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チート会SS1 - (2009/01/30 (金) 23:39:55) の編集履歴(バックアップ)


チート会SS


合計点<+9/チート会所属SSまで>




DSKING/SS 十人目 EA01<+1/千尋>

筆:チート会所属デスシャドウ

トオいキおク
ワタしハえガオをツクるタめにウみダサれタ。

ソシてイま
わタシはカナしミをうミダしテいル。


アあ――
チちよハハよ、オコたエくだサい
ワたシはなゼ、ヒトをコワさなケレば、ナらナいのデすか
わタしハイツまデ、ヒとヲこワシツづけレばいイのでスカ


DSKING/SS 九人目 服部投人<+1/千尋>

筆:チート会所属デスシャドウ

気づけば体が動いていて
気づけば何かが飛んでいった

とある富豪の邸宅の話だ。
潜入部隊がしくじったらしく、いくらつぎ込んだのかすらわからない豪邸のそこかしこが
にわかに慌しくなっていた。

「潜入班の撤退支援をする。ついてこい」

万が一に備えて周囲の庭園には、戦闘部隊がいくつか伏せられていた
拙者はそんな戦闘部隊の一つに所属していた。

部隊長の指示に従って、情報が錯綜してるらしい黒服の、まさにそれっぽい男たちの間を縫うように駆け抜ける
どれほどの精鋭といえども、ただの人間だ。
生粋の隠密集団である拙者たちの動きは、混乱しているこの状況では、視界に捉えることすらできないだろう。

その時、右となりで、何かが潰れる様な音がした
見ればそこには、首から血を噴出す黒服の――



考えるよりも先に
拙者はソレを投げ飛ばした


DSKING/SS 八人目 伝説の剣豪MUSASHI<+1/千尋>

筆:チート会所属デスシャドウ

刃を高く掲げる

剣の道は本来、心を鍛えるものである。
今でこそ、侍といえば日本刀のイメージが強いが。
古く合戦ではむしろ、槍や、弓の方が比重が高かったといえる。

刃を振り下ろす

ならばなぜ、これ程までに、普及したのか。
それはやはり、剣の道を究めたものは、その時代における時の人とみなされたからであろう

刃を高く掲げる

日々の鍛錬を通じて、理を学び、収める。
真に剣を極めたものは、剣を必要しなくなるという。

刃を振り下ろす

であれば、私はまだ極めていないのであろう。
伝説の剣豪とよばれる私ですらも

そして、刃を高く掲げ、振り下ろす
刹那、男の姿は木漏れ日の中をぶれ
直後、背後の巨木が、音を立てて崩れ落ちた

極めた先に何があるのか。
刀と共にあったといっても過言ではない人生。
最後まで付き合うのも、悪くはない――。


DSKING/SS 七人目 サファイアラクーンの誘拐魔<+1/千尋>

筆:チート会所属デスシャドウ

ある、東欧の山村の話である。

羊飼いの青年がある日突然、その姿を消した。
その晩、村人総出で探したが、結局見つかることはなかった。

翌日、畑仕事に出ていた老夫婦が、その姿を消した。
その晩、村人総出で探したが、結局見つかることはなかった。

翌日、村を訪れた商人の一人娘が、その姿を消した。
その晩、村人総出で探したが、結局見つかることはなかった。

恐ろしくなって村を出て行く人間が現れた。
麓にたどり着いたものは誰も居なかった。

麓の自警団が異常を察知して捜索隊を組み、村へと向かった。
誰一人として、村にはたどり着けなかった。

やがて村から人が消えた。
そこに村があると知っている人間は誰も居なかった。


チート会所属のSSです<+2/千尋:恥ずかC-!><>


読む前の注意(このSSではすごいディック男木下をすごい男・果てしなきビックディック・
木下一族の誰か(多分鏡介)の三人組という解釈で書かれております)


