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543 : 僕は彼女に恋をする 2006/12/29(金) 14:52:32 ID:???
――正直、僕は彼女が好きだ。
それは勿論LikeではなくLOVE。好感でなく恋慕。
でも、きっと彼女は僕を見てくれはしないだろう。彼女の目には別の誰かが映っているのだから。
「ただいま」
「あ、おかえりっス」
彼女が帰って来た。同居人がそれに気付いて返事をする。
僕は何も言わない。言えば僕の存在に気付かれてしまうから。
僕は、見守っていられればそれでいい。
「――邪魔するぞ」
――やっぱり、来た。
僕はこいつが大嫌いだ。彼女の心の隙間をついて誑かした卑怯者。
「あ、えーと、あ、そうそう! あんみつ買って来るね!」
どたどたと同居人が部屋を飛び出す。
ああなると……もう何時間か帰って来ない。
「……なんか、気を遣わせちゃったかな……?」
「……いいじゃないか。んっ」
「……ん、あんっ……だ、だめだよ真名。あっ……!」
「……アキラ……アキラッ……!」
影が、重なる。
僕は、目を閉じることができない。僕にはまぶたがないから。
二人が愛を囁く。
僕は耳を塞ぐことが出来ない。僕には手が無いから。
二人が次第に激しく愛し合う。
僕は彼女に愛されることは無い。

―――僕は、魚だから。

二人の情事を、一匹のアロワナがじっと見ている。
その目からは涙が流れていたのは、誰も、知らない。


544 : 僕は彼女に恋をする 2006/12/29(金) 14:53:04 ID:???
風香「……クッ! さ、流石は黒んボ。激しい、あまりにも激しすぎるまぐわいじゃあ!」
史香「あ、姉者ぁ……ワ、ワシも、ワシも規制の入らぬアヘ声が聞きたいんじゃがのぅ……」
風香「シッ! 今ええとこなんじゃァ! オ、オホッ! きゅうりじゃと!? 流石、流石じゃあ!」
史香「きゅ、きゅうり!? きゅうりを何に使っとるんじゃ姉者!」
風香「ハァハァハァハァ」
史香「ハ、ハァァーーン! ワシも、ワシも聞きたい、聞きたい、聞きたいんじゃー!」
風香「クゥ、なんてことじゃ……史香! きゅうりとネギを持ってくるんじゃ!」
史香「な、なんでワシばっかり……」
風香「安心せい。持ってきたら代わってやるけんのぉ」
史香「わ、わかった……ぜ、絶対に変わってもらうけんのォ」



545 : 僕は彼女に恋をする 2006/12/29(金) 14:53:50 ID:???
史香「も、持ってきたぞ姉者!」
風香「ようやった史香。さ、代わってやるけぇ」
史香「……お、おう!」
『あ、は……ん、そんな、やぁ……』
『は、ふふ……こんなに、こりこり……』
史香「は、ハアハア……タマラン、これはタマラン! わ、ワシもまさぐりたく」
風香「チェイストォーーーーーーーー!!」(ボッゴグシャァ)
史香「ガハッ!? な、きゅ、きゅうり……!?」
風香「きさんがいなくなれば……ワシはこの濡れ場を占拠できる。死んでもらうけぇ」
史香「……う、うらぎ……た……」(バタッ)
風香「く、くく、ふ、フーヒヒヒ!! さぁ、たっぷり濡れ場を……」
『あ、あっ痛ッ』
『……あ、すまん……』
風香「フホヒッ! 生娘じゃあるまいに、もっとアヒンアヒン言えばええじゃろが……!」
『も、もっと、やさしく……』
『……ああ。その、すまん』
風香「フヒフヒ! さて、きゅうりきゅうり……」
『こんどは……私がやるね?』
『……ああ、わたしのは、すごい固いぞ?』
風香「……ゴクリ」
『わ、ほんとだすごい固い……』
『ああ。仕事柄、肩こりが酷くてな』
風香 orz
『それじゃ、サラダも食べよっか?』
『すまんな。わざわざ作らせて』
風香「……きゅ、きゅうりはそんな使い方だったと……?」
『……あーん』
『あーん、パクっ。 ……お、おぉーーーいすぃーーーー!』
風香がネギを片手にゆらりと立ち上がると史香の方へ向き直り……


ぶすっ

553 : マロン名無しさん 2006/12/29(金) 22:20:32 ID:???
裕奈「さて、今回集まってもらったのは他でもない
最近亜子が私たちをたゆんたゆんしない件についてなんだけど」

