天を駈ける騎士?

セーラは足取りも軽やかにマランダの街へと到着した。
長時間、柱に縛り上げられていたわりにはその表情は幸福に満ちている。
まさか....新たな快楽に目覚めたか?
いや、これにはちゃんとした理由があるのだ。

つい1時間ほど前、セーラは物置の中で悪戦苦闘していた。
いくらもがこうとも縄は外れてはくれない、このまま騎士様に会えることなく終わってしまうのか、
そんな絶望的な気分を振り払うようにセーラは必死でもがいていた、そんな時、
ガタン!という音と共に物置がぐらぐらと揺れる、もともと老朽化していたのだろう。
その揺れの最中、セーラが縛りつけられていた柱は真ん中から折れて、そのおかげで縄が緩み
彼女は自由の身になれたのだ。

もたもたと縄を解いて、何事かと外に飛び出していったセーラが見たもの、
それは黒い翼を広げ悠然と空を飛ぶ何者かの姿。
そう、その姿こそ.....。
「騎士様!またも私を救いにきて下さったのですね!お待ち下さい、今度こそお名前を!」
セーラは声を限りに飛行物体に叫ぶが、それはセーラの呼びかけに答えることなく彼方へと消えていった。

その正体は飛行中、我を失い物置に激突したリュックなのだが、
セーラから見ると、黒い翼を広げたリュックの姿は逆光になっていた行為か、
彼女が捜し求める騎士そのものに思えたのだ。(幾分美化も入っているが)
「奥ゆかしい....方」
セーラはリュックが消えた方向の空をうっとりと眺めながら呟くと
そのまま猛然とマランダの街へと走ったのだった。

その甲斐あって、なんとか間に合った、残り時間はあと10分....ギリギリセーフだ。
「騎士様、あなたはついに天空すらも支配する真の英傑へとなられたのですね」
扉を目の前にして改めて空を眺め、セーラは決意を新たにする。
「セーラも負けてはいられませんわ、必ずやあなたの覇道を阻むであろう不届き者たちを、
いかなる手を使ってでも討ち果たして見せますわっ、いざっ!」
そして掛け声も勇ましくセーラもまた新たな戦場へと進んで行った。

【セーラ 所持品:ブレイズガン
 第一行動方針:騎士様を探す
 最終行動方針:騎士様以外皆殺し】
【現在位置:新フィールドへ】


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最終更新:2011年07月17日 19:33
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