今日から私も中学生。小学生のころは学校に塾にと……勉強ばっかりでお友達があまりできなかったけど、中学生になった私は、これを機にある決心をしていた。
「私は変わる、友達をたくさん作ろう!」
「私は変わる、友達をたくさん作ろう!」
……なんて意気込みは何処へやら。気づくと私は小学生の頃と何ら変わりなく勉強ばかりしていた。
別に勉強が好きな訳じゃない。ただ、友達がいない私には、学校ではこれしかする事が無かったから。
中学生になって初めての小テスト、得点の欄にはいつも通り100点の文字。
もう見あきたこの数字に、私は何の喜びも無かった。
別に勉強が好きな訳じゃない。ただ、友達がいない私には、学校ではこれしかする事が無かったから。
中学生になって初めての小テスト、得点の欄にはいつも通り100点の文字。
もう見あきたこの数字に、私は何の喜びも無かった。
「あー!! もう、なんだよ68点って! ん? いや、待てよ。よく見ればなかなか人間味あふれるいい点数じゃないか」
突然私の前席で女の子が大声を上げ、自分の点数を暴露する。
そう言えば私は覚えてる限り100点しか取った事が無いから、テストの点数で一喜一憂するなんて事なかったなぁ……
そんな事をボーっと考えていると、突然彼女の目線が私のテスト用紙に移り、目を丸くしてそのまま目線を私に向けた。
突然私の前席で女の子が大声を上げ、自分の点数を暴露する。
そう言えば私は覚えてる限り100点しか取った事が無いから、テストの点数で一喜一憂するなんて事なかったなぁ……
そんな事をボーっと考えていると、突然彼女の目線が私のテスト用紙に移り、目を丸くしてそのまま目線を私に向けた。
「100点? 100点ってあの最高得点の……とればご褒美がもらえるかも知れない、あの100点か?!」
突然話しかけられ面喰ってしまう。
彼女の名前は確か……南さんだっけ。短いツインテールの活発な女の子。
私とは正反対の性格。
その質問にどう答えていいか困っていると、彼女は私の手を握りこう言った。
突然話しかけられ面喰ってしまう。
彼女の名前は確か……南さんだっけ。短いツインテールの活発な女の子。
私とは正反対の性格。
その質問にどう答えていいか困っていると、彼女は私の手を握りこう言った。
「私にも100点の取り方を教えてくれ!」
100点の取り方って……勉強するしか思いつかないよ。
「えっと……それは勉強するしか…………」
「なら、私に勉強を教えてくれ!!」
勉強を教える? んー……まぁそれくらいなら出来るかな。
コクリと頷くと、彼女は握った手をブンブンと振り喜びをあらわにする。
100点の取り方って……勉強するしか思いつかないよ。
「えっと……それは勉強するしか…………」
「なら、私に勉強を教えてくれ!!」
勉強を教える? んー……まぁそれくらいなら出来るかな。
コクリと頷くと、彼女は握った手をブンブンと振り喜びをあらわにする。
「ホントか?! よし、それなら早速……えーっと名前は…………」
「ケ……ケイコです」
「そうか、じゃあケイコ、今日私の家に寄って行きなよ!」
クラスメートの家に招待……私は嬉しくて先ほどよりも大きく首を縦に振った。
「ケ……ケイコです」
「そうか、じゃあケイコ、今日私の家に寄って行きなよ!」
クラスメートの家に招待……私は嬉しくて先ほどよりも大きく首を縦に振った。
放課後、学校からの帰り道。いつもと違う方向へ歩いて行く。
しばらくして見えてきたマンション。ここが彼女の家らしい。
なかに入ると優しそうなお姉さんと、お利口そうな妹さんが台所で料理をしている。
「こ……こんにちは。 始めまして、えっと……お、おじゃまします」
馴れない挨拶をすると、お姉さんは笑顔で答え、妹さんもペコリと頭を下げてくれた。
しばらくして見えてきたマンション。ここが彼女の家らしい。
なかに入ると優しそうなお姉さんと、お利口そうな妹さんが台所で料理をしている。
「こ……こんにちは。 始めまして、えっと……お、おじゃまします」
馴れない挨拶をすると、お姉さんは笑顔で答え、妹さんもペコリと頭を下げてくれた。