まき絵「えっ!?でもやられてないならそれはそれでいいんじゃない?」

アキラ「でも、もしかしたら亜子がなんか調子悪いとか理由があるかも」

裕奈「とりあえず亜子を尾行してみよう!」

2人「オーッ!」



そして放課後……

まき絵「あっ!亜子が移動し始めたよ!しかもかなりうれしそうに!」

裕奈「絶っ対なんかあるわね~よし!あとをつけてみよう」いそいそ


亜子「あっしずな先生や~。せ~ん~せ?」

しずな「なっ何かしら和泉さん!?」

亜子「にひぃ。そりゃー!たゆんたゆんやー!」

しずな「あっやめて!そこは、ちょ、あっはっいい、ら、らめぇ、あ、あー!」



554 : マロン名無しさん 2006/12/29(金) 22:21:07 ID:???
亜子「もういっちゃたんか。あ!刀子せんせ~」

刀子「い、い、い、い、和泉さん!?あ、あのもうやめてほしいんだけど……」

亜子「問答無用!たゆんたゆんやー!」

刀子「いっ、やめて、あっ、それ、いいっ、か、感じ、いい、あう、あん、ら、らめぇー!」

亜子「ふっふ~ん早いな~せんせい達。まあ次はもっと長持ちしてくれるやろうなあ?
ゆーな?まき絵?アキラ?」

3人「(き、気づかれてる!?に、逃げなきゃ!)」

亜子「逃がさへんでぇ~!みんなまとめてたゆんたゆんや~!」



555 : マロン名無しさん 2006/12/29(金) 22:24:53 ID:???
まき絵「あっ!」すてっ、すとん

アキラ「まき絵?転んだの!?早く逃げて!」

まき絵「ううん。今からじゃもう亜子に追いつかれちゃう
逃げて!二人とも!ここは私がおとりになる!」

裕奈「ま、まき絵!ごめん!」

亜子「さ~てまき絵?たゆんたゆんの時間や~」

「ここか?ここがええんか?」
「ふ、ふん、ぜんぜん平気だよっ!」
「そんなん言えるのも今のうちだけやで~?」
「えっ、そこは!ってそんな動きは、あっ、ら、らめ!亜子!い、いや~!」


亜子「その後うちは3人みんなおいしく召し上がりましたとさ
え?何で最近たゆんたゆんしてなかったか?
先生達で新技開発してたんよ。おかげで3人ともいちころだったわ」

真名「(和泉…恐ろしい子!)」

558 : マロン名無しさん 2006/12/30(土) 01:58:57 ID:???
ちう「大掃除めんどくせーな。ほらザジ、おまえは雑誌を紐で縛っとけ。」
ザジ く(`・ω・´)了解!
数時間後―
ちう「ふー大体終わったな…。っておい!全然雑誌縛ってないじゃないか!」
ザジ ( ´・ω・`)ちう登場回、勿体なくて捨てられない…。
ちう「ったく…。しょうがない、それ縛ったら…その…私を縛っても…。」
ザジ く(`・ω・´)全部縛ったよ!
ちう「速っ!て…待て!心の準備が…!アッー!」

563 : Dr.アコー診療所3rd・11 2006/12/30(土) 16:29:49 ID:???
Dr.アコー診療所3rd・11

1/3

麻帆良学園中等部の保健室。そこにはちょっと性癖に難のあるドクターがいました。
本日は大晦日。今年も今日で終わりです。大掃除も済ませ、本来なら保健室も店じまいな筈です。
しかし、いつもの面々は今日も保健室に揃っていました。亜子先生を除いて……。
「―――で、亜子先生は今どこに?」
二ノ宮先生の問いに、裕奈さんは力無く首を横に振るばかりです。
「亜子、どこ行っちゃったんだろ……。何でも昨日、『アレをやるまでウチは帰れへん!』って言ってさ、
予約してた新幹線の切符もキャンセルしちゃったんだよね……」
「で、朝には居なくなっていた、というワケか……」
裕奈さんの報告を聞いた二ノ宮先生と超さん。苦笑混じりに顔を見合わせます。
「まあ、この学園に残っている者も多いだろうし……」
「亜子先生、本気でアレをやるつもりみたいネ……」
「ねえ、アレってなんなの?」
裕奈さんの問いに、超さんはやれやれといった表情で語り始めました―――

その頃。寮の一室ではハルナさんが怪しげなオーラ全開で読書に耽っていました。昨夜は泥のように
眠ってしまったハルナさん。どうやら翌日になって某所での戦利品の数々をチェックしているご様子です。
「むふっ! これはいいわね……!」
と、ハルナさんが腐臭を放っていたその時です。
たゆんたゆんたゆんたゆん……。
「きゃっ! あ、亜子先生!?」
突然現れた亜子先生が即座にハルナさんのおっぱいをたゆんたゆんし始めたのです。
「ちょっ、亜子先生やめっ……!」
思わず身を捩らせるハルナさん。するとどうしたのでしょうか、珍しく亜子先生は手を離したのです。
「ほな、よいお年を~♪」
そう言って亜子先生は爽やかに出て行ってしまいました。あっさり引き下がった亜子先生に、
ハルナさんはただただ茫然としていました―――


