三芳過去
■キャラクター名:三芳 過去
■性別:女
■所持品:何の変哲もない巫女服、体を縛る鎖、首と手と足を繋げた鎖
特殊能力
自分が何かしらの損傷を受けた場合に周囲の人間が幸福な出来事を得る。
自分が死んだ場合には周囲の人間が考えうる限り最大限の幸福を受け取る。
プロフィール
ごく一般的な家庭の長女として育った彼女は、8歳までは幸せに過ごしていたが、8歳の時にその身に自信が損傷を受けた場合に自分の周囲の人間を幸福にする能力が備わっていた事に周囲が気づく。
彼女の利用価値に気づいた政府の人間により9歳の時に彼女の両親と妹は彼女の目の前で見せしめとして殺され、彼女の精神的消耗により彼女の能力が明らかとなる。
それからは彼女にとって地獄の日々であった。
自身が親しかったと感じていた友により傷付けられ、彼女の利用価値に気づいた各国が彼女を奪い合うように争い、多くの人間が彼女の前で、彼女を傷つけ生き残ろうとして死んでいく。
その後も彼女は様々な場所で傷付けられ、消耗していった。
彼女が傷幸ノ巫女(しょうこうのみこ)と呼ばれるようになって数年、彼女の精神は完全に壊れていた。
18歳の時、彼女を捉えていた国は彼女が死んでしまえば幸福を得られなくなってしまうと考え、彼女の魂を現世へと拘束した。
この結果彼女は死んでも数週間後には拘束された現世へと戻ってくる事となり、それと同時に彼女が死んだ時に得られる今までとは比べ物にならない幸福に気づいてしまう。
そこから700年、彼女は様々な手段で殺され、その能力を利用されてきた。
現在では彼女の心は歪な形に再形成されており、自らの拘束された身体や自らの死にさえ疑問を抱かず、ただ当然のように殺されることが当たり前となっている。
自分が救われることは罪であると感じており、自分を助けようとする人間に対して非難的。
しかし、彼女の心の奥底では、今も、殺してくれと幼い少女が泣いている。
プロローグSS
真っ黒な空間から、世界が白く染まる。
目を開けた時、過去の目の前には一面に広がる緑の草原が広がっていた。
過去が呟く。
「いつもの場所では…無いですね」
過去はその場から動こうとせず、その場に座り込み、首を差し出すように頭を下げ、そして目を瞑った。
「皆が幸福でありますように」
最終更新:2022年10月05日 22:34