「待てー」
「待てるかー!」
「逃げるぞチート会の人、今は協力しよう!」
「言われなくてもスタコラサッサだぜ!」
「俺のチンコを好きにされてたまるかってモンだ!」

追う一人と逃げる四人、都合五名の男が逃亡劇を繰り広げていた。
追う男、播磨千針ver.Tは逃げる四人のチンコに興味があった。
マンチグループの男木下と彼と存在を共にするすごい男&果てしなきビックディック、
そしてもう一人の男?は播磨同様チート会所属の出島キーラ。
彼ら四人は陣営の壁を越え奇妙な友情とも思える連帯感を抱きながらチンコの測定と
切除をしようとするマッドドクターから逃げ続けていた。

「痛くしないからこっち来なさい君達!いまならアメちゃんあげるよ!」
「献血の誘い文句か!」

運動能力に大きな差は無いが逃げるのは四人に対し追うのは一人、バラバラに逃げたり
合流したりを繰り返し翻弄する事で誰も捕まる事なく1時間が経過した。

「うーん、困った。あの四人(キャラ数では二人)はそれぞれのグループを代表するチンコメン。
ぜひとも手術したいのだがなー、そうだあいつをよぼう」

頭に電球がキラメきポンと手を打つ播磨。片手メガホンのポーズで奴を呼ぶ。

「アイテム屋ー」「はいなー」

プリンを片手に乗せたプリン風な男が0.2秒で到着。

「バイアグラ一丁、御代は?」「プリン1個です」「安しー」

播磨はアイテム屋から購入したバイアグラの瓶の蓋を開け即座に逃げる三人の方に投げつける。

「おーい君達ー、アメちゃんだよー」
ピューン×4
「わーい」×4
パクッ×4
ボッキーン×4

バイアグラの副作用で脳に血が回らず四人は貧血で倒れる。目を覚ますと勃起状態のまま
手足が寝台に縛られ、播磨による計測が始まっていた。

「すごい男氏は凄いサイズー」
「すごい恥ずかC-ぜ!」
「キーラきゅんは邪気ティンを持たぬものには理解できないだろう大きさー」
「止めろー!今すぐ止めろー!」
「ビックディックの勃起は果てしないレジェンド級ー」
「嫌だぁぁぁぁぁぁぁ切られたくないぃぃぃ!!チンコは俺の全てなんだぁぁ!!」
「木下はポークビッツー」
「いっそ殺せー!」
「さーて、さてさて。今度目が覚めた時君達の股間がどうシャッフルされているのかお楽しみ~」

類まれなるチンコを持つ四人の絶叫が夜の病院に響きわたった。



DSKING/SS 六人目 てんこ<+1/千尋>

筆:チート会所属デスシャドウ

「こっこ。朝ごはんだから、てんこおねーさんを起こしてらっしゃい」

わかった、と言って、私は持ってた大根と大根卸を置いて、手を洗う。
冷たい水が心地よい。季節は冬。天気予報によれば気温は丁度0度。少し寒いけど寝起きの頭には丁度いい。

広い武家屋敷の西側の一室に、姉――てんこの部屋がある。
入り口からもっとも奥まったところにある所で、数多くある部屋の中ではもっとも不便な部屋だ。
部屋の中で、誰かが動いてる気配はない。まだ、てんこ姉は起きてないみたいだった。

「てんこ姉。あさごはん――」

そう声をかけながら、障子に手をかけて開けようとする。
けれども、私のその手は、中から響いてきた声にその動きを遮られた

「なんで命中率90%で避けられて、30%なのに当たるのよ!」

「……え?」

さっきまで、静かだった部屋の中からどたばたと……まるで地団太を踏むような音が響いてくる。
恐る恐る障子を開けると中では、寝巻きのまま毛布に包まって
チカチカと明滅する、先日購入したばかりのデジタルテレビの前で、布団の上をぐるぐると転がっているてんこ姉の姿があった。