564 : Dr.アコー診療所3rd・11 2006/12/30(土) 16:30:20 ID:???
2/3

「ねえちょっとちょっと! 亜子先生どうしちゃったの!?」
好奇心が疼いてしまったのか、そのままハルナさんは保健室に急行しました。そして開口一番に
先程の出来事を切り出します。
「あはは……。パルもやられたんだ……。まあ、野良たゆリストに揉まれたと思って諦めてね……」
「何それ?」
裕奈さんのフォローに首を傾げると、超さんが本日二回目の説明を始めました。
「亜子先生は『除夜のたゆん』をやってる最中ネ。『除夜のたゆん』とはたゆん界に伝わる風習で、
大晦日の日に百八回たゆんたゆんすると、その年の穢れを払うと云われているヨ」
「実際にやろうと思ったら今からたゆり始めないと夜までに終わらないだろうからな」
二人のたゆリストの発言に、ハルナさんの目が点になります。先程説明を受けた裕奈さんと同じ表情ですね。
まあ、常人には呆れ返るような風習ですからね。
「だから亜子先生、あっさり引き下がったんだ……」
「今頃何人たゆってるんだか……」
そして、一般人であるハルナさんと裕奈さんは大きく溜息をつくのでした。すると、
「ふむ。それは面白いな」
ガラガラ、とドアが開き、やって来たのは龍宮さんでした。
「ならば私も実行するしかあるまい……。麻帆良の種馬として『除夜のもっこり』を!!!」
そう宣言した龍宮さん。素早く衣服を瞬脱すると鮮やかなルパンダイブで目の前の標的に襲い掛かろうとしました。
しかし、裕奈さん以下、ハルナさんも超さんも二ノ宮先生も逃げようとはしません。何故なら……、

ずどむっ!!!!!

龍宮さんのビッグマグナムよりも早く、いつの間にか背後を取っていた千鶴さんの伝家の宝刀が貫きました。
「あらあら。じゃあ、私は百八本刺さなくちゃいけないのね」
死の宣告を告げ、そのまま千鶴さんは龍宮さんをずりずり引きずりながら退場していきます。
「結局、今年の締めくくりもこんなカンジなんだね……」
「私じゃなくて良かった……」
裕奈さんは呆れ顔で、ハルナさんは安堵した様子で、鬼に捕われた憐れな生け贄を見送るのでした―――


565 : Dr.アコー診療所3rd・11 2006/12/30(土) 16:30:50 ID:???
3/3

「さて、ここに残った面子で忘年会でも始めるか?」
二ノ宮先生の提案に、早速ハルナさんが食い付きます。
「お、いいですね~。やー、私も実家に帰ろうかと迷ってたけど、結局コミケを優先させちゃったからね~」
「あたしも帰るったってお父さんの家に行くだけだしね。ちゃおりんは帰省しないの?」
「ま、ワタシも忙しい身の上ネ! それに火星まで帰ろうと思たら一苦労ヨ」
裕奈さんの問いに、超さんは冗談混じりに返します。
「決まりだな。さて、亜子先生にも声を掛けておくか……」
と、二ノ宮先生が携帯を取り出した瞬間です。ようやく保健室の主が戻って来ました。
「お帰り~。マジで百八人たゆる気なの?」
裕奈さんが声を掛けると、亜子先生はふるふると首を横に振りました。
「あんな、ウチは勘違いしとったんや」
にっこり笑いながら亜子先生は手をわきわきさせています。
「除夜のたゆんやゆーても、別に百八人揉まんでもええやん。要は百八回たゆたゆすればええんやから!」
そして、亜子先生は実に嬉しそうな顔で裕奈さんのおっぱいに飛び掛かりました。
「ちょっ、こらあっ! やめなさいって!!」
「えへへ。ゆーなのおっぱい、百八回揉ませてな~♪」
「そんなのあたしが持たな…んっ! そ、そんなに激しく……、ああっ!」
「たゆんたゆんたゆんたゆんたゆんたゆんたゆんたゆん……」
こうなると亜子先生は止まりません。一心不乱に裕奈さんのおっぱいをたゆり続けるのみですね。
「コレって余計な煩悩が溜まるだけなんじゃないの?」
ハルナさんの呟きに二人のたゆリストは苦笑するばかりです。そして、
「では、先に始めてるからな」
「後でワタシの店に顔を出すヨロシ!」
「ゆーな、強く生きてね……!」
「ちょっ、助け……っ! ひぃん! んっ、くっ、はああっ! あああっ!」
『よいお年を~』
裕奈さんの叫びも虚しく、皆さんぞろぞろと保健室から出て行ってしまいました。
こうして、保健室からは今年最後の艶やかな声が響いていたそうです―――
(忘れ去られた頃につづく。それでは住人の皆さん、よいお年を!)


