DNAの二重らせん構造

DNAはヌクレオチドが多数結合して鎖状になった高分子であるが、通常は基本的に、二本の鎖が向かい合わせになってらせん状にねじれた「二重らせん構造」をとっている。
1953年にこのことを明らかにしたのがワトソンとクリックである。

二重らせん構造を構成する一本鎖DNAは、ヌクレオチドを構成する糖(デオキシリボース)とリン酸が順番に結合して、「…−糖−リン酸−糖−リン酸−糖−リン酸−…」という「骨格」を形成し、その骨格かららせん内部に向かって塩基を突き出している。
内部へと付き出た塩基は、もう一方の一本鎖DNAの塩基と向かい合わせになって水素結合によって結合している。
このとき、向かい合わせになれる塩基には制限があって、アデニン(A)はチミン(T)と、グアニン(G)はシトシン(C)としか結合できない。
この制限は「相補性」と呼ばれ、DNA が複製する時や、タンパク質を合成するためにその情報をmRNAへと転写する時に、重要な役割を果たしている。

DNAの二重らせんは、塩基10個で一回転(これを「ピッチ」と呼ぶ)し、そのピッチ長は3.4 nmであるため、塩基と塩基との間は0.34 nmである。

先述したシャルガフの経験則は、塩基対の相補性から説明される。
仮にアデニンを30%含む二重らせんがあったとすれば、その30%のアデニンはすべてチミンと糖補的塩基対を形成していることになるので、チミンの割合も30%になる。
そしてグアニンの割合をx%とおけば同様の理由から、シトシンの割合もx%になるので、2x=100-30*2=40より、x=20。
つまり、グアニンとシトシンの割合は共に20%となる。

なお、以上の性質はすべて、あらゆる生物において同一である。
最終更新:2009年05月22日 18:01
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