一回戦第一試合その2
ここはニューヨークにある非合法BAR。
今宵もここには非合法な連中が集う。
「よう、そこの姉ちゃん。どうだい、非合法な俺たちと非合法な夜を過ごさねえか」
見るからに非合法な連中が、非合法な場にそぐわない合法的に可愛い少女に声をかけている。
「すいません。あいにくちょいと野暮用がありまして。」
少女の名は弥六。六波羅探題の過去方に所属する女忍者だ。ちなみに本名は才羽鉄子だ。
何故六波羅探題の過去方がニューヨークの非合法BARにいるのか。ここにいる非合法な連中をしょっぴっくためか。違う。何らかの非合法な取引をするためか。違う。
闘うためだ。闘いに勝利し、大英帝国復活の狼煙を上げるためだ。
弥六は今その闘いの相手を探している。
十四代目武田信玄。ヤツもここにきているはずなのだ。
「石垣商店~♪石垣商店~♪未来を作る~♪石垣商店~♪石垣商店~♪貴方のための~♪い~し~が~き~しょ~て~ん♪……石垣商店は未来を作る会社です」
非合法BARのラジオから合法的企業のCMが流れる。
弥六の家の近所にある、世界的大企業のCMだ。
そのCMが終わり、次の番組が始まろうとしたとき、見覚えのある男を見つけた。
十四代目武田信玄。
武田信玄の名を公然と僭称する不届き者。僭称者であるくせに当然のように生き残っている化け物。
そして、かつて最強と呼ばれた武士。
(あはは。わかっていたけど。大英帝国復活への道は険しいですねえ)
十四代目武田信玄は、嘗て当代信玄とその座を争った武士だ。当代に敗れはしたものの。当時の幹部の中には彼の方を評価していたというものも少なくない。
弥六は幹部ではないが、六波羅探題の現役の過去方である。故に十四代目武田信玄、たかしくんの勇名は知っているし、その戦いぶりも何度か目にしたことはある。
故に、十四代目武田信玄の強さは知識としてもしっているし、今ここで対峙しているだけでも本能は緊急避難警報しか出してこない。
だが、それでも闘うと決めたのだ。
腹はもう括ってきた。
十四代目武田信玄は、まだこちらに気付いていない。先手をかけるなら今だ。
いや、気づていないフリをして、泳がせているのか。まず様子を見た方がいいのではないか。
だが、もし十四代目武田信玄に先手を打たれたら、生き残れるのか。
一瞬で様々な思考が交差した。そして苦笑する。
腹を括ってきたのではなかったのか。試合開始前に敵の名を見た時に覚悟を決めたのではなかったか。
十四代目武田信玄も倒せず、大英帝国復活も為せるものかと決意したのではなかったのか。
それならば、自分のやることは一つだ。勝利を得るためには攻撃あるのみ。
「へい、お嬢ちゃん。どうしたんだい。気分が悪いなら俺の非合法なドラッグでも飲むかい。スッキリするぜ」
さっきとは違う非合法な男が弥六に声をかけてきた。
「いえ、大丈夫です。」
男の方には目も向けぬまま、弥六は答えた。
「頭の方はもうスッキリしてますから」
瞬間、弥六の腕がサイコガン(10万6千円)に変わった。
『人体の調和』
「ワオ!?NINJA!?」
非合法な男もびっくりしている。
石垣商店製サイコガン。少しばかり値はあるが、その威力は折り紙付きだ。
小型の蝦夷羆であれば、一撃で仕留めることができる。
つまり、魔人に使うにはあまりにも過剰すぎる兵器であるということだ。
そのサイコガンを、弥六は躊躇なくぶっ放した。
壁が吹き飛ぶ、非合法な男たちの血が辺りに飛び散る。六波羅探題の過去方は過酷な仕事だ。一般人の血が流れる事態にはなれている。
ましてここはニューヨーク。異世界アメリカの街。私の敬愛するイギリス人たちを散々に苦しめたインディアンたちの街だ。そんな連中の血がいくら流れようとも弥六は一切に気にしない。