567 : マロン名無しさん 2006/12/30(土) 17:24:23 ID:???
寒い日

アキラ「今日はこれくらいでいいよね」
亜子「そうやな、今日の夜はこれでぬくぬくや」
ゆーな「にゃー」
亜子「ゆーな、どなんしたん?」
ゆーな「にゃー」
亜子「そうやな、今日はとても寒いな」
アキラ「ここしばらくずっと寒いもんね」
ゆーな「にゃー」
亜子「もう、いきなり抱きつかんといてぇな」
ゆーな「にゃー」
アキラ「流石に見てるとこっちが恥ずかしくなってくるよ」

まき絵「あれ、亜子じゃん」
いいんちょ「そんなにくっついて仲のよろしいこと」
亜子「そっちこそ、手を繋いでどこに行くん?」
まき絵「正月の買出しに行くんだよ」
いいんちょ「年明けパーティもしますので、みなさんもご招待しますわ」
亜子「そうなん、やったー」
ゆーな「にゃー」
まき絵「しかしあやか。今日は暑いね」
いいんちょ「そうですわね」
亜子「え~。十分寒いで」
アキラ「二人が着てるその分厚いコートでも寒いくらいだよ」

まき絵「だって…」



568 : マロン名無しさん 2006/12/30(土) 17:24:55 ID:???

バッ
亜子「何やそれ!」
ゆーな「にゃー」
アキラ「コート一面にカイロがびっしり」
いいんちょ「これですとこんな寒い日でも暑く感じますわ」
まき絵「暖かーい」
アキラ「明らかにカイロの無駄使いだよね」
亜子「ブルジョワめ…まき絵も影響されて…」
ゆーな「にゃー」

570 : アキラ 大掃除 2006/12/30(土) 17:43:58 ID:???
アキラ 大掃除


年の瀬も迫り、あと少しで来年
そして年の瀬といえば大掃除、一年の汚れを綺麗にする行事です
でも・・・大掃除が出来ない
ゆーなのせいで

台所、トイレ、玄関、お風呂・・・いろいろなところのお掃除が終わったけど一カ所だけ出来ないところがある
それがお茶の間

アキラ 「ゆーな、いい加減こたつから出るんだ。掃除できないよ」
裕奈 「・・・」
こたつに深く潜り込んでごろごろしているゆーな、目を細めてよだれを垂らして寝ています
アキラ 「ゆーな!!!」
裕奈 「うにゃぁぁ・・・」
眠たそうに目を擦りながらもぞもぞしているゆーな、動く気配はなさそうです

アキラ 「ゆーな!!」
裕奈 「にゃぁぁぁん・・」
アキラ 「甘えてもダメ」
裕奈 「ふにゃぁぁ!!」
アキラ 「怒ってもダメ」
裕奈 「にゃ・・・」
アキラ 「拗ねてもダメ」

結局、私はゆーなの両手を引っ張ってこたつから引きずり出したんだ
するとゆーなはそのまま拗ねて、押し入れの中に引きこもってしまった
全く、困ったねこだ
そう言えばまだ、押し入れの掃除していない・・・





573 : マロン名無しさん 2006/12/30(土) 22:24:16 ID:???
きっと、これからもこんな生活が――
――続くと、思ってたんや。

高畑「……エヴァンジェル皇国が、わが麻本に宣戦を布告してきました」
センセンをフコク……何を、言われたか、ウチはわからへんかった。

真名「――今日より貴様らの上官となる、龍宮真名中尉だ」
その日から、ウチらの生活は、大きく変わっていった。エヴァ語は禁止され、体育は軍事訓練になって――

真名「貴様らの初陣が決まったぞ。今までの訓練を鬼畜エヴァンジェル野郎どもに見せ付けてやれ」
全く、現実かどうかもわからないまま、ウチらは前線へと狩り出される。
裕奈「……やだ、やだよ……お父さん……死にたくないよぉ……」
まき絵「……う、ううう……やだ、やだ……」
アキラ「……っ……」

皆、布団の中で泣いていた。友達、親友でも――この時は孤独なんや。
ふと、うちの心に死への恐怖と、この“戦争”への怒りが湧き上がった。
――おとーちゃん。もう、折れてまいそうや。ウチは、どうすればええん?

