申し訳程度に明りが灯った薄暗いその場所に彼らはいた。
彼らはスキルアウトと呼ばれる「無能力者」の烙印を押された者達だった。
その多くは負傷者だった。
頬に絆創膏を貼る程度だったり、頭に包帯を巻いている者もいる。酷いところだと松葉杖をついている者や、腕にギプスをつけて首から提げている者までいた。
彼らは激怒していた。この大小様々な傷は、能力者によってつけられたものだ。
自分から喧嘩を売ったり、カツアゲしようとした自業自得とも言えるスキルアウトがいたのも確かだが、能力者側から喧嘩を売ってきた例が全く無いといえば酷い大嘘吐きになる。
自衛の為、そしてあわよくば復讐の為にキャパシティダウンも用意したものの、防犯ブザー程度の大きさのものでは下位能力者を封じる事は出来ても上位能力者には殆ど効果が無い。
かといって、ワンボックスカーに乗せてやっと運べるような規模のものは中々手に入りにくいし、そもそも持ち運びに不便だ。
「なあ、もう限界だぜ」
腕にギプスをつけたスキルアウトの男が一歩前に出て言う。
「このまま能力者をつけあがらせといていいのかよ? そんなわけねーだろ」
彼はギプスに包まれた腕に触れながら言葉を続けた。
「確かに俺は自業自得だった。よりによって学園都市第一位に殴りかかったのがいけなかった。他にも俺のように自ら能力者に向かってって怪我した奴は大勢いる。けどよお……!」
男の声は震えていた。
怒りと悔しさを必死に押し殺し、無理矢理平静を保とうとするような、そんな声色だ。
「なんもしてねーのに襲われた奴だって大勢いるんだよ。向こうから挑発してきて、わざと正当防衛に見せかけるようなクソ野郎だっているんだよ! このままにしといていいのか? いいわけねーだろ!!」
男はついに声を荒げる。少しつつけばすぐにでも涙を流してしまいそうだった。
「ここに集まった俺たちの意思はただ一つ。あのクソ忌々しい能力者共に、狩られる者の恐怖を思い知らせてやりてえ……!」
ギプスの男は目の前の存在をしっかりと見据える。
「協力してくれ。……頼む」
黒い髪に、黄色のメッシュ。
何処か蜂を連想させる奇妙なカラーリングの髪の男は、ただ静かに頷いた。
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執筆:長月さん
最終更新:2011年11月21日 17:50