「………………これは一体どういう事なんだろうねと思うんだな、僕は」
「それは私に事情の説明を要求しているのか? というか、仮にも警備員の身でありながらこのようなコソコソとした立ち振る舞いは何だ。 私はむしろそれを聞きたい」
「それはお互い様だと思うんだな、僕は」
「大の大人が私のような学生なんかと同じ事をしてる方が問題だ」
「僕には生徒達を守る義務があって、これも致し方なしと…………」
学園都市内のスーパーで天音響と不知火海はお菓子売り場の棚に身を隠しながら言い合いを続けている。
こんな状況になってしまったのは、とある偶然が重なってしまったからだ。
1つ目の偶然は、響と海が偶然会ってしまった事。
そして2つ目、最も大きな要因となった偶然は2人の視線の先にあった。
「え~と、今日はカレーにするかヒビキも多分くるから量をやや多めにしておくから、多めに食材を買っておくか」
「天音さん来るんですか?」
「ん?ああ、時々ジュンナが連れてくることが多いからな」
何故か海船と純也までもがこのスーパーにいて、その2人が中睦まじく(少なくとも覗き見している2人にはそう見えた)一緒に買い物をしていたのである。
「いや、でも単に偶然居合わせただけで、せっかくだから一緒に買い物するか…って事になっただけかもしれないんだな、僕は」
「かもしれんが………心なしか海船の頬が赤くなってるような、あぁもう遠い…!見えん…」
周りの一般客からの視線にすら気付かず2人は覗き見を続ける。
「私は2人の事は知っているからね、一つ言わせてもらうよ。 あの2人を心配する必要など全く無い!」
「また随分とハッキリものを言うね」
「まず不純異性交遊、これは有り得ない。 第一に、そもそも海船は風紀委員。 それだけでもいかに彼女が真面目かが分かる。 第二に、無能力者狩り。 能力者の海船がいれば狩る連中も迂闊に手は出せない、そして第三に―――――――――」
「あれ!?」
まだ天音が話している途中だが、海は構う事無く言葉を発する。
「……2人がいない…」
「何ィ!? …あ、レジだ、レジにいる! 会計を…………終わらせて外に出る所じゃないか!急げ!」
執筆:あさぎりさん
最終更新:2011年11月12日 20:41