その日、夢の中に、殉死したにーちゃんが出てきた気がした。
にーちゃんは、何も言わずに――ただ、戦争を嘆いているように見えた。

このか「どいて! 怪我人、怪我人や!!」
ボロボロになった兵隊さんが、運ばれていく。
裕奈「――私達も、あんな風に、なるのかな……」
まき絵「……」
真っ青になったまき絵。 何か、何かいわな
アキラ「……写真?」
廊下に落ちていた写真をアキラが拾い上げる。
その写真には――赤ん坊を抱いた、女の人。
あの兵隊さんは、どれだけこの子をもう一回抱きしめたかったんやろう。
――ウチは、ウチはどうなんやろう――


574 : マロン名無しさん 2006/12/30(土) 22:25:10 ID:???
真名「全軍抜刀! 敵軍を殲滅せよ!!」
アスナ「おおーーー! 殺せ殺せ! 皆殺しだ!!」
夏美「……い、嫌……死にたく、ない……」
エヴァ兵千鶴「ホホホホホ……さあ、ずぶっと楽しませてもらうわ」
戦場は、焼け野原になる手前。
吹きすさぶ風に耐えて、必死にウチら四人は、敵が行くのを待つ。
裕奈「……ここらへん、春になるとすごい、綺麗なのに、ね」
泣きそうな声で裕奈が言う。――今年は、桜が拝めるんやろうか。
目の裏に、桜の花が鮮明に浮かぶ。
夏美「い゛、い゛やぁあああああああああ!!」
――純潔は奪われんけど、それ以上の屈辱が虜囚には与えられる。
龍宮中尉の言葉は本当やった。
村上ちゃんの悲鳴で、まき絵と裕奈がいよいよ涙を零し始める。
――おかーさん。ウチ、泣かんよ。……草の上にある雫は、朝露やから……

亜子「あ、アキラ! しっかり! しっかりしい!」
アキラ「……あ、こ……背中、ひどい、傷――ゴホッ、ゴホッゴホッ!」
亜子「喋っちゃアカン! そ、そうや! 投降すれば、きっと」
アキラ「……ダメ……あこ、が。酷い目に、あうの……かな、しいから」
亜子「何、何言ってるん!? このままやったらアキラが」
アキラ「……いき、て……亜子……だい、す……き……だ……ょ」
背中の傷の痛さより、頬を伝う熱さより
――胸の奥が 引き裂かれた痛みの方が 何千倍も辛かった――

行けども、けものみち。
エヴァ兵「ヒッ!? く、くる――」
獅子よ、虎よと吼え
エヴァ兵「ほ、本隊! た、助けてくれ! 赤い目の」
茜射す空の、彼方にまほろば。
亜子「……おろかな、女やと、笑ってくれてもかまへん。でも、でもな。
とーちゃん。ウチ、なーんも、護れんかってん……
――こんな、世界……ウチが、ぶっ壊したる――」


575 : マロン名無しさん 2006/12/30(土) 22:26:43 ID:???
――風の吹きすさぶ荒野。戦場に咲いたのは血桜。
亜子「春、早くこんかなぁ。アキラと、ゆーなと、まき絵と、ウチで……また花見したいなぁ」
全身を返り血と、自分の血で塗れさせながらも少女の眼は爛々と輝く。 


――20XX年・某月某日。
先の太平楽戦争において、3000人もの兵士を切ったと言われる者を遂に捕縛したエヴァンジェル皇国。
捕らえた者は――赤い目の少女だったのだ。
赤い目の少女の処刑は夕暮れに行なわれることとなる。
エヴァ「……ふん。高潔の志のもと、玉と散れ、か。麻本の人間の考えている事はわからないな」

少女の死は、麻本にも伝わった。はじめ、それは麻本の暗部だったのだが――
それは、友の仇を討つために戦った少女の果敢なき美談として伝えられることとなる。


「この映画はファンタジーの要素が少々入っています。ですが、そこには確固たる人物の生き様があって、それは限りなくリアルに近いフィクションとなっているんです」(監督・監修 ネギ・スプリングフィールド)
「今回、初主演ということでとても緊張しました。ですが――泉ノ亜子という人物の生き方や、葛藤や、悲しみが……皆さんに伝わればいいなと思います」(主演・和泉亜子)
「今回の役どころは亜子の親友である小河内アキラと言うことで、頑張らせていただきました。亜子を思い、亜子の為に死んだ彼女の生き様を、できれば見てください」(助演・大河内アキラ)

ネギ・スプリングフィールド初監督作品
“勇狭麻帆良~散リニシ者へノ子守唄”
2007年 4月21日 公開

588 : マロン名無しさん 2006/12/31(日) 08:30:28 ID:???
ハカチャオ(慕情編)
1/7

人の心はもう科学の不可侵領域ではない。感情なんて脳の信号のやりとりから生成するものなのだ。
だから、綿密に自分の意識を観察して、冷静に対処すれば、感情に振り回されることなんてないのだ。
「どうしようもない気持ち」なんてないのだ。
――――葉加瀬聡美はそう思っていた。

