ヒュンケル召喚小ネタ2

「やり直しを要求します」
 ルイズは断固たる口調で宣言した。
 彼女は先ほど使い魔を召喚することに成功したばかりであるが、表情は喜びには程遠かった。
 なぜならば、呼び出した相手は人間の、それも平民であったからだ。気絶し倒れているため確認は取れなかったが、雰囲気で判断していた。
 それに何より――
「駄目です。早く契約なさい」
 きっぱり断ったコルベールの目は某魔影参謀より冷たい。普段の温厚さからは想像もできないほどの空気が迸っている。
 ルイズは首を振って倒れている人間を指差した。
「だって、半裸ですよ?」
 うつぶせに倒れている青年は上半身に何も着ておらず、鍛えられた肉体を披露していた。
 一歩譲って人間、百歩譲って平民であることは許せても、お嬢様育ちのルイズにとってさすがに半裸は許容範囲外だった。
 しかしコルベールは『炎蛇』の二つ名にふさわしい眼光で言い切った。
「半裸だろうと全裸だろうと関係ありません。やりなさい」
 散々爆発を起こした後であり、もうルイズに精神力はほとんど残されていない。ここで意地を張って留年にされようものなら死んでも死にきれない。
 彼女は仕方なく男の頭を抱えあげ、接吻した。


 ――やがて彼には『不死身』『奇跡』『一か八か』『変態』などの様々な二つ名がつくことになるが、記念すべき最初のものは『半裸』であったという。


~続…かない?~

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最終更新:2008年07月31日 15:07
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