vs魔族神官その2

 不意をつかれ、エビルプリーストは横によろけた。
 今はアーロンの姿をしている事も忘れ、血走った目を衝撃が襲ってきたほうに向ける。
 雪の中駆け抜けてくる人影一つ、剣を抜き放って振りかぶる。
「何者だぁっ!」
 言うが早く魔力を構成し、イオナズンの魔法を唱える。相手の動きは速いが、こちらのほうがもっと速い…!
 突進してくる人影の周りに光の粒が浮かび、それが連鎖自壊していく…

 寸前。
「はぁぁぁぁっ!」
 男の掲げた剣から光のベールが生まれた。それは、エビルプリーストも知っているある呪文と同じ現象である。
 大爆発。だが、その衝撃は男に届かず、エビルプリーストに跳ね返ってきた。

「ぬうううぅぅっ!」
 両腕を突き出して耐える、だがそれにも限界があった。
 腕に無数の裂傷が生まれ、宙に投げ出されて雪の上を撥ねて転がる。その衝撃か、変化も解けて凶相の老人に戻った。
 慌てて変化の杖で再び変化しようとする…それ自体には何の意味もなかったが、強襲に彼も混乱していた…が、
 杖を持っている手にブーメランが直撃し、取り落としてしまった。
 ブーメランは何かの元に戻っていく。何か。それはスライム。
 あの「スライム」に邪魔をされた。エビルプリーストの頭に血が上った。
 魔属の王ですら駒にしてきた自分が、最底辺の魔物に虚仮にされた。
 紫のターバンをしている男もそうだ。選ばれし者でもない人間の分際で、自分を出し抜こうなどと大それたことをした!
 今も、自分に害をなそうと迫ってくる。許せない。あの男と、あの屑モンスターだけは…!

 彼自身は頭に血が上っていて気付いていないが、状況はエビルプリーストにとって絶体絶命だった。
 相手は魔力反射ができる戦士、自分はろくに武器も持っていない、こんな状況で勝てるわけがない。
 だが、彼にもまだツキは残っていた。

 一つはとんぬらたちがエビルプリーストを仕留めようとした矢先に離れの扉が開いたこと。
「お父さん、危ないっ!」
 後方に控えていたアニーがヒャダルコを唱えて入り口付近に氷柱を作り出し、
 とんぬらとルーキーは一旦足を止めて離れの入り口に視線を向けた。

 そして、もう一つ。
 エビルプリーストが弾かれたあたりに、ちょうど祠の入り口があったこと。
 その扉の向こうには息を殺した人の気配に、エビルプリーストが気付いたことだった。

【エビルプリースト
 所持品:危ない水着 ファリスのペンダント
 第一行動方針:この場にいる全員の始末
 第二行動方針:天空の勇者(ソロ・クーパー)の始末】
【現在位置:祠の離れのそば】
※祠(ピピンたち)の存在に気付きました。変化の杖を落としました。

とんぬら 所持品:さざなみの剣
 第一行動方針:エビルプリーストを倒す
 第二行動方針:オルテガたちとの対応を決める
 第三行動方針:クーパー、パパスとの合流
 第四行動方針:アイラの呪いを解ける人を探す】
【ルーキー 所持品:スナイパーアイ、ブーメラン
 第一行動方針:エビルプリーストを倒す
 第二行動方針:オルテガたちとの対応を決める
 第三行動方針:ライアンとの合流】
【アニー 所持品:マインゴーシュ
 第一行動方針:エビルプリーストを倒す
 第二行動方針:オルテガたちとの対応を決める
 第三行動方針:クーパーをみつける】
【現在位置:祠の離れのそば】
※祠の離れからオルテガたちが出てこようとしたのでヒャダルコで入り口を塞ぎました。


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最終更新:2011年07月18日 02:13
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