「てんこ姉。何、やってるの?」

「ゲームぅ……って、こっこじゃない? どうしたの?」

「いや、朝ごはんだから、おかあさんが呼んできてって」

その私の言葉に、てんこ姉は、あーと、何かを考えるかのように声を上げて
しかめっつらの表情を貼り付けた頭のこめかみに、透き通るような、長く綺麗な白い人差し指をあてる。
そういて、小一時間うなって、てんこ姉はまた、毛布に包まってテレビのほうに向き、手に白い塊――テレビゲームのコントローラーを持つ

「って、てんこ姉。朝ごはんはー?」

「んー。いらなーい。私はゲームで忙しいの。早くトビーと合流しなきゃいけないの。それまでは貫徹よ!」

そしててんこ姉は、狐用ヘッドホン『コン=コン』を頭につける。
綺麗なしっぽが、ゆらゆらと楽しそうに左右に揺れている
こうなったおねえちゃんは、私ではどうにもならない。
仕方ないので私は、障子を閉めて、てんこ姉の部屋を後にする。

「ふふふー。必中、熱血、努力、幸運。ボタン砲、なぎはらえー!!」

楽しそうな声が聞こえる。私は携帯を取り出して、おかあさんの番号を呼び出した。




数分後、寒空の下に、若い女の悲鳴が響き渡ったとさ。


DSKING/SS 五人目 夜渡咲<+1/千尋>

筆:チート会所属デスシャドウ

関東都市圏郊外に数年前に作られた自然公園。
都民の血税をつぎ込んでつくられたそこには、世界中から集められた様々な種類の花や木々で満たされていた。
けれども、利便性を度外視した立地から、そこに人々が訪れることは殆ど無く
この公園内を見られるのは、環境維持用に作られた自動人形か、ここを寝床とした動物くらいのものだ。
――私のような、人間外の存在を除いて。

時刻はまもなく、0時に指しかかろうとしている。
歩行用の石畳の通路の脇に等間隔に備え付けられた外灯の、その人工的な明かりの下。
同じようにぽつんと置いてある、真新しい木製のベンチの上に、私は一人座っていた。

私は、吸血鬼だ。

古くは18世紀。吸血鬼という存在が知られるようになったのは、その時代のイギリス帝国まで遡る。
病的なまでに白い肌に、鋭く伸びた犬歯。夜な夜な闇に紛れて無辜の人間を襲う、暗闇の貴族。
たかだか、当時は比較的裕福な層の娯楽でしか無かった小説を書く人間がなぜ、私たちという存在を知っていたかは知らない。
とにかく、その時から少しずつ、私達吸血鬼の存在は人間の間に知られていき、今日では、知らぬ者などそうはいない
怪奇の代表的存在となっていた。


カツンー

石畳を叩く音が、人気の無い公園内に木霊する。
まるで何かを告げるように、ぱちぱちと、頭上の電灯が点滅を繰り返しはじめる。

「良い夜ですね」

静寂を引き裂いて。来訪者は言う。
そこに居たのは、無貌の男。特徴のない、何処にでもいるようなそんな顔付の男。

「今宵は満月。人間達がいくら夜を明かりで埋め尽くそうとも、私たちの太陽は消えることはない」

そいつは、大仰な手振りで空を仰ぎ、高らかに歌い上げる。
その表情には、興奮の色が見て取れる。
いつもの事だった。

「自己陶酔もいい加減にして。私の家は遠いんです。早くしないと、人間たちの太陽にこんにちはされてしまうわ」

苛立たしげにそう私は呟くと、男はつまらなそうに表情を潜め、その右手を虚空へと突き出し、何かをつかむ動作をする。
刹那、ピシッ――と、何かがひび割れるような音が辺りに響き渡り、そして、暗闇の中に吸い込まれていった。

