シシリー・ヤマノハ

■キャラクター名:シシリー・ヤマノハ
■性別:男
■所持品:鈴付きポンポン

特殊能力【チャンプロード】

  • チャンプロード
自らの体重をミニマム級の上限47.62キロからヘビー級の下限90.72キロの範囲内で自在に変化させ、それに伴い体格や体型も変わる。ボクシングの全階級を制覇する為の減量と増量の繰り返しにより得た能力。
シシリーと名乗り女装している時はミニマム級で、本来のベストウェイトであるウンタラの姿はミドル級。

プロフィール

本名:ウンタラ・カンタラー
渾名:鈴鳴り、拳闘界のバグ、三流芸能人
出身地:タイランド
性別:男性
身長:158.0〜174.3
体重:47.62〜90.72
年齢:31
好物:カレーライス

ボクシング17階級制覇王者。二十代でリングの敵を倒し尽くした彼は、自分を倒せる存在を求めて裏社会や戦場を転々としていた。自らの事を虎、自らを倒すであろう敵を龍と呼んでいるが、未だ龍には巡り会えず、姫代学園に存在する怪異やそれに引き寄せられる存在に期待している。

姫代学園での主な被害者が女子高生なので、女裝しシシリー・ヤマノハという偽名を使い潜入して敵となる人物を探していると狙い通り巻き込まれた。

本来の姿はミドル級の体格だが、魔人能力でミニマム級の体重にサイズダウンし、身長も十センチ以上小さくなっている。その気になればヘビー級等他の階級にもなれるが、総合力で優れ使い慣れているミドル級と女装が似合い小回りの利くミニマム級以外はあまり出番が来ない。

シシリーとしての見た目は褐色の肌で巨乳のポニーテール美少女。ホラーでは頭が悪いチアリーダーが真っ先に犠牲になるという法則に従い、姫代学園内では常にチアコスチュームを着てスキあらば胸を強調したり転んでパンチラしたりしている。

胸は風船をブラに入れて、チンチンはサポーターで押さえ込んでいるが、敢えて女装の完成度を少し下げ、股間に違和感を持たせている。これは他人を警戒している人物、即ち今回の事件の関係者が自分にアプローチしてくるのを誘っているから。

プロローグSS『虎は翼を得た。龍に会うために』

シシリー・ヤマノハプロローグSS
『虎は翼を得た。龍に会うために』


しゃんしゃんしゃんしゃん

指貫グローブに付けた鈴を鳴らしながら、男は拳を振るい続けた。

しゃんしゃんしゃんしゃん

男が鈴を鳴らす度にゾンビの首が飛ぶ。男を囲むゾンビは瞬く間に数を減らしていき、三分足らずで全滅した。

「ゾンビ百体相手に1ラウンドで決着かいな工藤。流石やな工藤」

男とゾンビの群れの戦いを見守っていた中年男性が関西弁で語りかけながら男に歩み寄る。

ゾンビと戦っていた男の名はウンタラ・カンタラー。『鈴鳴り』の異名を持つ生涯無敗のボクサーである。
関西弁の男は岩田岩男。ウンタラを雇っているヤクザである。

「おおきに工藤、これでこの辺の土地は岩田組のもんや工藤!ご褒美は何がええ工藤?」
「次の敵を。こんな奴らよりもっと強い敵を寄越せ」
「ゾンビはお気に召さなかったんか工藤」
「意志もなく前へ進むだけの的に過ぎない。あれは俺にとっての龍ではない」

ウンタラは敵に飢えていた。ボクシングを一番下から一番上の階級まで完全制覇した彼は文字通り敵がいなかった。リングを降り戦場を拳一つで生き延び、岩田と出会い裏社会の戦いに身を置いて尚、満たされる戦いは無かった。

「俺は虎。地上の敵を喰らいつくし、強敵との戦いに餓える虎。老いで衰える前に龍と会い、全てを出し尽くして死ぬのが俺の望み。岩田、お前は龍に会う為の翼を俺にくれるのでは無かったのか?」
「あるで翼、工藤。今回ゾンビと戦って貰ったんはウォームアップや工藤」
「ゾンビはウォームアップか。ならば、今回の敵は人外か?」
「せやで工藤。あんな工藤、姫代学園ちゅー女子校にこんな話かあるんや工藤」

《タイガー!》

「タイランドから来たシシリー・ヤマノハデース!まだ制服が届いて無いのでチア衣装でソーリーデース!」

しゃんしゃんしゃんしゃん

姫代学園にタイ国からの転入生がエントリーだ!チアリーダーの格好で鈴付きのポンポンを鳴らして自己紹介しているのはシシリー・ヤマノハ自称16歳高校一年生!その正体はウンタラ・カンタラー31歳!