サイコガンをさらに打ち続ける。店内は、悲鳴に満ちている。照明が中を照らさなくなった代わりに、ニューヨークのビルの明かりが辺りを照らしている。
弥六のサイコガンはそのビルすら吹き飛ばす。ビルが崩壊し、瓦礫がさらに破壊を呼び、それをさらにサイコガンは蹂躙する。
そして弥六の視界から人工の光が消えた。
月明りが照らすのは弥勒と、哀れにも巻き込まれてしまったインディアンたちの死体。
そして無傷のままただ立っている。十四代目武田信玄。
十四代目武田信玄は歴代の武田信玄を召喚できる魔人である。
だが、それは歴代の信玄を召喚して闘うということではない。
彼は歴代の信玄を召喚し、信玄たちに師事することで、己を鍛え上げたきた魔人だからだ。
彼の最大の武器は信玄を召喚するという恐ろしい能力ではなく、信玄たちに鍛え上げられてきた己自身だからだ。
史上最も偉大な武田信玄と崇拝される初代。
史上最も多くの血を流した武田信玄と恐れられる二代目。
史上最も在位期間の短かった武田信玄と言われる三代目。
史上最も史上最も武士を憎んだ武田信玄と忌避される四代目。
史上最も吝嗇な武田信玄と敬られる五代目。
史上最も民に愛された武田信玄とされる六代目。
史上最も放蕩な武田信玄と慕われる七代目。
史上最も苛烈な武田信玄と畏怖される八代目。
史上最も勤勉な武田信玄と崇められる九代目。
史上最も初代信玄に憧れた武田信玄と語られる十代目。
史上最も勇猛な武田信玄と讃えられる十一代目。
史上最も政治工作に長けた武田信玄と嘆ざれる十二代目。
幼少のみぎりから、それら信玄の教えを受けてきた。
武田家の嫡男よりも恵まれた、しかし誰よりも過酷な教育環境に、十四代目武田信玄は自らの意思で身を置き続けてきた。
そして彼は一般武士の身でありながら歴代信玄に並ぶ、いや、超える力を手に入れたのだ。
それは武田家関係者の誰もが認めてることであった。
そしてその彼が史上最も幼い武田信玄と言われる当代の信玄に一撃で敗れたことが、当代の信玄こそが史上最強とされる所以ともなっている。
つまり、当代信玄の最強が証明されたのは十四代目武田信玄(当時の名はたかし)を倒したからなのだ。
敗れはしたものの、最強の当代信玄に最も近い男はたかしくんであると誰もが思っていた。
最強であるが幼い当代信玄を、当代に次ぐ実力を持つたかしくんが支えるのが武田家首脳部の理想の形であったが、たかしくんはそれを是としなかった。
あくまで己の最強を証明し、信玄となることに拘った。今たかしくんは十四代目武田信玄を名乗り、当代の体制に叛いているものの、
最強に最も近いとされた実力を惜しみ、当初構想通り彼が側近となっていてくれたならば、と嘆く幹部も少なくはない。
(あれだけやって無傷ですかい)
思わず冷汗が流れた。
十四代目武田信玄の強さは、知識として知っている。恐怖も肌で感じた。だが、今触れてわかったのは、その底知れなさ。歴代の信玄に鍛え上げられた、深い、深い強さ。
(節約とかしてる場合じゃないですねえ)
十四代目武田信玄がこちらを見ている。
「どうした。もう終わりか。」
脅すような、こちらを値踏みするような、そんな声だ。
終わりだと言えば、容赦なく弥六を潰しにかかってくるだろう。
「まさか。冗談じゃない」
虚勢を張るように笑う。
「イギリスン忍法の奥深さ!なめないでいただきましょうか!」
イギリスンダッシュ。虎のように身を伏せ、一瞬で相手の後ろに回り込むイギリスン忍者独自の移動法。
そこから相手に組み付き、相手を持ち上げ、背中から地面に叩き落とし、敵の首の骨をおる。バリツ必殺のコンビネーション。
