ミレーユは、考える時間も勿体無いと思った。目の前の男に時間をとっていたら、
セリスには追いつけなくなる。
旅の扉も、いつその口を閉じてしまうか予想がつかない。
「まあ、このまま洞窟に進もうが、あの女を追いかけようがどちらにせよ俺は邪魔をさせてもらう」
男の声がなんとももどかしい、だがその間にも、セリスがますます自分から離れていくのを
強く感じとって、焦りが募る。
後ろを振りむかなくてもわかる。セリスはきっと走り出している。
一旦事を決めた彼女は立ち止まらない。機械仕掛けの人形のように、何かにぶつからない限り
動くのをやめようとはしない。
そして、進み往く彼女の壁になってくれるのは、恐らく愛しているはずの
ロックという
生身の体を持つ男性だけだ。
なのに彼は死んでしまった。
彼女は、もう会えない人の幻影を追って、死ぬまで前進をやめないだろう。
「だから私が連れ戻さなければ、セリスさんは!」
それが返答だった。
マヌーサの呪文を、後を振り向くために軸足を180度転換した瞬間に、ぶつけた。
「ぬわっ!?」
男が足を滑らすのを物音だけで感知して、あとは顧ず、白肌の大地を駆け出した。
「くそっ、待て」
男が体勢を整える時間が一秒でも伸びることを祈るのみ。
【セリス(
記憶喪失) 所持品:
ロトの剣
行動方針:ロック(セリスは死んだ事を認めていない)を探す】
【現在位置:東の平原、洞窟そばから北上中】
最終更新:2011年07月18日 06:54