「ご注文の品。こちらに」

気づけば、男の手の先には、大量の輸血パックが載せられた台が現れていた。

「振込みはいつもの所でいいですよね。ご苦労様です」

「ええ。それでは私は、他のお客様も待たせているので、これにて――」

そう言って、男は消える。
後に残ったのは、両手で抱え切れそうにない大量の輸血パックと、不機嫌さだけだった


吸血鬼は、凡そ生物としては、もっとも強力な場所に位置するだろう。
だが、同時に、私たちは多くの弱点を抱えていて、それは私たちにとってはほぼ致命的なものなのだ。
だから私たちは、人間社会に溶け込んで生きていかなければならない。
自分の右腕を見る。
細い腕。病的なまでに白い肌。太陽の恵みを受けられないその証が、そこにはあった。
思考を振り払うように私は髪を書き上げて、夜空を見上げる。
私たちの太陽は、ただ優しく瞬いていた。


チート会所属 『駒沢の決意』<+1/白金>

審査員指定 白金

いつものように手芸に興じていた駒沢の耳に、悲鳴が飛び込んできた。
声のする方へ行くと、なんと赤頭巾がこん棒を持ったオッサンに襲われているではないか。

駒沢「あれは、関口! 死んだんじゃなかったのか!」

関口「ナンボや、ナンボ出せばええんや?」

なぜか関西弁の関口が凶行に及ぶ寸前、駒沢の手が光った。

駒沢「――妙技・不知縫(シラヌイ)!」

異常に鋭い針と強靭な糸を飛ばし、赤頭巾の衣服に縫い付けると、自分の手元へと引き寄せる。

関口「……?」

獲物を失い困惑する関口を余所に、駒沢は赤頭巾を抱きかかえたままI.Z.K.を駆使してその場を去った。

駒沢「ふう。ここまで来ればもう大丈夫だろう。関口め、さっさと死ねばいいのに」

一息つく駒沢を見上げ、赤頭巾が微笑む。

赤頭巾「ありがとう、駒沢お兄ちゃん」

駒沢「お、お兄ちゃん!?」

『お兄ちゃん』という言葉に顔を赤らめる駒沢。

赤頭巾「駒沢お兄ちゃんは他の男の人と違うんだね。男の人はみんな、私を見るとすぐに乱暴なことをしてくるの」

駒沢「ん、まあお子様には興味ないからな。俺は年上好きなんだ。
って言っても、いきなり人の命を狙ってくるような婆さんは勘弁だけどな、はは」

赤頭巾「決めた! 私、大人になったら駒沢お兄ちゃんとケッコンする!」

駒沢「は? お前、何を言って……」

赤頭巾「絶対いいオンナになってみせるから、それまでの間、私のことを守ってよね、お兄ちゃん♪」

赤頭巾は駒沢に抱きつくと、その頬に軽くキスをする。

駒沢「やれやれ、参ったな」

駒沢は戸惑いながらも、「まあ、こういうのも悪くないか」とつぶやく。
赤頭巾の無邪気な笑顔を見ていると、戦いの日々で傷ついた心が癒されていくような気がした。
この子は俺が守ろう。
駒沢はそう心に誓い、まず手始めに、関口をむごたらしく殺してやろうと思うのだった。


チート会所属SS<+2/千尋:FS「あしたの虹」の意味が分かった>


いつものように手芸に興じていた駒沢の前に、寂聴が立ちふさがった。

寂聴「駒沢くん。悪いけど、死んでもらうわね」

駒沢「お前は、寂聴! なぜ俺の命を狙う?」

寂聴「あらあら、うふふ。そんなことも分からないの?
能力が『かぶってる』からに決まってるじゃない。分かったら、さっさと死んでね~」

駒沢「くっ!」

駒沢は得意のI.Z.K.を駆使してその場を離脱しようとしたが、その懐に、雷光のごとき素早さで寂聴が潜り込む。
存在感が薄い程度では、さとりを開いた寂聴の猛攻から逃れることなど出来ないのだ。
寂聴は超神秘的な仏教パワーを駆使して駒沢を掴むと、渾身の力を振り絞って投げ飛ばした。
描かれる放物線は、明日へとかかる虹の架け橋。
仏道とは投げることと見つけたり。

