしっかりとほぐして、刻んだ玉ねぎと一緒に炒めます。
その上からホワイトソースを加えて準備完了。
それを冷まして食べやすい大きさの俵型に丸めます。
後は普通のコロッケと同じです、小麦粉→玉子→パン粉の順に衣を付けて180度の油で揚げます。
表面がきつね色になれば完成です。

風香「いい匂いがするから、お腹がさらにすいたぞー」
史伽「早く食べたいですー」
双子も待ちきれない様子ですね。
五月「どうぞ」
サクサクとした触感ながら、中身はとってもトロトロしておいしいですよ。
衣にミキサーで砕いたクラッカーを入れているので、冷めてもサクサク感を楽しめます。
風香「おいしい~~~~」
史伽「おいしすぎです~~~」
双子のお二人を含めてお客さんの評価は◎。今日も繁盛確実です。


59 : もっこり真名ちゃんからの予告 2006/12/10(日) 23:55:47 ID:???
ついに…ついに私(と超)の分析隊が始まる。
これで目立ってスポンサー料を獲得すれば、日記の一冊や二冊は軽く…
おっとこれ以上大々的に予告するとアキラにばれてしまう。
アキラに見つかってしまうとスポンサー料も持っていかれるからな…

頼むからアキラー、もっと小遣い値上げしてくれ!今月たったの2000円で何も出来ん…
とりあえず明日様子を見て明後日の放送スタートと行こう(ばれませんようにナムナム)。


63 : 超アルヨ? 2006/12/11(月) 00:43:02 ID:???
1/7

麻帆良祭一日目。祭りの勢いは深夜になってもますます止まるところを知らない。
その様子はここ、龍宮神社からもよく分かった。
「ふふ、まほらの人たちはホントにお祭り好きネ」
「なんか言った?ちゃおりん」
窓から外を眺めながら呟く超に、朝倉が声をかける。
龍宮神社では、明日行われるまほら武道会本選の準備が進められていた。
「いや、なんでもナイヨ。では朝倉、明日の六時には来てクレ」
「OKちゃおりん。こりゃ今日はみんなのところに行けないなー」
朝倉が去っていく。すぐにハカセがやって来るだろう。それまで超は一人だ。いろいろ考えてしまう。
準備不足のまま開いたまほら武道会。告知が突然だったわりには、多くの実力者が集まっている。
出場者の半数近くが3-A関係者とはアホな話ネ
対戦表を見ながら笑ってしまう。優秀な司会もスカウトできた。大会は期待した以上のものとなるだろう。
「ム…そこにいるのは誰カナ?」
気配を感じて振り向くと、魔法使い風のローブを着た男(?)が立っていた。目深に被ったフードからは口元の笑みしか分からない。
「アナタは…クウネル・サンダースといったカ」
「おお、当たりです。自己紹介したつもりはないのですが…」
「一度見聞きしたコトは忘れナイヨ。それで、何の用カナ?ココは関係者以外立ち入り禁止ネ」
「ほほう、さすがですね。いえ、主催者の方に一言ご挨拶をしておこうかと思いまして」
物腰は柔らかだが、得体の知れない男である。超は余裕を装いながらも、警戒していた。
「このような舞台を用意して下さり有難うございます。明日は、私が優勝させていただきますよ」
「ナント、大胆不敵な人ネ。そんなに簡単なコトではないと思うが…」
そう返しつつも、明日の優勝者はこの男だと、カンではなく、確信していた。この男、タダモノではない。
計画の邪魔となるのなら排除せねば…
「いえいえ…では、これで。明日またお会いしましょう…」
思案する超をよそに、クウネルはあっさりと別れを告げた。
だが、そのまま去って行くのかと思ったが、クウネルは超に近づいてくる。超はなぜか動けなかった。
クウネルの手が超の顔に伸びてくる。超がようやく身構えた時にはもう遅い。


