「シュワ失踪」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
シュワ失踪」を以下のとおり復元します。
「藩王視察のニュース中ですが、ここで臨時ニュースをお伝えします。
本日、オズルが出た裏山の調査に出かけた執事のシュワさんが消息を絶ちました。
先日謎の敵との戦闘に参加されたエースの一人でもあるシュワさんが消息を絶ちました。
現在、どいいう情況なのかは不明です。今調査隊が現場に向かっているとのこと
続報が入り次第、そちらに切り替える予定です」

ニュースキャスターが一呼吸する。

『土場空軍のエース謎の失踪』

テロップが入り、新しい原稿が届けられる。
「はい、たった今情報局から連絡が入りました。
それによりますと、えー、シュワさんは午前10時ごろ、土場空港よりI=Dに乗り調査に出発。
12時ごろに「緊急事態発生」という通信後、連絡を絶ったとのことです。」
 ニュースを話すキャスターのうしろでざわざわという声が聞こえる。
 テレビを見ながら、情報官である朱は手を組んでいた。
 シナリオを書いたのは、藩王代理だがこんな風に使うとは思わなかった。


『はい、ただいま現場と中継が繋がりました、中継先のA=ボーンさん?」

「…えー、私はですね。今裏山近くの…すごい人だかりです。
え、I=D見つかった? おい…
すいません、シュワ氏の乗っていたI=Dが発見されたようです!」

慌てて、連絡を取りさらに追加された原稿を読み始める。

「えーと、本部の発表によりますと裏山近くでシュワ氏の乗っていたI=Dが発見されました。
ええ、発見です。
通信機が壊れておりパイロットは行方不明。行方不明です。
シュワ氏の消息は知れません。

現在、藩王はファンブルのI=D工場を視察中ですが、急遽対策本部を設置
即刻、護衛を連れて戻られるそうです。
国境の兵士もシュワ氏の捜索に借り出される模様!」

『すいません。I=Dだけが見つかったのですか?』

「はい、I=Dのみ、I=Dのみです。トモエリバーです。
製造番号を確認したところ、
シュワ氏が搭乗していたものに間違いないそうです。
それが見つかったのですが…肝心のシュワ氏の姿が…」

さわざわと人がざわめく声が聞こえる。テレビの中の風景はイマイチ現実味がない。
実情を知っている身としてはこれ以上の茶番もないのだが、次の瞬間ミステリー。
「事件?事故?土場のエース謎の失踪」という文字が躍っていた。
脱藩ではない、彼は英雄として失踪する。

彼の行方不明を隠すのではなく大々的に失踪したと知らせる。
国境付近の兵士も国民も、このニュースにクギ付けであった。
他国の事情より自国の国民がいなくなることの方が大きい。

シュワは失踪した、同名の人間が見つかったとしてもそれは知らない。
藩国は騙された。彼は何かの陰謀に巻き込まれたのだ。と強く言い張るつもりである。
証拠はないのだ。なぜなら…全て情報官が処理し、握りつぶしている。
I=Dの移送は、¥600と楽斎が行った。無論、スクラップになったI=Dの回収と称してである。
書類は完璧であった、ただスクラップを運んだのではなく、完璧に稼動するI=Dであったというだけ。
それをシュワ機に見えるように細工し、本来のシュワ機は裏山近くに後から放置した。

今頃、その機体は藩国の山を越え、ジェントルラットに向かっていることだろう。
シュワは土場空軍のエースであったが、生まれはファンブルの近くであったと聞く。
I=D製作に関する知識は相当なものだった。藩王のらくがきの入った地図でも見ながら
警備の手薄な山を抜けるに違いない。
あらかじめ警備隊とその指揮官をほとんどファンブルに集中させてある。
そしてこの騒ぎで首都近くに呼んで裏山捜索にあたらせよと連絡。
次々に飛んでくる指示に国境付近の指揮系統は一時的に機能しなくなることは間違いない。

復元してよろしいですか?

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