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忍者らしくない忍者

(大体15分くらい経ったかな?そろそろ動くか)
森の中、全ての準備を整えたセシル、時間もちょうどいい頃合だ。
セシルはすうっと息を吸いこむと、大声で森の奥へと叫ぶ。
エッジ!エッジだろ?、僕だよ!セシルだよ!」

こだまが森の中へと響き渡り、それが聞こえなくなってしばらく経ったころ
不意にセシルの頭上の木々ががさがさと揺れたかと思うと

「セシル!ああ良かった!お前に会えるなんて」
ようやく頼れる仲間にめぐり合えた、その喜びを隠しもせず、エッジはセシルの目の前へと舞い降りる。
「エッジ!僕も君に会えて本当に良かったよ!心細かったんだ、それより」
ここからが本題だ、無駄話をしていれば感づかれないとも限らない。
「そうだエッジ、さっき誰かに襲われて、ここまで追ってきたんだけど見失ってしまったんだ」
「俺の仲間を襲ったのもきっとそいつだな、気をつけろ奴は銃を持っているぜ」
今だ。

一瞬、自分からエッジが視線を逸らしてのを見て、セシルは左足に括りつけたロープを操作する。
と、雪の中に埋めたロープを伝い、左手の茂みの奥深くに設置したギガスマッシャーの撃鉄が落ちる。
「あぶねェ!」
エッジはセシルを突き飛ばし、辛くも弾丸を回避させる。
計算通り!次だ。
セシルはさらに雪の中に隠したロープを引く、と今度はセシルの背後で弓矢の弦音が聞こえる。
「もう1人いやがったか!ちくしょう!」
何の疑いも無くセシルの背中へと飛ぶ弓矢を手刀で叩き落すエッジ、その時であった。

ズブリ

自分の身に何が起こったのか、エッジがまずそれを理解するのには数秒の時間が必要だった。
(おかしいな……なんで俺の胸から剣が生えてやがるんだ、俺の後ろにはセシルしかいねぇし
まさか…….そんな……はず、いや、そんな)

そして胸から生えた切っ先がくるりと回転し、同時に大量の血潮がエッジの視界を赤く染める。
(そうか……セシル、お前だったんだな、クラウドを射ったのも、今、俺を後ろから刺したのも)

ようやく現実を受け入れたエッジ、だがそれでも納得の行かないことがある。それを聞かないと
死んでも死にきれない。

「手の込んだ真似しやがって、なぁ……理由聞かせてくれねぇか?」
「こうでもしないと君は楽には倒せないと思ったから、1歩間違えれば僕の方が死んでいたかもね」
ギガスマッシャーと弓矢、どれも狙いは罠を仕掛けたセシル本人に向けられていた。
もしエッジがセシルの考えるよりも未熟な忍者なら、セシルは自分の仕掛けた罠で死んでいただろう。

すでに血の気の引いたかさつく唇を振るわせ、エッジは再度セシルに問う。
「んなこたぁ……いいから..よ、はやくワケを言え、俺が……生きてる間によ」
ローザの為なんだ、僕が最後まで生き残れば彼女は甦るんだ」
それを聞いてエッジは納得したかのように目を閉じる。
「そうか……ローザのためか………ならよ、しかたねぇ……な」
「けどよ……もしできるなら……リディアだけは……」

そこで言葉を止めると、どこにまだそんな力が残っていたのだろうか?エッジは渾身の力で
自分の身を剣から引きぬき、ふらふらとセシルから離れていく、セシルも追おうとはしない。
エッジの傷が致命傷であることを承知しているからだ。
「へへ……忍者の最後は、これと……相場が決まっているからな、派手に……行くぜ!」
仁王立ちしたエッジは忍者装束をはだける、と、ベルトから無数の導火線が生えているのが見える。
本来単発の煙玉の導火線を震える指で一つにまとめると、そのまま火種を導火線へと導く。

(本当はよ、お前もろとも吹っ飛ぶつもりだったけどよ、ローザのためなら仕方ねぇよな
カインの奴はきっと泣いて怒るだろうが、俺にはお前の気持ち……わかるぜ)
導火線が火花を散らしていく、何故だか妙に遅く感じる。
(ああ、ティファって娘にも会いたかったなァ、胸が大きいんだっけ、そういやあの
レオタード娘、名前聞いてなかったな、エアリス、約束守れなくってすまねぇな、
クラウド、エアリスを泣かせるんじゃねぇぞ、それから最後にリディア...俺の)

どばぁん!!
彼の最後の回想は最後まで達成されることなく、エッジの五体は粉みじんに吹き飛び。
大量の黒煙が空へと舞いあがる。

その黒煙はトンネルの出口から顔を覗かせるアリーナにもはっきりと見て取れた。
そして彼女は悟った、もうあの男は2度とここには戻る事がないと。
アリーナの瞳から涙が溢れ出す。
「何よ……名前だってちゃんとまだ聞いてないのに!あたしの行為で死ぬこと無いじゃない!
リディアちゃんのことやギルバートさんのこと、伝えなきゃいけないことがたくさんあったのに!」
泣くのはこれで何度目だろう?
トンネルの壁をばむばむと叩きながら、アリーナはただ泣きつづけていた。

そして、火薬の匂いが立ちこめる中、焼け焦げた地面を眺めながら、ぽつりとセシルは呟く。
「エッジ、最期まで君は忍者らしくない忍者だったね、本当に単純でお人よしで……でも…
それでも君は僕の大切な……」
そこから先は言葉にならなかった、しばし立ち尽くすセシルの頬にもまた、何時の間にか涙が流れていた。

【セシル(やや体力を消耗) 所持品:暗黒騎士の鎧 ブラッドソード 源氏の兜 リフレクトリング 弓矢(手製) ギガスマッシャー
第一行動方針:その他の参加者を殺す(エドガーorハ-ゴンを優先)
最終行動方針:勝利する
【現在位置:大陸北部山脈、西の湖側】

【アリーナ 所持武器:イオの書×3 リフレクトリング ピンクのレオタード
 第一行動方針:クラウドを救う
 第二行動方針:ソロを止める(倒してでも)
 最終行動方針:ゲームを抜ける】
【現在位置:地下通路(大陸北部山脈、西の湖側)】

【エッジ 死亡】
【残り 57人】


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最終更新:2011年07月17日 22:14
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