【キーンコーンカーンコーン】
学校のチャイムが鳴る。
「ようし、妖精の本は明日も使うからしっかり持ってこいよー」
担任の
松原励磁(まつはられいじ)がそう言うと、生徒は帰りの支度をし、下校を始めた。
私も、友達と一緒に帰ることにした。
「みーづーきー!」
不意に後ろから誰かに背中を叩かれる。
「もぅ…玲奈ー!脅かさないでよ!」
私が少し怒りながら玲奈に言う。
「ゴメン、ゴメン。帰ろう?」
「うん」
そう言って私たちは帰ることにした。
「でもさー、授業退屈だよねー…」
玲奈がそういう。
「うん。そうだね」
私もその意見に賛成する。
「はぁ…アンタはいいじゃん、フェアリーがいるんだからさー…」
そう言うと、私の背中から
セルシーという私のフェアリーが出てくる。
「こんにちはです、玲奈さん」
セルシーがそう言うと、玲奈はセルシーを手に乗せる。
「何時見てもセルシーちゃん可愛いわねー」
「セルシーはうるさい。もっと静かなフェアリーがよかった」
私が文句を言うと、セルシーは飛んで、私の背中に潜り込み、中で氷を出す。
「ひゃう!つ、冷たい!ご、ゴメン、セルシー」
私は体をブルブルと震わせながら謝る。
「これに懲りたら、私を馬鹿にしないことです」
その時、セルシーが何かに気づいたように、横を見る。
「何だ…ただのフェアリストですか…」
「あ゛?」
セルシーがそう言うと、横を通り過ぎようとした男の肩に乗ってるフェアリーがこっちを睨んで来る。
「ね、ねぇ…美月…。あれ、うちの学校の生徒だよね…?」
「う、うん。セ、セルシー…帰ろう?」
「帰らせねーぞ!この、
ボルド様のご機嫌を損ねた罰だ!」
「お、おい。ボルド、止めろ!」
相手の男も必死にフェアリーを止めるが、フェアリーは黄色の玉になり、男の口の中に入ってしまった。
「うぉおおおおおおお!!!」
男は叫び声を上げると、体から電気をバチバチと飛ばす。
「も、もう!セルシー、どうするのー!」
私はセルシーを握って怒った。
「ご、ごめんなさいです…(でも、私何か悪いことしたでしょうか…?)」
セルシーは私に謝ると、水色の玉になって、私の口の中に入った。
【あのフェアリスト、普通じゃないです。フェアリーが暴走して、本体の意思を消滅させてますの】
私の頭にセルシーの声が響く。
「じゃ、じゃあどうすれば…。下手に攻撃は出来ないし…」
【とりあえず、彼の足と手を封じましょう。それで逃げましょう】
「わかった!」
私はそう言うと、直ぐに氷を作り出し、男の足に飛ばした。
「ぐっ!動けないゾ!憐霞ぁー!」
男はそう叫ぶ。
すると、男はそのままその場で倒れこむ。
「うぁあああー!!」
男の口から、フェアリーが出てくる。
「てめー…!また勝手に暴走しやがって…」
男はフェアリーを握って、電信柱に思いっきり投げつけた。
私とセルシーは思わず目を閉じてしまった。
「あの、ゴメン…な」
男が私に近づいて謝ってくる。
「あ、いえ…こちらこそ、セルシーが貴方のフェアリーに不快な思いをさせてしまったようで…」
「いや、違うんだ…アイツ、色々あって荒れててさ…暴走してんだ。だから、君たちは悪くないんだ」
男はそう言うと、投げ飛ばしたフェアリーを連れてくる。
「ほら、謝れ」
「フン。俺は悪くないからな!」
フェアリーはそう言うと、どこかへ飛んでいってしまう。
「悪い。あ、君も羽黒の生徒なんだよね?名前は?」
「え、あ…小野崎…美月です」
私がそう言うと、男は笑顔で私に手を差し出してきた。
「俺は
蒼夢憐霞。その子はセルシーちゃんかな?こっちのはボルドって言うんだ」
「よろしくです」
「ボルドくん…かぁ…」
「しっかりしてるな、セルシーちゃんは。やっぱ、美月ちゃんがしっかりしてるからかな?」
憐霞くんはそう言ってセルシーの頭を撫でる。
「ち、違いますよ!」
私がそう言うと、憐霞くんはボルドくんが飛んでいった方を見て言った。
「じゃあ、俺…アイツ捕まえてくるから…またね」
そう言って憐霞くんは走っていってしまった。
「ちょっとちょっとー!美月!」
また玲奈が後ろから叩いてくる。
「な、何?」
「今の人といい感じだったじゃない!」
そう言って玲奈が茶化してくる。
「もー!玲奈は私の好きな人知ってるくせに…」
「ゴメンゴメン!」
そんなこんなで私たちは家に帰りました。
私が通う学院はフェアリーを育成する学院の中でもかなり有名な所なんです。
そもそもフェアリーが何だかわかってない人が多いですよね?
フェアリーと融合が出来る数値が出ると、フェアリーワールドから適正なフェアリーがその人の所に訪れてきます。
そこで、初めてフェアリストという能力者になることができるんです。
でも、それは中々難しいことなんです。日頃の訓練や知識がないと中々フェアリストにはなれません。
私の通う羽黒学院は大きく分けると3つの授業があります。
1つは、フェアリストの集まりで、フェアリーを育成する授業。
次は、まだフェアリーがいない、融合数値が一定を超えてない生徒が訓練をする授業。(フェアリストも訓練をする)
最後は基礎授業。全員が合同で普通の学校の勉強もするし、妖精についての勉強もします。
次は、私の友達について教えちゃいます!
まだ、フェアリーがいないけど…中学校のころからの親友で私がこうやって居られるのも玲奈のお陰なんです。
とりあえず、今のところはこんな感じかな…?
え?…と、友達が少ない…?ち、違う!他にもたくさん友達はいるから!
―続く―
最終更新:2010年02月06日 17:47