「潤くん、お弁当作ってきたんだけど…一緒に食べない?」
私は潤くんにお弁当を差し出す。
「え?いいのか?」
潤くんは驚きながら、私のお弁当を受け取る。
「うん!一緒に食べよ?」
「あぁ。そうだな」
そう言って、私たちは屋上に向かった。
「潤……くん……」
歩いていった2人を1人寂しく見つめる女の子が居た。
「あら?薦田さんじゃない」
同じクラスの瞳舞秋菜が楓に話をかける。
「ひ、瞳舞さん…」
楓は後退りをする。
「どうしたの?あぁ…そっか、私のサイコメトリーが怖いのね」
そう言うと、秋菜は人差し指で楓の胸を指す。
そして、秋菜は目を閉じる。
「貴女の心に入ります…」
秋菜がそう言うと、楓は悲鳴を上げる。
「いやぁぁあ…」
「そっか…潤くんが…別の女と…いい情報をありがとう」
秋菜はそう言うと、教室を出る。
「ま、待ってください…」
楓は秋菜の腕を掴む。
「何?」
「何処に行くんですか…」
楓がそう言うと、秋菜は楓を馬鹿にしたように笑い、言った。
「決まってるでしょ。潤くんの所よ…」
そう言うと、秋菜は屋上に走って行った。
「ちょっと、楓ぇ!」
服の中からフェアリーが出てきて、楓の頭を叩く。
「い、痛いよ…フラン…」
楓は頭を抑えながら言う。
「痛いじゃないでしょ…あんた、あの女にいつも負けっぱなしでいいの!?一発ガツンとやってやりなさいよ!私の力ならあんなの訳ないんだからさッ!」
フランがそう言うと、楓はフランを掴んで、服の中に閉じ込めた。
「ちょ、ちょっと!楓…私は貴女のパートナーなのよ!?どうして、私と融合をしたがらないの…!?」
「無駄な…争いは…したくない…」
楓はそう言うと、自分の席に座る。
そして、お弁当を開ける。
すると、2人の女が現れ、楓のお弁当をひっくり返した。
「矢澤…さん…高見さん…
「あらー…ごめんなさいね、こ・も・り・さん」
「こ、薦田です…」
「あら?そうだったかしらー」
2人の女は笑いながらそう言うと、ゴミを捨てていく。
「アンタたちー!!」
それに怒ったフランが無理矢理、楓の服の中から出てきて、花を飛ばす。
「ちょ、ちょっと!何よ…アンタ!」
「私は楓のパートナー!フランよッ!」
そう言うと、フランは緑の玉に変わり、楓の口の中に入ろうとする。
しかし、楓はそれを嫌がり、弾く。
「ちょ、ちょっと!楓、何でよ!悔しくないの!?」
「いいの…いいから、フランは大人しくしてて!!」
楓が叫ぶと、2人の女が冷たい視線を楓に向けて言った。
「じ、自分のフェアリーくらいちゃんと仕付けときなさいよ」
「そ、そうよ」
そう言って2人の女は教室を出て行った。
「もうついていけない!楓、アンタおかしいよ!」
「おかしくてもいいよ…」
楓はそう言うと、教室を出る。
「ちょっと…何処に行くの?」
「何処でもいいで―」
楓がそう言いかけた時、楓に憐霞がぶつかり、楓は尻餅をつく。
「ご、ゴメン!えっと…楓…ちゃん、だよね?」
憐霞は必死に謝り、手を差し出す。
「憐霞…くん?」
楓は憐霞の手を掴んで、起き上がる。
「本当にゴメン!」
「別にいいよ…」
「ちょっと、大丈夫ー?」
教室から、フランが飛んできて、楓に近づく。
「ふ、ふ…フラン!」
「ぼ、ボルド…」
「フラン?知ってるの?」
楓が聞くと、フランが頷く。
すると、ボルドは憐霞の肩から飛び、フランに抱きつこうとする。
しかし、フランはボルドを弾く。
「な、何でだよ…フラン!」
「言ったでしょ!アンタみたいにチャラチャラした奴は嫌いだって!」
フランがそう言うと、ボルドは涙を流し、憐霞の服の中に隠れてしまう。
「ね、ねぇ…フラン…言いすぎじゃ…」
「アイツにはこれくらい言わないとダメなのよ」
フランがそう言うと、憐霞はフランに近づく。
「何があったか知らないけど、ボルドが迷惑かけたならゴメン。俺からも謝るから許してあげてくれないか…?」
「え…し、仕方ないわね…変な事しないで、普通にするなら許してあげるわ…」
「ほ、本当か!?」
ボルドが憐霞の服の中から飛び出し、喜ぶ。
「そ、そうだ…楓ちゃん、潤知らない?」
「え?じゅ、じゅ…潤くん?」
楓はかなり動揺する。
「ほら、知ってるでしょ…」
フランが小さい声で楓に言う。
「え、えっと…屋上…かな?」
「ほんと?ありがと!じゃあ、またね」
そう言って憐霞は屋上に向かって走っていく。
「フラン…さっきはゴメン…」
楓は小声で言う。
「…はぁ。別にいいわよ」
「でも、やっぱり私は融合はあまりしたくない…」
楓は申し訳なさそうに言う。
「それも楓の自由だけど…アンタ、優しすぎるのよ…戦いが嫌いなのはわかるけど…それじゃ、一生寂しい想いのままだよ?」
フランがそう言うと、楓は黙って窓から空を見る。
―屋上
「…なんで、潤くんがいないの…」
秋菜が来たときには既に、美月と潤は居なく、そこに憐霞が現れる。
「あれ?おかしいなぁ…」
「貴方は…?」
秋菜が憐霞を見る。
「あ、秋菜ちゃんだよね…?」
秋菜がそう言うと、憐霞は笑顔で言った。
「楓ちゃんに聞いて、ここに潤がいるって…」
「ふーん…そっか…」
秋菜はニヤリと笑い、屋上を出て行く。
「もう教室に帰っちゃったのか」
憐霞も屋上を出て、教室に戻る。
―羽黒学院 3組
「あ、憐霞くん。何処行ってたの?」
玲奈が憐霞に近づき言った。
「え?」
「美月と潤くんも探してたんだよ」
玲奈がそう言うと、美月と潤も近寄ってくる。
「ゴメンゴメン、俺も探してたんだけど…」
その後、4人は午後の授業を終え、一緒に帰った。
―続く―
最終更新:2010年02月06日 17:53