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【七月序盤―First_event―】何度でも蘇るさ!


 一瞬だった。
 目の前の生徒がいつ倒されたのかも分からないまま、次の瞬間には自分が床にうつ伏せになっていた
 何が起こったのか判断しようにも、意識が遠のいていくせいでそれもままならない。
 それでも雪崩は意識を失うまでの数秒の中で分かる範囲のみとはいえ必死に状況を整理する。

 第一に、これは無能力者狩り。 生徒達を守る事すらできないまま自分も被害者になってしまった。
 そして第二に、攻撃を受けた生徒に外傷は見られない。 恐らく自分にも無いだろう。 にも関わらずこの攻撃は一撃で相手を気絶させるくらいの事はできる。
 今まさに意識がブラックアウトしようとしている自分が何よりの証拠だ。

 今の雪崩に分かるのはここまでだった。 最後の力を振り絞って攻撃してきた相手の姿を探すも、顔どころかシルエットすらどこにも見当たらない。
 せめて、姿だけでも。 一目見るだけでも良い。 それが犯人の手掛かりになるのなら。

 だが、結局見つかる事はなく。
 雪崩の意識はそこで途切れた。

「…………」

 攻撃を行った者が2人に近づく。
 殺した訳ではないが、確実に仕留めたかどうかの確認はしっかりとやるようだ。
 まず日焼けした不良生徒の体を足で転がす。 反応は無い。 しばらくは起きないと判断したのか、それ以上の確認はしなかった。
 次に雪崩の体を掴む。

 異変はその時起こった。


    ジー……… ザザッ


「!?」
 不可解な感覚を覚え、攻撃した者は雪崩から手を離す。
 見ると、雪崩の体がノイズの入ったホログラムのように消えかかっている。


    ジ…ザ… ザーーーーーーーー


 消えかかった所から体の内部が見える。
 そこには肉も内臓も無ければ血も通っていない。 代わりに、普通の人間であればあるはずの無いものがそこにあった。
 “それ”の固有名詞は分からないが、それでも言葉で例えるなら『赤く光る筒のようなもの』だった。


    ザーーーーーーー  サーーーーーーーーーーーーー…………………


 見る見るうちに雪崩の体が消えていく。
 攻撃した者がその正体に確信を持つ時間すら無く、雪崩は完全に消えてしまった。

「噂には聞いた事があるが…“正体不明(カウンターストップ)”の亜種…か? だとしたら…」

 攻撃した者は脳内で思考を巡らせる。
 今消えた人間…のようなものはいなくなった訳ではない。 すぐにでも学園都市のどこかに再び現れるだろう。



執筆:あさぎりさん

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最終更新:2011年11月03日 21:35