お昼休みの麻帆良学園の校庭ではちょっとした人集りができていた。
人の輪の中心には、聡美と超、そして翼のような機械を背中につけた古菲がいる。
「ほんと~にこんなので空を飛べるアルか~?」
「シミュレーションによればほぼ確実に飛べるネ」
超の言葉に古菲は首を傾げる。どうやらシミュレーションという言葉が分からないらしい。
古菲が背負っているのは聡美と超が製作した飛行装置。
成人男性が両腕を伸ばした程度の長さの折りたたみ式翼と、背中に取り付けたマシンの制御によって空を飛ぶ。
魔法の力を工学応用した優れものだ。
ただし、まだ試作品。
「ちょっと心配アルヨ……」
「グダグダ言ってないで行くヨロシ!発進!」
超はマシンのスイッチを押した。翼が全開し、音を立ててジェット噴射する。
すると、凄まじい勢いで古菲は空へと吹っ飛んでいった。周囲からは歓声があがる。
「うひょおぉぉぉぉぉ……止ーめーてーアールーーー!」
天高く舞い上がった古菲は全く予想もできない方向へと飛んでいく。
その様子を見ていて聡美はあることを思い出した。
「あっ、超さん!ブレーキをかける方法を教えるのを忘れてましたー!」
「そういやそーだったネ」
惚けた顔をする超。たぶん超はそのことを分かっていたのだろう。
「ナム……骨は拾ってやるネ、古」
そんなことを言う超の顔を見ながら、聡美はため息をついた。

超と聡美の発明の犠牲に古菲がなる。それは二年間変わらなかった光景。
結局、制御を失った古菲は、高い木にひっかかって止まった。


589 : マロン名無しさん 2006/12/31(日) 08:31:16 ID:???
2/7

木の下、古菲は地べたに座り込んでぷりぷり怒っている。
「もーヒドイアル!散々なメにあったアルヨ!」
頑丈だからケガはないが、古菲は全身ボロボロ。翼も片方が外れ、もう片方は変な方向にひしゃげていた。
「あーゴメンネ、古。ちゃんと説明しておかなかった私が悪かたヨ。制服も弁償するネ」
全然悪びれずにそう言って超は古菲の頭をなでる。
古菲の背中のマシンを外しながら二人の姿を見て、聡美は妙な気持ちになった。
「胸がしめつけれらる」というのはこういう感じでしょうかー……

同じ表現が前に国語のテストで出たのを思い出す。
「傍線部は何を意味しているのか答えなさい」
いささか乱暴なことを言えば、そんなもの、百人いれば百通りの答えがあるに決まってる。
だが、もちろん、テストの正解は一つ。全てのことに正解があれば、どれほど楽だろうか。
自分の今の気持ちに、正解とか、意味とか見つけることを聡美は避けていた。

超は古菲の首に腕を回し、ほっぺたをもてあそんでいる。
「そうふて腐れるナ。約束通り肉マン食わせるネ」
「もちろんアルヨ!たくさん食べるネ!」
「ワタシたちの新作、『肉まん君Ω(オメガ)』を披露するヨ」
「もうそれはいらないアルヨー!」
傍から見て、とても仲の良い二人組。二人は親友なのだ。
「どうしたハカセ?元気ないアルヨ~」
「ム、確かに。なにかあったカ?」
暗い顔をしていたのだろう。じゃれあっていた二人が聡美に聞いてきた。
「いえ、なにもないですよー!」
慌てて否定する。
聡美にも、二人は大事な友人。
でもたぶんそれだけじゃない。

それだけだとしたら、なぜ胸が苦しいのか分からないから。
表面上は変わらない関係でも、変化は確かにあったのだ。


590 : マロン名無しさん 2006/12/31(日) 08:32:11 ID:???
3/7


聡美と超はある計画に従事していた。
超が聡美を誘ってきた、誰も思いつかないような遠大な計画。
初めてそれを聞かされたとき、その遥かに日常を越え、時代すらも越えたスケールに衝撃を受けた。
超は言った。「この計画に自分の全てを賭けている」と。
ほとんど研究にしか興味のなかった自分を見るその眼差しに、聡美は背筋に震えが走ったのを覚えてる。
たぶん、「人間」に興味が湧いたのはあのときが初めてだ。
それ以来、聡美も計画に惜しみなく助力していた。