大親友イワッチからのお願いで姫代学園に潜む怪異を撃破する事になったウンタラは女子高生になって潜入してるのだ!ちなみに、チアガールなのはホラーで真っ先に狙われるから、シシリー・ヤマノハという偽名も統計的にヤマノハさんが事件に巻き込まれやすいからというイワッチのアドバイスを元に付けて演じてる訳であって、決してウンタラは変態じゃないんだからね!

「ミナサーン!挨拶代わりにミーのチアダンスを見て下サーイ!ソーレ!ワーオ!」

しゃんしゃんしゃんしゃん

引き締まった手足を振り回し、胸をバルンバルン揺らしてパンツを見せるシシリー。変態じゃったか!

で、こんな自己紹介をしたシシリーちゃんは当然皆の印象に残った。カワイイと思ったのが五割、うぜぇと思ったのが三割、事件が多発しているこの時期に来た事や股間の違和感を怪しんだのが一割ちょっと、殺意を抱いたのが一名。

(うふっ、早速釣れたみたいデース)

自分に対する殺意を浴びながらシシリーは舌舐めずりをし、下着を僅かに膨らませた。

「お昼休みはウキウキウォッチング!なのでトイレ行ってきマース!」
「あ、シシリーちゃんウンコ?なら、私案内するよ」

昼休み、シシリーがトイレに行きたいと言うと、チャンスとばかりに殺意を向けていた少女がついてきた。

「ここ空いてるよ」
「サンキュー!ブリブリデース!」

しゃんしゃんしゃんしゃん

《虎》

個室に入ったシシリーがハデに排泄音を垂れ流し始めたのを確認した少女は、いつの間にか手にしていた弁当箱から拳銃を取り出し扉越しに五発撃ち込んだ。

「ごめんなさい、さようなら」

切沈こもる(せっちん こもる)は他人とのコミュニケーションが苦手だった。特に学校の昼休みは彼女にとって地獄そのもの。必然的に便所飯という選択肢が頭に浮かぶが、便所飯は実行している所が見つかればさらなる地獄に突き進む両刃の剣。

絶対バレる事なく便所飯を完遂したい。その思いが彼女を魔人に覚醒させた。こもるが獲得した魔人能力『便ペラータイム』には三つの効果がある。

1.こもるが昼休みに女子トイレにいる時、弁当箱を手元にワープさせる事ができる。

2.一つ目の効果でトイレ内に持ち込んだ弁当箱を元の場所にワープできる。

3.こもるが弁当箱を所持している間は、新たに女子トイレに人が来ることは無い。

正に便所飯に完全特化した能力。こもるはこの力を得て以降、周囲を気にする事なく便所飯を楽しんでいた。

だが、まどかさんからのメールが彼女の運命を狂わせた。最初に届いたメールは駅のロッカーを開けるように書かれていた。ロッカーに置かれていた拳銃を手にした時、次のメールが届き、数日内に同級生を殺す様に命じられた。

殺人を強要されたこもるは、弁当箱に拳銃を隠しチャンスを伺っていた。そこに、ビッチで頭の悪そうなシシリーがやって来たので、知り合いよりは会ったばかりの相手の方がまだマシと考え殺害計画を実行に移したのだった。

「や、やった…のかな?」

個室の鍵は内側から掛かっているから、シシリーの生死を確かめるには鍵を壊すか上から覗き込む必要がある。

しかし、極度の対人恐怖症な上人生初の殺人で精神が参っているこもるは死体を直接確認する勇気が湧いて来ない。

「そ、そうだ。まどかさんからの次のメールを待とう。この銃を貰った時もメールがすぐ届いたし」

殺人に成功したのなら、まどかさんから何かしらのメッセージが届くはず。幸い、便ペラータイムの効果でここには誰も来ない。このトイレに居るのはこもる本人と生死不明のシシリーのみ。こもるは再度拳銃を個室の扉に向けて待つ。

拳銃はよくあるリボルバー式。弾丸は残り一発。もし、シシリーが生きていて眼の前の扉を開けたら迷わず撃つ。でも、出来るなら死体を見たくはない。まどかさんからノルマ達成の通知が来たなら死体を確認せずにこのトイレを出られる。

