手駒の必要性

ずるずる、ずるずる
地下道の暗闇の中、アリーナはシーツと棒で作ったタンカにクラウドを載せて、
それを引きずりながら出口を求めさまよっていた。
エッジの書いたマップは本人の性格そのままに適当極まりない、おかげでここまで2回も、
段差に足を取られ、転びそうになった。
と、ここで初めて背後のクラウドの声が聞こえる、どうやら意識を取り戻したようだ。
「大丈夫?」
本当は他に言わなければならないことがあるのだが、アリーナの喉からはこれしか言葉が出てこなかった。
「いや、大丈夫じゃないな」
そこでクラウドは言葉を切り、しばらく間を置いてから続ける。
「俺を置いていってくれ、俺を見捨てれば……それだけアンタの助かる可能性は高くなる」
アリーナは振り向きもせず応じる。
「バカ言ってるんじゃ無いわよ、絶対にアンタを助けて、そんでからティファさんのところに
連れていくんだから、大体アンタの事想ってくれてる女の子を置いて死ぬなんて
男のやる事じゃ無いわ」

「で、ホントはどっちが好きなの?」

返事が無い、狸寝入りかもしれないが怪我人にこれ以上の追求は傷に良くないだろう
そしてアリーナは再び黙々と足を進ませる。
もう少し進めば分岐があるはずだ。
「にしても、出口はどこなのよ」

一方、彼らからそれほど離れていない、やはり地下道の中

「すまんな、少々熱くなり過ぎていたようだ、ああいう時こそ1度後退すべきだったな」
「いえ、止めねばならぬ私も、多少は楽しみましたから」
間一髪で難を逃れたデスピサロ達が、やはり出口を求め歩いていた。
「しかし、我らにも多少は運が残っていたようだな」
あの時、崩れ行く地下室の中で、奸計に嵌ったことを悟り、思わず歯軋りをした2人だったが
突如、自分たちの目の前に旅の扉が現れ、これ幸いと飛びこんだのだ。

「にしても、お前の言う通りやはりあと1人くらいは必要だな、駒が」
いかにデスピサロが強大な魔族であり、サマンサが優秀な魔法使いにしても2人きりでは
やはり限界がある、それに戦ってばかりでは有益な情報も得られないという事にようやく
デスピサロも気がつきはじめていた。
(所詮、私も貴方にとっては駒でしかないのですか?、いやそれでもいいのだ……私は)
そしてサマンサはデスピサロの言葉を聞き、揺れ動く心を必死で押し殺していた。

それからしばらく他愛もない話をしながら2人は先へと進んでいく。
「ピサロ卿、分岐です」
先行していたサマンサの声で我に返ったデスピサロは再び先頭に立ち、分岐点に入っていく、
どうやら先客がいるようだ、そこに居たのは。

「嘘でしょう!?あ、アンタは」
「ほう?これは懐かしい相手に出会ったもんだ、久しいな、アリーナ」

最悪の状況下で最悪の相手に出会った、正に今のアリーナがそうだった。
そして一方のデスピサロは、にやりと不敵に唇を歪めるのであった。


【デスピサロ 所持品:正義のそろばん 『光の玉』について書かれた本
 第一行動方針:自分たちの手駒を勧誘する
 第二行動方針:腕輪を探す
 最終行動方針:勝利者となる】
【サマンサ 所持品:勲章
 第一行動方針:自分たちの手駒を勧誘する
 基本行動方針:デスピサロを手伝う
 最終行動方針:生き残る】
【現在位置:地下通路(大陸中央付近)】

【クラウド(瀕死) 所持品:ガンブレード
 第一行動方針:仲間(エアリス&ティファ)を探す】
【アリーナ 所持武器:イオの書×3 リフレクトリング ピンクのレオタード
 第一行動方針:クラウドを救う
 第二行動方針:ソロを止める(倒してでも)
 最終行動方針:ゲームを抜ける】
【現在位置:地下通路(大陸中央付近)】


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最終更新:2011年07月17日 22:15
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