結局あれから色々さまよったが、
クラウドはおろか他の誰とも出会えなかった
実感がわかない・・・・・まるで夢のようだ
でも・・・・・・ティファはあの放送を思い出す、もしかしたらクラウドか
エアリスが、と思い
慌てて塔へと走ったのだが、その放送の結末は無残極まりなかった
その後も塔の近くに潜み、仲間達の姿を探したのだが結局彼らが現れる事はなかった。
「何だか、つかれちゃったな」
無理もない、ほぼ1晩歩きっぱなしだったのだ
とくに汗だくになった身体が気持ち悪い、シャワーでも浴びたいところだ。
シャワー?と考えた
ティファの目に湖水が映る。
いくらなんでも・・・・・・と思ったが、それでも女性である以上清潔でありたいと思う欲求は
男性のそれに比べると強い。
「誰も見てない・・・わよね」
ティファは覚悟を決めると、一糸まとわぬ美しい裸身を月明かりに晒し、湖の中に身を進めた
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デスピサロを探すつもりでいたらトンでもないものを見つけてしまった。
ソロはこんなことをしていてはいけない、という気持ちとは裏腹に身を乗り出すように
ティファの水浴びを眺めていた。
(僕は勇者なんだぞ!!
ミネアの仇もとらなくっちゃいけないんだぞ!!・・・でも)
押さえた鼻の下から血がぼとぼとと零れ落ちる、胸の鼓動が止まらない
(なんて綺麗な人なんだろう・・・・・・ドキドキが止まらないよ)
白い肌に長い黒髪、そしてその豊かな胸、だがこのドキドキは彼女の肢体の美しさの行為だけではない。
ミネア、マーニャ、
アリーナ・・・・・・自分の周りにいつもいる少女たちとは違う何か
無論彼女たちも充分魅力的な女の子だ、それでも今目の前で沐浴を続ける少女には何かが及ばないような気がしていた。
やがて少女は沐浴を終えると岸辺で着替えを始める、だがそれでもソロの目は少女に釘付けのままだ
もっと、近くにもっと鮮明に、そう思い限界まで身を乗り出したそのとき、足元が滑り
ソロは茂みから投げ出されるように頭から地面に激突した。
「いててて・・・・・・あ」
顔を上げたソロの目前には、羞恥と怒りの入り混じった表情の少女が仁王立ちしていた。
「あ・・・・そっその!!見てない!!見てないよ!!」
必死で弁明するソロだったがその赤面した顔を見れば一目瞭然だ。
「勇者は覗いたりなんかしないんだ!!本当だよ!!」
ティファはソロを依然として疑いの眼差しで見ていたがソロの慌っぷりを見ている間に
やがてそれは苦笑交じりの物に変わっていく
「分かったわよ、信じてあげるわ」
「本当?」
「勇者は覗きなんかしないんでしょう」
そのティファの一言でようやくソロは落ちつきを取り戻した、顔は相変わらず真っ赤なままだったが
-------それから数刻後、2人は
旅の扉の前にいた
「本当に1人で大丈夫なの?」
心配そうにソロはティファに訪ねる
「不安だけど・・・・・・でもクラウド達を探さないと、だからギリギリまで残ってみるわ」
放送を信じるならシドですらあえない最期を遂げたのだ、ぐずぐずしてはいられない。
僕といっしょに・・・・・と言いかけてソロは途中で言葉をのみこむ
道すがら披露してくれた彼女の拳法の腕前はアリーナと互角・・いやそれ以上かもしれない
仲間としても心強かったし、それに出来るならもっと一緒に歩きたかったのだ。
ティファと2人で草原を歩く自分の姿を想像すると、胸の奥が苦しいような、甘いようなそんな切ない気持ちになる
この切なさは何なのだろうか?
頼めば彼女のことだからきっと力を貸してくれるに違いない
(でも・・・・それは正しいことなのか?僕にも大切な目的があるし、彼女にも大切な人がいるんだぞ)
「分かりました、ではご無事を・・・・」
うつむき加減ににそれだけをティファに告げると、ソロは旅の扉をくぐって行った。
「早くデスピサロを倒そう!!ミネアの仇を取らないと、それにこれはティファさんを助けることにもなるんだ」
そう自分に言い聞かせながら・・・・・・・
一方ティファはソロを見送った後・・・・・・何かを考えていた
あのスーツケース、どこかで
そういえば・・・・・・バレットが以前
『神羅が新エネルギーを開発したらしいぞ、兵器として利用すれば
とんでもない威力になるって話だ』
『あまりにも危険な物質ってんで、本社でも厳重に管理されているらしい・・・・そいつを示すマークがこれだ』
そういってバレットが描いたマークがあのスーツケースにも刻印されてなかったか?
話には続きがあったはずだ、ティファの回想は続く
『兵器の威力か・・・聞いた話だと片手に握れる程度でも街一つくらいなら消滅させることができるらしい』
もし、あのスーツケースの中身がバレットの言うそれだったとしたら・・・・・
背中が寒くなっていくのをティファは感じた、あのスーツケース一杯にそれが入っているとすれば
この島くらいは簡単に灰になってしまうだろう・・・・・・・
次の場所がどんな所かはしらないが、連中の目的を考えるとそれほど広い場所でも無いはずだ
つまり、あのスーツケースがある限り何処にいても巻き添えの危険がついて回るのだ。
ソロがそれを知っているとは思えない、知っていたら石で叩いて強引に開けたりしようとするものか。
(次に出会ったらスーツケースの事を教えないと・・・・・・)
そう思いながらもとりあえずティファはクラウド達を探しにまた歩き始めた。
【ソロ 所持品:
スーツケース核爆弾
最終行動方針:デスピサロを倒す】
【現在位置:新フィールドへ】
【ティファ 所持品:ボムのかけら×2
第一行動方針:クラウドたちを探す】
【現在位置:西部山脈南部】
最終更新:2011年07月17日 22:26