64 : 超アルヨ? 2006/12/11(月) 00:43:35 ID:???
2/7

ふにっ

「…この感じ、この柔らかさは十年ぶりのような…そしてこの形、この色…全く素晴らしい…」
クウネルは何の前置きもなく、超の左頬をつまんでいた。
「ななな…なにをするネ!!」
さすがの超も大慌てでクウネルの手をひきはがす。
「ああ、すみません。どうにも触ってみたくて。なんといいましょうか、ステキなホッペですね」
「すみません」と言いながら全く悪びれた様子がない。
「トンデモないことするでないヨ!」
きっと睨みつけるが、クウネルは動じない。完全に負けている。
「ははは…本当にすみません。ただ、もう少しリラックスされた方が良いかと思われまして。では、これで…」
今度こそ去っていった。いや、音もなく一瞬で消えてしまった。
「ムムムム…」
まさか本当にリラックスさせるための行動ではなかったであろう。ただ、内心の緊張を見透かされていたようだ。
なかなか平静になれない。あのノーテンキなクラスの連中といても、これほど動揺させられたことはなかった。
「クウネル・サンダース…つかめぬ奴ネ…」
敵となるなら厄介な変態である。だが、自分の計画には関係がない気もする。いずれにせよ調べる必要があるだろう。
「どうかしたんですかー」
ようやくハカセがやって来た。
「いや、なんでもないヨ。よく来てくれたハカセ。それでは始めようカ」
これから明日のための調整に入らなければならない。今日は徹夜となるだろう。
全く、ただでさえ忙しいというのに余計な奴まで出てきたネ!
「超さんどうかしましたー?」
「いやっ、なんでもないヨ…」
左頬が気になる超だった。


65 : 超アルヨ? 2006/12/11(月) 00:44:07 ID:???
3/7

準々決勝一回目も終わり、まほら武道会は凄まじい盛り上がり方をみせていた。
巨大な麻帆良祭の中で、もう一つ祭りをやっているかのような声援だ。
まほらの人はノリ良すぎネ…
超は呆れていた。やらせ疑惑が広がってシラける可能性も考えていたのだが無用の心配だったらしい。
「魔法使い側からの介入もありましたが状態は良好ですー」
会場とは他に、水面下でも抗争が行われていた。
高畑とばかせつなが侵入してきたのは龍宮と協同で排除できたが(下水は臭かった…)、さらに数人地下に入り込んできている。
ネット上では高度な情報戦だ。ハカセの手を借りてこちらも好調ではあるが、油断してはいけない。
超とハカセは昨日からほとんど寝ていなかった。
「うむ、このまま様子見ネ。…ム、ハカセ辛そうネ。少し休むと良いヨ」
「えーっ、大丈夫ですよー。私じゃなくて超さんこそ休んだ方がいいですよー。全然寝てないんですから」
「いや、ハカセは少し休む必要があるネ」
強く言うと、ハカセはすぐに戻ることを約束して部屋から去っていった。
クラスメイトは超とハカセを「天才」「マッドサイエンティスト」と同列に呼んでいるが、実際の二人には暗黙のうちに上下関係がある。
今回も、超はハカセを同志というよりは「部下」として使っている。そのことに後ろめたさを感じる時もある。だが、
そんなコト今はどうでもイイ
進行中の計画のこと、これからやるべきことを考えると、体の内から力が湧いてきて、疲れを振り払ってくれる。
しかし、、そんな超を一気に脱力させる男がやって来た。
「大変な盛り上がりですね。超鈴音さん」
先ほど、小太郎を圧倒的な差でねじ伏せた男である。エントリー名はクウネル・サンダースとのこと。
「それはアナタのおかげでもあるネ。派手にやってくれて良かたヨ、アルビレオ・イマさん?」
その名を聞くと、微笑んでいたアルビレオの顔が僅かに固まったようだ。
「驚きました。情報が早いですね。誰かから聞いたのですか?」
「フフ、それは秘密ヨ」
こういう輩を相手にする時は先手必勝に限る。
「私のことはクウネルとお呼び下さい…と言いたいところですが先にその名で呼ばれると言い辛いですね」
「残念だたネ」
「素晴らしい。ご褒美にこれを差し上げましょう」
「ムムっ!?」


