※原作、および企画本編のネタバレが致命的に含まれています



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【聖戦】

出典はシルヴァリオ ヴェンデッタから。当企画の参加者であるクリストファー・ヴァルゼライドの行動理念ともなっている用語。
原作においては物語の根幹を成す用語であり、原作の登場人物のほぼ全員がこの用語と強い因縁関係にある。
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有体に言えば、ヴァルゼライドと原作におけるラスボスであるカグツチとの戦闘を指す言葉である。
そもそもこの二人は、千年以上前に大破壊と呼ばれる現象により宇宙空間に開けられた穴、第二太陽(アマテラス)を地上へと引き摺り下ろす事を目的としていた。
理由は、原作の世界観において日本が千年以上前に消滅した国であり、その国は史上稀にみるテクノロジー技術を持ち、更に二人は、公では滅んだ事になっている日本が、実は第二太陽(アマテラス)となって今も存続している事を知っていたからである。
此処までの目的は同じだが、ヴァルゼライドは日本のテクノロジーを用いて自らの帝国を世界最強かつ世界で一番富んだ国家にしようと言う目的があり、実は嘗て日本が存命だった頃に日本が直々に作り上げた人造惑星(プラネテス)であるカグツチは、日本が嘗ての様に世界最強の国家として君臨する事を目的としていた。
当然二人の目的は相反するものの為、衝突が不可避であると言う事は初めから解り切っていた。期が熟し、二人が戦う。この戦闘を、作中では聖戦と呼んでいた。

作中では聖戦ではなく、聖戦が起きる『過程』で、幾つもの悲劇が生まれて来た。
主人公のゼファー・コールレインは第二太陽を地上に降ろす為に必要な生贄として姉を殺され、
主要ヒロインの一人であるミリィは爆発事故を装って実験に関する機密を知っていたとされる父と母を殺され、
同じくヒロインの一人であるチトセはヴァルゼライドに半ば利用される形で、その正義感を暴走させてしまった。
またその過程で作られた、幾つものカグツチ以外の人造惑星(プラネテス)の何体かは、何百人もの人間を殺戮し、帝国自体にも深い爪痕を残した。
最終的に聖戦、つまりヴァルゼライドとカグツチの勝負は成立する事すらなく、最後の能力に覚醒した主人公のゼファーの怒りと逆襲を受けて台無しにされる。
ある意味でシルヴァリオ ヴェンデッタとは、幸福を自分より格上の存在に踏み躙られて来たゼファーが、彼らに対してその因果応報を成すと言うゲームでもある。

……ちなみに、第二『太陽』とも言えるものを地上に降ろして大丈夫なのか? と思った人もいるかもしれないが、無論予想通り『大丈夫じゃない』。
そもそも原作の世界観では、日本の消滅は過去の大事故が原因であり、コレのせいで世界中には全く未知なる素粒子である星辰体(アストラル)が充満。
このせいで原作世界では、“燃料類の低出力・高燃費化”“金属抵抗値の一律排除”“空気抵抗の増大”などの現象が起きた。
第二太陽を地上に降ろすと言う事は、上に上げた現象の全てが爆発的に強まる事を意味し、現に作中では、少し距離が近づいただけで、地上が滅茶苦茶な混乱に包まれた程であり、もう少し近付いたら本当に地上が全人類の殆どが死んでしまうレベルであった。
つまりヴァルゼライドとカグツチは、マジで世界から人がいなくなるかも知れなかったのに、帝国の繁栄やら日本の覇権やらを巡って争っていた事になる。馬鹿かな?