夜も更けてきた。もう寮の消灯時間はとっくに過ぎてる。
そんな時間でも、大学部で聡美が借りている研究室の明かりはついていた。
「ウン、今日はここまでネ」
今日もまた、計画の細部を超と二人で練っていた。白衣を着て二人ともコンピュータの前に座っている。
超は自分の部屋は「あまりに混沌としていて見せられないネ」と言って、二人でいる時間は聡美の部屋にいることが多い。
「いつもありがとネ、ハカセ。いまお茶を淹れるヨ」
そう言って超は立ち上がって伸びをした。
「あ、それならそこの」
マシンのボタンを押せばお茶が自動で入る、と言おうとしたのだが、
「いや、ワタシに淹れさせてクレ」
超はそう断って、勝手知ったる他人の家とばかりにテキパキと動く。
「ホイ」
「すいませんー」
おいしい……
料理にもその才を見せる超が淹れたお茶だ。体も心も安らぐ香気と、豊かな味わい。
これも、計画を手伝っている自分に対しての、超なりの気の遣いかたなのだと思う。
でも、この計画を手伝うことは自分の探究心にとってもプラスになることなのだ。
だから感謝とかしないで欲しいと、何度も言っているのだが、超は譲らない。
そうやって、超に一線を引かれているようで、悔しかった。
「おー!これはオモシロイネ」
聡美の部屋をうろつき回っていた超はある物を拾い上げた。


591 : マロン名無しさん 2006/12/31(日) 08:33:09 ID:???
4/7

それは聡美がある研究の副産物として作った、もはや何の役にも立たないガラクタ。
「これでまた古のヤツをからかってやろうカナ」
ああ、まただ……
古菲の名前が出たとき聡美は、昼にじゃれ合う超と古菲を見ていたときと同じ感覚を覚えた。
その正体が何なのか。分析すれば、確実に分かることだろう。
しかし、そんなことをすれば自分の立場が崩れてしまいそうで嫌だった。
でも、嫌だと思ってる時点で負けですねー……
科学者が好悪で物事を判断して良いわけがないのだから。
「フフフ、驚く古の顔が目に浮かぶヨ」
こっちの気持ちも考えず、ほくそ笑んでいる超を見ていると妙なフラストレーションを感じる。
それで、つい大変なことを口走ってしまった。

「そんなに古菲さんが好きなら、惚れ薬でもなんでも使えばいいじゃないですか!」

「へ?」
きょとんとする超。
なんてことを言ってしまったのだろう、と口に手をやる聡美。
「ハハハ!なにを言ってるかハカセ!」
だが、超はすぐに大笑い。
「すいません……」
ただ恥ずかしくて、謝るしかない。顔が真っ赤になっているかもしれない。
笑っていた超なのだが、聡美の様子を見て顔つきが変わった。
「ワタシには、好きだとか嫌いだとか言う感情はナイヨ」
自分は科学に魂を売った悪魔なのだと、超はよく冗談めかして言っている。
「それは――――ウソです」
聡美は食いついてしまった。
ずっと超を見てきた聡美。
だから、古菲といるときの超のしぐさ一つ一つに、彼女の「本心」が見えていた。
超は古菲のことを友だち以上の人として想っているのだと。それが超の「本心」なのだと。
観察の結果、聡美はそう確信していた。


592 : マロン名無しさん 2006/12/31(日) 08:34:09 ID:???
5/7

ウソだと言われて、超はなにか考えているような様子を見せてから口を開いた。
「まァ……そうネ……仮に、ワタシが古のことを「好き」なのだとしたら」
超は言葉を選ぶ。これ以上は聞きたくない気がする。
「薬は使わナイネ。それはルールに反してるヨ。ゲームに勝つためには、自分の力で身体も心も屈服させなければならないヨ」
彼女一流の偽悪的な発言だ。
「ゲームですかー……」
うそぶいているようだが、「ゲーム」だと言って、自分の気持ちを封じ込めているようにも見えた。
超は聡美のほうを向かず、どこか遠くを見るような目をしている。
「超さんはそうやって、周りの人から距離を置くんですね」
ただでさえ、いつも超の心は「いま、ここ」とは別のところにある。
そして、その超が僅かにでも想いを寄せる人は、自分ではない。
「ハカセ、それは仕方のナイことネ。分かってクレ」
「はい、ですが……」
超には超の事情がある。聡美もそれは分かってる。
でも、だとしたら自分の想いはどこへ持っていけばいいんだろう。
やるせない――――
こんなことは理不尽だ。
それこそ理不尽なことだと承知で、聡美は怒りを感じているのを認めざるを得なかった。
「フフッ、今日のハカセはなにかヘンヨ。明日はこれで古と遊んで、打ち合わせは休みにしようカ」
そう言って微笑んで、超は手に持ったガラクタを指す。
「そんなっ!私は大丈夫です!」
衝動的に聡美は立ち上がり、超の手からガラクタを奪い取ろうとしていた。
だが、
「アッ、ハカセ!」
勢いがつきすぎた。さっきまで超が座っていた椅子にぶつかり、転んでしまう。
「イタタタタ……」
足が酷く痛む。悪い体勢で転んでしまったらしい。
「大丈夫カ、ハカセ」
屈みこみ、聡美の足を調べる超。その顔は本当に心配そうだ。