それが、十四代目武田信玄には通用しない。
「遅いな。」
後ろに回り込んだ瞬間に顔を掴まれた。そしてそのまま放り投げられる。壁に背中を打ち付けられた。
肺から、空気の塊が逃げていくような感覚があった。一瞬呼吸ができなったが、イギリスン呼吸術で無理やり直した。
「もう終わりか。」
さっきと同じ。脅すような、こちらを値踏みするような声だ。
「まさか。」
さきほどよりも強い意志を込めて、弥六が答えた。
十四代目武田信玄は、やはり化け物だ。
それでも今の応酬で確信した。
勝てる。
あのサイバネを使えば。
目の前の女が、不意に笑みを浮かべた。
諦めたような笑みでもない、虚勢を張るためのものでもない。
勝利を諦めないものだけができる、強さをもった笑みだ。
このまま畳みかけ、勝利を奪うことは容易い。だが俺が求めているのは勝利ではない。
信玄へと繋がる道だ。
相手の余力を残させたまま勝利を奪っても、それには何の価値もない。
敵の全力を踏み越えた先にこそ、信玄への道がある。
女が立ち上がった。
同時に、地鳴りのような大きな音が聞こえた。
大地が、揺れている。いや、大地がせりあがっている。
やがて刺すような寒さを感じるようになった。
雲がどんどん近づいてきて、その中に入り、気づいた時には雲は下にあった。
これは。
「サイバネ富士山か」
サイバネ富士山(96万8千円)。武田家が自家の領地である証として侵略地に設置する。人口の富士山である。
その機能は通常の富士山の機能に加え、タケダネットの中継的な役割も果たしている。
「ふはははは!どうですか!」
富士山の山頂から弥六の声が響いた。
「あなたがいくら強いと言っても、それは所詮魔人の領域。もはや富士山そのものとなって私には勝てないでしょう」
ちなみに現在弥六は自分の首から下を胴体に変えているので富士山の山頂からひょっこり弥六の首が生えている形になっている。
「降参するなら今の内ですよ」
富士山の山頂から首を生やした女が言った。
「冗談だろう。やっと面白くなってきたところなのに、そんなことができるものかよ」
富士山の山頂付近に立っている男が答える。
「そうですか。残念です。では、噴火」
サイバネ富士山となった弥六は自在にサイバネ富士山を噴火させることができる。
富士山の噴火。それは土石流、火山噴煙、火山ガス、火山灰、火山弾、様々な災厄が同時に超高速で襲い掛かってくる史上最悪の災厄だ。
武田家が占領地にサイバネ富士山を置くのも、逆らった場合はサイバネ富士山を噴火させ国を亡ぼすという脅しに他ならない。
かつてサイバネ富士山を噴火させられた国はわずか5秒で滅ぼされたという記録もある。
その富士山の噴火を目の前にして、十四代目武田信玄は攻撃的な笑みを見せた。
これぐらいやってもらわなければ、この戦いに参加した意味がない。そう言わんばかりの笑み。
溶岩が目の前に迫ってくる。
十四代目武田信玄はそれに対して焦るようでもなく、ただ腰を深く落とし抜刀の構えを取った。
八代目武田信玄は史上最も苛烈な武田信玄と呼ばれている。
また最も評価の分かれる武田信玄ともいえるだろう。
彼女こそ武田家の中興の祖であるという歴史家もいれば、
彼女が即位していた時代は暗黒の時代であったと言い切る歴史家もいる。
彼女が即位した当時は関が原から100年経っており、世はまさに平穏そのものであった。
だが、平穏というものは民には味方であるが、戦闘生物である武士には自らの力を奪っていく敵でしかない。
少なくとも当代信玄はそう考えていた。
それを打破するために彼が出した法令が所謂『認強令』である。
その内容はとてもシンプルで『力さえあれば何をしてもよい』と書かれているだけであった。
