花びらが、振るはずない花びらがはらんはらんと振った。
三月
僕は、どうするべきだったんだろう。
歩く事も止まる事もしたくない。
どこかに行きたいのに行ける気はするのに
どうしても足がもたついて行けないんだ。
決別の瞬間だ2月
そしてどうしようもできないんだよ3月
どこにでも行けるような気はするのに。
ワールズエンド ニューデイズ
「ただいま」
「おお、お帰り。どこほっつき歩いてた?」
「別に」
「なんかあった?気の抜けた顔して」
「.....絶望」
「ん?」
「絶望を見たよ」
「そうかい、そりゃ悲しいな」
「ちゃんと聞いてよ。俺はどうすべきだ?」
救われたかった
それは誰?
春に恋をした彼?
犬を待ち続けた鬼?
運命にしか恋を出来なかった彼?
報われると信じきる男?
夏に振る奇跡を信じ続ける彼女?
巨大すぎる世界を愛してしまった
テコラ?
違うよ違う。
救われたいのは、救って欲しいそれは
俺だ
「なにがあった」
「俺はどうすべきだった。どこかに行ける気はするのに、動かない。動けない」
「ソレは行く必要がないから」
「でも救われたい」
「どうやって」
「わからない、でも俺のせいか?」
「さあ?なにを話しているか分からないよ」
「俺も世界を直視すべきなのか?」
「それは何の?」
「この空間、その存在に」
「現実?」
「そう」
でも
「でも俺は」
愛せない
「ソッチには行けない」
例え世界の残酷な瞬間が垣間見えても、
日だまりを、美しい情景を、人のぬくもりを、回り続ける終わらないこの未来を
俺は
「愛したい」
だから
「救われない」
「今はいいんだよ、また巡る。次の春に踏み出せない人は五万と居る。そんな人間もいるんだ。そして回る季節。巡る世界。
気付けば年は明け、新しい季節を迎える。ダメだったらまた次。
いつかの春にはお前はどこかに行けてるさ。」
「なんだって....」
なんだって世界はそんなに
「上手くできてる」
俺はソレを愛するんだ
愛したいんだ。
最終更新:2007年05月08日 16:47