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<p>01 夜の校舎で迎え撃て!</p> <p> 東高職員による泊り込みでの夜間警備が始まって3日目。再び不審者が校内に侵入してくるようなことは無く、職員室内には「もういいんじゃねーの?」的な雰囲気が漂い始めていた。</p> <p>「……まったく。私たちの番が回ってくる前に、さっさとカタを付けて欲しかったですの」</p> <p> 焼き鮭を箸でほぐしながら、苛立った声で呟く天。卒業式を前日に控えたこの日、警備の担当になっているのは天たちの班だった。昼休み、視聴覚室に集まって昼食をとっていた他のメンバーからも不満の声が上がる。</p> <p>「ったく、余分に働いても給料には上乗せされねーのによー。あのうさぎ大福、マジで喰ったろーか」</p> <p>弁当(大介の手作り)をつつきながらクロが悪態をつく。それに対し、</p> <p>「そうよ、楽しみにしてた深夜アニメが見れないじゃない」</p> <p>そう言って、わなわなと箸を握り締める養護教員の黒崎寧々子。</p> <p>「録画しとけ、そんなもんは」</p> <p>「甘いわね。リアルタイムで見ながら録る!これが基本よ」</p> <p>「そうそう。しかも、こういう時に限って野球の延長とかで時間がずれて、うまく録れなかったりするんですよね」</p> <p>「ふっ、話が分かるじゃないの。いい子ね、少年」</p> <p>「子供扱いしないで下さい」</p> <p>頭をなでなでしようとする黒崎の手を払いのけ、嫌そうな顔をする古典担当の奈瀬七星。それを眺めていたクロは、ふと思い出したように口を開く。</p> <p>「そういや、警備の式神、増やしたらしいな?」</p> <p>「はい、校長の指示で。今までは学校の上空に1匹だけだったんですけど、それに追加して、地上にも2匹配置してます」</p> <p>「ねえねえ、その式神って、もしかして紅蓮とか青龍とか六合とかですのっ?」</p> <p>何かの影響を受けているらしい天が瞳を輝かせ尋ねるが、</p> <p>「いえ、ポチとシロとジョゼです」 「随分と可愛らしい名前ですの……」</p> <p>期待を裏切られ、がっくりと肩を落とす。</p> <p>「それはともかく、同時に3体使ってて大丈夫なのか?」</p> <p>クロが訊くと、七星は疲れたように溜息をつく。</p> <p>「それが、結構大変なんですよ、式神を維持するのって。しかも、いつ侵入者が襲撃してくるか分かんないからって、昼間も召喚しっぱなしだし」</p> <p>そう答える七星の顔は、少しやつれているようだった。安い給料で過酷な労働を強いられている少年に、同情の視線が集まる。と、その時だった。</p> <p>「それなら、俺たちを頼ってくれればいいのに」</p> <p>そう言いつつ机の下から現れたのは、魔法課2年の狐住</p>
<p>01 夜の校舎で迎え撃て!</p> <p> 東高職員による泊り込みでの夜間警備が始まって3日目。再び不審者が校内に侵入してくるようなことは無く、職員室内には「もういいんじゃねーの?」的な雰囲気が漂い始めていた。</p> <p>「……まったく。私たちの番が回ってくる前に、さっさとカタを付けて欲しかったですの」</p> <p> 焼き鮭を箸でほぐしながら、苛立った声で呟く天。卒業式を前日に控えたこの日、警備の担当になっているのは天たちの班だった。昼休み、視聴覚室に集まって昼食をとっていた他のメンバーからも不満の声が上がる。</p> <p>「ったく、余分に働いても給料には上乗せされねーのによー。あのうさぎ大福、マジで喰ったろーか」</p> <p>弁当(大介の手作り)をつつきながらクロが悪態をつく。それに対し、</p> <p>「そうよ、楽しみにしてた深夜アニメが見れないじゃない」</p> <p>そう言って、わなわなと箸を握り締める養護教員の黒崎寧々子。</p> <p>「録画しとけ、そんなもんは」</p> <p>「甘いわね。リアルタイムで見ながら録る!これが基本よ」</p> <p>「そうそう。しかも、こういう時に限って野球の延長とかで時間がずれて、うまく録れなかったりするんですよね」</p> <p>「ふっ、話が分かるじゃないの。いい子ね、少年」</p> <p>「子供扱いしないで下さい」</p> <p>頭をなでなでしようとする黒崎の手を払いのけ、嫌そうな顔をする古典担当の奈瀬七星。それを眺めていたクロは、ふと思い出したように口を開く。</p> <p>「そういや、警備の式神、増やしたらしいな?」</p> <p>「はい、校長の指示で。今までは学校の上空に1匹だけだったんですけど、それに追加して、地上にも2匹配置してます」</p> <p>「ねえねえ、その式神って、もしかして紅蓮とか青龍とか六合とかですのっ?」</p> <p>何かの影響を受けているらしい天が瞳を輝かせ尋ねるが、</p> <p>「いえ、ポチとシロとジョゼです」 「随分と可愛らしい名前ですの……」</p> <p>期待を裏切られ、がっくりと肩を落とす。</p> <p>「それはともかく、同時に3体使ってて大丈夫なのか?」</p> <p>クロが訊くと、七星は疲れたように溜息をつく。</p> <p>「それが、結構大変なんですよ、式神を維持するのって。しかも、いつ侵入者が襲撃してくるか分かんないからって、昼間も召喚しっぱなしだし」</p> <p>そう答える七星の顔は、少しやつれているようだった。安い給料で過酷な労働を強いられている少年に、同情の視線が集まる。と、その時だった。</p> <p>「それなら、俺たちを頼ってくれればいいのに」</p> <p>そう言いつつ机の下から現れたのは、魔法課2年の狐住怜</p>

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