~(自称)神の日常~ ヴィーナ・ストロベリーフィールドの場合


~(自称)神の日常~


「フハハハハハハハ、神だッ!」
希望崎学園へと降臨した(自称)神!

今日は番長小屋にきました。
おや、番長小屋の近くに誰かいるようです。
それは、ヴィーナ・ストロベリーフィールドがでした。
彼女は最近希望崎学園に転入してきたようです。
赤髪の可愛らしい女の子も、とても良いと(自称)神は思っています。

「神だ、嫁に来いッ!」

またもや、告白を飛び越えてプロポーズしてきた(自称)神!
え、もう聞き飽きたって?もう少しお付き合いくださいね。
何やらもの凄く冷めた目で(自称)神を見ています。

「どうした?いや、言わんでも良い。
我に惚れていることは、既にわかっているからなッ!」
「……。」

ヴィーナは、とてもあきれているようです。
しかし、彼女にはどうしても話しておきたいことがあったので、意を決して口を開きました。

「あの、神さま。実は…、」
「なんだ、告白かッ?我はいつでもかまわんぞ。さぁ、我が胸に飛びこんで来い!!」
「違います!話すの、やっぱり止めようかな……」

やりとりがめんどくさくて、ヴィーナも話す気がなくなってきたようです。
しかし、そんな態度を見せられて、(自称)神が黙っているわけがありません。
告白ではなくて、残念ではあるかもしれませんが……。

「なんだ、その気になるもの言いは。良かろう、話してみよッ!」
「ここだけの秘密なんですけど、実は私未来から来たんです。」

なんと、ヴィーナは22年後の未来からやってきた未来人だったのです!
彼女は、自分たちの戦いが起こるのを阻止するために過去に来たと言いました。
ただ、この世界は基本的に平穏そのものなので、ヴィーナも戸惑っているようでした。

「フム、ようするに貴様も我から直接神託が欲しいと言うわけだな?」
「いや、そういうわけじゃ……。」
「しかし、ただというわけにはいかん!」

お決まりというべきか、交換条件を持ちかけてきた(自称)神!
相手の意志もお構いなしです!
しかし、彼女は慌てません。
どこからともなくバナナを取り出しました。

「こ、これは!神の如き至高の食材、バナナッ!!」
「これ、さっき渡されたんですけど、いります?」
「なるほど、至高の献上品を持ってきていたとは。
よかろうッ!相談に乗ってやろうではないかッ!」

バナナを貰ってすっかり気分がハイになった(自称)神は、彼女の相談を聞いてあげました。
(自称)神は、この世界は多次元世界のうちの一つであることを教えてあげました。
そして、運命を変えるためにはいくつもの世界を廻らなければならないことも。
腐っても神を自称するだけはあって、色々知っている(自称)神。
性格をもう少し抑えれば、付き合ってくれる人が出てくるかもしれないのに、そこが残念でなりません。

「フフフ、多次元世界の移動くらい神には容易い!
ハネムーンで連れて行ってやっても良いぞッ!」
しかし、あれれ?ヴィーナは何やら思案しています。

「おい、どうし「神さま。」」
「な、なんだ?」
「今日はありがとうございました。では、失礼します。」

なにやら、ヴィーナは真剣な表情で立ち去って行きました。
おそらく、(自称)神の最後の言葉も聞こえていなかったでしょうね。
まぁ最後のは、聞かなくて良かったかもしれませんが……。


「待っていて、幸徳。
必ず、私たちの未来を変えてみせる!!」

おしまい

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最終更新:2014年12月15日 00:29