同時に彼女はそれ以外の法令を全て廃止した。つまり無法の世を作ってしまったのだ。
その無論それに反対する武士もいたが彼はそれらの意見を力ずくで潰していった。『力さえあれば何をしてもよい』というのを実践していったのだ。
そしてそれ以降武士の世界は秩序を失った。家督争い、武家同士の戦争、下剋上、武士の血が流れない日などなく、その様はまさに戦国時代の再来であった。
無論武田信玄に挑む者たちもいたが、それらは全て一瞬で消し飛ばしたあたりは流石は信玄と言える。
そして戦乱の世が数十年続き、武家の間に均衡状態ができたところで、信玄は『認強令』を廃止、それまでにあった法令を復活させた。
戦乱の終わりを宣言したのである。そしてその時に反対意見を唱える者は誰もいなかったという。皆、血で血を洗うような生活に疲れていたのであろう。
そして彼はその数日後に息を引き取った。寿命であったという説もあれば、次代の信玄に殺されたという説もある。
『認強令』により、武士階級は勿論、非武士階級からも多くの命が失われた。彼女の時代を暗黒時代であるというものはそう主張する。
『認強令』により、力なき武士は消え去り、力ある武士はさらなる力を求め、そうすることで武士は関が原当時の強さを取り戻した。
彼女を中興の祖であるというものはそう主張する。
そんな彼女の技は『全空』と呼ばれるものだった。
ただ、あらゆるものを切り裂くことができる。それだけのものだった。
どんなに巨大なものも、どんなに硬いものも、世界そのものも、異世界すらも、斬ることができた。
史書はそう伝えている。
そして、十四代目武田信玄は史書に伝えられていることが事実であると知っている。
何故なら10年以上、彼女に師事し続けてきたからだ。
「全空」
十四代目武田信玄は、彼女の技を使うことができる。
何故なら九代目武田信玄の教えを受けているからだ。
九代目信玄は史上最も勤勉な武田信玄とも言われている。
だがこちらよりも“普通公”という通称の方が有名であろう。
彼は当時武力に置いても知力においても並ぶ者がない傑物であったが、自分自身はそれを“普通”であると公言してはばからなかった。
それは謙遜から来ているのでも厭味でもなく、彼の本心から出た言葉であった。そして当時の人もそのことをすぐに実感した。
何故なら九代目信玄はすぐに“普通”になったからだ。
それは九代目の能力が落ちたからではない。周りの人間の能力が上がったからだ。
九代目信玄以上の者はいなかったが、彼の天才としか言いようのない突出した優秀さが“普通”の範疇に入るほどにはなった。
彼の能力はマニュアル化である。あらゆることを誰にでもできるような簡単なマニュアルにすることができた。
自分が現在の優秀さを得た過程をマニュアル化し、自分と近い能力を持つ人間を作ることが出来たし、
魔人能力をマニュアル化し、技術として使用することも出来た。
そしてそのマニュアル化自体を技術として十四代目武田信玄に伝えることも、当然できた。
十四代目武田信玄が刀を振るった。
抜刀。剣閃が一文字に煌く。
土石流、火山噴煙、火山ガス、火山灰、火山弾。富士山から噴火された全ての災厄が一文字に斬られた。
「え、う、嘘でしょ」
十四代目武田信玄が刀を振り下ろした。
二度目の剣閃。
あまりの早さゆえに剣閃が十文字にすらみえた。
『全空』は全てを切り裂く。どんなに巨大なものも、どんなに硬いものも、世界そのものも、異世界ですら。
十四代目武田信玄は、八代目武田信玄より未熟であるがゆえに、世界や異世界を斬ることはできない。
だが、サイバネ富士山程度に巨大で、硬いものなら、一太刀で斬ることができた。
「ぎゃ、ぎゃああああああああ!」
