くまたがり【句跨り】

ある単語もしくは言葉を句切れで分けずに続けて詠むこと。
短歌は「5/7/5/7/7」の句切れに合わせて詠むのが基本的なスタイルであるが、句跨りをすることで歌のリズムを変化させることができる。
句切れによって言葉の音が途中で途切れるために、早く次の句へ進み音を解決させたいと読者に思わせることとなり、結果的に疾走感・切迫感・混乱などを表現することが可能になる。

短歌を詠む人の中には句跨りを「多用することは避けたい技法」とする人もある一方、これを多用する歌人もいるなど、個人により様々な捉え方がある。

例1
ねじをゆるめるすれすれにゆるめるとねじはほとんどねじでなくなる(小林久美子)

例1の歌に句切れを入れてみると
ねじをゆるめるすれすれに/ゆるめると/ねじはほとんど/ねじでなくなる
となる。ここでは「ゆるめる」という言葉が1句目と2句目にかけて句跨りしている。

例2
震えてる想い喉踏み切って跳ぶ振り返らずにまっすぐ進め(あさの)

例2を句切れで分けると
震えてる/想い喉踏み/切って跳ぶ/振り返らずに/まっすぐ進め
となるが、2句目から3句目にかけて「踏み切って」という一つの言葉が句を越えて続いている。

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最終更新:2012年11月01日 23:49