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【七月序盤―First_event―】死神は闇へと動く

薄暗い部屋。
あまりいい印象は受けないオカルトチックな物ばかりが置いてある。
ソファの上には巨大な鎌。
様々な装飾が施され不思議な形をしている。
その横で微動だにせずタロットを見定める男。

「・・・めんどくさいことが起こるな・・・こりゃ」

ふぅ、と息を突き首をさする。

「で?何の用だ?ステイル」

大きな傷のついた右目で目の前の相手を射抜くように問う。
その相手は赤髪のロングヘア、目の下にバーコードのような模様が特徴の神父らしき男。
その振る舞いからは神父とは思えないが、服装は教会の礼装を象っている。
神父は男の眼光にひるむことなくタバコを吸い煙を吐いた。

「だから何度もいっているだろうが。仕事だよ、仕事。どこまで僕をバカにするつもりだ、バレア」

バレアと呼ばれた黒ずくめの男は自身が広げたタロットカードをしまう。
そしてめんどくさそうに頬杖をつきだるそうに言う。

「なんでまた『学園都市』なんかにいかなきゃならん。ただでさえめんどくさいってのに・・・」
「仕方ないだろう・・・屠姫川霞嵐があそこでうろうろしてるんだよ。僕たちの仕事は彼女の保護。さっき諜報員から連絡を受けたけど・・・彼女、もうすでに向こうで魔術を行使したらしい」
「あんのバカたれ、懲りずにまたか?餓鬼のお守は専門外なんだが?」

フン、と不機嫌そうに鼻を鳴らすバレア。
だがその背にはすでに大鎌を背負い扉に歩き出している。

「餓鬼のお守は、専門外なんじゃなかったのかい?」

ステイルと呼ばれていた赤髪の神父は横目で黒衣の死神を見据える。
黒衣の死神はうっとうしそうに手を振り扉を開け放ち言う。

「めんどくさいが、あの餓鬼は別だな。ったく、これだから『必要悪の教会』を敵に回したくはなかったんだが・・・」

目の前に広がる森には異様な空気が漂う。
その中には殺気交じりの息を殺した気配をバレアは感じ取る。

「今となっちゃ一番でかいスポンサーみたいなもんだ。ありがたく『喰らい』つくさせてもらうさ」

そういうと背中に背負っていた鎌を目の前につきだし隠れている気配に向かって殺意を跳ね返す。
その波動で辺りの風が止み無音の世界が広がる。
そしてバレアは凛とした声で言い放った。

「さぁ!出てきやがれただ喰われるだけの豚どもが。今までどれだけの人間を、罪なき魂の灯を消してきた?さぁ――――」

口元を不敵に歪ませ暗闇に体を溶け込ませる。
その後何十という影が彼を襲った。

死神。
それは魂の管理人。
生を司り、そして死を司る。
地獄に向かう魂を案内し、
死へと向かう者の魂を迎えに来る。
死神――――それは

「――――罪を洗おう、神律を乱す不当共。貴様らに、『明日』の光は届かない」


『現実』と『虚無』をつなぐ者。


執筆:クルクーゼさん

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最終更新:2011年10月28日 20:28