~(自称)神の日常~ 宮澤志弦の場合


~(自称)神の日常~

  • 宮澤志弦の場合

「フハハハハハハハ、神だッ!」
希望崎学園へと降臨した(自称)神!

今日は、グラウンドに行くことにしました。
グラウンドでは、サッカー部がいました。
するとそこには、宮澤志弦がいました。
マネージャーの仕事中なのか、長い黒髪を肩のところで結んでおりジャージ姿です。
魔人へと覚醒してしまったため、推薦を取り消されてしまいましたが、そんなことをおくびにも出さずにサッカー部のマネージャーを頑張っています。
つらい過去があっても、それを真摯に受け止め、前向きに過ごしている可愛い女の子は、とても良いと(自称)神は思っています。
余談ですが、今回のナンバーワンさわやかキャラです。凄いですね!!

「神だ、嫁に来いッ!」

そろそろ飽きてきた方もいるかと思いますが、またまた告白を飛び越えてプロポーズしてきた(自称)神!
しかし、おやおや?な、なんと志弦の顔が真っ赤です。
これは、脈アリなのか!?
いいえ、そうではありません。
実は、彼女は恥ずかしがり屋さんなのです。
しかも、場所はグラウンド。部活動の時間で人はそれなりにいるのです。
それは、恥ずかしくもなりますよね?
空気を読んで欲しいものです、まったく。
しかし、(自称)神はそんなことに気付くわけもありません。

「フハハハハ、恥ずかしがるとは可愛い奴よ!
しかし、慣れてもらわねばならん!神の妻はすなわち女神ッ!
後々のことを考えれば、これぐらいの事で動じていてはいかんぞッ!!」

あぁ、(自称)神。完全に斜め上を爆走しています。
ここで、はっきり断っておけば良かったのですが、今の自分が置かれた状況に志弦は顔を真っ赤にして、アワアワするばかりです。
ヤバイ、これでは(自称)神がさらに図に乗ってしまう。
すると、

ドガッ!!!

「うぉ!?何事だ?」

(自称)神の後頭部に何かが当たりました。
見てみると、それはサッカーボールでした。

「誰だッ、この神である我にこのようなものをぶつけてくる者はッ!」
「ちょっと、神だかなんだか知らないけど、志弦にちょっかい出したら僕許さないよ!」

どこからか声がします。しかし、姿が見えません。

「なんだ、幻聴が聞こえるぞ。先程の後遺症か?」

ドゴッ!!!

「グフォアッ!」
「僕のこと、バカにしてるの?」

先程(自称)神にサッカーボールをぶつけ、今も蹴りを入れた人物は、巡真実でした。
真実は、志弦の先輩で、ミス・ダンゲロスになった山乃端一人の友人です。
小柄ではありますが、赤みがかったくせっ毛を持つ可愛い女の子の出現に(自称)神は、嫁にしてあげたら喜ぶのではと思いました。
別に嫁にしてほしいとは一瞬たりとも思っていないでしょう……。

「なんだ、いきなり割り込んできおって。無礼者ッ!嫁になりたければ、してやるからしばし待っておれ」
「ねぇ、あなた本当に神さまなの?
とてもそうは見えないけど。」

真実は、(自称)神の言葉を無視して挑戦的な口調で言いました。

「せ、先輩!?」

志弦も驚いて、声をあげました。

「ほぅ、我を疑うか。実に面白いぞ、流石は嫁候補だッ!
さよう、全知全能の神とは我のことよッ、フハハハハ!!」

当たり前のように自信満々に言い返す(自称)神。
確かに、不本意ながら力は認めざるを得ませんが……。

「そう。なら、神である証拠を見たいから、ちょっと練習に付き合ってほしいんだけど。」

真実の提案、それはサッカー部のフリーキックの練習に付き合ってもらうことでした。

「なぜ、そんな無駄なことを我がせねばならんの「証明してくれたら、ここにあるバナナ全部あげるよ」フハハハハ、よかろうッ!神の力に恐れ敬うが良い!
これが終わった時がすなわち、おまえたち二人が我が妻になる時だ!フハハハハハハ!!」

「(だ、大丈夫かなぁ……)」

志弦は少し心配でしたが、(自称)神はやる気満々だったので止めはしませんでした。

フリーキックの壁が出来た部員たちは大喜びです。なぜなら、サッカー部の花とも言える志弦と真実の二人を(自称)神が少しの間とはいえ、独占していたからです。

練習がはじまりました。
流石は神を自称するだけあって、軽快に捌きまくる(自称)神!
やはり、力は本物です!
しかし、そこは(自称)神です。
もっと良いところを見せてやろうと、一気に力を使いました。
そして、その反動で動けなくなると、文字通りフリーキックの壁になってしまいました。

「バ、バカなッ!?我は神だぞぉぉぉぉぉぉぉ!」
「(い、痛そう……)」

サッカーボールの集中砲火を食らって沈んだ(自称)神。
皆、気が済んだようで先に帰ってしまいました。

しかし、流石に可愛そうだと思った志弦は(自称)神の手当てをしてあげました。
最後に美味しい思いが出来て、良かったですね!

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最終更新:2014年12月15日 00:31