小筒 笑美


【 キャラクター名 】:小筒 笑美(こづつ えみ)
【 性別 】:女性


特殊能力 『エア・キャビテーション』

指を鳴らすことで衝撃波を発生させる。
鳴らし方、強さを調整することで点・線・面さまざまに打ち分けられる。
普段は大きな音を出して驚かせたりレーダー代わりに使うことが多い。


キャラクター設定

小学生と間違われる見た目のインドア派な女の子。
やや赤茶色を帯びた黒髪は切るのが面倒と伸ばし続けた結果、背の小ささと相まってお尻の下まで伸びてしまった。
前髪も同じように伸びているのでヘアバンドで上げたあとに耳の横に避けている。
・・・のだがなぜか数本の髪の束が前に垂れてきてしまい二本の触覚になってしまう、ピンで止めるのも面倒なので諦めた。

暗い部屋に引き篭もっていたせいで視力が悪くフレームの厚い丸ぶち眼鏡を掛けている。
やや度数が合わなくなってきたがネトゲをする分には困らないのでそのまま。
部屋着はノースリーブのパジャマ、わざとサイズの大きいものを着ることでスカートを履く手間を省いている。
右腕に手首から脇までを覆うアームサポーターを着けておりこれだけはいつも外すことはない。

友人の糸引 波瀬(いとひき はせ)とは家が隣同士で家族ぐるみの付き合いがある幼馴染。
何かと絡んでくるのだがさすがにもうそこに居るものだという認識でいる。


プロローグ

『日曜日の悪夢』


いつも見る夢がある
体のあちこちが傷だらけで満身創痍のまま立ち尽くす私
その横に私と同じくらいぼろぼろになった女の子が倒れている
目の前では髪が地面につくくらい長い女性が笑顔で手を広げている


ドタ ドタ ドタ

いつもここで目を覚ます、いや、起こされる。
正直に言うとまだ寝ていたい。

「エビちゃーん、きたよー!」

呼んだ覚えはもちろん無い、呼ぶはずもない。
だが『アレ』は決まってこの時間に襲撃してくるのだ。

ドン ドン ドン

もうドアの前まで来ている、ドアを叩くな五月蝿い。
布団を頭まで被りもう一度深い眠りへ

「エビちゃん! 起きたね? おはよう!」

豪快に巻き上げられるマイお布団、いつの間にか開けられていた窓から朝日が全身に降り注ぐ。
さようなら睡眠時間、おはよう騒がしい日曜日。

パチンッ

私は指を鳴らして行き場の無い感情を紛らわせるしかなかった。



「ほらまだ眠そうな顔してるー、また夜更かししてたんでしょ?」

ばたばたとやってきたこの子は糸引 波瀬(いとひき はせ)、所謂お隣さんというやつだ。
赤ん坊の頃から一緒にいる(らしい)ので姉妹同然の扱いをされている。
同学年でありながら体格差は一目瞭然、身長どころかいろいろと大きい。
毎週日曜日、一緒にアニメを見ようとこうして私の聖域を荒らしていくのだ。

「エビちゃん、まだ5分くらいあるし顔洗ってきたら?」

「……笑美(えみ)だって……んー、このままでいい」

もはや意味の無い僅かな抵抗をしつつベッドから体を降ろす。
4時ごろまでFPSのオンラインゲームで外国人相手にf××k、f××kと撃ち合っていたのが今はニチアサを見せられている。
これを悪夢と言わずになんと言うのか。

「今週の『甲殻戦士 クラスタシア』楽しみだね。裏切ったレッド、どうなるのかなー」

「……ハセちゃん、これ5人ともレッドなんだけど」

布団を畳み終えたハセちゃんが私を持ち上げて膝の上に乗せる。

「幼稚園の先生が言ってたけどお遊戯会でケンカにならないから楽なんだって」

言いたい事はそうじゃないし言いたい事もあるけれど面倒なのでこのまま黙って見ることにした。



あれから一時間、ハセちゃんに抱きかかえられたままキッズアニメを見終えた。
肩に顎を乗せないで欲しい、重たい。

「はー……今週のも良かったなー。うちの弟たちも見てくれればいいのになー」

一人でうんうんと頷いているハセちゃんから逃れようと腕を伸ばす…が、捕まった。

「エビちゃんみたいな妹が欲しかったなー、もうエビちゃんが妹でいいや」

後ろから抱きかかえた状態で体のあちこちを撫で回される。

パチンッ

指を鳴らして抵抗する。

「どうせ私はハセちゃんみたいにスタイル良くないし、小さいし」

「それがイイんじゃない」

分かっていたが無駄な抵抗だった。こうなると甘んじて頬ずりを受け止めるしかない。
一通り愛でられたあとにハセちゃんが文化祭の話を切り出した。

「エビちゃん、今度学校で文化祭やるじゃん?」

「……うん」

「その出し物に『人気者コンテスト』、あるじゃん?」

「……うん」

「あれに出ることになったから、準備しておいてね」

「……がんばってね」

「? 出るんだよ?」

「……うん、がんばってね」

「いや、エビちゃんが」

「……うん?」


パチンッ

私は両手でハセちゃんの頬を勢いよく叩いた。
最終更新:2017年01月13日 15:09