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*幼馴染ふたり 「頼みがある」 「断る」 帰り支度をしていた日向空は、考えるそぶりも見せず即答した。 服部がこういう頼み方をするときは絶対に良くない事が起る。 長年服部の幼馴染を務めてきた空にはその確信があった。 しかも隣りにはロボ娘、オオツキナミダまでいる。 何も無い方がおかしいというものだ。 さっさと帰ろう。空はスカートをひるがえし、教室を出て行った。 -------------------------------- 「何故だ…」 私は断ったはずなのに…。 連れて来られた校舎裏の雑木林で、空はつぶやいた。 空は幼い頃から服部の「忍術」という名の実験に付き合わされて来た。 水遁の術では穴も開けてない竹筒を渡されて溺れかけたし、分身の術では反復横飛びを6時間もやらされた。 多分、今日もそうだろう。 「今回の術はオオツキ君が持ってきた漫画からヒントを得たのだ」 やっぱりそうだった。 「これですよ!じゃーん!」 うれしそうに、ナミダは手にした本見せた。 タイトルは"炎のニンジャマン"。 とてつもなく嫌な予感がする。 「じゃじゃーん!!」 両手で本を開き、目的のページを見せつける。 "忍法・カラダ手裏剣" 腰を捻って四肢を曲げ、卍(まんじ)の形となった体を手裏剣とする大技だった。 「お前ら馬鹿だろ」 空の常識的な意見は届かない。 「拙者が試したところ、この術は一人では困難だと分かった。そこで二人がかりでやってみることにしたのだ。」 「私が投げる役で、ハットリさんはそれを外から見て調整する役です」 じゃあ自分は… 「日向は手裏剣になってくれ」 「ムリだから!絶対ムリだから!!」 全力でかぶりを振り、必死に抵抗する空。 それを意にも介さずあっさりと持ち上げるナミダ。 「まずはあの大木めがけていってみよう。」 「やめろーっ!!」 「じゃあ行きますよー」 「行くなああああああ!!!」 服部とナミダ、二人の声が重なり、叫ぶ。 「忍法!カラダ手裏剣!!」 -------------------------------- 病院。 ベッドに横たわる空を挟んで、服部とナミダが座る。 服部「う~む・・・何がいけなかったのだろうか。」 空「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 ナミダ「・・・・・回転が足りなかったんじゃないですかね?」 服部「それだ!」 空「死ね!!!!」 -------------------------------- こうして"忍法カラダ手裏剣"は失敗に終った。 だが、これをヒントに服部は奥義"怨念手裏剣"を作り出したのだった。 ----
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