戦時対応:下書き

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匿名ユーザー

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土場藩国にはひとつの伝説がある。たまに現れる客人の話だ。
いつの間にか藩王の変わりに、なにかいろいろしてくれる人である。
実際なんとかなっているのかどうかはわからないが、頭の弱い藩王にかわり
何か国民への対応が必要な時は藩王の代理を務めるのである。
滅多に顔を出さないが、出てくるときは大概本当に厄介な時であった。
別名、藩王の仕事が溜り過ぎて国としてあやうくなったとき、ともいう。

「じゃあ、これは情報官にまわして、王女からの申し出は喜んでお受けしろ。
冒険関連の書類は、まとめて保管しておくこと。
技族の仕事は急がせてくれ、バックアップは国として行う。
以上それから」

普段藩王が溜め込んでいた決済を全て終えると、一息つく。

「藩王命令
『これより我が国は戦時体制に入る』とのことだ。」
そして、普段絶対にしない藩王の仕事まで取ってしまった。しかし、誰も意義を唱えない。
いや、小さな声で声があがる。

「…でもお金ないよ」

そうであった、ポチ王女の申し出を受けた時点で藩国の収支は2億わんわん。
国として非常に厳しい段階だ。
金には不自由していないつもりだったが、まさかここで10億ももって行かれるとは
想定の範囲外であった。
歴代藩王のコレクション売るか、と思うが。
売れるようなモノはない。だいたいガラクタだ。

代理事務官はふぅ、とため息をつくと。手で机を叩いた。
コツコツと一定の速度で机が叩かれる。
「………金がなければ…内職か。」

机を叩いているうちに気になったホコリを払いながら呟く。
いつから仕事していないんだ、ここの藩王は、と思うがあえて口には出さない。
悲しくなるだけだから。

落ちそうになった眼鏡を抑えつつ、不要になった書類の裏紙を使って藩民全員でできそうな内職を考える。

  • 袋作り
  • 傘張り
  • 花火のこより作り
  • データ入力

ここまで書いたところで、データ入力は無理だろうと判断して真っ先に消した。
絶対ロクなことを書かないのは目に見えてわかっている。

「まずは、内職でできそうなのをあげてみろ」
 はい、と元気よく手を挙げる子がひとり。反応がいいな。バカ王が収めている場所にいるとは思えない。そう思って意見を聞く。
「しつもん、ないしょくってなんですか?」
コケる。ここまでできない子だとは思わなかった。やはりあの藩王にして、こいつらか。としたうち。
「内職か。それはだな」
 なんとか情況を戻そうとすれば、わらわらとやってくる幹部が場をまぜっかえす。
「貧乏浪人がやるアレだよアレ」
「おとっつあん、いつもすまないねぇ」
「いや、それ間違ってるから!!」
「……いいか、お前ら。今切実に金がない、というのは、わかってるな?」
 バカ藩王につきあううちに本当にシステム以外ぐだぐだになったんじゃないかこの国と本気で心配しながら続ける。
「…浪人がやるのも間違っていないだろうが、言っておく。
 花火のこよりつくったり袋を張ったり、デパートにおいてある袋を作ったり
 データを入力したり、小さいビーズを一定量袋詰めにしたりいわゆる
『誰にでもおうちでできる簡単なお仕事です』を言われるヤツをやるんだ」
「…えー」
「普段遊んでるだろ、お前」
 システムがしっかりしていると決済以外ほぼする仕事はない。
 本来なら政治闘争やら、どろどろした駆け引きやら利益団体との戦いに奔走するものなのだが、この国はそういうものとは無縁であった。
 無理して金を取りにいくぐらいなら、その余暇で何か別のものをしようという精神である。
「(・3・)=3ピューゥピューゥ」
「そんな顔すんな、ついでに口笛吹けてない。」
 ツッコミ入れるのも疲れてきた。もういい加減引きこもりたい…が、ここで投げると本当に取り返しがつかなくなるのでなんとか耐える。
話の分かる連中はとっくの昔に食料の備蓄やら、各地の連絡に出してしまったのが非常にくやまれた。
「いいか、各自できそうな内職を見つけて報告。それから2~3人1チームで協力して効率よく仕上げること」
「おーぼー、おーぼー」
「…だからだな、お前ら国の情況を理解して行動 っ…」
 思わず一歩踏み出したところでよろける。正確には滑った。足元にあるのは、藩王が仕掛けたバナナの皮トラップである。
 ぐらりと回る視界、あわあわと駆け寄ってくる連中を尻目に、藩王代理の体がみるみるうちに傾いていく。
謀りやがったなと、小さく呪いの言葉を呟くとそのまま頭から床に倒れこんだ。

ポーン
藩  王  の  部   屋  で   藩  王 代 理 が 倒 れ ま し た 。

藩国に長らく聞こえていなかったアナウンスが流れ、この後土場藩国は
戦争準備状態に突入するのである。
余談だが、藩民の内職は、戦時下でも続けられるよう整備され、立派な副業となる(予定だ)。



普段の藩王の知力と運の値を入れ替えてみますた。
着ぐるみの中の人のようです。

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