藩王の憂鬱2

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さて藩王の知能とは関係なく土場は、外交と戦闘は基本的に摂政にまかせきりである。
視察と称してアイドレス工場に遊びに行ったり、副藩王と外交(という名の遠征)に繰り出したりするのが常である。
一応は、藩王の無事な姿は国内の不安を抑えるために役にたてている…のである。

そう、問題の摂政が戦争準備に明け暮れている頃、藩王は戦勝祈願の宴の準備をしていた。
戦の神に食べ物やら酒を捧げて歓待し、加護を願う伝統的な祭りのひとつである。
「梅酒くださいー」
「梅酒クダサイ」
「うはw梅酒の人気に嫉妬!!」
そして運ばれてくる梅酒14杯。こいつら頼みすぎである。
「あ、俺アイスー」
飲み会において初手からデザートを頼む空気を読めていない藩王。
「鍋ウマス!」
「砂肝刺身ウマー」
 さらには鍋開始、どうでもいいがこの藩王ノリノリである。
そして、実にアットホームな風景であった。
戦闘時でも、お留守番の組は常にこうであり悲壮感なく戻ってくる兵士の無事を祈る、実に暢気な国民である。
 実際に兵士が戦場に赴く準備を始めるころ、周囲に酒が配られ本格的な酒宴が始まった。

情報官からの連絡を見ながらも、神々に捧げる戦勝祈願の宴は進む。
「…土場日報みるよー」
 宴の最中、市場の動向を調べると、食料他藩国資産が売られてることに気がつく。
「あれ、摂政、食料売ってるよ」
断片的な情報にその場にいた全員が顔を見合わせた。
「これはクーデターかもしれんね?」
 副藩王がぼそり、と呟いた瞬間、その場がどっと沸いた。
「あるあ……ねーよ。」
「『それにしてもこの摂政ノリノリである…』」
「これはアレだね、八神きゅんのために本気だなヤツは」
「さすがだな、次世代舞踏」
 そのうち、バトルメードのアイドレス来た犬士に「やがみ号」と名づけて送ってやろうぜ。などというロクでもない会話に移るのであった。
 酒が入りノリノリになっていく光景はまさしく、この世の春であった。
「じゃあ、発売予定の摂政のメジャーデビュー曲うたいまーす。聞いてください。『灯油がない』」
「俺の家には灯油がない。注文しても届かない♪」
誰もが戦争の勝利を願い、そして国としての勝利を疑っていない光景だった。

実際の戦闘が、藩王たちの思うほどお気楽なものではないという情報がもたらされたは
これから3日後のことである。

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