壁にぶつかる――!
駒沢が死を覚悟した瞬間、

「ぬわーーーっ!」

強い衝撃と共に、彼の背後で悲鳴が上がった。

駒沢「?」

見ると、たまたま近くを通りかかった関口辰夫が壁と駒沢の間に挟まれ、クッション代わりに押しつぶされていた。
関口辰夫は死んだ。

駒沢「ふう、危ない危ない。関口がいなければ即死だったぜ」

寂聴「あらあら、うふふ。命拾いしたわね。
これも運命なのかしら。この戦いが終わるまで、勝負はお預けとしておくことにしましょう」

寂聴は笑顔のままでその場を後にする。
その後ろ姿を見送りながら、駒沢は安堵のため息を漏らす。
彼女が敵じゃなくて良かった。心の底から、そう思っていた。

そしてもう、自分の代わりに死んだ人間のことなど、綺麗さっぱり忘れているのだった。


DSKING/SS 四人目 木下恭介<+2/千尋:「ふつう」の扱いが巧い>

筆:チート会所属デスシャドウ

(これはあくまで二次創作です)

木下恭介は自分の事を「ふつうの子」だと思っている。
彼の中の普通の、その定義がどこにあるかは余人には与り知れぬが、とにかく、木下恭介は自分の事を「ふつうの子」だと思っているのである。
だから、「ふつうの子」である彼がまったく平静と眺めている光景は、「ふつう」の光景だと彼は疑うことすらなく思っている。

ぐちゃぐちゃと生々しい音が響く
悲鳴とも、なんとも区別のできない声が、そこかしこからあがっている
ここは、深夜の繁華街から、すこし外れた裏路地の一角
世間様に余りよろしくないタイプの若者が集うその小汚い広場には普段とは違う「ふつう」の光景が広がっていた

音もなく空間に裂け目が入る。
夜闇よりもなお暗く、光すら吸い込む何かが、その先には広がっていた。
コンクリートの大地を埋め尽くすそのよくわからない「ふつう」の何かが、ねちゃねちゃと音を立てながら
その闇に少しづつ、飲み込まれていく。


――そうして、その「ふつう」のナマモノが、この世界からその容を消し去ったとき
木下恭介もまた、この世界の何処にも、居なくなったのである


播磨千針SSチート会所属<+1/千尋>


ある日午前3時の電話にて
「はいはい♪こちら人体実験・死体の弄びを主業務とする首脳病院のものですが、千針君かな?」
「この電話が糸電話な時点でほぼ確定だろうが。さてここ一週間述べ53回、約38時間のような暇潰しの用件なら流石に回線もう切るぞ?」
「そんなわけ無いよ。今回は仕事よ。仕事。貴方には、チート会・マンチグループ双方の健康診断の手伝いを命じます。」
「で?報酬は幾らだ。」
「内容聞かないの?1G払うつもりだよ。」
「は?健康診断の手伝いで10億?この播磨千針。誠心誠意全力を持って当たる所存です!!」
「良かった。絶対に断られると思ったんだけどね。内容が内容だけに。」
「男に二言はねぇよ。じゃあ切るぞ?忙しい。」
「いやー。千針君冷たい。内容聞いてってよ。」
「はぁ。はいはい。聞けばいいんだろ。」
「うわーい。千針君大好き。でね。内容だけど『T』の実態調査をしてほしいの。」
「最近見飽きているから問題無い。」
「うん。知ってる。近頃のニュース『T』関連多いからね。内容は平時の状態の『T』の長さ太さ固さ皮の量その他諸々の計測してもらいます。」
「はいはい。」
「次に勃起過程の『T』における変化の量・速度を計測願います。」
「ん?壮絶に嫌な予感がするんだが。」
「でね。フル勃起の『T』も平時と同じように計測してください。」
「切ったほうが精神衛生上いい気がするな。これ。」
「そこから射精時の『T』の計測に入ります。主に精子関連の計測をお願いします。」
「このぐらい大丈夫だよな。俺。…OK問題ない。」
「対象が失神するまで繰り返してもらいます。精液は全て回収の方向で。」
「ええ。ここまでなら。ここまでならこの報酬で十分我慢できるはず。」
「そうここからが本題。これを千針君一人で、しかも無許可。こんな特攻じみたことに1Gで乗ってくれるなんて千針君ホントにいい子だね。」
「コトワラセテイタダキマス。」
「この会話録音してあるからキャンセルは無理だよ♪って回線切断済み!?『千針君一人』は冗談だったんだけどしかたないか。『T』のことは本人達に語ってもらうことにしよう。じゃあね~♪」
この後首脳病院で殺傷事件が巻き起こり、播磨千針はジャングルの奥地で発見されるわけだが多くは語らないでおこう。


