マクブライトは夢を見たんや。打席に立っている夢や。
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マクブライトには何が何だが分からんかった。自分の長打が1になっとるんや。ピッチャー渋谷が投げたんで、とりあえずマクブライトは振ったんや。8割ストレートやったからな、久々に芯で捉えるえることが出来たんや。マクブライトは安打を確信したんや。
やけどな、結果はボテボテのショートゴロや。西なんとかさんが何とも無しに送球してアウトや。試合は8-9で負けや。象と蜥蜴なら乱打戦必至やからな。
マクブライトは目を覚ましたんや。
辺りを見回す。菓子の袋やジュースの缶が散乱しとる。いつも通りの自分の部屋や。
夢か、と安心したんや。
やけどな、マクブライトは悟ったんや。あれが未来の自分の姿やとな。最近試合に出てへんし、自主トレも怠っているからな。長打力も落ちるのが当然や。
その日からマクブライトは変わったんや。自分のため、そしてチームのために一日中ミート練習や。目指すはガルシア、いや、ガルシアを超えるんや。
三ヵ月後の、試合当日や。
相手はあの夢と同じ、蜥蜴や。また8-9で負けとった。3回裏、2アウト満塁や。
象印監督は諦めかけとった。代打の樋口、さらに不振の堂本、蔵野が打ってもまだこれや。そこでピッチャー曽根に打順が回ってきてしまったんや。
マクブライトは監督の前に進み出たんや。
マク「監督、私が行きます!」
監督「マックか・・・いや、いいんだ。すまんな。」
マク「私は今までとは違うんです、監督!」
監督「・・・」 監督は口を開かんかった。
そのままバッターボックスに入れと、曽根に指示を出そうとした時や。
「監督!!!」 声が轟いたんや。
等々力やった。彼は見てたんや。マクブライトが毎日早朝からミート練習をしていたのをな。
等々力の口から出たのは、それだけやった。
監督「・・・マック、行って来い。わしにお前のブシューンを見せてくれな。」
監督はマクブライトを信じるしか無かったんや。
深呼吸をして、マクブライトは打席へ向かったんや。ピッチャーもあの夢と同じ、渋谷や。
監督「!?」
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マクブライトは変わっとった。三ヶ月のヒッティング練習でヒッティングは1から10に。大変貌や。ガルシアをはるかに上回ったんや。
しかしな、自慢の長打力は10から1になっとった。三ヶ月間練習してへんかったからな。
ピッチャー渋谷はそれに気付いてへんかった。万が一読み打ちで打たれたらアカンからな、カーブを投げたんや。
8割カーブやったからな、ヒッティング10の選手にはカモや。マクブライトは真芯で捉えたんや。ブシューン。
せやけどな、所詮長打1のブシューンや。西なんとかさんが補球して、笑いを堪えながら送球してアウトや。ゲームセットや。
マクブライトは気付いたんや。ヒッティングという能力は、それだけではアカンのや。
マクブライトは決めたんや。それさえあれば役立つ能力。巧打力や。
その日からマクブライトは変わったんや。自分のため、そしてチームために一日中カット練習や。目指すは西なんとかさんや。
三ヵ月後の、試合当日や。
相手はあの夢と同じ、蜥蜴や。また8-9で負けとった。3回裏、2アウト満塁や。
象印監督は諦めかけとった。代打の樋口、さらに不振の堂本、蔵野が打ってもまだこれや。そこでピッチャー南に打順が回ってきてしまったんや。
マクブライトは監督の前に進み出たんや。
マク「監督、私が行きます!」
監督「マックか・・・いや、いいんだ。すまんな。」
マク「私は今までとは違うんです、監督!」
監督「・・・」 監督は口を開かんかった。
そのままバッターボックスに入れと、南に指示を出そうとした時や。
「監督!!!」 声が轟いたんや。
等々力やった。彼は見てたんや。マクブライトが毎日早朝からカット練習をしていたのをな。
等々力の口から出たのは、それだけやった。
監督「・・・マック、行って来い。わしにお前の実力を見せてくれな。」
監督はマクブライトを信じるしか無かったんや。
深呼吸をして、マクブライトは打席へ向かったんや。ピッチャーもあの夢と同じ、渋谷や。
監督「!?」
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マクブライトは変わっとった。三ヶ月のカット練習で巧打力は1から10に。大変貌や。西なんとかさんに並んだんや。
しかしな、自慢のヒッティングは10から1になっとった。三ヶ月間練習してへんかったからな。
ピッチャー渋谷はそれに気付いてへんかった。まず様子見でカーブを投げたんや。マクブライトはそれをカットしたんや。
2球目も鋭いカーブをカットや。
マクブライトは確信したんや。この調子ではあと数十球持つ。ノーコンの渋谷やからな、その間にフォアボールや。後は一番レノンがなんとかしてくれるはずや。
せやけどな、所詮はヒッティング1や。フォークがゾーン外にストーンと落ちてな、三振や。ミートはずれや。ゲームセットや。
マクブライトは気付いたんや。巧打力も、それだけでは何ともならないのや。
マクブライトは決めたんや。もうこれしか残っていない。足力や。
その日からマクブライトは変わったんや。自分のため、そしてチームのために一日中走りこみや。目指すは倉科、松橋、ササッキーetcや。
マクブライトはある練習法を編み出してな。いきなり長距離を走るのもなんやからな、一日目は1km走るんや。二日目は2km、三日目は4kmといった具合に倍々にしていくんや。それを続けたんや。
三ヵ月後の、試合当日や。
相手はあの夢と同じ、蜥蜴や。8-9で負けとった。3回裏、今度は2アウト一三塁や。
象印監督は諦めかけとった。代打の樋口、さらに不振の堂本、蔵野が連続で打ってもやっとこれや。打席は手嶋、次はピッチャーの羽田や。
代打は出尽くしとった。手嶋が打ったとしてもな、1塁ランナーの蔵野が帰ってこれるはずが無いんや。
マクブライトは監督の前に進み出たんや。
マク「監督、私が代走に行きます!」
監督「マックか・・・いや、いいんだ。すまんな。」
マク「私は今までとは違うんです、監督!」
監督「・・・」 監督は口を開かんかった。
そのまま打開策も見つからず、俯こうとした時や。
「監督!!!」 声が轟いたんや。
等々力やった。彼は見てたんや。マクブライトが毎日早朝から走りこみをしていたのをな。
等々力の口から出たのは、それだけやった。
監督「・・・マック、行って来い。わしにお前の走りを見せてくれな。」
ピッチャーは渋谷やった。渾身のMAXフォークやったけどな、手嶋は外野に運んだんや。
マクブライトは走ったんや。二塁を蹴る。三塁を蹴る。レフト安東の送球が届くのとタッチの差で、ホームに滑り込んだんや。エレファンツのサヨナラ勝利や。 久々の勝利、皆はマクブライトを胴上げしたんや。
やけどな、胴上げの後、マクブライトは皆に礼を言ったんや。
マクブライトは知っていたんや。自分一人ではこの足力は、何の役にも立たんかったのや。
その後マクブライトはな、代走要員として活躍したんや。
ホームランを打てんのは残念やけどな、マクブライトはそれ以上に得たものがあったんや。
最後にマクブライトからな、一つだけ伝えたいことがあるんや。
それはな、野球は、チームでするものなんや。
つまりな、自分のためだけにする野球。それは、野球ではないんや。
後な、試行錯誤すること、失敗を恐れないこと、そして何よりも、仲間に感謝することが大切やで。
おまけ・そのマクブライトが打席に立ったら。
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