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伊藤早矢梨


■よみ
いとう はやり

■性別
女性

■学年
1年

■武器
スタンバトン(護身用)

■体型
華奢

■部活
応援部

■委員
放送委員

■ステータス
攻撃力:13/防御力:0/体力:4/精神力:4/FS(陰の努力):9

私と小鳥と鈴と

■特殊能力効果
スタイル:パッシブ
効果:発動率上昇or低下
キャンペーン参加キャラクター(※1)のうち、同じ種類の効果(※2)を持つものの数に応じて発動率を増減する。
1人のみ:発動率+10%
2人:発動率-10%
3人:発動率-20%
4人以上:発動率-30%

※1)シークレットキャラクターはカウントせず、効果対象ともならない。
※2)範囲・効果量・対象が違うだけの能力は同じ能力として扱う。体力2ダメージと体力3ダメージなど。また、複合能力は最も人数の多い効果を適用する。

範囲:ルール
時間:永続
制約:なし

青春ボーナス:6

発動率:66%(GK独断) 成功率:100%

能力原理

“自分だけの個性”を愛する能力。
“みんなとおなじ”を忌避し、“自分だけの個性”を求めた結果、その認識を他者に共有する能力へ至った。
結実としての出力は、他者の能力の支援/妨害能力という、ごくありふれたもの。

キャラクター説明

なめらかな黒のボブヘアーと、くっきりと整った目鼻立ちが特徴的な少女。
男女分け隔てなく愛想をふりまき、クラスで中心的な役割を果たすことが多い。
応援部と放送委員を兼任する多忙な生活を送っている。

(弛まぬ努力によって維持される)ルックス・スタイルと、(瑕疵なく完璧に作り込んだ)万人受けする性格を兼ね備えた高いアイドル性により、学園の頂点に君臨するはずであった。

同じ時代に山乃端一人という、天性のスターが存在しなければ、だが。

プロローグ


『はーい!本日のお昼休みの放送も、はやりんこと、放送部二年、伊藤早矢梨がお送りしまーす☆』

希望崎学園のお昼休みは、放送部の番組プログラムが流されている。
私はここで、メインパーソナリティを務めている。

『本日は紅白大合戦特集!さてさてー、みなさんの気になるあの選手やあの選手に大注目!
話題のあの選手の裏側も、ちらっとご紹介しちゃうかも!』

元気で快活な声音の出し方は、すっかり慣れてきた。
素の声よりも少し、テンションが上がって来ちゃっている、そうなるような塩梅に。

『あー……でもでもー、はやりんのことも見てくれないと、困っちゃうぞ?なーんて……』
『冗談、冗談!あ?ちょっとは本気にしてくれた?……ふふっ』

少しトーンを落として、艶やかな声音。
やりすぎてはいけない。あくまで、少しだけ、ほんのちょっぴりだけ色を足すように。

『さてさてー!まずはリクエストのあったナンバーからお送りしまーす!』

放送をマイクからCDに切り替え、リクエストの音楽を流す。
ヘッドセットを耳から外して、私は深く息をついた。

「……くっだらない」

思わず口をついて吐き捨てていた。

くだらない。本当にくだらないもの。
私からすれば、それ以外の感情はない。

毎度毎度ちやほやと取り沙汰される、山乃端一人のことも。
紅白大合戦まで持ち出して、チョコごときに浮かれ騒ぐ生徒たちの姿も。

そして、何より。
それを良しとしていないくせに、それ以上に何もしていない私のことも。

私は常に、努力してきたと自負している。
肌の張りを維持するため、スタイルを維持するため、胸を大きくするために。
ファッションセンスを磨くために、澄んで通る声を保ちつづけるために。
お料理・勉強・裁縫・ダンス。才女と扱われるに相応しいように。
人に好かれるように。誰もに憧れられるように。

全部全部、上手くやってきた。

それでも、本物の才能の前では。

天性の美貌。持って生まれた才能。本物の人柄。

山乃端一人という天才の前では、私は一番にはなれない。

『そう!なんと彼は、前回MVP!あの試合で一躍時の人となり、今回も一番人気と目されています!特に何と言ってもあの魔人能力――』

放送をつつがなく続けながらも、私の苛立ちは止まらない。
もちろん、それを放送で匂わせるような、迂闊な真似なんて絶対しないけど。

執着が、私を強くすると考えたこともあった。
魔人能力への覚醒。
思いの丈が、私の認識が、世界の側をよりよく塗り替えると、夢想したときもあった。

ただ一人だけの特別な才能が、明るく輝く存在になり。
どこにでもある他の才能は、それを引き立てるだけのその他大勢になるような。

実際に私はその通りの力に目覚めた。
問題があるとすれば、その特別が、私のことではなかったこと。

渇望して、目覚めた能力は、私を高めてくれるものでもない。
非魔人の彼女を、害するものでさえない。

ただ、私の平凡さと、彼女の非凡さの間に引かれた線を、蛍光ペンでぐりぐりっと強調しただけみたいな。
分かりきったことを、私に突きつけただけのもの。

『――そう、だから彼にとっては、右肘の古傷が開かないかというところがポイントになるわけだね』
『へーっ、なるほどなるほど……解説、ありがとうございました!』

解説役に呼んだ男子生徒とのコーナーも終わろうとしている。

『あ、ここで突然なんですが!重大☆発表です!
私、はやりんこと伊藤早矢梨も、紅白大合戦に参加を表明しようと思います!』

――今、決めたことだ。くだらない傍観者気取りなんて止めてやる。
私は私らしくやってやる。

『えー?まさか、はやりんも一人ちゃんのチョコ狙いだったの?』
『あはは!はやりんが山乃端センパイにチョコもらったって、仕方がないじゃないですかー☆
そういうの、男のコの仕事ですしー。はやりんは女のコなのでー、貰うよりは、その……なんて』

嘘は言ってない。
山乃端一人のバレンタインチョコーレト、というものに、全く価値なんて感じてないのは本当。

貰うよりは渡す側だろう、っていうのも本当。

『え、何今の?好きな人でも居るの?』
『ふっふーん、ヒミツです☆』

私に出来て、彼女に出来ないことがある。

山乃端一人自身は、紅白大合戦には出られない。当然だ。

この舞台で、中心となって輝くことは、彼女には出来ない。
じゃあ私に出来るか?おそらく99.9%無理。戦闘型魔人に向いた話だから。
私は天才じゃない。だからやっぱり、努力して、努力して。努力して。

『みんなのこと、はやりん応援します!だから、みんなもはやりんの応援よろしくね!』

私が渡すのは、甘い甘いチョコレートなんかじゃなくて。
ビターな引導。山乃端センパイに、手ずから突きつけて呉れてあげる。