DSKING/SS 三人目 セバスチャン=ポポルニート<+2/千尋>



面倒。
彼が口を開くと一言目にはそれが聞けるだろう。
流石に、喋ったり息をしたり思考したり生きることすら面倒……いや、彼は吸血鬼のため、滅多な事では殺しきれないのだが
まぁ、そこまで世捨て人ではないけれども、彼はとにかく面倒くさがりやなのであった。

そんな面倒くさがり屋な彼であったが、そんな彼も生活する為には日銭を稼がなければいけないので
こうやって仕事を仰せつかって、ここ――希望崎学園に訪れたのである。

「面倒だ。糸子様と御医様はどちらだろうか」

左手に抱えた日傘をすこし傾けて、彼は目の前にそびえる白い校舎を仰ぎ見る。
右手に持った風呂敷包みの中には、屋敷お抱えの料理人が丹精こめて作った弁当が収められている
使用人である所の彼も、休憩時間中に一口貰ったが、なかなかの絶品であった
だがまあしかし、私は吸血鬼であるので、あの紅く滴る血の味には負ける……いや、嘘です。
人間の口にするものも棄てたもんじゃないな。

「面倒だ。さて、どうしたものか」

目の前には固く閉ざされた校門が見える。
一見まるで檻のようにすら見えるそれには、常人では知覚出来ないだろうが
出入りを封じる微力な結界が張ってあることが張ってあることが見て取れた
彼はしらない事であるのだが、問題児に溢れた希望崎学園。
そういった問題児が徒に学園を飛びださない為に、つい先日こしらえられたものなのだった。
まぁ、結界といっても微妙であるので

「面倒だ。壊せないこともないのだがー」

彼は働くことがとても嫌いである。何故ならば面倒だからだ。
この仕事自体も、適当に済ませて後はサボろうと思ってるくらい、ニート根性が染み付いている彼が
見るからに面倒そうな結界破壊を行うわけはない。
そうして、少しばかり考えた後――彼は、一つの結論に達した。

