シャルガフの経験則

生化学者であったシャルガフは、DNAの塩基組成を分析した結果、アデニンとチミンの含量、および、グアニンとシトシンの含量が等しいことを明らかにした。
これは、「シャルガフの経験則」と呼ばれ、「二重らせん構造」が明らかになっていなかった当時は、極めて不可思議な法則だと見なされていた。
ワトソンとクリックはDNAの構造を考察する際、この経験則をうまく満たすような構造を考えなければならなかったが、その制限は逆に、二重らせん構造の着想に逆にヒントを与えることとなった。

シャルガフの経験則を利用すれば、DNAに含まれるただ一種の塩基の割合がわかれば、残りすべての塩基の割合が明らかになる。
例えば、アデニンを30%含む二重らせんがあったとすれば、その二重らせんにはチミンも30%含まれることになる。
また残りの40%(=100−30×2)をグアニンとシトシンが分け合うので、グアニン=シトシン=20%となる。
しかし後述するように、シャルガフの経験則が成立するのは、DNAの二重らせん構造が必要であるため、二重らせん構造を取ることのないRNAや一本鎖のDNAにシャルガフの経験則を当てはめることはできない。
最終更新:2009年05月25日 15:26
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