66 : 超アルヨ? 2006/12/11(月) 00:44:38 ID:???
4/7

どこからともなくアルビレオが取り出したのは、
白地に一部が黒(つまりパンダ柄)のチャイナドレスと猫耳ならぬパンダ耳…
「ムムム!そ、そんなものはいらぬヨ!!…というかそんなもんどっから出したネ!」
「こう…その可愛らしいお団子の部分をこのパンダ耳で…おや、イメージがさらに湧いてきましたよ」
「なにを考えてるカ!」
妙な想像をしている変態に気をこめた一撃でツッコミを入れてやろうとする。すると、
「ム…」
「おや、大丈夫ですか?」
足元がふらついて転びそうになる。不覚にもアルビレオに支えられる格好となってしまった。
「…すまないネ」
さっさと離れる。こんな男の近くにいてはイロイロと危うい。
「お疲れのようですね。私の力で少し楽にして差し上げましょうか?」
「けっこうヨ。今魔法に頼る気はないネ。それに私にはこれがアル!」
超が持ち出した器に入っているのは自作の漢方薬入りスープ。
「ほう、何やら珍しいもの飲み物ですね。私も味見してみたいものです」
「やめた方がいいネ。3-Aの中では私ともう一人ぐらいしか飲めない代物ヨ?」
意地悪く笑う超の手からさっと器を取り、アルビレオは一息で飲んでしまった。
「美味しいじゃないですか…ああ!すみません。うっかり貴女の分まで飲んでしまった。ご馳走様です」
「…もう怒る気も失せたネ。そもそも分身のくせにモノを飲めるの反則ヨ」
超はため息をつくぐらいしかできない。
「スープの分、お詫びをしなくてはなりませんね…」
アルビレオはそう言うと超の頭に手をおいた。「ナっ…」と超が絶句している間に手は頭を離れた。
「余計なコトしないでほしいネ」
回復の魔法がかけられていた。溜まっていた疲れがとれたのがはっきりと分かる。スープの分どころではない。
「あまり一人で頑張り過ぎないで下さい。何をするにしても体が第一ですから。…では、表彰台でお会いしましょう」
言いたいことを言い、やりたいことをやってアルビレオは消えた。
ようやく消えたかともう一度ため息をついてから、超はアルビレオの体の感触を思い出していた。
もし、本来ならこの時代にいないはずの自分が支えられるとしたら、冷たい、分身体こそ相応しいのかもしれない。
「でもあんなヤな奴ごめんネ」


67 : 超アルヨ? 2006/12/11(月) 00:45:12 ID:???
5/7

麻帆良祭は日が変わって三日目になってもまだピークというものを見せない勢いだ。
ここの人たちバケモノネ。もう呆れるしかないヨ
とはいえ3-Aの猛者たちは連日の徹夜によってついに沈んだ。今頃ネギたちが室内に移しているだろう。
超はこれからハカセ、龍宮、茶々丸と最後の打ち合わせをしなければならない。
今日は運命の一日だ。心血を注いだ計画の成否が決まるのだから。
まほら武道会は成功させることができた。だが、不安はある。もとより準備期間が足りず、不確定要素も多い。
「勝ってみせるネ。超鈴音に敗北はナイ」
自身をつけようと口に出す。そこへ、後ろから声がかかる。
「そううまくいくといいのですが…」
声の主は気配などあるはずもない幻影。超の意気込みなどお構いなしだ。
「またアナタカ」
超はうんざりして振り向いた。まほら武道会優勝者クウネル・サンダースことアルビレオ・イマが立っている。
「武道会では目的を果たせたようで良かたネ」
「はい。友との約束をようやく果たすことができました。あなたには感謝してますよ」
「私も大満足の出来だたから礼にはおよばんヨ。それにネギ坊主が頑張っただけネ」
「ええ、さすがはサウザンドマスターの息子です」
「ふふ…」
「私はネギ坊主の子孫ネ」と言ったときのネギの表情を思い出して超は笑った。
「私の仕事はもう終わりですが、貴女はまだやることがあるようですね」
「うむ。ここからが計画の本番ネ。アナタに構てるヒマはないヨ」
「やれやれ。イマ私に構っているヒマはない、と言うわけですか」

寒過ぎる。瞬間移動でふっとばしてやろうかと思ったが、ここは無視する。それこそそんな暇はない。
アルビレオ自身もなかったことにして、続けようとする。
「計画ですか…。お気をつけ下さい、手痛い結果に終わるかもしれませんよ。なんなら占って差し上げましょうか?」
「ハハハ。無駄ヨ。私はこの世で最も占いを必要としない人間ネ」
これは笑うしかない。予言など自分には滑稽なことだ。
「…そうですか。しかし、魔法使いの忠告は聴くものだと思いますが。まあ、私の占いは当たらないと評判なのですけれど」
「どうなろうと、もはや止めることはできナイ。やるべきことをやるだけネ」
超は決然と言い切った。