彼女にリビングへ連れて来られると、少し待っている様に言われ私はその場に座る。
綺麗に片づけられたリビングには、自分の家とは違う独特の甘い香り。
しばらくすると、彼女は教材を手に持ってリビングへ現れた。
「よし! それじゃあ早速次のテストに出そうな所を教えてくれ!」
開かれた教科書には、先生に言われたポイントにチェックは無く、その代りに落書きが沢山。
とりあえず先生が言っていたチェックポイントを教えてあげると、彼女は赤いペンで線を引いていく。
綺麗に片づけられたリビングには、自分の家とは違う独特の甘い香り。
しばらくすると、彼女は教材を手に持ってリビングへ現れた。
「よし! それじゃあ早速次のテストに出そうな所を教えてくれ!」
開かれた教科書には、先生に言われたポイントにチェックは無く、その代りに落書きが沢山。
とりあえず先生が言っていたチェックポイントを教えてあげると、彼女は赤いペンで線を引いていく。
こうして勉強を教えている私には、一つだけ気になっている事があった。
「あの……南さん?」
「ん? あぁ、カナでいいよ。私もケイコって呼んでるし」
「でも呼び捨てなんて、そんな……良いんですか?」
「良いって。遠慮なんかしてても、得な事なんて何も無いぞ」
「あの……南さん?」
「ん? あぁ、カナでいいよ。私もケイコって呼んでるし」
「でも呼び捨てなんて、そんな……良いんですか?」
「良いって。遠慮なんかしてても、得な事なんて何も無いぞ」
教科書に線を引きながら、上の空と言った感じで彼女はそう言った。
しかし私はその言葉を聞いて、入学当初の事を思い出す、
もしかしたら、ここで一歩踏み出す事で何か変われる事があるのかもしれない。
だから私は勇気を出して口を開いた。
しかし私はその言葉を聞いて、入学当初の事を思い出す、
もしかしたら、ここで一歩踏み出す事で何か変われる事があるのかもしれない。
だから私は勇気を出して口を開いた。
「カナ……」
「んー、なんだー?」
名前を呼ぶとさっきと同じように返事をするカナ。ただ、それが私にはたまらなく嬉しかった。
「カナ、カナ……カナ」
「うわ……っと、な……なんだなんだ?!」
……しまった、つい嬉しくて連呼してしまったみたい……
驚くカナを前に、私は慌てて本題を話し始める。
「んー、なんだー?」
名前を呼ぶとさっきと同じように返事をするカナ。ただ、それが私にはたまらなく嬉しかった。
「カナ、カナ……カナ」
「うわ……っと、な……なんだなんだ?!」
……しまった、つい嬉しくて連呼してしまったみたい……
驚くカナを前に、私は慌てて本題を話し始める。
「えっと、カナは68点が人間味があるいい点数って言ってたのに、どうして100点が取りたいの?」
「え? それはほら、100点取ったらご褒美が貰えそうだろ? 私、駅前で売ってる高級なケーキが食べたいんだよ!」
なんて言う不純な動機。でも、その動機が私に変わるきっかけをくれたのは間違いない。
「そっか、じゃあケーキの為にももう一頑張りしようか」
そう言って私達は勉強を再開した。
「え? それはほら、100点取ったらご褒美が貰えそうだろ? 私、駅前で売ってる高級なケーキが食べたいんだよ!」
なんて言う不純な動機。でも、その動機が私に変わるきっかけをくれたのは間違いない。
「そっか、じゃあケーキの為にももう一頑張りしようか」
そう言って私達は勉強を再開した。
勉強ってこんなに楽しいものだったんだ――――
カナと喋りながらする勉強はすごく楽しくて、あっという間に時間は経ってしまった。
もう7時か。これ以上お邪魔するのも悪いし、そろそろ帰らなきゃ……
そんな事を考えていると、台所からお姉さんが現れ、
「良かったら夕飯食べていかない?」
と、一言。
カナと喋りながらする勉強はすごく楽しくて、あっという間に時間は経ってしまった。
もう7時か。これ以上お邪魔するのも悪いし、そろそろ帰らなきゃ……
そんな事を考えていると、台所からお姉さんが現れ、
「良かったら夕飯食べていかない?」
と、一言。
嬉しい。カナ達と一緒に夕飯を食べてみたい。
