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自分は騎士失格だ

何も無い空から二人は飛び出した。
――足場がない!
今の今まで大地に足を降ろしていた二人は、突然の事に為す術も無く大地に落下した。
フライヤは硬い地面で背中を打ち、
少し遅れてピエールは、人間の上に落ちた。
「うごぇっ!」
下敷きになった男の悲鳴が、スライム部分の下から洩れる。
ピエールは慌てて男から飛び退った。 今度は確かに冷たい大地の感触がスライムに伝わる。。
「も、申し訳ない!」
相手が自分たちの命を狙うものであろうとなかろうと、まずは謝るのが礼儀。
もし打ち所が悪ければ、回復魔法もかけてやるべきだろうと思ったが、
男が起き上がろうとするのを見て大丈夫だと判断した。
所持品らしいスーツケースも傷一つついていないようだ。

男の後ろでフライヤが背中を押さえながらこちらを覗っている。
ピエールは苦笑いを浮かべながら手を振った。
フライヤは笑うでもなく、目配せして応じる。
ややあって、男は立ち上がった。

「くそっ、僕が何をしたっていうんだ…」
ピエールのボディプレスの洗礼を受けた男はソロだった。
彼は立ち上がると、綺麗な顔立ちを歪めてピエールを憎憎しげに睨む。
「ち、違うんです。旅の扉の出口が空中だなんて予想でき…」
ピエールの口が止まった。ソロの目に異様な光が帯びているのを見た。

「なんだ……魔物じゃないか。いっちょまえに言葉を話すのか。
僕の前に出てくるなんていい度胸だな」
ソロから発せられるものは殺気。
――この人は一体!?
「退がれ!」
言われるままに退がる。
ビュッ!!
ソロの剣がピエールの体をかすめた。
フライヤが叫ばなかったら、今ごろ胴体は真っ二つだったろう。
「もう一匹いるのかあ!」
ソロは後ろを振り向き、今度はフライヤに襲い掛かった。
「フライヤ殿!」
フライヤの武器は小剣のみ。
ソロのエンハンスソードと比べて性能の差は明らかだ。
(自分が助けなくては…)

あの前大陸でセシルに襲われたとき、ピエールは旅の扉に逃げ遅れたジタンとビビを助ける事が
できなかった。 紅蓮の炎を目の前にして尻込みしてしまったのだ。 
――自分は騎士失格だ、iいや、ビビ殿という恩人を見捨てて逃げるなど獣以下だ!

激しく自己嫌悪し、苦悩していたところいきなりの第三舞台、ソロと対面。
そしてフライヤが危機に見舞われている。

あの二人に何としても詫びたい。
どんなに軽蔑されようと、どんなに罵られようとも構わない、許してくれるまで。
だが、二人はここにはいない。 
ならば、今はフライヤ殿を守るのが、このピエールの役目。 ビビ殿の仲間はこの私が守る!

ピエールは珊瑚の剣を高く掲げ、咆哮を上げながらソロに向かって突進した。
あと数メートル。
しかし既にソロは、フライヤを捉える間合いに入っていた。
どうやっても間に合わない。
絶対に埋められない距離。 
ソロの咆哮。
光を断つ剣。
景色が、歪む。

ピエールは息をのんだ。
ソロの斬撃をフライヤが避けたのだ。
しかも剣が振り下ろされた後に回避行動をとったように見えた。
すぐさまフライヤはソロを突き飛ばして大きく間合いを取った。

ピエールはフライヤを、そしてソロは自分の手を見つめてただ呆然とするだけであった。

【ピエール 所持品:珊瑚の剣
 第一行動方針:ソロと戦う
 第二行動方針:ジタンとビビを探す
 第三行動方針:とんぬらを探す】
【フライヤ 所持品:エストック
 第一行動方針:ソロと戦う
 第二行動方針:ジタンとビビを探す】
【現在位置:ロンダルキア南】

【ソロ 所持品:エンハンスソード スーツケース核爆弾 イリーナの社員証
 第一行動方針:ピエール、フライヤを殺す
 第二行動方針:バーバラを殺す
 最終行動方針:デスピサロを倒す】
【現在位置:ロンダルキア南】


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最終更新:2011年07月17日 22:29
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