~(自称)神の日常~ 藍園愛華の場合
~(自称)神の日常~
「フハハハハハハハ、神だッ!」
希望崎学園へと降臨した(自称)神!
今日はどこに行こうかと思案していました。
すると、
「あ、神さま。こんにちは!」
元気に、(自称)神へ挨拶してきた人物、それは藍園愛華でした。
彼女は黒髪ロングヘアーの可愛い女の子です。
礼儀正しく清楚な女の子でありながら、心が熱血というギャップは、とても良いと(自称)神は思っています。
「神だ、嫁に来いッ!」
今まで通り、告白を飛び越えてプロポーズしてきた(自称)神!
もう、お決まりになりつつありますね。適当に流しておきましょう。
しかし、おやおや?なにやら悩み事がありそうです。
「どうしたというのだ?」
「神さま、教えてください!一体、恋とはどういうものなのでしょうか?」
実は愛華、今まで一度も恋をしたことがないのです。
美人なのは、勿体無い!
恋愛には興味があるようですが、他の人の応援で忙しく本人は未経験なのでした。
愛華は愛を常に叫んでいる(自称)神の言葉に感銘を受けたらしく、今回相談を持ちかけたようでした。
「ふむ、なるほど。またしても直接神託を受けたい者が現れてしまったようだな!
しかし、ただというわけにはいかん!」
お決まりのように、交換条件を持ちかけてきた(自称)神。
相変わらずのナルシストです!
しかし、彼女は慌てません。どこからともなくバナナを取り出し(自称)神に献上しました。
「こ、これは!神の如き至高の食材、バナナッ!!」
「これで、なんとかお願いできませんか?」
バナナと彼女の上目使いにすっかりやられてしまった(自称)神は、愛華の相談に乗ってあげることにしました。
自慢ではありませんが、(自称)神も今まで一度も恋というものをしたことがないので(恋を常に飛び越えていってしまってるので……)、恋を教えることは出来ませんでした。
なんと、使えない神なのでしょう……。
しかし、愛というものがどうゆうものであるかはとても熟知している(主観が大半を占めています)ので、愛について語ってあげることにしました。
「フハハハハ!これが愛というものだッ!
これで我の嫁になる準備が整ったなッ!
さぁ、遠慮なく我が胸に飛び込んで来いッ!!」
「とても勉強になりました!ありがとうございました!」
お礼を言って、愛華は目を輝かせて走っていってしまいました。
「お、おい!どこへ行く?
ハネムーンに行く準備なら、心配しなくても良いのだぞッ?」
こんな、見当違いなことを(自称)神はつぶやいていました。
はぁ~。
その後、愛華は(自称)神に教えてもらった愛について広めたいな、と考え色々な人に話してまわりました。
皆、それを聞いて愛華は純粋だな、と思うと同時に、(自称)神のことを大分頭がおかしいけれど、悪い奴ではないのかもしれないな、と思いましたとさ。
少し、株が上がって良かったですね!
おしまい
最終更新:2014年12月15日 00:30