「面倒だから、諦めよう」

おあえつらえ向きに、手には昼食がある。
太陽の下を散歩するのも、久しぶりだ。折角の休日をゆったりと楽しむか――



その後、雇い主に灰直前にまで追い込まれる彼が、屋敷の一角で見られたという。


DSKING/SS 二人目 榎本和馬<+1/千尋>



「かっくん。試験結果どうだった?」

がやがやと喧騒に包まれた教室内。今さっき返されたばかりの数学の解答用紙を持って、学友の一人が私の所へやってきた。

「ははは。そう、他人の評価を気にするものでもあるまい。若いんだからな」

「何わけのわからない事を言ってるんだよ。さては――」

頭上で嫌な笑い声が響く。見れば、目は薄く細められ、両端に吊り上げた唇の隙間から、白い歯が覗いていた。

「なんだ、その目は。やめろ、その薄ら笑いをやめろ」

私はそう言って、杯を交わし、極道の道に入って三十余年。
その人生の半分以上もの時間をかけて培った眼力で持って睨む。だが――

「凄んでも無駄だって。ふーん。へぇー。ほぉー」

そんな私の視線も受け流して、こいつは笑い続けている。
それは本来の私であれば、酷く不快なものだったが……私は、不思議と心地良かった

「その笑いをやめろっていっとるんだ!」

「わーい。かっくんが怒ったー!」

教室内を包む喧騒が、別の色を帯び始める。
鏡を見ればきっと、私は笑っている事だろう。

この日常を私は、大切にしていこうと思う。
明日をも知れぬ我が身なのだから――


DSKING/SS 一人目 白金茉璃 <+1/千尋>

(あ、記述し忘れましたが、あくまでこれは二次創作です)

夕焼けに紅く染まる空。
希望崎学園の一角、文化部の部室が集まる生徒たちには文芸棟と呼ばれる校舎の三階に、彼女――白金茉璃は居た。
関東一帯の高等学校に存在する吹奏楽部全てを招いた、演奏品評会。それを翌日に控えた、最後の音あわせが終わったところだった。


「ねーねー。この後、どこ行こっか」

友人の一人が楽しそうに言う。厳しい先生の下、長い練習を終えた帰路に、仲のいい友人たちで何処かで時間を潰しながら帰るというのは
この吹奏楽部に彼女たちが入ってからの日課だった。

「うーん。実を言うと、最近私ほら、色々買っちゃったじゃない? ……おかげで、財布がすっからかんでね」

とっても赤貧なんデス……
楽器を片付けている友人が、苦笑しながらそう返した。
そういえば、親が共働きで一日中家を開けてる彼女は、いつもコンビニとかで適当に弁当をかってくるけど
彼女の今日の昼ごはんは、具材もなにもない、自作らしい海苔で巻いたおにぎりが一つだったっけ
てっきりダイエットしてるんだと思ってた。
まぁ、クレーンゲームに五千円もつぎ込んで見たり、今希望崎学園の女子の中でひそかに人気の特大クレープ(なんと三千円也)
なんて買ってたら、当然かな。
……かくいう私も、今月はピンチなんだけどね。それに

「明日は、私たち一年が始めて出る大舞台。風邪なんて引いたらいけないし、今日はやめとこうよ」

そうなのだ。
なんてったって、明日は演奏会。私たちのこの一年の努力が試される日。
そんな大事で素敵な日を前に、何かあったら笑い話にもなりはしないのだ。
私の、そんな提案に、二人は特に異論もないらしく、そうこうしている内に、帰る準備は整っていた。

「そっかー。そうだよねー。明日は演奏会なんだよなー……。それに、茉璃は頑張っていたしね。
 是が非でも健康で清い体で望まなくちゃ!」

何それと笑いつつ、愛用している木刀を右手に持って、私は立ち上がる。
――そして私は、それを感じた。
研ぎ澄まされた……鋭利な刃にも似たその殺気を

「ごめん。急用を思い出したから、先に帰るね!」

左手に鞄をひったくって、私は慌しく教室を飛び出す。




そして、3分後
数年前、生徒会と番町の戦いによってぼろぼろになり、廃棄された旧校舎の2Fの廊下で
彼女はソレと対峙していた。

「名高い白金の剣。是非手合わせ願いたく、参り申した」

えらく古臭い、胡散臭い言動の男がそこには居た。
男はゆったりと両腰に回し、脇に挿していた刀を抜く

――二刀流!

チリチリと、肌を焼くような殺意が空間に満ちていく。
私は鞄を廊下脇に置き、右手に持っていた木刀を構えた。

陽が、落ちる。
夕闇に落ちた校舎。月光の輝きに二人の姿が照らし出される


翌日、演奏会は滞りなく進んだという
そこには、惜しくも優勝を逃したが、満足そうに微笑む白金茉璃が居た。
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