【魔界都市<新宿>】

菊地秀行氏が1982年に刊行した、『魔界都市<新宿>』及び、同作の世界観をベースにした『魔界都市ブルースシリーズ』やそのスピンオフの事を指す。
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当企画においては<新宿>の設定は魔界都市ブルースの方から設定を借りているが、その設定は本家とは全く異なり、<新宿>は既に復興を果たした街としている。
本家魔界都市シリーズの<新宿>は、<魔震>(デビルクェイク)により崩壊した設定までは同じであるが、この地震のせいで完全なる魔界になったと言う点で異なる。
方々で話題に上がる事があるが、その治安の劣悪さは最悪と言う言葉ですら最早生ぬるい。
拳銃のみならずバズーカ砲や対物ライフル、サブマシンガンに毒ガス兵器、数十万度のレーザーを照射する光学兵器が、サラリーマンの給料で買える等ほんの序の口。
たった1000円貰い受ければ人を殺す殺し屋が繁華街に蔓延り、同じ程度の値段で身体から毒ガスを噴出させたり細胞レベルの高速再生を可能とする人体改造手術を行う闇医者。
音速で移動する事の出来るサイボーグ手術や、高圧電流や摂氏数千度の炎を放出する手術を施したヤクザは歌舞伎町を跋扈。
区外の兵器開発メーカーが、自社が開発した兵器の性能を試したいが試す場所がない為に、音に聞こえた<新宿>に秘密裏に兵器を流出させ、
自分達の手を汚さず人体でその威力をテストすると言う横暴が罷り通り、区も実質それを容認していると言う超無法都市。
だが、この街が本当に魔界都市と呼ばれる所以は、ヤクザだけではない。この街に住む住人の奇特さや、この街自体に起る怪異が、魔界都市と呼ばれる所以である。
高田馬場には世界中から、数百年の時を生きる魔術師や魔法使いが集まり研究を続けているし、戸山には吸血鬼達がホストとして活動する代わりに区から血液を求めている。
<魔震>によって崩壊した、市ヶ谷遺伝子研究所の生体サンプルが脱走、<新宿>中にモンスターや、<新宿>の魔力で変異した怪物が蔓延る原因となる。
怪異に至っては、幽霊が出ると言う次元の問題ではなく、空間の歪みや捻じれが連続的に起り、知らない間に区内の別の場所にワープしていた、
ビルが消える、流砂が発生する、水道管が存在しない場所なのに無限に真水が溢れて来る、局所的に零下30度以下にまで気温が下がる場所が存在する、
他区と<新宿>を隔てる亀裂の中に最低でも数万年以上昔の文明の遺跡が露出していた、<新宿>の地下には本物の海が広がっていた、
本物のクトゥルフの邪神が襲来して来るなど、巻が増えれば増える程意味不明としか言いようがない奇々怪々な現象が列挙される為に、枚挙に暇がない。

 確かに<新宿>は魔界ではあるのだが、同時に、<新宿>に現れた太古の遺跡や不可解な現象の解明、其処に生える新種の薬草や毒草の影響もあり、
魔術や科学技術が凄まじい程に発展していると言うのも事実で、この世界における<新宿>は<新宿>以外の東京都22区の全利益の数百~数千倍の収益を一区で賄え、
エネルギー問題も自家発電で、しかも原子力発電の更に数百倍の発電効率を誇る技術を開発している。
収益の源泉はまさに、<新宿>を魔界都市足らしめているその要素に他ならず、観光収益や、他区に流出させても害がない程度の毒物や呪術的・科学道具を流す事で、
<新宿>は今日も潤っている。……たまに外の世界に、世界情勢をひっくり返しかねないアイテムが平気で流出し、世界の勢力図が引っくり返りかねない程の大事件が起こるのは御愛嬌。

 余談であるが、こうして書くと<新宿>だけがおかしい様に見えるだろうが、実際には<新宿>以外の他区・他国も体外なもの。
そもそも魔界都市<新宿>と、それをベースにした作品の世界観では、平然と魔術や魔法、超能力の類が<魔震>前から存在している設定となっており、
より歴史を遡ると、古代インドでは核兵器やヴィマーナが当たり前の様に開発されていたし、バビロニアには空中に浮かぶ国家をも成し遂げるテクノロジーが、
中国に至っては殷よりも更に前の時代とされる夏の時代からサイボーグが稼働していたと言うトンデモ事実があった事が明らかになっている。
区外の強敵が<新宿>を手に入れる為に動いた、と言う話の筋が同作には多い為しょうがないと言えばしょうがないか。
……こうして書くとやはり、素の魔界都市は、聖杯企画を行うには到底適さないと言わざるを得ない。















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最終更新:2016年05月31日 00:47