弥六の叫びともに、サイバネ富士山は縦に二つに割られ、そして倒れた。
凄まじい土煙が立っている。
巨大なサイバネ富士山が二つに割られ、ぶっ倒れてしまったのだから当然だ。
ニューヨークの受けたダメージは壊滅的だろう。
そしてさきほどまでサイバネの富士山の頂点があった場所。
災厄の中心点、非合法BAR跡地に十四代目武田信玄と女忍者弥六が立っていた。
十四代目武田信玄が問うた。
「まだ、やるか」
先ほどまでの脅すような、値踏みするような声ではない。
自分と渡り合った少女の健闘を称えるようなそんな響きがある。
「まさか」
弥六はあくまで自然体で答える。
「負けですよ。私の」
全力を尽くした。サイバネ富士山は自分の買える範囲では最も強力な武器の一つだ。
あれが通じなかった今、これ以上の戦いは時間とお金の浪費になる。そう判断した。
「そうか。」
弥六の目的は、大英帝国の復活だ。今回の戦いはその資金集め、余計な出費はしないに限る。
そんな弥六の考えを見透かしたように十四代目武田信玄は続けた。
「これは独り言だが」
弥六は倒れたサイバネ富士山を見たまま、十四代目武田信玄の声に耳を傾けている。
「俺たちをこの戦いに招待したきっぽちゃん。あれは十中八九織田信長だ。」
その名前を聞いて弥六の体に戦いの最中のものとは違う緊張が走った。織田信長、六波羅探題の人間が、否武田家に組する全ての人間が最も聞くのを恐れている名前。同時に、いつか現れるであろうということを覚悟している名前。
「きっぽちゃん。なるほど。確かに織田信長の幼名は吉法師だから。近いって言えば近いかもね」
あくまで、独り言だ。そう言わんばかりに十四代目武田信玄は言葉を続ける。
「それが確かで、もしお前がこの戦いを通して織田信長のしっぽを掴むことができたなら、武田家から二億どころじゃない褒賞がもらえるだろうな。大英帝国の復活の足がかりにはなる程度の、な」
何故あんたがそれを、という言葉がでかかったが、なんとかそれを飲み込むことが出来た。
十四代目武田信玄についてる男の名前を思い出したからだ。本名は知らない。ただ『歴史博士』という異名だけが伝わる。伝説の探索方。市井の子に過ぎなかったたかしくんを信玄の候補者にまで持っていくことができるほどに武田家上層部と近しく、あらゆる歴史の謎を知り尽くしたとまで言われた捜査能力を持つあの『歴史博士』ならば、弥六のことを調べあげることなど容易だろう。
そしてその『歴史博士』が『きっぽちゃん』が『織田信長』であると言っているのなら、それは根拠のない話ではない。そして、もし弥六が『織田信長』を捉えることができたのならば。
「で、反逆者である貴方がそんなこと私に教えてどうするの。」
この話が真実であろうという確信と緊張を得ながら、弥六がまるで与太話を聞いた時のように適当に答えた。
「俺は、あくまで武田信玄になりたいだけだからな。」
土煙が晴れて、二つに割られたサイバネ富士山の隙間から月明りが十四代目武田信玄を照らした。
「武田家に、滅びてほしいと言わけじゃない。」
それを聞いて、弥六が笑った。
「都合のいい人だなあ。」
「ああ、全くだ」
十四代目武田信玄も一緒に笑った。
もう一つ、お前と戦えてよかった。そう思えたからだ。
この言葉を十四代目武田信玄は呑み込んだ。
ビルの光が激しいニューヨークでは、めったにみられないようなこの美しい満月の元で
これ以上言葉を重ねるのは無粋であると、思ったからだ。
二人はこれ以上言葉を交わすことなくただ月を見上げ、そしてもはや廃墟と化したニューヨークを残し、消えた。
一回戦第一試合 非合法BAR
勝者 十四代目武田信玄
最終更新:2016年07月03日 01:01