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「こりゃ凄いね」
あくまで今日はプチパーティという名目だったので適当に(そして間違った方向で)楽しむつもりだった速水先輩は驚いた。
キッチンには―ハルカが早起きをして作ったのであろう―すでに下ごしらえを終えた料理が整然とならんでいた。
スープは温めればすぐにでも飲めそうだし、サラダはボールの中で盛り付けを待つだけ、等大にカットされ水に浸けられたポテトはフライかマッシュにでもされるのだろう。
保坂がいたらどんな反応をするだろう、
速水先輩はそんな事を考え、いつものように表情を変えずに笑ってみる。
そうしていると、あることをふと思い出した。
あくまで今日はプチパーティという名目だったので適当に(そして間違った方向で)楽しむつもりだった速水先輩は驚いた。
キッチンには―ハルカが早起きをして作ったのであろう―すでに下ごしらえを終えた料理が整然とならんでいた。
スープは温めればすぐにでも飲めそうだし、サラダはボールの中で盛り付けを待つだけ、等大にカットされ水に浸けられたポテトはフライかマッシュにでもされるのだろう。
保坂がいたらどんな反応をするだろう、
速水先輩はそんな事を考え、いつものように表情を変えずに笑ってみる。
そうしていると、あることをふと思い出した。
「そういえば、さっきアツコ達は何を買ってきたんだい?」
質問を投げてみる、割と時間がかかっていたようなので速水先輩はハルカ達が何を買ってきたのたのか興味があった。
「はい、七面鳥とキャンドルを買ってました」
なるほど確かに料理の準備はされているものの、メインデイッシュになりそうな物はあの中にはない。
蝋燭はおそらく雰囲気作りに使うのだろう。
買い物の内容からも今日のこの日に対するハルカの意気込みが伺えた。
「ハルカったら今日は本気だねー」
「そうですね、今日は楽しみましょう」
そんなたわいない話をしながら二人は笑いあった。
「しっかし、使っていいって言われても」
「これじゃあ勝手がわかりませんね」
すでに手を尽くされたような空間で二人がそんな感じに立ち往生していると、
着替えを終えたハルカがピンクのエプロンをしてキッチンへと入ってくる。
「おまたせしました」
「おー、きたきた」
「ハルカ、私達は何をすればいいかな?」
アツコが問う、二人はエプロンも付けていないからあくまで形骸的なものだが。
「そうね、あとはお肉を焼くだけだから………お客様だしリビングでくつろいでてください」
質問を投げてみる、割と時間がかかっていたようなので速水先輩はハルカ達が何を買ってきたのたのか興味があった。
「はい、七面鳥とキャンドルを買ってました」
なるほど確かに料理の準備はされているものの、メインデイッシュになりそうな物はあの中にはない。
蝋燭はおそらく雰囲気作りに使うのだろう。
買い物の内容からも今日のこの日に対するハルカの意気込みが伺えた。
「ハルカったら今日は本気だねー」
「そうですね、今日は楽しみましょう」
そんなたわいない話をしながら二人は笑いあった。
「しっかし、使っていいって言われても」
「これじゃあ勝手がわかりませんね」
すでに手を尽くされたような空間で二人がそんな感じに立ち往生していると、
着替えを終えたハルカがピンクのエプロンをしてキッチンへと入ってくる。
「おまたせしました」
「おー、きたきた」
「ハルカ、私達は何をすればいいかな?」
アツコが問う、二人はエプロンも付けていないからあくまで形骸的なものだが。
「そうね、あとはお肉を焼くだけだから………お客様だしリビングでくつろいでてください」
他人様の家に居ながら、やることがないというのは意外と退屈なものである。
テーブルに向かいあったアツコと速水先輩はいつものように談笑しつつも、そんなことを感じていた。
「やっぱりマキがいないとパンチが弱いね」
「彼女の事は本当に残念でした」
少しズレた発言、はたしてマキは浮かばれるのだろうか。
「むー、それなら景気付けに一杯いきますか」
がさごそと取り出したるは件のビニール袋、ご丁寧にコップだけはすでに頂戴していた。
「え、あの……ハルカは?」
当然の疑問、だがそれも杞憂。
まぁ、ある意味すでに後戻りできないところまで来ているのだけれど。
「心配しなくても大丈夫、メインは特別なのがあるから」
そういうことではないが、もはやこの人にそんなことは関係ない。
ようは『楽しければいい』のだ。
「これから飲むのは飲みかけのこっち」
そう言って手に取ったのは先ほどチアキ達に飲ませた方の飲み物、まだ一杯分ほど中身が残っている。
「や、でもやっぱりハルカを待った方が………」
「うーん、まどろっこしいなぁ」
「えいっ」
「!!?」
無理矢理アツコの口に瓶を突っ込む。
頂戴したコップはもはや無用の長物だ。
「んー」
「あはは、顔が真っ赤」
赤い理由は急に呼吸が止められたからなのだが、この人はお構い無し。
アツコはアツコで苦しいながらも瓶の中身を無抵抗に飲み干した。
テーブルに向かいあったアツコと速水先輩はいつものように談笑しつつも、そんなことを感じていた。
「やっぱりマキがいないとパンチが弱いね」
「彼女の事は本当に残念でした」
少しズレた発言、はたしてマキは浮かばれるのだろうか。
「むー、それなら景気付けに一杯いきますか」
がさごそと取り出したるは件のビニール袋、ご丁寧にコップだけはすでに頂戴していた。
「え、あの……ハルカは?」
当然の疑問、だがそれも杞憂。
まぁ、ある意味すでに後戻りできないところまで来ているのだけれど。
「心配しなくても大丈夫、メインは特別なのがあるから」
そういうことではないが、もはやこの人にそんなことは関係ない。
ようは『楽しければいい』のだ。
「これから飲むのは飲みかけのこっち」
そう言って手に取ったのは先ほどチアキ達に飲ませた方の飲み物、まだ一杯分ほど中身が残っている。
「や、でもやっぱりハルカを待った方が………」
「うーん、まどろっこしいなぁ」
「えいっ」
「!!?」
無理矢理アツコの口に瓶を突っ込む。
頂戴したコップはもはや無用の長物だ。
「んー」
「あはは、顔が真っ赤」
赤い理由は急に呼吸が止められたからなのだが、この人はお構い無し。
アツコはアツコで苦しいながらも瓶の中身を無抵抗に飲み干した。
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