でも、そう思う反面、やはり迷惑なんじゃ……と言う考えが頭をよぎる。
「あの……嬉しいんですけど、やっぱりご迷惑――――」
「ケイコ、さっきも言っただろ? 遠慮なんかしても得な事なんて無いって」
でも、そう思う反面、やはり迷惑なんじゃ……と言う考えが頭をよぎる。
「あの……嬉しいんですけど、やっぱりご迷惑――――」
「ケイコ、さっきも言っただろ? 遠慮なんかしても得な事なんて無いって」
また昔の自分に戻りそうな私を引き止める様に、カナはそう言った。
そうだ、何度も自分に言い聞かせたじゃない、私は変わるって……
「えっと……それじゃあお言葉に甘えて……」
その言葉を聞いて、お姉さんは『了解』と言って台所へ戻り、すぐに4人分の食事を持ってきた。
いくらなんでも早すぎる。きっと最初からそのつもりで用意してくれていたんだ。
もし断ったりしてたら、逆に迷惑掛けちゃうところだったな……
そうだ、何度も自分に言い聞かせたじゃない、私は変わるって……
「えっと……それじゃあお言葉に甘えて……」
その言葉を聞いて、お姉さんは『了解』と言って台所へ戻り、すぐに4人分の食事を持ってきた。
いくらなんでも早すぎる。きっと最初からそのつもりで用意してくれていたんだ。
もし断ったりしてたら、逆に迷惑掛けちゃうところだったな……
机を囲ってご飯を食べながら賑やかに過ごす時間はとても楽しくて、カナの少しバカな話しに、妹さんのツッコミ。それをなだめるお姉さん。
自然と私まで笑みがこぼれてしまう。
「いいか、ケイコ! 夕飯を共にすると言う事は、お前はもう私の親友だ! だからこれからも私に勉強を教えろ!」
「何を偉そうに……この大バカ野郎!!」
「イテテッ……こら千秋、そんなもの投げるな、おい、テテッ……」
自然と私まで笑みがこぼれてしまう。
「いいか、ケイコ! 夕飯を共にすると言う事は、お前はもう私の親友だ! だからこれからも私に勉強を教えろ!」
「何を偉そうに……この大バカ野郎!!」
「イテテッ……こら千秋、そんなもの投げるな、おい、テテッ……」
机の上を飛び交う座布団、するとお姉さんの表情がガラッと変わり、二人の顔をガシッと掴む。
その姿、言うなればまさに、『アイアンクロー・フロムキッチン対面式』と言ったところか。
親友か……そんな友達いままで出来た事無かったなぁ……えへへっ、ちょっと嬉しいかも……
その姿、言うなればまさに、『アイアンクロー・フロムキッチン対面式』と言ったところか。
親友か……そんな友達いままで出来た事無かったなぁ……えへへっ、ちょっと嬉しいかも……
「こちらこそよろしくね、カナ」
「ふぇ、ふぁあ……ひょひょひひゅ……」
顔を掴まれたまま返事をするカナ。これが私とカナの友達になった日の事だった。
「ふぇ、ふぁあ……ひょひょひひゅ……」
顔を掴まれたまま返事をするカナ。これが私とカナの友達になった日の事だった。
それから少しづつだけど私は変わっていった。友達もそれなりに出来たし、勉強以外の日にも、カナの家に遊び行く様になっていき、学校ではいつもカナの姿を目で追っている事に気づく。
運動は得意だけど、勉強は少し苦手で……でもいつも明るくて……
そんなカナに私は少しづつ魅かれていった。
運動は得意だけど、勉強は少し苦手で……でもいつも明るくて……
そんなカナに私は少しづつ魅かれていった。
そしてカナのツインテールが肩のあたりまで伸びた頃、私の想いは友達と言う壁を超えて、その先の恋愛感情の様な物を抱き始める。
同じクラスの藤岡君がカナに好意を抱いている事は、私にも分かっていた。
でも彼にはカナを譲れない、だってカナが遠慮なんてしても得な事なんて無いって言っていたから。
同じクラスの藤岡君がカナに好意を抱いている事は、私にも分かっていた。
でも彼にはカナを譲れない、だってカナが遠慮なんてしても得な事なんて無いって言っていたから。
――――私はカナの事が好き、だから誰にも譲らない。
- GJです!このカプ大好きだけどなかなか無いから楽しませていただきました! -- 名無しさん (2010-09-18 15:07:04)