68 : 超アルヨ? 2006/12/11(月) 00:45:43 ID:???
6/7

「ほう…ネギ君の闘志も素晴らしいものでしたが…貴女もまた、烈しい人のようだ」
「それはどうカナ?」
そう返しつつも、超は目の前の男の鋭さに驚いていた。僅かな間に自分のことを見抜かれていたのだ。
2年の歳月を共にしたクラスメイトは超のことを常に冷静だったと言っていた。しかもその後、酷いメに合わされたおまけ付き。
確かに超は冷静な人物として振舞ってきた。しかし、内には炎のような情熱を秘めている。それは較べるとしたら…
ネギ坊主に対するいいんちょさんの偏愛っぷりぐらいカ?
やめておこう。較べられるものじゃない。
「興味深い方です…貴女も私のお茶会へ招待させて頂けませんか?」
アルビレオは少し考えているようなそぶりを見せてからそう言った。
「招待はありがたいがそれはムリネ」
計画がどうなろうと自分はもうここには戻れないだろう。
…それ以前にコイツの淹れた茶を飲めるのかというのが問題ネ
だが、にべも無く誘いを断るのも礼儀に反する。
「まあ、もしも行けたらならお邪魔させてもうらヨ。美味しいお菓子を持て行くネ」
「嬉しい言葉です。特別なお茶を用意しましょう。では、これで…」
ようやくアルビレオは消えてくれた。超はほっと一息つく。
タチの悪い人間と話したせいか無性に古菲に会いたくなった。あの何の含みもない顔がまた見たい。
今さらムシのいい考えネ…ホント、タチの悪い奴ヨ!
「ああ、そういえば忘れ物です」
何の前触れもなくアルビレオが再び現れた。さすがの超もひるむ。
「な、なんネ!まだ何かあるのカ!」



69 : 超アルヨ? 2006/12/11(月) 00:46:15 ID:???
7/7

「いえ、そう警戒しないで下さい…ただ、これを渡していなかったと思いまして」
そう言ってアルビレオが取り出されたものは昨日出したパンダ耳と…
超は全てを確認する前に瞬間移動+電撃攻撃をアルビレオに食らわせた。無論、手ごたえはない。
「ふむ…やはり貴女は素晴らしい。お茶会、楽しみにしてますよ」
アルビレオはまたしても消える。
「なんとゆーか、始末におえない…」
それ以上何も言う気が起こらない。さっさとハカセたちとの集合場所へ行かねば。
無駄な時間をとらされた。どうにも相手の方が上手だったらしい。
敵に回ったのなら厄介どころか、手の打ちようもなかったかもしれない。
「ふ…愚かなことヨ」
自分の全てを賭けた計画も、彼がその気になれば簡単に押し潰されてしまうのだとしたら、笑うしかないだろう。
だが、弱気になっている場合ではない。しばらくすると、地上で待機している飛行船が見えてきた。
集合場所にしておいた飛行船の発着場では、茶々丸と龍宮、そしてハカセがすでに超を待っていた。
茶々丸、龍宮とは目で挨拶を交わす。二人に余計なことを言う必要はない。しかし、ハカセは違う。
「どうかしたんですかー、超さんが時間に遅れるなんて珍しい」
相変わらずマイペース気味の言葉を聞くと、少し緊張が緩む。
「いや、ちょっと変態にからまれてしまてネ」
「えーっ、それは大変でしたねー」
14歳の少女としては危険な発言をハカセはそれだけですましてしまう。
ちょっと抜けたところのあるハカセ、バカだが素直な古菲、誰よりも器の大きい五月…
自分が失おうとしているものの大きさを思うと、ぽっかりと胸に穴が開いたような気分になる。
もちろん、そんな感傷は許されることではないのだ。
「ハカセ、私たちに涙は似合わない…ネ?」
小さな声で言い、ハカセが何か答える前に言葉を続ける。
「さあ行こうカ!」
不安は焼き尽くせ。感傷など灰になればいい。今は目の前のことに全てを賭けよう。
なるほど、確かに自分は烈しい人間だと、超は笑うのだった。



75 : バカアスナ 2006/12/11(月) 22:23:59 ID:???
バカアスナ 旭○成にあらず編

明日菜「はぁ~。漢字の少テストたった5点だったよ~」
木乃香「まぁいつも2点や3点やったんやから上出来やで」
明日菜「20点満点の人に言われると少し凹むかも…」
あやか「いけませんわね、軽くレッスンといきましょうか」
明日菜「げっ、いいんちょ」

あやか「いいですか、『生』という文字だけでもいろんな言い方がありますのよ」
明日菜「ふーん」
あやか「たとえば『生きる』『生む』『生える』『なま』、音読みなら『ショウ』『ジョウ』『セイ』」
明日菜「なるほどね」
あやか「それでは『化』はどんな読み方があります?」
明日菜「イヒ」
あやか「話になりませんわ」


明日菜「あーあ、駄目だったか。あっそーだ。この手があった」
木乃香「明日菜、何やっとるん?」
明日菜「睡眠学習よ、テープに録音して寝て聞くの。えーと『謝って川に落ちる』、『妹を慰める』…」

翌日
ネギ「それでは少テストを始めてください」

1.□(アヤマ)って川に落ちる。2.妹を□(ナグサ)める。

明日菜「…」
今日は、漢字の書きの方のテストだったことを忘れていた。

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最終更新:2008年10月26日 22:45