~(自称)神の日常~ リベンジSSその1 雪降やしまの場合


~(自称)神の日常~

  • 雪降やしまの場合

「フハハハハハハハ、神だッ!」
希望崎学園へと降臨した(自称)神!

今日は、校門へと向かうことにしました。
校門には、リムジンバスが数台止まっていました。
バスの前では女子バレー部のメンバーが揃っています。
ししてそこには、雪降やしまがいました。
黒髪ショートの可愛らしい女の子は、とても良いと(自称)神は思っています。

「神だ、嫁に来いッ!」

なんと、告白を飛び越えてプロポーズしてきた(自称)神!
ムードもへったくれもありません、酷いですね!
しかし、あれれ?なにやら悩み事がありそうです。決して(自称)神が告白したからではありません、ホントだよ!

「どうしたというのだ?」
「あ、神さま。実はバレー部の大会が始まったのですが、今日が私たち初戦なのです。でも場所が相手の学校なので、想像すると闘いづらくて……」

やしまの話しによると、相手のホームで初戦が行われるので、観客の比率を考えて雰囲気にのまれてしまいそうだ、ということでした。
確かに他の生徒を見ても皆、一様に暗い表情です。

「何か良い知恵はありませんか?」
「ふむ、あるぞ!なにせ我は神!そんなことは造作もないことよッ!
しかし、ただというわけにはいかん!」

なんと神を名乗るくせに、交換条件を持ちかけてきています。ゲスですね!
しかし、彼女は慌てません。どこからともなくバナナを取り出し(自称)神に献上しました。

「こ、これは!神の如き至高の食材、バナナッ!!」
「これで、なんとかお願いできませんか?」

バナナと彼女の上目使いにすっかりやられてしまった(自称)神は、やしまのお願いを聞いてあげることにしました。
そして、先に皆を送り出しました。

遂に初戦が始まる10分前になりました。
やはり思った通り、会場は相手の応援が9割を占めていました。

「(どうしよう、もうすぐ始まっちゃう!)」

やしまは、まだ(自称)神が到着していないので、だんだん不安になってきました。
試合前の練習でも皆、動きが硬くとても勝てる気がしません。

開始5分前になり、やしまも諦めかけたその時ッ、

「フハハハハハ、神の降臨だッ!
下々の者共よッ、崇め奉るがよいぞッ!」

遂に(自称)神が到着しました!
(自称)神はカッコよく決まったと思っていますが、周りからすれば頭のおかしい奴が騒いでいるぐらいにしか思いません。

「君たち、勝手に入って来られては困るよ。出ていきなさい。」
相手校の校長が警備がやってきました。
相手校の校長ですが、実は自分たちが有利な状況を得るために、運営に賄賂を贈ってホームで試合を開催することを承諾させていたのでした。
なんという、卑怯なんでしょう!

すると、そこへ誰かが割り込みました。

「いきなり連れてこられたけど、まぁ良いや。
ところで、おじさんたち。ちょっと試したいことがあるんだけど。」

間に割って入ったのはJでした。Jは、ポケットからナイフを取り出し、鞘から抜くと、ナイフは刀のように変化しました。
刃物を突き付けられた校長と警備の人たちは青ざめて逃げてしまいました。

一方の観客の方はというと、

「皆さん、僕と一緒に希望崎を応援してくれないかな?(キラッ)」
「「「「「キャー!イケメンく~ん!!」」」」」

「可愛い御嬢さん方、一緒に希望崎の応援をしてくれないかな?(にっこり)」
「「「「「キャー!王蓮寺く~ん!!」」」」」

(自称)神が連れてJと一緒に無理やり連れてきた、イケメン野郎(自称)と王蓮寺錬司に相手校の女子たちは色めきだっていたので、幸いにも混乱は起きずに済みました。

さらに、
「諸君、遅れてすまない。せっかくだから、この試合を世界中に生放送できるように衛生を一つ打ち上げておいた。
今回も、金持ち特有の道楽心を抑えきれなかった。」

(自称)神に連れてこられた雪椿菊水は、皆に伝えました。

「フハハハハ、人望も神レベルの我にかかれば、このくらい朝飯まえよッ!」

(自称)神は、特に何もしてないのですが、全て自分の手柄であるように言いました。
いや、お前は仲間を連れて来ただけじゃないか!

「(神さま、ありがとうございます!)」
しかし、やしまは心の中で、そんな(自称)神に感謝してくれました。
良い子ですね!

そして、この騒動でやしまたちの緊張がほぐれたのか、希望崎バレー部は見事初戦を勝利することができましたとさ。

おしまい

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最終更新:2014年12月15日 00:32