で、その後は?まどかさんが一回の殺人程度で見逃してくれるはずかない。こもるの頭の中で連続殺人犯となった自分やその途中で逆に殺される自分がイメージされ恐怖で身体が完全に固まる。

その時、こもるの携帯から着信音が鳴り響いた。

「ひっ!」

小さく悲鳴を漏らしながら、右手は拳銃を扉に向け続け、左手で携帯を操作しメールを確認する。

『私は今、お前の後ろにいる』

「うわああぁぁぁ!!」

メールの内容を理解したと同時に振り返り銃をそちらへと向ける。それと同時にシシリーが入っていた個室の扉が勢いよく開く。

「あ」

騙されたと気づいたこもるは再度顔を個室の方に向ける。その顔の下をポンポンが通過した。

しゃん

顎を綺麗に撃ち抜かれこもるの意識が消えていく。彼女が最後に目にしたのはシシリーではなく、チアの服を来た筋肉モリモリの男だった。

「なんでシシリーちゃんの入ったトイレからGackt様を三流芸人にした外人タレントが…意味わかんないよ…」

こもるはトイレから出てきた男を知っていた。ただし、二十代で全階級制覇した最強ボクサーではなく、格付けチェックで米沢牛とカエルの違いが分からすGacktに土下座していた外人タレントとしてである。最近の若い子はボクシングを見ない。

「君が龍であれば良かったのにな。残念だ」

床に倒れたこもるを見下すウンタラ。その身体には銃弾による傷は一切付いていなかった。

最初からこもるを警戒していたウンタラは、自分が個室に入ってウンコしたタイミングで相手が仕掛けてくると予測していた。

扉越しに聞こえる安全装置と撃鉄を動かす音からリボルバー式の拳銃を使うと気づいたウンタラは、即座に肉体を本来のミドル級のサイズに戻し、両足を壁に突っ張り本来の位置から数十センチ上から便器に向かってウンコをしていた。

その数秒後、普通に便座に座ってウンコをしていたら頭や胸があった位置を弾丸が通過。相手が弾を使い切ったならその直後に突撃する予定だったが、五発しか撃って来なかった為、メールを送信してスキを作った。アドレスはシシリー・ヤマノハとして自己紹介した後、仲良くなったレズっ気のある女子生徒からクラス全員分教えて貰った。

「彼女は龍では無かったが、龍への足掛かりにはなった。龍よ、見ているか?俺は虎。龍に焦がれて翼を生やし雲を越えその果てに向かう獣」

しゃんしゃんしゃんしゃん

こもるの周りを回りながらウンタラは舞う。ぐるぐると何周もする内に、こもるの背中が裂け血が大量に吹き出し、次第に肉体は血の海に溶ける様に沈み、血の水溜りだけが残った。それと同時にウンタラの携帯にメールが届く。

『彼女はアナタのせいで条件を満たせませんでした。だからアナタに条件を与えます』

これは、間違いなくまどかさんからのチェーンメール。普通なら恐怖に震える所だが、戦地での死を求めるウンタラにとっては宝くじに当たった気分だった。

「龍よ龍よ龍よ、遂に虎はお前の実在を知った。この通知、感謝と共に受け取ろう」

《タイガー!》

「バーッド、なんかトイレの外が騒がしくなってきたし、取り敢えずここからエスケープするデース!」

こもるの死によって便ペラータイムが解除され女子トイレに人が集まってきた!このままここにいたら犯人と思われる(実際犯人である)ので、再びカワイイシシリーちゃんになって窓から外に出たぞ!

「昼休みが終わる前にマッハで教室に戻るデース!」

しゃんしゃんしゃんしゃん

ポンポンから鈴の音が鳴り続けるのも、オッパイが不自然に揺れるのも、スカートが捲れ上がりパンツが丸見えなのも気にせず廊下を爆走し、ますます疑惑とエロスの混じった視線を浴びる事になるシシリーだったとさ。














皆さんはお気づきでしょうか?実は、今回の話には意味がわかるとゾッとなる点が隠されています。隠された恐怖ポイントを自力で見つけたい人はもう一度最初から読み直して見て下さい。怖い話が苦手な人はこのまま画像を閉じ、答え合わせをしたい人はこのまま下に進んで下さい。













いいですか?警告はしましたよ?それでは正解を発表します。






実はシシリーは












ウンコを流していない!






そして、






尻も拭いてない!


最終更新:2022年10月05日 22:36