鎧の魔剣小ネタ

 迫る7万の大群を見据えながらルイズは禍々しい鞘に入ったままのデルフリンガーを構えて「アムド」と唱えた。その瞬間、鞘が蟹の様に広がってルイズの体を包む。変形した鞘は頑強な全身鎧へと変わっていた。兜に仕込まれたデルフリンガーが軽妙な口調でルイズに喋りかける。

「いやぁ~何回見てもすげぇよなその鎧。おまけに魔法を無効化すると来たもんだ。おかげで俺涙目」

「でもライトニングクラウドの雷は防げなかったじゃない。おかげでワルドの時は随分苦しめられたわ」

「あんときゃ俺の独壇場だったねぇ。雷バンバン吸い込んでやったらしまいにゃワルドが泣きそうな面になってたし」

 そう言って一人の少女と剣は笑い合った。これから行う決死の大仕事をしばし忘れるかの様に。
 ひとしきり笑った後ルイズは兜のデルフリンガーを取り外した。そのまま剥き出しの魔剣を右手に構える。

「さぁお喋りは終わり。この鎧に『彼』の技に喋る魔剣。伝説尽くしのこの凄さをたっぷり味合わせてやらないとね」

「きっと敵さんビビリまくるだろうねぇ。まぁ任せとけって、どんな魔法が来たって俺が全部吸い込んでやるからよ。相棒!」

「頼りにしてるわね、デルフ……。――来たわ!」

デルフリンガーにキスをしてルイズが叫んだ。右手のデルフリンガーを地面と水平に持ち上げ右肘を引き、開いた左手を剣先に置く。突きの構えになったルイズが敵の軍勢に狙いを付けた。
 ルイズの左手に刻まれたルーンが眩い光を放ち。そのまま捻りを加えた猛烈な一撃を敵に目掛けて解き放つ。

「狙うは指揮官のみ!さぁ行くわよ!!ブラッディースクライドぉーーー!!」

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最終更新:2008年07月11日 09:17
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