593 : マロン名無しさん 2006/12/31(日) 08:35:48 ID:???
6/7

「どうやら捻てしまたようネ。応急処置をしておいたから、しばらく安静にしておくといいヨ」
「はい……すいません」
聡美は超に再び椅子に座らせられて、手当てを受けた。
氷嚢を当てられた足が、じんじんと痛む。
「謝ることはないヨ……ちょっと驚いてしまたガ」
跪いたままの姿勢で、超は優しい声で言う。
超はたいていのことは笑ってすませてしまう。
適当に楽しむが、常に冷静で揺るがない。
その態度は、彼女の天才としての能力からくるのかもしれない。。
「クラスの便利屋」から「麻帆良の最強頭脳」までいくつもある通り名はダテではない。
「本当に、超さんはなんでもできるんですね」
聡美がつぶやくと、超は軽く手を振って否定した。
だから、誰の支えもいらないんですね、と言ってしまいそうになった。
自分は結局手伝いぐらいしかできないのだろう。
友人や協力者にしかなれないのだろう。

痛みも引き、超は寮に帰ろうと提案した。
「でも、ここに泊まってもいいんじゃないですか?」
研究に熱中して、そのまま研究室で寝泊りすることは前からあった。だから不自由はない。
それに、寮のみんなは寝ている時間だから、迷惑にもなる。
「いや、ダメネ。今日は帰るヨ」
しかし、超は強硬に言い張る。寮でゆっくり休めということなのだろう。
「分かりましたー」
「でも」、と言って聡美は足をぶらつかせた。この足で歩くのはかなり辛い。
だが、超は「大丈夫ネ」と言い、帰り支度を始める。
超は聡美の白衣を脱がせ、代わりに上着を着せた。
そして、聡美の前で背中を向けて、跪く。
「ホレ、遠慮しなくていいネ」
つまり、おぶされということだった。


594 : マロン名無しさん 2006/12/31(日) 08:36:28 ID:???
7/7

見事な三日月が浮かび、星が良く見える澄んだ夜空だった。
冷たい風が心地よく、足の痛みを忘れさせてくれる。
超は聡美を背負ったまま、駅へと歩いていく。
人一人運ぶ機械ぐらい、いくらでもあるのに、これが一番早いと超は言っていた。
「今日は、本当にすみません……自分が情けないです」
「そういう日もあるヨ。それにしてもハカセは軽すぎるネ。もう少し食べたほうがいいヨ」
「超さんが力持ちすぎるんですよー」
古菲と同じように、武道の達人でもある超だ。巨漢でも軽く吹っ飛ばせるのだから、聡美など軽いもの。
本当に、この人は支えがいらない人なんだ……
自分とあまり変わらない大きさなのに、背負われることに全く不安を感じさせない引き締まった超の背中。
「そうだ。今度ワタシが腕を揮うネ。美味いものつくるヨ」
「えぇー、いーですよー。調理マシンがありますし」
「いーや、ワタシの料理を食べてもらうネ!」
二年間付き合ってきて分かったことは、超は意外に頑固者ということだ。言い出したら聞かないところがある。
「ふふっ、分かりました」
笑って、聡美は頭を超の襟足のあたりにもたせた。
チクチクと、超の髪が頬に当たる。いい香りがする。
包み込むような幸福感の中、聡美はようやく、一つのことを認めた。

「…………好きです」

絶対に聞こえないよう注意して囁く。
分析するまでもない。この気持ちは恋なのだともう気づいてた。
それが唯一の正解。
ただ、いくら理論を並べても、どうしようもないことだという辛さが、認めるのを拒んでた。

超には、やはり聡美の声は聞こえていないようで、鼻歌なんて歌ってる。
何処とも、いつの曲とも知れぬのに、なぜか懐かしいメロディーを聴きながら、聡美は精一杯涙を堪えていた。

おしまい

597 : マロン名無しさん 2006/12/31(日) 16:23:51 ID:???
「年越うどんでけたで」
「蕎麦じゃないの?」
「359で知ったんや」
「いただきます。あー!冷凍を解凍しただけ」
「ココで、うどんとかけてネギま!?ととく」
「そのこころは」
「麺は讃岐で作りは手抜き」
「さ最悪だ……」

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最終更新:2008年10月26日 23:28